中越沖地震による深刻な地盤災害で被災した、柏崎市内のある住宅の修復・再生のお引き渡しがおわった。冬の最も寒い時期の工事で、ご近所ではいちばん遅い１２月中旬からとりかかることになった応急修理、そして続いた修復と、ご夫妻にはずいぶん気をもんでお待ちいただいていて申し訳ないと思っていた。それなのに「一番早くきちんと直していただいた」「直した家がこんなに暖かく、明るく生まれ変わるなんて」とお喜びのお言葉をいただいた。
築４０年以上、無鉄筋基礎が地震で自由に動き、歪んでしまった家。思い入れと愛着のある家の修復も、長い先々のいろいろな心配をすれば、かける費用には限りがある。地盤や基礎の理想的な修復工法と現実的な選択は、まさにコストとの戦い。地盤調査から始まり、慎重な調査検討と耐震補強計画、そして現場チェックの繰り返しであった。
しかもただ「もとに戻す」だけでは、満足は得られない。そんななかで、メリハリを持って、選択と集中を心がけたのが、「耐震」と、「バリアフリー」、そして省エネ断熱や明るさなどの「長期快適性」。奥様は「以前はこの薪ストーブとファンヒーターを何台も使っていたのに、今度は薪ストーブ一台だけでこんなに快適」とも驚かれていた。
辛い被災経験を持ち、何よりも中越沖地震、柏崎の被災者の期待に答えてくれた、こころある工務店の社長、そして職人さんの苦労が報われた瞬間。「辛い復興の道を、少しでも楽しみにかえることができたなら・・・」そんな思いで被災者と向き合ってきた中で、迎えることができた浅春のおだやかな日になった。
しかも、以前よりも快適な住み心地になって…。
記事を読んでいて、こちらまで嬉しい気持ちになりました（笑）。
長谷川さん、そして関係者の方々にとっては、神経をすり減らすようなご苦労の連続だったことでしょう。
本当にお疲れ様でした。
これからも応援しています。