このたびの広域にわたる西日本の水害・土石流災害に被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。
行方不明者の捜索も続いている現況に胸が痛むばかりですが、泥出し、片付けなどが徐々に進み始める中で、「当地には土壁住宅が多くある。土壁の補修はどうすればよいのか教えてほしい」というご相談をお受けしました。
そこで早速ですが、岡山、広島、島根、鳥取、愛媛、高知など、土壁の住宅建物の多い地域、被災者の皆様に、被災建物の修復の一コマ、土壁の修復にポイントを絞って、被災後の対策にかかる情報をここで共有させていただきます。 この時期この段階、「うちはこんな程度ではない!」「泥水に浸かった家にきれいごとは不要!」とお叱りを受けるのを覚悟の上での、投稿であることをどうかお許しください。

被災した土蔵・土壁の家再生可能性small
下地の補修から土壁の修復まで、四コマレクチャsmall


すでにご存じの方も多いことですが、同時多発広域にわたる被災と職人不足は、熊本地震被災地においても依然として深刻です。 その現状は2年を超えても依然として続いており、長期的な視点での粘り強い取り組みが望まれるところです。
つまり一気呵成に進めようとするのではなく、救命救急〜応急対応〜暫定対応(修復に向けた調査・修復計画)〜本格復興へと、段階的な復興タイムラインを意識すること。 とくに災害発生の初動においてこのような長期戦になることを意識しつつ、災害発生時の初動、とくにものの道理にも通じた冷静な専門家としての助言や過去の教訓が功を奏すると思います。 復興初動の軸足を誤っては、逆に成るものも成らなくなってしまうのです。

歴史を受け継いできた伝統的な建物は、構造がシンプル。 真壁構造であれば軸組の健全性は容易に目視できます。 またグラスウールなどの断熱材が入っていなければ、比較的乾燥も容易と言えます。 床板もタタミ下地板を外せば、フローリングのはられた現代的な住宅よりも、泥の入った床下の掃除も比較的容易に行うことができます。 古さを理由に壊すにはしのびない、伝統的な構法の家には修復する上では多くのメリットがあることも忘れてはなりません。

木造軸組み構造の再生small