日本史探検隊

日本史について思いつきの探検を繰り返しています。 |日本史探検隊| 姫隊長・史乃/古参隊員・歴三

皇帝

探検結果のご報告もお楽しみに! 研修隊員

探検486 それは盗まれたことにしよう

~日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。
 恙無しや、云々~
これが我が国朝廷を代表として聖徳太子が隋の煬帝に宛てた
国書の内容だ。

かなりのツッパリを感じさせるこのタメ口の物言いに
当の煬帝が激怒したことは言うまでもないが、そこはそれ
国家間の礼儀ということもあって、それに対する返書を渡す
ことになる。

その返書を受け取った使いの小野妹子の仕事は、当然ながら
無事にそれを聖徳太子まで届けることだ。
ところがダ・・・・

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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) ところが、妹子はその大事な返書を道中で盗難されちゃった、
   と言うんでしょ。
   何かしら挙動不審な経緯よねぇ。


歴) しかも、その返書盗難という超ポカがアッケラカンと
   記録に残されているのだからなぁ。

史) 素直に受け止めれば、朝廷側としては煬帝の返書の
   内容を見なかったことにしたかった、ということよねぇ。
   それには多分、こんなことが記してあったように思うの
   だけど。
   ~無礼者ッ! ワシは烈火のごとく怒っておるゾ!~


歴) それは当然妹子にも、また太子にも予想できたこと
   だろうよ。
   そこで、煬帝の烈火ぶりを見なかったことにするために、
   「返書盗難事件」をデッチ上げたと思われる。

史) つまり、聖徳太子と小野妹子がグルになっての
   「狂言盗難事件」ってことになりそうね。

    syoutoku_taishi_51 中央)聖徳太子?

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その可能性が高い気がするゾ。 だって考えてもみよ。 
外交文書を奪われた妹子がクビにもならず懲戒もなかったと
いうことは、当然上司である太子の判断だあってのことだわさ。
それ以外に考えようがないゾ。

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史) でも、~ウチは「日出處」だけど、アナタのとこは「日沒處」ね~
   なんて言い方に、世界の中心(中華)であることを自負する
   皇帝・煬帝がむかっ腹を立てたことは分からないでもないわ。

   だって、煬帝の自尊心を思いっきし傷付けている言葉だものねぇ。   


歴) ところが煬帝の立腹はそこではなかったという意見もあるのだ。 
   では、どこだ?

   未開の「野蛮人」つまりヤマト民族が、中国皇帝の許可なしで
   勝手に「天子」と名乗った点だそうである。


史) 減るもんじゃないし、「天子」の名称を使うくらいのことは
   気持ちよく見逃してやってもいいんじゃないのさ。   

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姫隊員は「中華思想」というものを未だによく分かっておられん
ようだな。
そういうことを絶対に認めない、見逃さないことが中華思想であって
少しは大目に見てやるなんてことは、もうそれだけで非中華の、
つまり蛮族の行動となってしまうってことだ。


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 姫隊長・史乃古参隊員・歴三研修隊員・記録係
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探検468 グル狂言?国書紛失事件

聖徳太子(574-622年)が、隋の煬帝に宛てて書いた国書の
中身は割合有名です。
~日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。
 恙無しや、(云々)~

後進国・日本が超大国・中国向けた国書にしては、かなりの
ツッパリ感を込めた物言いですから、受け取った側が大いに
ムッとしたであろうことが想像されます。

しかし国際的な儀礼からしても、これに対する返書は必要です。
つまり、煬帝も返書をしたためたということです。
ところが、その返書を携えた使いの小野妹子(生没年不明)は
帰国の途中に、こともあろうにそれを「紛失してしまった」・・・と
いうことになっているのです。


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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) 外交文書を紛失だなんて、そんな大失態を演じたということなら、
    使いの小野妹子だってお咎め無しでは済まないでしょう。
    処刑はともかく、流罪あるいは牢屋へぶち込まれるとか、
    はたまた最低でも左遷されるくらいのことはあったでしょうに。

歴) ところがギッチョン。
    実際には、推古天皇(女帝/聖徳太子の叔母)によって
    恩赦されて、実刑は免れている。

史) こんなおマヌケを披露しながら「無罪放免」だなんて、
    イミが分かんない。 でも、なんでそうなるの?
    
歴) 国家としての威信を傷つけたわけだから、普通には考え
    にくいことだ。
    だとしたら「普通ではない考え方」に基づいた処置だった
    と推理せざるを得ないゾ。

史) なによ、その「普通ではない考え方」って?
    それもイミが分かんない。

         ono_imoko_01 遣隋使・小野妹子

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倭国のメッチャ無礼な国書に接した隋・煬帝が、これまたメッチャ
頭に血を上らせて書いたであろう「返書」だ。
だとすれば、その内容は倭国の態度を厳しく糾弾したものになって
いたと考えるのが自然だ。
そうした内容が、もしそのまま天皇に伝えれたとしたなら、今度は
天皇がその糾弾に対して何らかの態度を打ち出さなくてはならなくなる。
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史) ははん、初めにやたら突っ張ってしまった以上、相手から叱責
    されたからといって、いまさら下手に出て「ごめんなさい」とも
    言いにくいってことね。

歴) そう、その返書を見なかったことにすれば、天皇は隋・煬帝の
    叱責に対して「ほおかむり」を通せるわけだ。
    つまり、小野妹子が「返書紛失」することで天皇を庇ったと
    いうことにもなる。

史) そうすると、小野妹子のその意図が理解できたから、朝廷側も
   「返書紛失」というとてつもない大ポカを敢えて見逃したってこと?
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そうかもしれないし、ひょっとしたら、小野妹子は返書をちゃんと
聖徳太子の手元まで持ち帰ったのかもしれない。
その返書で、煬帝の激怒ぶりを思い知った聖徳太子がこんな態度に
出たとも考えられなくはないぞ。

聖徳太子~なぁ妹子クンよ、この返書の内容は、とてもじゃないが
        天皇にお伝えできるものではない。
        そこで相談だが妹子クンよ、この返書は君が帰国の
        途中で紛失したことにしてくれまいか?~


小野妹子~仕方ありまへんなぁ、お引き受けしましょう。
        その代わりといってはなんですけど、ワタシの将来に
        ついては、存分のお計らいをお願いしますね。~



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探検450 読み方が立ち位置を示す?

後継天皇の即位によって退位された前天皇・皇后は、
現在「上皇/上皇后」と呼ばれています。
そこで、そうした「皇」の字を使った関連名称を少しばかり
集めてみると、ザっとこんな感じになります。
天皇/皇后/皇太子/上皇/法皇/新皇/皇帝

では、さて、上の言葉の“皇“の部分をなんと読む?
現代仮名遣いで表すなら、順にこうなります。
てんのう/こうごう/こうたいし/じょうこう/ほうおう/
しんのう/こうてい


同じ“皇”の字でありながら、なぜか、それぞれに違った
“音”を当てており、その読み方は統一されていません。

そこで、「はて、なんでやねん?」 となるのは必至です。

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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) 「なんでやねん?」が必死とは思えないけどなあ。
    だって、これらの“音”については、高名な学者さん(プロ)に
    よる独自の「学説」も多数あるって聞いたことがあるものね。

歴) それはそれで一向に構わないが、素人なりの解釈も面白
    かろうと思って、今回話題に出したのだ。

史) 直感で物言えば、この中では「こう/おう」という発音よりも
    「のう」が一番格上に感じるワ。
    だって、「天皇(のう)」は現役だけ、「上皇(こう)」
    御隠居さんで現役ではないものネ。

歴) ところが、「法皇(おう)」ってのもあるゾ。
   それに、現役・御隠居で区別しているというなら、
    「皇(こう)帝」は、間違いなしに現役を指した名称だと捉える
    べきだと思えるが・・・これは如何?

史) それはいいのよ、「皇帝」は外国のお話なんだから。
    問題は、やはり日本国の文化と捉えるべきで、同じ漢字を
    使っているからと言って、そこへ外国(中国)文化まで
    混ぜこぜにしちゃうのは御法度だと思うけど。

        goshirakawa_houou_01 後白河法皇

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なるほど、姫の意見も一理無くはないなあ。
だったら日本独自の文化として捉えてみるが、なにせ「言霊信仰」
民族だ、やはりこの手の使い分けには、それなりの理由があるのだろう。
意味もないのに、わざわざ言葉の使い分けをしたとは、ちょっとばかり
考えにくいゾ。
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史) じゃあ、外国の礼である「(中国)皇帝」はバッサリ除外することに
    して、日本における「のう/こう/おう」の使い分けを探れば
    いいってことね。
    ひょっとして「偉い順」で「のう/こう/おう」になっているんじゃ
    ないかしら? モロ、直感だけど。

歴) なぁるほど、さっきの現役・御隠居の区別という感覚だな。

史) そこへ、もう一つの「おう」を加えれば、これまた直感だけど、
    要するに「どこに身を置いているか」で使い分けたとも考えられる
    のじゃないかしら。
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ほほう、それは「天皇(のう)」は現実社会での権威者を表す発音とし、
「皇后/皇太子/上皇」などの、いわゆる天皇に付随した名誉身分を
「こう」としたという解釈だな。

そういうことなら、平将門(生年不肖-940年)が自ら称した「新皇」も、
現実社会での権威者を表したいわけだから「しんのう」と発音すべき
ということになるなぁ。

それに、「法皇(おう)」の発音・読み方となると、現実社会でも隠居社会
でもなく、それらとは一線を画した「仏の世界」に身を置いていることを
強調したものかもしれないなぁ。


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308 放言は島国の特権?

後先を考えることなく、言いたいことをズバズバ言っちゃう・・・
いわゆる「放言」ですが、昔の日本はこの性癖を持っていた
ようにも見えます。
当時の超大国「隋」(中国)の皇帝・煬帝に充てて送ったと
される国書にある差出人・聖徳太子(574-622年)の言葉が
その典型的なものかもしれません。
~日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙なきや~
この文言は、~ひとことご挨拶を申し上げます~という口調
ではなく、むしろ~やあ、元気してますかぁ~くらいの感じに
なっており、世界の中心・中華(中国)に対して、アジアの諸国が
このような言い方をすることはおよそ考えられないことでした。
ですから、ある意味「放言」と言えば言えそうです。
ただ、そうした「放言」はこれっきりというわけでもありません
でした。
 

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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) 要するに、煬帝からすれば、こんな受け止め方になったという
   ことね。
   ~(国でもない)周辺地域の野蛮人(東夷)の族長と名乗る者の
    挨拶にしては、傲岸不遜の極みである。 僕は腹が立つゾ~

   これは朝鮮半島の国々には、ちょっと真似できないことね。
   だって、地理的に地続きだから、無礼があれば、即に
   懲らしめられてしまう心配もあるものね。


歴)
 その点、大陸(中国)と列島(日本)の間に大きな海(日本海)が
   あったことで、こうした表現ができたということになりそうだ。
   半島(朝鮮)のように地続きだったら、さすがに躊躇したことだろう。


史) これが「島国の特権」ということだったら、もっと他にもやって
   いそうな気がしないでもないなぁ。

歴)
 もちろん、ある! 
   中華(中国)からしたら、実は極めつけの無礼を働いておるゾ。

史)
 またまた「放言」ってこと?
   もしそうなら、列島(日本)民族は鈍感過ぎるというべきか、
   はたまた結構度胸が据わっていたというべきは、いずれにせよ、
   言いたいことを胸の内に秘めてしまうことで、ストレスを溜める
   ことはなかったのかもしれないね。
 
 youdai_zui_51 「隋」皇帝/煬帝


          

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中華(中国)に対するさらなる無礼とは?
それは、世界の中心・中華(中国)を納める至高の存在「皇帝」に
対抗するがごときに、僻地に住む東夷(野蛮人)の族長が、
こともあろうに「天皇」という称号を名乗ったことです。
中華(中国)にしてみれば、「皇」の字はまことに神聖なものであって、
それを使うことが許される自国だけとしていたのにも拘わらず、
ちゃっかり無断使用されたのですから、怒り心頭は当然です。
~その特許権は自分が得たにも関わらず、全くの他人(しかも
  野蛮人)がそれを勝手に使って悦に入っておるッ! 許せん!~

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史)
 そうか、「皇」の字を使用することは、中華(中国)に対する
   「特許権侵害」ということかぁ。 そう考えれば皇帝(中国)側が
   腹を立てたことも理解できようというものネ。
   

歴) 中華(中国)からすれば、これも文明を知らない東夷(日本)の
   無知蒙昧な「放言」ということになりそうだが
、その心中は
   不快感の塊りだったろうな。
   だからと言って、「征伐」まで実行することは現実的に不可能だ。
   なにせ、それを実行しようとしたなら、大量の兵士を「日本海」の
   向こう側まで送り出さなければならない。
   頭に来るけど、現実的には武力に訴えることもできなかった
   わけだ。
   
史) 完全なるパクリで「特許権」を侵害された上に、それを咎める
   手立てもないってことよねぇ。
   これって、現代の日本と中国と関係に目をやれば、真逆の
   構図になってるじゃん。
   そう考えれば、「征伐」を断念させた「日本海」の存在って、
   メッチャ大きな意味があったのね。
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仮に大陸(中国)と地続きだったとしたら、現代日本も半島(朝鮮)に
似た状況になっていたかもしれんゾ。
たとえば「姓」がそうだ。
かつての半島(朝鮮)は独自の「姓」を持っていたのだが、いつの間に
やら、中華(中国)と同様の一文字の「姓」になっている。
その点、列島(日本)は、そこまで同化することはなかったのだが、
これも考えてみれば、その間に「日本海」があったせいかもしれん。
まあ「放言癖」?せよ、「姓」の型にせよ、いずれの場合も、その間に
「日本海」が存在していたことで、中華(中国)の影響を割合自在に
コントロールできたということなのかもしれん。




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 姫隊長・史乃古参隊員・歴三研修隊員・記録係
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探検203 道鏡悪僧説には裏が?

奈良時代に生きた僧「道鏡」(700-772年)といえば、皇位を狙った
大悪人として、また性の猛者としても、かなり有名な人物です。
しかし、こうした通説通りの人物だったかといえば、これはかなり
怪しいところで、むしろ「立派な僧」だったようにも思えるのです。

なぜなら、その「相棒」と見られている「称徳女帝」(718-770年)で、
「天武系天皇」は終焉し、それ以後は「天智系天皇」がその地位を
占め続けたからです。

つまり、約百年ぶりに皇位に返り咲いた「天智系」は、こう言いたかった?
~天武系の称徳女帝は、淫らで徳のない天皇だった。
  生臭坊主「道鏡」を取り立て、いい加減な政治を続けていたから、
  こうして途絶えることになったのだゾ~

要するに、権力を握った「天智系」の自らの立場の正当化を計ろうと
するなら、称徳女帝はもちろんのこと、僧「道鏡」もどうしても
生臭坊主の悪人でなければならなかったわけです。
 

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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) そうか。 「天智系」側としては、称徳女帝は生涯独身で子供も
   いなかったわけだから、その女帝と僧・道鏡が亡くなってしまえば、
   あとは「悪口」の言いたい放題という環境にあったわけなんだ。
   いわゆる「死人に口なし」って、ところね。


歴)
 称徳女帝と僧・道鏡の二人が悪人であればあるほど、その後の
   「天智系」は「正義の味方」になれるのだから、当然のことだが、
   そうしたプロガバンダは相当に熱心に行っただろうな。


史) 結果として大成功を収めたわけね。
   だって21世紀の現代ですら、称徳女帝と僧・道鏡の二人は
   「淫らな悪人」というのが通説になっているんだから。

歴)
 それだけ力を入れて「悪人仕立て」にしなければならなかったと
   したら、逆に言うなら、実際には、称徳女帝も僧・道鏡も大層
   立派な人物だったということかもれれんゾ。
   

史)
 なるほど、そりゃそうだ。
   単にセコくて「淫らな悪人」だったのなら、放っておくだけで
   こと足りるのだから、こうまで力む必要もないものね。
   


doukyou_01
下野の国に流罪となった道鏡(護王神社の御祭神絵巻から)
「道鏡を知る会」

       
             

               

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問題を突き詰めていくと、称徳女帝が目指したものは、
万世一系の「天皇」ではなくて、徳のある人物、つまり僧・道鏡が
「皇帝」になるべきだ、と考えたのかもしれません。
何しろ、女帝にはその地位を継がせるべき子供もいなかったのです
から、このことはあり得ないことではありません。
ところが、万世一系の「天皇」を是とする人間にとっては、
この考え方は「常軌を逸した」トンデモなものに映ったことでしょう。
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史) ~称徳女帝は「暴走」している~と受け止めたでしょうね。
   何しろ、国家の根幹である「天皇」そのものを否定するが如き
   行動ですものね。

歴)
 「万世一系の天皇」、この原則を守っていこうとするなら、
   二度と再びこのような人物を出してはならないし、そのためには
   この二人をとことん「悪者」にしておく必要があったということに
   なりそうだ。

史) そう考えるなら、称徳女帝も僧・道鏡も「政治的敗者」という
   ことになるわけ?
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もっとも、「政治的敗者」になったがために「悪名・汚名」を着せられて
いる人物は、この称徳女帝と僧・道鏡だけに限らず、歴史の中には
案外多く存在しているのかもしれません。

あまりにもうまくカモフラージュされたために、今もってそのベールを
はがせない。
つまり、歴史というものは、短銃に「正義VS悪人」という構図だけで
判断できるほど、軽いものではないということになりそうです。




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