余震が続く熊本の地震災害では、現地の状況も刻一刻と変化しているようで、ご被災なされた方はもちろんおこと、お知り合い、お身内が九州地方におられるという方のご心情をお察ししお見舞い申し上げます。 また今朝になって地震の強震動域も微妙に変わっているようで、本震を上回るマグニチュード7.3を上回る地震動がさきほど阿蘇周辺で観測されました。 余震の回数も二次災害のレベルも新潟県中越地震を上回る規模で起こっているように思い、避難生活の長期化への対応を含め、様々な手立てが求められます。

 さて避難生活の諸々の不具合も週末絡みで心配事の相談連絡も取りづらいなど、さまざまな不安や困難がおありのことと思いますが、今日は災害を記録するという話です。

 災害後の建物や道路・橋梁などの施設、山の斜面法面、川の堤防など、状況は刻一刻と変化しています。 余震などがあれば尚更のことで、それを写真に記録し収めるのです。 事態は悪化しているのか、平静を保っているのか? 大きな余震によって、建物の傾きが増すこともあれば、逆に傾きが戻るということもあります(中越地震では震災4日目でこれが多発した)。 それらが時系列で写真を撮り続けていると変化の様子がわかってくるのです。 そして撮影を同じ場所で同じ角度から行う「定点観測」という手法をとれば、あとあとの判断にも役に立つことがあるでしょう。

 今多くの被災された方にとって何よりも大切なことは、修繕すれば安全に住み続けることが出来る建物なのかどうなのか?ということでしょう。 記録メモでも、写真でも後々の判断の手がかりにもなりますし、今後行政によって進められることになる罹災証明やまた保険会社への求償手続きなど「証拠となる写真」が手がかりになることもあるのです(最下段の写真は建築関係者でお客様のご不安にこたえるために設置した変位測定装置です)。  
 
 さらにもう一つ。 過去の被災地には、東日本大震災でもあったように、悲しいことに盗難などの事件も続発しました。 散乱した家財が動いていないか? 人が入った形跡がないか?など、「写真」はあらゆる意味であとあとの判断材料になるのです。 できれば写真は全体と、詳細を、建物ならば安全第一でできれば4面4方向から撮影しましょう。

以下に関連する過去の記事をアップしておきますので、ご一読お役立ていただければと思います。

地震被災建物 いたずらに恐れるよりも、まず冷静に定点観測 (2014年12月09日08:43 )
http://blog.livedoor.jp/niigata_sumai/archives/52192317.html

S柱傾斜定点観測インストラクション01
S定点観測(床面)DSC00406


くれぐれも安全第一、単独で行動せずに、見守りと作業を複数人で行うこと。 余震によるあらゆる二次災害に留意しながらというのが前提です。
【応急修理制度絡みの追加情報】

定点観測・記録せよというのは、被災した現場の写真を撮っておいてということです。 さきほど、すでに熊本市内で被災した家屋の修理をし始めている方のお話を聞きました。 その際にも被害状況の写真、工事着手前の写真がないと、あとあとの公的支援制度での遡及(さかのぼり)適用となった場合もその要件を満たすことができなくなってしまいます。

 余震の続いている今はまだ、雨仕舞いと応急対策、そして記録写真に記録すること(定点観測含む)程度にとどめるべきでしょう。 国の激甚災害指定になれば、応急修理制度、被災者生活再建支援法絡みの補助制度も動き出すはずです(罹災調査・罹災証明の発行も国の激甚災害指定を待って行われます=所轄部署:市区町村納税課)。 ※半壊以上の応急修理で56万7千円、生活再建支援法で最大400万円、 まずは早期の国による激甚災害指定を望みます。

なお応急修理制度は、被害状況や工程の記録提出が求められるほか、制度適用の工事範囲も決まっていますので、ご注意ください。 また全壊家屋の取り扱い、応急修理の期限についての言及がありますが、弾力的な運用が常態化しております。 いずれにしても制度適用となった場合に備えましょう。

【ご参考】新潟県における応急修理制度について(過去事例)
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/12/485/oukyuusyuuriiii.pdf

【2016年4月19日11:00追記】