prussian blue



「プルシアン ブルー」は
女の子同士の恋愛「百合」を愛する、または関心のあるすべての方へ!
「明るく、楽しく、ハッピーに!」をコンセプトに、
美少女ヒロインたちと聞き手の百合でラブラブな恋愛模様を描いた
成人向け音声作品を発表している音声サークルです。

現在3作品がDLsite様にてダウンロード販売中です。


【登録用a】すばるジャケットイラスト

■すばるのほし ~子犬系JK妹キャラにたっぷり愛されちゃう百合音声~

幼なじみの子犬系妹キャラ「綾瀬 すばる(あやせ すばる)」と
はじめてのラブラブな一夜を過ごす百合音声作品です。

◆年下、妹系のキャラクターがお好きな方
◆元気な明るい女の子と、楽しい日常を過ごしたい方
◆ライトにえっちな作品を楽しみたい方
◆百合音声初心者の方

にお勧めです。

【スタッフ】
キャラクターボイス&音声編集:御崎 ひより
イラスト:めぐり 逢音
シナリオ:新條 にいな
キャラクターデザイン原案&その他デザイン補助:宮坂 つぐみ



【登録用a】カレンジャケットイラスト

■ひみつのかれん ~外国人お姉さんキャラにたっぷり愛されちゃう百合音声~


海辺の全寮制女学院とその図書館を舞台に、
謎めいた外国人留学生「カレン・ラングフォード(Karen Langford)」の隠された想いとその秘密を知る
ファンタジー百合音声作品です。

◆金髪巨乳な外国人お姉さんキャラクターがお好きな方
◆女子校、女子寮、図書館のシチュエーションがお好きな方
◆ファンタジックな世界観でラブロマンスを楽しみたい方
◆やっぱり女性は謎めいてなくちゃ! とお思いの方

にお勧めです。

【スタッフ】
キャラクターボイス:山本 桔梗
イラスト:めぐり 逢音
シナリオ:新條 にいな
音声編集:御崎 ひより
キャラクターデザイン原案&その他デザイン補助:宮坂 つぐみ



【登録用】みちるジャケイラスト

■みちるのひかり ~まじめ一途系後輩キャラにたっぷり愛されちゃう百合音声~

北国の古民家カフェの女性店主となり、
学生アルバイト「羽鳥 みちる(はとり みちる)」と
2年間かけて、ゆっくりと絆を深めていく百合音声作品です。

◆敬語で話す後輩キャラクターにめちゃめちゃ慕われたい方
◆ストーリーもえっちパートも濃厚に楽しみたい方
◆ヒロインだけじゃなく、親友キャラクターとも仲良く過ごしたい方
デフォルト主人公の設定を用いて、百合音声を第3者視点で楽しみたい方

にお勧めです。

【スタッフ】
キャラクターボイス:栗原 千夜(羽鳥 みちる 役)
キャラクターボイス:紅葉 美兎(早坂 ゆずこ 役)※全年齢パート「前日譚ボイス」1,3,7,9のみの出演です
イラスト:白峰 雪人
シナリオ:新條 にいな
音声編集:Paleco
キャラクターデザイン原案&その他デザイン補助:宮坂 つぐみ


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内容はすべてソフトなプレイのみの純愛もので、
ハッピーエンドです。

キャラクターに力を入れて制作しており、
本編音声のほか、特典コンテンツとして
本編を拡張するおまけミニボイス集、 
キャラクター設定資料などをご用意しています。
 
聞き手は女性と設定していますが、
性別・性的嗜好を問わずどのような方にも楽しんでいただけるように、
第3者として聞きたい方向け用の
主人公のキャラクターメイク例もご用意しています。

すでに百合ファンの方、
百合に関心があるけどまだジャンルについてよく知らない……
という方にとって手に取りやすく、
安心してキャラクターと過ごすことのできる
作品作りを目指しています。

どうぞよろしくお願いいたします!

珍しく詩乃が体調を崩したので、2時間目の休み時間はひっそりと音も立てずに、静かに静かに保健室まで会いに行った。
9月の晴れた日は、教室に入る空気も涼しくて心地いい。
顔には柔らかな日差しがかかり、その明るさに思わず目を細める。

ーー話せなくていいんだけど、寝ているかどうかだけでも確かめたいな。

そう思っていると、カーテンに囲われたベッドの中から、ひらひらと何かが揺れているのが見える。
こちらに気づいた詩乃が、手を振っているらしい。

「起きてたんだ。具合、よくなった?」
「うん。寝てたらだいぶ良くなったよー」

詩乃はなんでもなさそうにするけれど、実際はあまり元気ではないのだろう。
いつもより動作がゆっくりしているし、声も出しにくいのだろう。
重たげに小さく返事をした詩乃は、それでも布団をめくり、わたしに一緒に布団に入ることを促す。

「おいで」
「えっ……」

保健室に先生はおらず、それどころか、私たちの他には誰もいなかった。
こんなことをしてていいのかなと思うけど、迷惑をかける相手すらいないなら、少しならいいか。
自分たちしかいないとわかっていて、にもかかわらず、私はやはり音を立てずにベッドの中へそっと入り込む。
女子生徒が二人、仲良く保健室のベッドに入っている。
それだけのことなのに、なぜだかとても悪いことをしているような気がする。
それはおそらく、私が詩乃のことを大好きだからだろう。

「あぁ、あったかい……。一緒に寝ると、きもちいいねぇ」
「……うん。でもさぁ、本当、無理してない?  今日は早退したほうがいいんじゃ?」
「大丈夫だよー」

私の大好きな詩乃は背が高く、髪が長く、性格はおっとり、のんびりとしていて、そしてとても我慢強い人だ。
だから詩乃の『大丈夫』はあてにならない。
現に、詩乃の我慢強さの象徴は、今ここからも見える。
ボタンを2つあけたワイシャツからのぞく痛々しい跡。詩乃の首の周りには、今赤い、細い糸のような跡が印となって残っているのだ。

「大丈夫だよー。今こうしてるだけでね、どんどん元気になってくもん」

そんなものが詩乃の体についてしまった理由。
それは単純だ。
詩乃は、金属アレルギーだったのだ。
にもかかわらず、昨日私がプレゼントしたネックレスを一日中かけ続けて、金属の触れた部分をそのまま丸い輪っかの跡にさせてしまった。
それだけじゃない。
誕生日だからお祝いがしたいという私のわがままを聞き、本当は具合が悪かったのに私に付き合った。
優しくて、私のためなら平気で無理もしてしまう詩乃。
私はそれがとても申し訳なくてならない。
私の前では自然に、楽にしていてほしいのに、実際は私が最も詩乃を不自然に、無理をさせている存在になっている気がする。
一緒にいるのをやめたほうがいいんじゃないか。
そう思うことすらある。

「いつもありがとう。心配して、そばにいてくれて。
一緒にいられて、わたしはいつも幸せで、元気でいられるよー」

にもかかわらず。
にもかかわらず、詩乃はいつも、少し眠そうな目で、ぎゅっと目を細めて、いとおしそうに私を見る。
だったら私もまだ諦めず、もっとお互いにとって心地よい関係でいられるように模索してみよう。

「だったら、寝るまで、ずっとぎゅーってしててあげる」

そう思いながら私は両手を広げ、自分よりも大きな詩乃の身体を、そっと抱きしめた。

 同じクラスの松浦 六花(まつうら りっか)さんはとても無口で、わたしは彼女とほとんど話したことがない。

「ありがとう。平気。
 望んでやってることだから」

 2年以上同じ教室で過ごしていながら、わたしが松浦さんと話したのは本当にそれきり。
 けれどわたしは、ひそかに彼女に憧れていた。
 松浦さんはとても無口で、クラスメートの誰とも親しくしようとしない。
 だから当然松浦さんのことをよく知ってる人はおらず、わたしももちろんその一人だったけれど、それでもわたしは彼女に憧れていた。
 だから毎日必ず

「おはよう!」
「さよなら!」

 と松浦さんに声をかけ、その小さな声で、『おはよう』『さよなら』と同じ言葉が返ってくることが1日の楽しみだった。
 そんなにもわたしたちの距離は遠かったけれど、それでもわたしは彼女に憧れていた。
 なぜなら松浦さんはよく怪我をしていて、だけどそれをむしろ堂々とわたしたちに見せていたからだ。

「……大丈夫? 何か事故にでもあったの?」

 松浦さんがひときわ大きな怪我をして、腕をつって登校した日。
 うちの家の近隣で大きな事故が起きて、アスファルトの道の真ん中に大きな穴が開いた日。
 わたしはそう質問した。
 そこで返ってきたのが、さっきの

「ありがとう。平気。
 望んでやってることだから」

 だ。
 松浦さんの腕を覆う白い包帯は暗い色の制服によく映え、痛い思いをしてつらいはずの松浦さんは、包帯を見つめながら、なぜか誇らしげにほほ笑んだ。
 わたしはその表情に、なぜか背中がぞくっとした。
 松浦さんのその顔がまるで『訊いてくれて嬉しい』と言っているようにすら見えたからだ。
 そんな彼女は、もちろん今まで一度も見たことがない。
 だからわたしは、もっと彼女について知りたいと思った。
 だけどその気持ちよりも恐ろしさが先に立ち、わたしはその日、結局それだけで会話を終わらせてしまった。

 でも、このままでは終わりたくない。 
 次に話せるときは、もっといろんなことを聞いてみよう。
 もう一言多く、言葉を交わそう。

 そう考えたわたしは、その日から松浦さんと直接会話できずにいる分、彼女のことをたくさん観察して、たくさん想像することにした。
 たとえば松浦さんは、身長は平均より少し高い程度だけど、顔が小さいので小柄に見えること。
 立つ時の姿勢がとてもきれいで、だけど、座ると途端に前傾になり、いわゆる『首猫背』で退屈そうに授業を聞いていること。
 数学が得意なこと。
 甘い雰囲気のかわいい顔立ちだけれど、目を細めて遠くを見る表情がとてもすてきなこと。
 その視線の先に自分がいたら、わたしはとても幸せになれるような気がすること。

 それから、わたしは怪我の理由を想像する。
 松浦さんが負う傷は、浅い傷、浅い傷、時に腕を折るような深い傷。
 そんなサイクルをしている。
 それほどの怪我をするスポーツをわたしは知らないし、松浦さんが部活や学外の団体に所属しているという話も聞いたことがない。
 もしかすると松浦さんは、誰かにひどいことをされているのかもしれない。
 たくさん想像を巡らせたのち、もっとも確率が高いように思えたのはやはりそれだ。
 けれど、となると『望んでやってることだから』という言葉とは、なんだかかみ合わない気がする。
 それに、仮に松浦さんが痛い思いをすること自体が好きな変わった人というなら、もっと怪我し慣れていてもよさそうというか、もっと目立たないようにするような気がする。

 何よりあの、自分の傷をまるで勲章のように見つめていたあの目。
 それはとても、嫌なことを思い出しているようには見えなかった。
 だってわたしは、傷ついた松浦さんを見て、なぜか
 『とてもきれい』
 と、
 『そんなにも夢中になれることがあるなんて羨ましい』
 と思ってしまったのだ。

 だからある日、とうとうわたしは疑問を松浦さんにぶつけた。
 屋上の柵が突然落下し、真下の花壇がぐちゃぐちゃになってしまった次の日のことだった。

「どうして松浦さんは、よく怪我をしているの?」
「それはね、あの人のため」

 勇気を出して訊くと、松浦さんはあっさりと教えてくれた。
 松浦さんは小さく顔を上げると、窓を……おそらくその向こうにいる誰かを指さす。
 けれど、その日は外が曇っていたのがいけない。
 光は灰色の空のせいで反射し、窓ガラスには教室の中が映し出されるばかりだった。
 にもかかわらず、わたしは少し安堵した。
 松浦さんが怪我をしてまで、何かをしたいと思うような人。
 その正体がわかったら、わたしは間違いなく嫉妬するだろうし、知ったことをきっと後悔するだろうからだ。
 その人の役に立てるなら、怪我をすることすら嬉しい。
 松浦さんがそう思うほどの人なら、可能であればわたしだって好きになりたい。
 しかし、それは難しい。
 少なくともわたしはもう松浦さんに、その人のために痛い思いをしてほしくないのだから。

「ずっと誰にも話すつもりはなかった。
 でも、もう無理みたいだから。だから話した。
 逃げよう。この学校はもうだめ」
「え?」

 聞き返した瞬間、遠くで突如爆発音がひびく。
 だけどそれを『ありえないことだ』とは思わなかった。
 なぜならわたしはもう二度も命の危機に瀕していて、にもかかわらずなぜか無傷で助かり、今日まで平和に生きてきたからだ。
 その不自然な日々が終わると知って、正直なところ納得しているからだ。

「もう気づいているかもしれないけれど、これからあなたの命は狙われる。
 あなたはあなたが知らないだけで、本当は特別な人だから。
 だけど大丈夫。あなたは私が守る。
 あなたを助け、あなたの代わりに傷を負うこと。
 それが私の喜び」

 同じクラスの松浦 六花さんはとても無口で、わたしは彼女とほとんど話したことがない。
 2年以上同じ教室で過ごしていながら、わたしが松浦さんと話したのは本当に本当にわずか。
 でも今彼女はこんなに流れるように話し、わたしに向かって手を差し伸べている。
 それはわたしの望んだ展開のはずだ。
 憧れの松浦さんと親しくなる。
 そのためにあんなにも松浦さんに必死に話しかけ、観察をし、想像を巡らせてきたのだ。
 だけどこんなの、ちょっと想像の域を超えている。

「……そんなの、知らなかったよ」

 自分たち以外誰もいない教室に、わたしの声が情けなく響く。
 それから一歩後ずさり、わたしはあんなに近くなりたいと思っていた人から距離をとる。
 なぜなら松浦さんが、あの日と同じようにほほ笑んだからだ。 
 まるで『訊いてくれて嬉しい』と言っているように、もう一度わたしに手を伸ばしてくるからだ。

「だって、言ってなかったもの」


 ねえ松浦さんは今まで、どれくらいわたしに『言ってないこと』をしてきたの?

 そう聞きたいのに、声にならない。
 松浦さんが知っていて、わたしがまったく知らないこと。
 それはいったい、どれくらいあるのか。
 わたしはそのせいで、これまでどれだけ彼女を傷つけてきたのか。
 知ることを強く恐れながら立ち尽くしていると、松浦さんの背後でもう一度大きな音が鳴る。
 わたしの暮らしを、ずっと守ってくれていた人。
 『明日はきっと平和な日』と、わたしにずっと思わせてくれた人。
 その人に対して何をするべきかはわかっているのに、どうしても足が動かない。
 感謝の前に自分を恥じる気持ちばかりが先だって、わたしは次の音が聞こえるまでの一瞬を、永遠のように長く感じていた。

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