目指そう放射線主任

これから2種放射線取扱主任者を目指す人、そこまでは行かないが放射線とは何だと興味・不安を持っている人のために、情報発信しています。
X線作業主任者試験を目指す方も参考にして下さい。

頑張れ、エックス線作業主任者受験生

こんにちは。21日(火)は全国で今年最後のエックス線作業主任者試験が行われるそうです。エックス線作業主任の勉強をされてこられた皆様、がんばって下さいね。その中のお一人、はんたーさんから質問がありました。
2017年4月公表の[管理]問10なのですが、1cm線量等量率などもなく計算できず詰まっています。

問10 図のように、検査鋼板に垂直に細い線束のエックス線を照射し、エックス線管の焦点から5mの位置にある測定点Pで、遮へい板を透過したエックス線の線量当量を率を測定した。
遮へい板として鉄を用いるときの測定点Pにおける線量等量率を、厚さ2mmの鉛の遮へい板を用いたときの線量当量率以下にするために必要な鉄板の厚さとして、最小のものは(1)〜(5)のうちどれか。ただし鉄及び鉛の質量数、密度(g/cm3)及びエックス線の質量減弱係数(cm2/g)は、次の通りとする。

     質量数   密度   質量減弱係数
鉄    55.85    8     0.1
鉛    207.2    11    0.9
h1116X線問10


エックス線作業主任者の問題は、毎年類似した問題が繰り返し出題されている点が放射線取扱主任者より組みしやすいのですが、この問題は今までとは変わった観点からの出題であり、戸惑った方も多かったと思います。要点は、2mmの鉛と同じ遮へい能力を持つ鉄の厚さを求める問題です。
そして同じ能力の厚さとは、それぞれの物質の半価層の厚さに比例します。
と言うことは鉄と鉛のそれぞれの半価層を求めれば良いわけです。

●質量減弱係数と線減弱係数の関係
線減弱係数(cm-1)=質量減弱係数(cm2・g-1)×密度(g・cm-3

●線減弱係数(μ)と半価層(h)の関係
h=loge2/μ=0.69/μ

質量数は特に使いません(ここがこの問題の意地悪な所です)

これから
鉄の半価層/鉛の半価層=(0.69/鉄の線減弱係数)/(0.69/鉛の線減弱係数)
                =鉛の線減弱係数/鉄の線減弱係数
                =(11×0.9)/(8×0.1)
                =12.4
よって求める答えは2mm×12.4=24.8mm以上となり、正解は(3)です。

あと僅かですが

も参考にして下さい。今から購入はもったいないと感じられ方はパソコン版頁の右欄下にリンクが張られているkindleunlimitedの30日間無料をお試し下さい。費用をかけずに試験に出る問題で学ぶエックス線作業主任者の中身を見ることができます。

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大深度の地熱の利用はできないか――原子力に思う

こんにちは。地球史に「チバニアン」という名の時代が採用されそうとのこと。77万年前から12万6000年前の従来更新世中期と呼ばれた時代が、77万年前の磁場の逆転の跡がはっきり残る千葉県市原市の地層にちなみ「チバニアン」としようという案が一次審査を通過した。従来一次審査の結果が覆ったことはなく、一次審査も僅差ではなく一回で結審していることから、来年の内に正式決定されると見られてる。水月湖といい、チバニアンといい、日本産が世界の標準になるということは、科学好きにとって朗報です。
関東地方某県の住民としては、千葉県ばかりの出世が妬ましくも感じられますが()。
さて本題です。原子力に関しては、よく必要悪のように例えられます。石油などの化石燃料はやがて枯渇する。また二酸化炭素を排出することから、地球温暖化引き起こしてしまう。一方、太陽光や風力を利用する発電は、自然が相手のため、安定的に大容量のベース電源と期待するには不安がある。またエネルギー密度が低いため、どうしても経済性でネックとなる。よっていろいろ課題はあっても、原子力を手放すことはできないと。今までの実績から考えると、この指摘は真実のように思える。しかし未来永劫、これを変わらない「真実」受け止めても良いのだろうか。難しくても、これを打ち破る突破口を人類は追求しても良いのではないか。
何故、地球の内部は熱いんだろう。多くの方が昔から抱いていた疑問です。
かつてはこのように考えられていました。
地球ができあがる時、小さい惑星どうしが衝突して、くっつくことが繰り返され、地球の誕生時に、表面が溶けるくらい高温だった。徐々に冷えていったがそれでも地球の内部にはまだ熱が残っている。
しかし計算してみると、45億年も経過した今ではもっと冷えていなければならないはずで、別な説明も必要と指摘されていました。
近年、放射線に関する科学的解明が進み、巨大な地球の内部にある放射性物質の崩壊熱も一因であることが分かってきました。
2011年、放射性物質が崩壊する時に出てくる、反ニュートリノを観測することにより、マントルからのウランとトリウムによる熱量が把握できました。カリウム40など地殻からの熱量に加え、マントルからの熱量を考慮すると、現在の地球内部の「熱さ」は、誕生時の重力エネルギーと放射性物質の崩壊熱はほぼ1対1の寄与で説明できるそうです。
こう考えると「地熱」も「原子力」と言っていいのかも知れません。現在のように地表に湧き出た温泉蒸気を使うのではなく、3000メートル以上の地底深くまで掘り進み、そこから熱を安定的に取り出すことも理論上は可能だ。もちろん堅い岩盤を掘り抜く技術やそこから熱を安定的に取り出す方法など、解決しなければならない課題は少なくないでしょう。しかし、こちらの方が地上に太陽(核融合)を作るイータ計画よりも難しいとはどうしても思えないのです。あと30年後には本命エネルギーのなっているやも知れません。科学力をもっともっと高めることにより、原子力発電すら過去の「主役」に追いやってしまう時が来るやも知れません。原子力推進に関わってきた人間としては寂しいですが、「科学者」としては本望です。

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受験された全ての皆様へ

本日、放射線取扱主任者試験の合格者が発表になりました。如何でしたか?
原子力安全技術センターのホームページには近年の試験統計が掲載されていました。

様々な方がご指摘されていたように、今年の第2種放射線取扱主任者試験は不幸にして「難しい」年でした。何と合格率20.2%。とりわけ管理1が難しかったようですね。今年、合格された方は威張ってよろしいかと思います。
私、29年の合格者です。

逆に、本年涙を飲んだ方々。落胆しないで下さいね。例年の問題なら、合格できた可能性は大いに有ったと思われます。今年のように出題傾向が変わった際は、過去問を頼りに勉強してこられた方には大変であったことでしょう。かと言って、過去問中心の勉強方に変わるものは、なかなかみあたらないのが実情です。
様々な立場で、様々な動機から、この試験に挑戦されたことでしょう。とりわけ2種は社会人比率や中年以上の比率が高いことが、発表された統計からも伺い知ることができます。そういった方が勉強したいと思うこと自体、エラいなーと思うのです。私虹法師は、この試験に出会い、子供の頃は興味が合ったのに、いつしかマスターは無理だと思いこんでいた"理科"の世界が広がり、勉強していて楽しいと感じたことも度々ありました。
前にも書きましたが、放射線取扱主任者試験はラッキーパンチが当たるか否かで、数%は点数が動きます。同じ実力の方が、合格・不合格に明暗が分かれることもよくあります。今年は不運にも合格には至らなかった皆様、もう一度挑戦して見ませんか。虹法師ももう少し分かり易い解説に心を砕くつもりです。今は、すっかり嫌になり、放射線など目にするのも嫌と言う方もおらるかもしれません。でもまた勉強したくなったら、このブログにいらして下さい。虹法師はずっと寄り添い、応援したいと思います。

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雑誌ニュートン12月号を読んで----日本人はどこから来たのか?

こんにちは。ようやく原子力安全技術センターのホームページに合格者発表日が告知されました。10月31日(火)だそうです。今年は1種の試験問題記述誤りのせいでしょうか、発表が大幅に遅れてしまいました。受験生の皆様におかれましては、結果して不安な日々が長引いてしまい、ご同情申し上げます。
さて、本日は月例の雑誌ニュートン感想をご報告したいと思います。

今月から「日本の起源」が始まり、第1回は「日本人はどこから来たのか?」でした。先月号で予告されて以来、ずっと楽しみにしておりました。
日本では、旧石器時代の遺跡が、1万以上も発見されています。この遺跡の年代を精査すると、3万8000年前頃を境に、遺跡の数が急増していることが分かりました。
〜3万8000年前、最初の日本人はいったいどこからどうやって日本列島にたどり着いたのでしょうか。当時の地球は、「氷期」とよばれ今より気温の低い時代でした。海面は今より70〜80メートルほど低く、日本列島やユーラシア大陸の海岸線は、現在とは大きく異なっていました。
日本列島へと渡る経路の候補として、対馬、沖縄、北海道をそれぞれ経由した三つのルートがよく知れています。

対馬ルートは当時の地形から海峡が狭く(40キロメートル程度)、メインはこのルートと考えるのが最も理にかなっていると紹介されています。北海道は大陸と完全に陸続きでしたが、石器の特色からこのルートを通ったと推定される遺跡が盛んに見られるようになるのは、2万7000年前頃からであり、「最初」の一団ではなかったのではなかろうかと推定しています。第三の沖縄ルートは、当時大陸と陸続きだった台湾から100キロメートルを越える過酷な航海をへなければ九州に到達することはできません。物理的には最も困難な道筋です。しかし遺跡を辿ると、このルートを通った方が自然と思われるものも、数多く見つかっているそうです。
特集の後半ではこの不可能を可能とした古代日本人の航海の再現に焦点が当てられていました。
次回は「日本人」ではなく「日本列島」の成り立ちだそうです。「日本人はどこからきたか」は大好きな話題ですので、1回で終わってしまうのは残念な気がします。ご興味をお持ちの方は虹法師の腸内フローラ、ココナツオイル、ケトン体−秘密の鍵は全て縄文以前の暮らしにあった.をご参照いただければ幸いです。

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色丹島の地下に日ロ共同の核燃料廃棄施設を――原子力に思う

こんにちは。本日の話題は嫌悪感を催す方も少なくないかも知れません。予めお断りとお詫びを申し添えます。
トイレ無きマンション。原子力については、そう揶揄されて久しい。福島第一原子力発電所の事故に際しても、原子炉の上に配置された燃料プールに、多くの使用済み燃料を保管せざるを得なかったことが、更なる惨事を招きかねないリスクを内包していた。国民の合意を得て、安全かつ安定的に使用済み燃料を保管できないものか。この点は虹法師も長いこと思い悩んでいたのは事実である。当初は日本政府も海洋投棄に期待を持っていた。しかし、国際的に「自国で発生させた核燃料廃棄物については、自国が責任を持って国内に地層処分すべし」が共通認識となっていった。このまま受け入れて下さる自治体を待ち続けても、解決には至らないのではとの不安を持っている。
ここからは虹法師の妄想、暴論である。科学的調査や根拠は全く伴っていない。日本は北方四島は日本固有の領土と主張している。しかし相手のロシアは、簡単に応じてくれそうもない。共同で事業を行いませんかの誘いに、重い腰を上げたのがいっぱいいっぱいであった。
国内では声高に主張されても、現実的にはいっこうに進展のない北方四島。しかし歯舞、色丹2島に関しては、ロシアも譲歩できそうな歩み寄りを見せたことがかつてはあった。今、これらの島を巡って日ロ共同事業に関する話し合いが始まろうとしている。

20XX年、色丹島全域が日ロ共同国立公園となった。個人は原則としてこの島に土地を所有することは許されていない。表面的には人の気配がみられるのは斜古丹のホテルのみ。島内全域は鳥や獣の楽園となり、狼の自然放牧も試みられている。美しい自然を保護し、近海の水産資源を豊かにするために、両国の英知が注ぎ込まれている。人は大自然と触れるためにこの島を訪問し、厳しいルールに則って島の主人公たる動植物と接することを楽しむ。ホテルの経営は、日本の大手観光業A社が落札し、民間の知恵の下、経営努力を続けている。
ホテルの反対側の目立たない所に、もう一つ港がある。ここは巨大な地下壕へ続く入り口となっている。日ロ両政府は、ここにフィンランドのオルキルオトのような核燃料廃棄地下施設の建設を進めている。日ロ両国が、50:50の比率でここに廃棄物を保管することができる。数年後にはその第一陣が運び込まれる予定である。安全性については、国際原子力機関のお墨付きを得て進めており、全ての運営を透明化し、あらゆるデータの公開が義務づけられている。ここでのデータの積み重ねが、人類の知恵として共有できると期待されている。
日ロ両国は、現在の国民には知恵が乏しいとして、国境線の正式策定を50年後に定めるとした。しかし、この地下廃棄物施設に保管される核燃料廃棄物に関しては、この島がいずれの国家に帰属するとになろうとも、責任をもって共同保管するという条約が締結された。北方四島のロシア支配に変化はないが、その間、日本は逆に樺太ユジノサハリンスクの南方約300キロ平米の土地を領土のように実効支配する。ここに建設された都市は日本の法制度に基づき運営され、日本の企業が進出し、ロシア人労働力や産物を活用して稼ぎ、地域の産業を振興させる。この新都市の帰属をも含めて、全ての日ロ国境線を50年後に策定することとしている。

(これは何らかの情報に基づいたものではなく、全て虹法師の空想から生まれた物語です。)

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カズオ・イシグロの「日の名残り」を読む

こんにちは。時の話題には目が無いもので、本年度ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロを読んで見ました。

村上春樹さんについては、出版業界も再ブームとなりバンバン売れることを見越して、増刷して待ち構えていたそうですが、残念ながら今年も又逃してしまいました。「村上春樹、残念」は俳句の秋の季語なってもおかしくありません。そして受賞したのは、日本生まれで英国籍を持つ、カズオ・イシグロさんでした。
想定外であったため、急造で特設コーナーを設けようとしましたが、何せ増刷がそんなに急にはできません。売り切れが全国で続発したそうです。そこにいくと電子書籍は対応が柔軟です。私も読みたいと思ったその瞬間に手に入れることができました。
入手したのは「日の名残り」。品格ある執事の道を追求し続けてきた主人公が、短い旅に出て、美しい田園風景の道すがら、歩んできた人生を思い起こすという内容です。失われつつある伝統的な英国を描き、世界中で大きな感動を呼び、英国最高の文学賞、ブッカー賞を受賞したイシグロ氏の代表作とのこと。
十分想定されたことですが、読み始めは苦痛でした。イギリス人には馴染みのある地名や人名なのでしょうが、洪水のようにそれらの固有名詞が押し寄せてきて、何度、読破を諦めようかと思ったことか。それでもグーグルマップを手に取り、一つ一つ、地名を確認し、イメージを膨らましながら読み進めました。ようやく面白くなり始めたのは半分を過ぎた頃からです。
長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父の思い出、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々が語られています。理想的な品格のある執事像を追い求める姿は、日本人の職業倫理観に近いものを感じました。女中頭、すなわちお屋敷の執事たる主人公の女房役、ミス・ケントンへの淡い思いについては共感が難しかったです。思い起こされるのは、しみじみとした女性の優しさ、はかなさに触れるシーンではなく、言い争ったり対立している場面ばかり。私の勝手な解釈ですが、主人公がミス・ケントンの中に見いだした”好ましい感情”とは、自分が理想的な品格のある執事を追い求めることに共感してくれる誰かに心地よさを覚え、それが女性という芳香をまとっていたせいではなかろうか。すなわち主人公は、人そしてのミス・ケントンを見つめて心惹かれたのではなく、ミス・ケントンという鏡に映る自分を見ていたのではなかろうか。最後の方で、主人公は自分の歩んできた道に、他の選択肢はなかったか、違う人生はなかったかを静かに問いかける。
私も、既に「本業」を退職した身。日々過ぎ去った時代を思い出しては、いつも後悔の念にあふれ、私をして悲しませることが多い。日本のサラリーマンは、ある意味、執事のような役割を求められている。尊敬できる上司に度々仕えたにも関わらず、主人公のようにしっかりとお仕えができず、常々、己の人格を情けなく感じていた。同僚や仲間、家人にもどれだけ心配りができていたのか?
様々な思いの去来を招く一冊であった。

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県主体の原子力安全監視組織はできないか――原子力に思う

こんにちは。10月に入りましたね。皆様は如何お過ごしですか。
私、虹法師は長年にわたり原子力を推進する立場の組織に身を置いて参りました。そのため事務屋でありながら、知識の充実の必要性を感じ放射線取扱主任者試験に挑戦いたしました。その後転勤となり、加えて長年勤務した組織を退職いたしました。今は、原子力とは縁遠い仕事はしております。昨今も原子力、是か非かが取りざたされています。フリーな個人として、今月は原子力について思うところを4題ほど述べて見たいと思います。
平成23年の地震に伴う原子力事故は大きな衝撃でした。今も故郷を捨て、避難していらっしゃる方のことを思うと胸がつぶれる思いです。残念なことを数えれば切りのない出来事でしたが、中でも私が最も残念に思うのは、科学会として一般の方に適切なメッセージを送り届けることができなかったことです。勿論、多くの尊敬する先生方が必死で発信を続けて来られました。ただ科学会の声は一枚岩となって、多くの方に届くことはありませんでした。
もし、乳房にガンが発見された女性に対して、危険性を判断すべき医師が、差し障りのない無難さから、「とりあえず切除しておきましょう」と言ったらどうなるでしょう。本来ならばその乳房を切り取る必要性は全くなかったかもしれません。専門家は専門知識を総動員して、一般の方にリスクを正しく説明して差し上げる責任があると思います。
検察と弁護士ではありませんが、その役割が一色だったことも混乱を助長させたのではないかと思います。国として原子力を推進し、専門家はこれらの推進組織とともに歩んでこられた方が中心だったように思えます。かつて経産省原子力安全・保安院に加えて、原子力安全委員会が別な立場で審査することで「ダブルチェック」と言われる制度がありました。しかしこのダブルチェックはうまく機能しなかった。ともに政府の元の機関であり、その発言や安全宣言は、避難した方々に安心をもたらすことはできなかった。
国以外の機関で、放射線の安全性に対して力強く発言することはできないものだろうか。そんな可能性を持つ機関が県知事への助言組織だと思うのです。国は自ら組織を作るのではなく、県の機関の運営費を助成する。専門家の人選は、国は関与することができず、全て県に委ねる。こうすることによって、県は独自に権威者の意見を収集することができる。また一つの県の組織では、幅広く意見を求めることが困難な点もあるので、各県の組織は連合して、絶えず情報交換や統一見解を出せるようにする。一旦ことが起きた時はその県の組織委員長を中心に積極的広報に務める。その際は、各県の組織が横断的に支援し、その発言の信頼性を高めていく。
そういったダブルチェックの体制を作り上げなければ、国民は安心できないのでないか。
ただ基盤は政治的信条の違いではなく、あくまで科学的立場であって欲しい。科学者達は、主張する時は、根拠や実証データを添えて、他の科学者が追認可能な状況を作りだして欲しい。互いの批判も自由だが、絶えず科学的に実証できるか否かに心血を注いで頂きたい。
不幸なことに、原子力災害は、今後、原子力発電所の事故だけに限らない可能性がある。意図的な、あるいは誤作動による偶発的な核兵器被害が起こる可能性もゼロではないのだ。その時、住民はどのように避難するのか。何を持って再び故郷に帰る決意をするのか。
この辺の論拠となる研究はもっと進んでしかるべきである。例えばセシウムを敷きつめた環境で多数のラットを何世代に渡って飼育する。年間1m㏜、5m㏜、20m㏜、100m㏜、500m㏜。それらでどのような違いが生じるのだろうか。長年にわたり、複数の研究チームで、実証試験をし、その成果を共有して欲しい。また比較的自然放射線の高い地域で暮らす人々の、比較病理研究を進めて欲しい。自然放射線がどの程度なら、発がん等の確率的影響の可能性も見られないことも、明らかにして科学者間で共有して頂きたい。
「よく、わかんないけど、とりあえず心配だから乳房は切除しておきましょうか。」
そんなトンでも医師の発言に類似した発言が、次の災害時飛び出さないことを切望したい。

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ありがとうございます――祝50万超カウント

今朝、起きて確認するとアクセスカウンター累計が50万を超えておりました。
2005年にブログを始めた頃は、もっぱら自分の勉強日記であり、訪問してくださる方もほとんどおりませんでした。一旦中断し、2012年からはタイトルも現在の「目指そう放射線主任」に改め、本格的に読んで頂こうと志をもって再開しました。その年の11月には、ささやかに「祝、カウンター10000超え」の記事を書いております。当時はまさかここまで続けることができ、祝50万超の記事が書けるとは、想像だにしておりませんでした。ひとえにひとえにお訪ね頂く読者の皆様のお陰であり、続けてこれた糧となったのは皆様から頂いたコメントでした。ありがとうございました。
こうなれば、思いを新たにして100万超を目指して見たいと思います。これからの一年間は、高校で物理を学び、受験に原子物理を選択しようとしている皆様向けの記事も力を入れて参りたいと思います。
今後とも、「目指そう放射線主任」を宜しくお願いいたします。

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プロフィール
虹法師
年齢:50歳代
性別:男性

職業:財団法人勤務のサラリーマン

家族:妻、息子、犬、猫、金魚

趣味:パソコン、サイクリング
過去に放射線取扱主任を目指し、2種取得、1種も目指してがんばっていたが、今は勤務も異なり全く別の世界で生きています。しかし昨今ほど放射線の知識が必要とされる時はないのではないか。これから放射線主任を目指して勉強される方のため、またそれほどではないにせよ放射線の知識を得たいと思う人のため、ささやかながら情報を送り続けることにいたしたい。
「放射線は、私達の身近に、常に存在するものです。放射線に関する勉強は、決して無駄にはなりません。試験に合格することだけでなく、放射線について勉強すること自体が、今後の人生の武器になると思います。」
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この本のお陰で難解な放射線物理学が私にも理解できました。

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心から尊敬しています。猿橋先生のような方が同じ日本人にいてくれたことを誇りに思いました。

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放射線医師として多数の著作を持つ著者が、わかり易さに精魂を傾けた一冊。

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原爆物理調査班に参加した経験をもつ物理学者の心の変遷が伝わってきます。

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福島の事故に関する今までの疑問が解けました。放射線に携わる方は是非読んで欲しいと思います。

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「わかりやす」くはないですが、1種を目指し物理を深く知りたい方はお読み下さい。


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高田純さんのファンです。行動力に脱帽!

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生物分野の最近の動向が詳しく分ります。生物の補完教材として推薦します。

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福島事故後、被ばくの影響を心配する人を念頭にまとめられた東大教養講座。

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