目指そう放射線主任

これから2種放射線取扱主任者を目指す人、そこまでは行かないが放射線とは何だと興味・不安を持っている人のために、情報発信しています。
X線作業主任者試験を目指す方も参考にして下さい。

放射能・質量の計算問題についての過去問

こんにちは。六ジラさん、赤面ものの誤りも含めて、ご指摘ありがとうございました。ようやくそれらのご指摘を踏まえた「試験に出る問題で学ぶエックス線作業主任者」の改訂版を出すことができました。

既にお買い求めの方々は、新版のダウンロードをお願いいたします。誤植や分かりづらい箇所のご指摘を大歓迎です。個人で細々とやっているため、良いものにしていくためには、お読み頂いた方々のご協力が不可欠と感じています。宜しくお願いいたします。

さて本日は放射能、半減期から質量を求める計算問題を見てみます。同じパターンの問題が過去に何度も出題されています。

2007年問4
3.7TBqの192Ir(半減期:6.4×106秒 )の質量(g)として最も近い値は、次のうちどれか。

1 0.001  2 0.01  3 0.1  4 1  5 10 

正解は2の0.01です。
 
2009年問4
1MBqの40K(半減期:1.28×109年=4.0×1016秒)の質量(g)として最も近い値は、次のうちどれか。
 
1 0.76  2 0.38  3 1.9  4 3.8  5 7.6 

正解は4の3.8です。
 
2011年問4
740GBqの192Ir(半減期:6.4×106s)の質量[g]に最も近い値は、次のうちどれか。
 
1 0.00022  2 0.0022  3 0.022  4 0.22  5 2.2

正解は2の0.0022です。
 
 
2014年問4
0.5MBqの40Kの質量[g]として最も近い値は、次のうちどれか。
ただし、40Kの半減期は4.0×1016秒、 アボガドロ定数は6.0×1023mo1-1とする。
 
1 0.38  2 0.76  3 1.9  4 3.8  5 7.6

正解は3の1.9です。
 
 
例えば2011年問4を例に考えて見ます。先ずは正当な(まっとうな)解き方から
Bq=λN=log2・N/T1/2 (λ=log2/T1/2より)
(普通BqをAと書きますが、後に出てくる質量数もAと書くため、敢えて放射能はBqと表記します)
これを解いて
N=Bq・T1/2/log2=740×109×6.4×106/0.693=6.85×1018
質量M(g)=A(質量数)×N/N(アボガドロ定数)
             =192×6.85×1018/(6.02×1023
ここから2.18×10-3を得て、正解は2の0.0022であるとなる訳です。
アボガドロさんは19世紀初頭に活躍したイタリアの物理学者で、本業は法律家だった人だそうです。数学や物理学に興味をもって研究した結果、「すべての気体は同じ体積中に同数の分子を含む」との結論を導き出しました。この考え方にちなんで、物質の原子量(同位体単体では質量数=原子量となります)Aに原子個数Nをかけて、ある定数(6.02×1023)で割ると物質の質量が求まるという便利な公式が産まれ、アボガドロ定数と命名されました。
さて次ぎに放射線試験の為の簡便公式をご紹介します。
10年に5回は出題される問題ですので、この問題を解くための公式を開発し暗記しましょう。
 
上の公式を整理すると
 
質量M(g)=A(質量数)×Bq×T1/2(半減期)/(N(アボガドロ定数)×log2)
 
となります。log2とN(アボガドロ定数)は定数ですのでこれを入れて、予め計算しておけば
 
質量M(g)=A(質量数)×Bq×T1/2(半減期)/(4×1023)となります。
正確には4.2なのですが、せいぜい正解が選べれば良いわけですので、丸めて4で十分答えに行きつくことが出来ます。
例えば2006年問3なら、この公式を暗記しておけば
=40×3.7×109×4.0×1016/(4×1023)でパッパと求めることができます。試験会場では時間を節約することはとても大切です。
 
結論
放射能・質量問題は
0607質量式

を暗記しておけばたやすく素早く解くことができる。

ところが遂にこの公式では解けない問題が出されてしまいました。

2016年問5
無担体の放射性核種1.0nmolの放射能を測定したところ、5.0MBqであった。この核種の半減期[年]として、最も近い値は、次のうちどれか。
1 0.7   2 2.6   3 4.4   4 6.3   5 9.1

正解は2の2.6年です。

この問題を解くには基本公式に戻らなければなりません。
Bq=λN=log2・N/T1/2
変形しますと
1/2=log2・N/Bq
0.1nモルとは原子何個か。1モルで6×1023個ですから、6×1014
よって求める半減期は
1/2=0.69×6×1014/(5×106)=8.2×107(秒)=2.6(年)

どうしても基本公式ではなく、簡便公式から考えたいという天邪鬼(あまのじゃく)の方には。
1モルとは何でしょう。その個数原子が集まると丁度、質量数のグラム数になる数です。よって
モルとは質量M(g)/A(質量数)と表現できます。
暗記公式を変形すると
1/2=質量M(g)/A(質量数)×4×1023/Bq
=モル数×4×1023/Bq
=1×10-9×4×1023/(5×106)=8×107(秒)

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崩壊定数と半減期の文章問題に関する過去問

こんにちは。放射線の勉強ははかどっていますか。最近、虹法師は老眼が進んで困っております。朝早く起きて(自然と目が覚めて)、読書をしようとしたときなどに、目がかすんでよく読めません。そこで強い味方を購入しました。

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石坂浩二さんでお馴染みのハズキルーペです。近眼のメガネの上にこれをかけて、本を読みます。
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さて本日は崩壊定数と半減期をテーマとした過去問について考えてみたいと思います。

2008年問2
 放射性壊変に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.半減期の短い核種ほど、崩壊定数は大きい。
B.体内に取り込まれた核種の有効半減期は、物理的半減期より長い。
C.放射線核種の平均寿命は半減期より短い。
D.親核種の半減期よりも娘核種の半減期が長いとき、放射平衡は成立しない。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は 3のAとD です。
 
2012年問3
 壊変定数に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.壊変定数λと半減期Tとの関係は、λ=1/Tである。
B.分岐壊変の部分壊変定数λ、λと全体の壊変定数の関係は、1/λ+ 1/λである。
C.壊変定数は高温高圧で大きくなる。
D.壊変定数は原子核1個が単位時間当たりに壊変する確率を表している。
E.放射平衡が成立する条件は、親核種の壊変定数が娘核種の壊変定数よりも小さいときである。
 
1 AとB  2 AとE  3 BとC  4 CとD  5 DとE

正解は5のDとEです。
 
 
2014年問5
放射性核種の半減期に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.半減期の短い核種ほど、壊変定数は小さい。
B.体内に取り込まれた核種の有効半減期は、物理的半減期よりも短い。
C.放射性核種の平均寿命は半減期よりも短い。
D.親核種の半減期よりも娘核種の半減期の方が長いとき、放射平衡は成立しない。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は5のBとDです。
 
 
壊変定数(崩壊定数)とは、原子核1個が単位時間当たりに壊変する確率であり、λで表します。確率が大きいほど、核種の減りは早く、半減期(T1/2)、平均寿命(τ)は短くなります。崩壊定数と半減期、平均寿命の関係は以下のようになります。
半減期(T1/2)=log2(自然対数eを底とした時の2の値)/λ
=0.693/λ
平均寿命(τ)=1/λ
平均寿命とは文字通りその核種がどの位存在できるかという、人間の平均寿命と同じ意味合いです。半減期を迎えると半減しますが、その倍経ってもまだ1/4にしかならず、さらにもう半減期を経過してもしぶとく1/8は残る訳ですから、平均寿命は半減期より長くなります。
192Irはβ-壊変とEC壊変するなど分岐壊変する核種がありますが、それぞれの崩壊定数がλ、λだとすると、全体の壊変定数の関係は、λ=λ+ λとなります。
これを半減期(T1/2)=0.693/λの式から半減期に変換すれば、
1/T=1/T+ 1/T
が得られます。
この関係は物理的半減期Tp、生物学的半減期Tb、実効半減期Teffの関係でも同様で、
1/Teff=1/Tp+1/Tb
となります。
放射線核種は高温や高圧にしても、また触媒を使っても、崩壊定数を変える、則ち早く減少するように措置することはできません。これが可能なら、やっかいな放射線廃棄物の保存がもっと楽になるのですが・・・・。

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α線や中性子などと物質の相互作用の過去問

こんにちは。今年の放射線取扱主任者試験、申し込み締め切りは6月19日(月)です。このブログをお読みでまだ迷っていらっしゃる方、
大丈夫。即、申し込み手続きを!
一見高い壁に見える放射線取扱主任者試験。でも勉強方法を誤らず、過去問中心に学習を進めれば、今から追い込んでも、十分、合格は可能なのです。虹法師が必ずあなたに寄り添います。分からないところはコメントして下さいね。コメントすればするほど、合格確率は高まります(キッパリ)。
 本日は、α線や中性子と物質の相互作用をまず取り上げ、次ぎにこれらを含む全ての放射線相互作用に関する試験問題をまとめとして取り上げて見たいと思います。管理技術兇涼罎任脇駝笋紡阿垢襪發里盡受けられます。解くためのコツをつかんで下さいね。
 α線など重粒子線や中性子と物質の相互作用に関しては、β線やγ線と比べると取り上げられる頻度は高くはありません。しかし試験対策としては同様に、整理しておくのが得策と思います。まずはα線など重粒子線と物質の相互作用の問題です。

2007年問7
 α線に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.エネルギーを失う過程では、放射損失の方が衝突損失より大きい
B.空気中での比電離は、その飛程中の全行程において一定である。
C.β線に比べて、比電離が大きい
D.物質中を通過する際、進路はほとんど直線である。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は5のCとDです。
 
2012年問6
 次の文章の(  )の部分に入る数値として、適切な組合わせは次のうちどれか。
 重荷電粒子に対する物質の阻止能は、非相対論的領域において、おおよそ、物質の原子番号の( A )乗に比例し、荷電粒子の電荷の( B )乗に比例し、速度の( C )乗に比例する。
  (A)   (B)   (C)
1.  2    1    −1
2.  1    2    −2
3.  1    2    −1
4.  2    1    −2
5.  1    2    −1

正解は2です。

α線など重荷電粒子は、β線と比べて短い距離で大きな電離を引き起こし、また電子と比べて遙かに重く殆ど直進するように見えます。
α線などの重荷電粒子は、広い範囲に分布する電子をはじき飛ばす衝突損失(非弾性散乱・電離励起)によってエネルギーを失います。下図のように電子は引きつけられることによってはじき飛ばされて電離が起ます。

h0311α衝突

実は極めて稀ですが、α粒子が原子核に向かって飛んだ時は、ほぼ反対方向に跳ね返されることがあります。これは原子核とのクーロン力による弾性散乱です。ラザフォードはこの現象を突き詰めて、原子は大部分がうつろな空間だが、その中心のごく微小な領域に、プラス電荷を帯び、原子の質量の大部分を集結させた核があるという原子モデルを考案しました。こうしてエネルギーを失うのが放射損失です。
h0311α線放射損失


荷電粒子は、物質の内部を通過する際エネルギーを失っていきますが、そのエネルギー損失を進行方向の単位長さ当たりで表現したものが線阻止能(eV/μm)です。長さが分母に来ていますから、質量阻止能に変換する時は分母に密度を掛ける、則ち密度で割った値(eV・cm2/g)となります。
阻止能は、以下の式で比例関係を表すことができます。
0615阻止能

 zは荷電粒子の電荷、Zは物質の原子番号、vは荷電粒子の速度です。またMは荷電粒子の質量、Eは荷電粒子のエネルギーです。
 よって物質の原子番号の1乗に比例し、荷電粒子の電荷の2乗に比例し、速度の2乗に反比例することとなります。
 失われた方から測定していくと阻止能ですし、単位長さ当たり衝突損失で電離した割合が比電離です。阻止能と比電離は荷電、原子番号、速度の比例関係はほぼ同じと考えて良いです。
 陽子線やα線、重粒子線は、止まる瞬間に大きな比電離となるブラッグ曲線を描きます。これは速度が落ちてエネルギーが小さくなるため、比電離は増加していくからです。この性質ががん細胞をピンポイントで叩く、粒子線治療に活用されています。
0710ぶらっグ曲線


一方中性子に関する問題
2008年問6 &2015年問8[設問から選択肢まで全く同一]
中性子と物質の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.中性子は、原子のクーロン力によって散乱される。
2.弾性散乱では、衝突した原子核は励起状態になる。
3.非弾性散乱では、入射した中性子と散乱された中性子のエネルギーがほぼ等しい。
4.中性子が原子核に捕獲されると、γ線が放出されることがある。
5.捕獲断面積は、物質の原子番号のみに依存する。

正解は4です。
 
 
2013年問7
次の原子核のうち、速中性子との弾性散乱による反発エネルギーの高いものから順に並べられているものはどれか。
 
1. 1H  10B  23Na  206Pb
2. 10B  206Pb  1H  23Na
3. 23Na  1H  10B  206Pb
4. 206Pb  10B  23Na  1H
5. 206Pb  23Na  10B  1H

正解は1です。
 
 
 中性子は電荷を持たず、原子核と衝突してはね飛ばす(弾性散乱)、衝突して励起を起こさせる(非弾性散乱)、衝突して原子核内に中性子が捕獲されその後連続して起こる反応など、様々な結果を引き起こします。
 しかしいずれにしても原子核と直接ぶつかってのことです。このため中性子はすり抜けやすく、極めて飛程が長いという特徴があります。弾性散乱=電離を引き起こさず前後でエネルギーが保存される、非弾性散乱=電離を引き起こす、を覚えておけば2008年問6の2と3が間違いであることは理解できると思います。
 中性子捕獲断面積(反応が引き起こされる確率)は、原子番号に比例ではなく、もう少し複雑です。
 中性子は陽子すなわち水素の原子核とほぼ質量が同じですので、水素原子核に衝突したとき、自身はほぼ止まり、水素原子をはじき飛ばします。より重い原子核ですと、相手はほとんど動かず、自身がほぼ反対方向にはじき飛ばされます。
0607中性子散乱



 最後に様々な放射線と物質の相互作用の比較に関して問われた問題をみてみましょう。
 
2012年問9
放射線と物質の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.α線は物質中ではほとんど直進する。
B.β線はα線に比べて制動放射線を発生させやすい。
C.γ線は原子番号が小さい物資ほど、光電効果を起しやすい。
D.中性子が1回の弾性衝突で失うエネルギーは、衝突する原子核の質量が小さいほど大きい。
 
1 ABCのみ  2 ABDのみ  3 ACDのみ
4 BCDのみ  5 ABCDすべて

正解は2のABDのみです。
 
 
2015年問7
放射線の飛跡、飛程に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.α線の飛跡はほぼ直線である。
B.α線は水中の飛程が空気中の飛程よりも長くなるものがある。
C.β線は物質中で電子あるいは原子核の電場で散乱される。
D.β線は空気中の飛程が1mを超えるものはない。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は2のAとCです。
 

2016年問8
荷電粒子によるエネルギ一付与に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.エネルギ一付与は飛跡に沿つてランダムに起きる。
B.エネルギ一付与が起きる確率は粒子のエネルギーに比例する。
C.イオン対生成に必要なエネルギーの平均値をQ値と呼ぶ。
D.飛跡の単位長さあたりに物質へ与えるエネルギーをLETと呼ぶ。
E.荷電粒子と物質との相互作用によって、光子が生成することがある。

1 ABEのみ  2 ACDのみ  3 ADEのみ
4 BCDのみ  5 BCEのみ

正解は3のADEのみです。
 
2009年問6
種々の放射線について、水中におけるLETが大きい順に並んでいるものは、
次のうちどれか。
1  5MeVα粒子 > 10MeV陽子 >1MeV電子
2  5MeVα粒子 > 1MeV電子 > 10MeV陽子
3  10MeV陽子   > 1MeV電子 > 5MeVα粒子
4  10MeV陽子 > 5MeVα粒子 > 1MeV電子
5  1MeV電子 > 5MeVα粒子 > 10MeV陽子

正解は1です。
 
2013年問9
各種放射線の水中でのLETについて、その値の低いものから順番に並んでい
るのはどれか。
A 10keV電子   B 100keV電子   C 60Coγ線
D 1MeV陽子   E 10MeVα粒子
 
1  A < B < C < D < E
2  B < C < A < E < D
3  C < B < A < D < E
4  D < E < C < A < B
5  E < D < B < C < A

正解は3です。
 
 
2014年問6
A~Dの荷電粒子によって生成されるスパー (スプール) について、 その間隔の大きい方から順に正しく並んでいるものは、次のうちどれか。
A.0.1MeV電子 B.1MeV電子 C.10 MeV陽子
D.10 MeVα粒子
 
1 C > B > A > D
2 D > C > B > A
3 A > B > C > D
4 D > C > A > B
5 B > A > C > D

正解は5です。
 
 LETとはlinear energy transferで、線エネルギー付与と訳されます。荷電粒子の飛跡に沿った単位長さ当たりのエネルギー付与を表します。エネルギーを奪われる方から見たものが阻止能、どれだけ周りにエネルギーを与えたかで見た場合がLETとも言えます。よってLETの大きさは先ほどの阻止能の式から考えることができます。
 
 2009年問6は電子のLETが一番小さいであろうことは計算するまでもないでしょう。では5MeVα粒子と10MeV陽子ではどちらのLETが大きいのでしょうか。z2・M/Eの部分を比較して見ましょう。5MeVα粒子では22・4/5=3.2、10MeV陽子では12・1/10=0.1、 よってα粒子のLETが大きいことが分ります。
 2014年はスパー(スプール)という概念が登場しました。スプール(spur)とは、放射線が液体、固体の分子性物質に入射すると、その飛程に沿って断続的に電離を起こし、小さいガラス玉を糸でつないだような形ができることを言います。LETが大きいほど、単位距離当たりに多くのスプールが観測できます。よって「スプールの間隔が大きい順」とは、LETが小さい順に他なりません。よって同じ電子であれば、エネルギーが小さいほど、スプールは密であり、エネルギーが同じなら陽子より、電荷が大きく、質量も大きいα粒子の方がスプールは密になります。
 また飛程は以下の式に比例することが知られています。
0615飛程
 
文科系の人は上記式そのものを記憶するというより、阻止能、LET、比電離、スプールの密度はともに、荷電粒子の速度が遅い程、電荷が大きい程(ともに2乗)、大きい。
という結論の部分のみ暗記するのも手かと思います。


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γ線と物質の相互作用の過去問

こんにちは。愛用している「文房具」として、最後にご紹介するのは、日本語入力システム「ATOK」です。パソコンは勿論、スマホもタブレットもATOK。その中でもすべてに共通して使えるATOK Passportを現在使用しています。辞書に略語から変換できるよう登録しておくと、どの環境でもスムーズに呼び出せてとても便利です。
 本日はγ線と物質の相互作用ついてお話しいたします。γ線と物質の相互作用は、過去10年間で毎年必ず出題されている頻出問題です。
 
2007年問9
 γ線と物質の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか
A.光電吸収では、K殻電子を光電子として放出する確率が最も高い。
B.コンプトン散乱では、反跳電子の最大エネルギーは入射γ線のエネルギーから束縛電子のエネルギーを差し引いたものに等しい。
C.電子対生成は、γ線のエネルギーが1.022MeV以上でないと起こらない。
D.レイリー散乱では、入射γ線のエネルギーと散乱γ線のエネルギーは等しい。
 
1 ACDのみ  2 ABのみ  3 BCのみ
4 Dのみ  5 ABCDすべて

正解は1のACDのみです。

 
2008年問7
 光子と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.光電効果は、光子と軌道電子との相互作用である。
B.光電効果は、光子エネルギーの減少とともに単調に増加する。
C.コンプトン効果は、光子と軌道電子との非弾性散乱である。
D.電子対生成のしきい値は、1.022MeVである。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は3のAとDです。
 
2009年問7
 γ線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.光電効果の原子断面積は、原子番号をZとすると、Z(Z+1)に比例する。
B.コンプトン効果では、γ線の波長は散乱により短くなる。
C.電子対生成は、γ線のエネルギーが1.02MeVよりも大きい場合に起こり、γ線のエネルギーが大きくなるにつれて起こる確率は大きくなる。
D.241Amから放出されるγ線の鉛による減弱は、主に光電効果に起因する。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は5のCとDです。
 
 
2010年問5
 コンプトン効果に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.γ線の波長は、散乱前より長くなる。
B.原子断面積は、光子のエネルギーの増加とともに増加する。
C.コンプトン散乱後のγ線が、さらにコンプトン散乱を起すことがある。
D.原子断面積は、物質の原子番号にほぼ比例する。
 
1 ACDのみ  2 ABのみ  3 BCのみ
4 Dのみ  5 ABCDすべて

正解は1のACDのみです。


2011年問5
 60Coのγ線と鉄の相互作用について、原子断面積の大きい順に正しく並んでいるのは、次のうちどれか。
1.光電効果   > コンプトン効果> 電子対生成
2.コンプトン効果  > 光電効果  > 電子対生成
3.電子対生成  > 光電効果  > コンプトン効果
4.光電効果   > 電子対生成 > コンプトン効果
5.コンプトン効果 > 電子対生成 > 光電効果

正解は2です。


2012年問8
 放射線の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.ある物質を電離するのに必要なエネルギーは、励起するのに必要なエネルギーより大きい。
B.気体のW値は、ほとんどの気体で10KeVよりも大きい。
C.コンプトン効果で散乱された光の波長は、入射した光子の波長よりも長い。
D.クライン−仁科の式は、光電効果の確立(微分断面積)を表している。
 
1 AとC  2 AとD  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は1のAとCです。
意地悪な問題と思います。勉強している人ほど「10KeV」はW値に近い「10eV」に見えてしまうでしょう。
 
 
2013年問5
 光電効果に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.γ線エネルギーがK軌道電子の結合エネルギーよりも高い場合、K軌道電子に対する断面積の方が、L軌道電子に対するものよりも大きい。
B.原子断面積は、γ線エネルギーにほとんど依存しない。
C.電子断面積は、おおよそ原子番号の5乗に比例する。
D.光電子は、連続エネルギー分布を示す。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は2のAとCです。
 
 
2014年問8
 コンプトン散乱に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A.コンプトン散乱は光子の粒子性を示す現象である。
B.入射光子の波長は散乱光子の波長よりも長い。
C.散乱光子が入射光子の飛来した方向へ戻る場合に、散乱光子のエネルギーは最小になる。
D.スぺクトルに現れるコンプトンエッジの位置 (エネルギー) は検出器の素材により異なる。
 
1 AとC  2 AとD  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は1のAとCです。
 
 
2016年問7
光電効果に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.γ線のエネルギーと光電子のエネルギーは等しい。
B.γ線の運動量はすべて光電子に与えられる。
C.γ線を吸収する確率は、より内殻の電子の方が大きい。
D.光電効果の断面積は物質の原子番号の5乗にほぼ比例する。

1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD


正解は5のCとDです。

γ線とは原子核起源の光子でしたね。人工のX線でも特性X線でもエネルギーが類似であれば振る舞いは同じです。
まず大変小さいエネルギーのγ線。
0607レイリー散乱

 図のように電子とぶつかり電子を揺すったりしても、原子核とクーロン引力で強く結びついているため、電子は離脱せず、受け取ったエネルギーを光子として放出することになります。よって変わるは方向ばかりなりということになります。これをレイリー散乱と呼びます。
 もう少し大きなエネルギーを持ったγ線となりますと、今度は電子が飛び出します。
0607光電効果

 これが光電効果。γ線は消滅。「入射γ線のエネルギー」マイナス「束縛電子の電離エネルギー」が飛び出した電子の最大エネルギーとなります。同様に運動量もすべて光電子に与えられる訳ではありません。結合エネルギーの大きな内側の軌道電子ほど光電効果によって放出される確率が高く、γ線エネルギーが一番内側のK殻の結合エネルギーより大きい場合は、約80%の確率でK殻の電子が放出されます。このエネルギーの増加により、ある点で最頻でたたき出す殻が変わる性質があるため、γ線のエネルギーの減少と光電効果の増加は不連続なポイントが存在します。
 「原子断面積」という言葉が出てきます。虹法師はなかなかこの意味が飲み込めませんでした。原子断面積とは起こりやすさの確率だと単純に置き換えて理解すると良いと思います。
 エネルギーが小さいほど光電効果は起こりやすく、また起こる確率(原子断面積)は原子番号Zのおおよそ5乗に比例します。
 次がコンプトン散乱。
0607コンプトン散乱

 光子と電子(軌道電子でなくともよい)の弾性散乱であり、γ線は消滅せず、波長が長く(エネルギーが弱く)なって散乱します。だからコンプトン散乱後のγ線が再びコンプトン散乱を起こすこともあります。コンプトン散乱は弾性散乱に近似されますので、光子がコンと電子にぶつかって、来た方向に散乱光子が戻った時に、最も跳躍電子にエネルギーを与えます。則ち散乱光子は最もエネルギーを奪われます。この時の跳躍電子の得た最大のエネルギーをスペクトルとして観測したものが、コンプトンエッジと呼ばれます。コンプトン効果が起こる確率(原子断面積)は軌道電子の数、即ち原子番号Zに比例します。1MeVの前後でコンプトン効果が起こる確率が最も高くなります。コンプトン効果の断面積(起こりやすさ)については日本の仁科博士が多大な貢献をした仁科・クラインの公式が有名です。
 更にエネルギーが高くなると電子対生成が卓越します。
0607電子対生成

 γ線は消滅し、陽電子・陰電子の対の電子線が発生する現象です。閾値は1.02MeV。エネルギーが大きくなると起こる確率(原子断面積)が増します。また原子番号Zの2乗に比例します。
 更にエネルギーが大きくなると、原子核を壊すなどの光核反応が起きます。
 さて光電効果とコンプトン散乱と電子対生成がどのくらいのγ線エネルギーで卓越となるかみてみましょう。
0121γ線と各吸収効果

 上図はNa(Tl)の光電効果、コンプトン散乱、電子対生成の各エネルギーごとの吸収係数を表しています。241Amからのγ線:59.5KeVですので光電効果が最も顕著になります。電子対生成は起きません。光電効果はエネルギーが増すごとに減少しますが、K殻軌道束縛エネルギー付近で大きな不連続があります。これをK端といいます。
60Coからのγ線:1.17MeVと1.33MeVですので、どんな物質でもコンプトン効果>光電効果>電子対生成の順番となります。コンプトン効果も光子のエネルギーの増加とともに断面積(起こりやすさ)が減少しているのが見て取れます。電子対生成場合は、エネルギー増加とともに断面積(起こりやすさ)は増加しています。

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β線と物質の相互作用の過去問

こんにちは。本日はちょっとかわった文房具の話題から入ります。先日、NHKの「ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語」が最終回を迎えました。私は主演を務めた多部未華子さんの大ファン。毎回、そのシチュエーションに最も適した筆記具・紙を使い手紙を代書するシーンが、話が盛り上がったところで登場します。
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話の内容もしみじみとして...味わいのあるいいドラマでした。
さて本日はβ線(含む電子線)と物質の相互作用に関する問題について考えて見たいと思います。
この分野は、ほぼ毎年出されている頻出分野の一つです。
 
 
2007年問8
β線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.エネルギーが低いほど比電離は大きい。
B.空気中の飛程が1mを越えるものはない。
C.β線に関する吸収係数は、吸収物質の原子番号とβ線の平均エネルギーに比例する。
D.制動放射は、原子核のクーロン場との相互作用により起こる。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は3のAとDです。

電子は突き抜ける物質の電子が多い方が、つまり原子番号に比例して阻止されますが、エネルギーが低いほど比電離や阻止能は大きくなります。
 
 
2009年問8
β線による制動放射線に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.エネルギーの高いβ線の方が発生しやすい。
B.鉄よりガラスの方が発生しやすい。
C.制動放射線のエネルギーは、連続スペクトルを示す。
D.β線によって励起された原子核から発生した光子である。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は2のAとCです。
 
2010年問6
β線による制動放射線に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.制動放射は、原子核のクーロン場との相互作用により起きる。
B.制動放射線は、β線によって励起された原子核から発生した光子である。
C.制動放射線のエネルギーは、連続スペクトルを示す。
D.制動放射線は、エネルギーの高いβ線の方が発生しやすい。
 
1 ACDのみ  2 ABのみ  3 BCのみ
4 Dのみ  5 ABCDすべて

正解は1のACDのみです。
 
2010年問7
電子線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.電子線のエネルギー損失は、主に原子核との相互作用により起こる。
B.同じエネルギーの電子でも、物質が異なれば、到達する深さは異なる。
C.衝突阻止能は、電子線のエネルギーが高いほど大きい。
D.制動放射線は、プラスチックよりも鉄の方が発生しやすい。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は4のBとDです。
 
2011年問7
β線と物質との相互作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.エネルギー損失は、主に軌道電子との相互作用により起きる。
B.β線は物質中を直進する。
C.制動放射は、原子核のクーロン場との相互作用により起きる。
D.β線には、空気中の飛程が2mを越えるものがある。
 
1 ACDのみ  2 ABのみ  3BCのみ
4 Dのみ  5 ABCDすべて

正解は1のACDのみです。
 
2013年問6 
β線と物質の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A.β線は、物質の中で直進する。
B.β線は、物質の原子番号が大きいほど後方散乱しやすい。
C.β線のエネルギーが高いほど、制動放射によるエネルギー損失の寄与が大きい。
D.β線の比電離は、同じエネルギーのα線の場合よりはるかに大きい。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は3のBとCです。
 
 
2013年問17
90Sr線源を0.5cm厚の蓋付きの鉛容器に収納して、この容器の外側からGM管式サーベイメータで測定したところ、バックグランドよりも有意に高い値が検出された。検出された放射線は、次のうちどれか。
 
1 β線
2 γ線
3 β線と制動放射線
4 制動放射線
5 β線とγ線

正解は4の制動放射線のみです。
 
 
2014年問7
β線と物質との相互作用及びそれに伴って生じる制動放射線に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.制動放射線は、原子核のクーロン場との相互作用により生じる。
B.β線の飛程は、最大エネルギーのほぼ2乗に比例する。
C.β線のエネルギーが高いほど比電離も大きい。
D.制動放射線のエネルギー分布は、連続スぺクトルを示す。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は3のAとDです。
 
まずβ線もしくは電子線がどんなときに発生するか押さえておきましょう。もう一度図をお示ししますのでイメージをつかんで下さい。
h0604様々な電子線

原子核の壊変に伴い直接原子核から電子が飛び出してくるものがβ線です。
同じ電子の流れでも、γ線が周りの電子を蹴飛ばす事によって電子が出てくるモノ。これが内部転換電子(ICE)。
特性X線が周りの電子を蹴飛ばす事によって電子が出てくるモノ。これがオージェ電子。
人工的に加速器などで電子を加速した場合は電子線となります。
発生原因は異なっても、高速で走る電子であることに変わりは無く、エネルギーが等しければ物質との相互作用は同じです。

電子線はまっすぐ飛ぶか。よく問われる問題です。
α線は質量が大きいため、ほぼ直進しますが、β線は原子とのクーロン力などで酔っ払いの歩行のようにジグザクと進みます。
空気中では 90Yからのβ線(2.26MeV)で8.4m、32Pからのβ線(1.71MeV)で6m最大飛びます。

電子線がエネルギーを失うのは軌道電子との相互作用による衝突損失と原子核のクーロンの場との相互作用による制動損失があります。イメージとしては衝突がパチパチと音がし、制動がブレーキをかけたようなキッキーと音がする感じでしょうか。下表の最後の比率の式で、例え鉛に 90Yの2.26MeVのβ線が飛び込んだとしても、制動損失によりX線に変換されるモノは2割程度に過ぎません。
0707densnisenn


X線を発生させるX線管はフィラメントから出る熱電子を高電圧で陽極に加速・衝突させて発生させます。陽極の物質としては通常タングステンが用いられますが、高温に耐えるよう融点が高いこと、そして制動損失の比率が高くより制動X線を発生させるよう原子番号が大きいことが理由です。
0708X線管


制動X線は連続スペクトルを示すこと、高エネルギーのβ線は制動X線の発生を防ぐため、無闇に原子番号の大きな物質で遮蔽せず、プラスチックのような原子番号の低い物質で先ずβ線を減らし、その周りを鉛など高原子番号物質で覆うようにした方がよいこと等もよく問われる観点です。2013年問17ではこの点が問われています。
0.8MeV以上の高いエネルギーを持つβ線の質量飛程は
R=0.542E−0.133(g/cm2)
でしたね。アルミの比重(g/cm3)は約2.7ですから、最大飛程は
(0.542×2.28−0.133)/2.7=0.408
すなわち0.5cmのアルミ板で止めることができます。文科系の人は式を覚えるより、「イットリウムのβ線でも0.5cmのアルミで止まる」と記憶した方がいいと思います。ならば比重が11.34である0.5cmの鉛板では完璧に遮蔽されます。しかし、鉛との制動放射により、透過力の強い制動X線が発生し、これが観測されるのです。
比電離とは、ある物質中を荷電粒子が単位長さ進むときに生ずるイオン対の数です。同じ質量を持つ荷電粒子なら電荷が大きいほど、同じ荷電粒子なら速度の遅いほど、比電離は大きくなります。よってβ線は、「エネルギーが低いほど比電離は大きくなる」のです。

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崩壊のタイプに関する過去問

こんにちは。一時期、凝って様々なものを買いそろえたのがショットノートです。

名刺でも、日々の記録でも、何でもここに書きとめ、タブレットパソコン上に保管していました。今では、すっかりご無沙汰となりましたが。

さて、本日はα崩壊、β崩壊など様々な崩壊のタイプに関する過去問を眺めてみたいと思います。頻出問題の一つです。

2008年問3
次の記述のうち、正しいものの組合わせはどれか。
A.β+壊変と制動X線の放出は競合する。
B.β-壊変と特性X線の放出は競合する。
C.オージェ電子の放出と特性X線の放出は競合する。
D.核異性体転移と内部転換は競合する。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は5のCとDです。
 
2009年問5
次の記述のうち、正しいものの組合わせはどれか。
A.EC壊変により、原子核から特性X線が放出される。
B.β-崩壊により、原子核から電子が放出される。
C.内部転換により、原子核からニュートリノが放出される。
D.自発核分裂により、原子核から中性子が放出される。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は4のBとDです。
 
2011年問6
β壊変(EC壊変を含む)に関する次の記述のうち、正しいものの組合わせはどれか。
A.β-壊変は、中性子数の過剰な原子核で起こりやすい。
B.β+壊変では、娘核種の原子番号は親核種の原子番号より1大きい。
C.β線が連続スペクトルを示すのは、ニュートリノが壊変エネルギーの一部を持ち去るためである。
D.EC壊変(電子捕獲)では、娘核種の原子番号は親核種の原子番号と同じである。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとD  5 CとD

正解は2のAとCです。
 
2012年問2
次の記述のうち、正しいものの組合わせはどれか。
A.EC壊変により、原子核からニュートリノが放出される。
B.β+壊変により、原子核からニュートリノが放出される。
C.核異性体転移によるγ線放出と内部転換電子放出は競合する。
D.自発核分裂により、中性子が放出される。
 
1 ACDのみ  2 ABのみ  3 BCのみ
4 Dのみ  5 ABCDすべて

正解は5のABCDすべてです。
 
 
2014年問2
β-壊変に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.質量数が1だけ増加する。
B.核内の中性子が陽子に変わる現象である。
C.親核と娘核の質量差が電子の質量の2倍より大きくないと起こらない。
D.壊変のエネルギーは、娘原子、電子、反ニュートリノの3体に分配される。
 
1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は4のBとDです。
 
 
2015年問2
次の現象のうち、軌道電子と関係のあるものの組合せはどれか。
A.ラザフォード散乱
B.電子対生成
C.オージェ効果
D.内部転換
 
1 ABCのみ  2 ABのみ  3 ADのみ
4 CDのみ  5 BCDのみ

正解は4のCDのみです。
 
ラザフォード散乱とは、クーロン力のみよる荷電粒子の弾性散乱。ラザフォードの指導の下、金の薄膜にα粒子を当てる実験を行ったところ、大きく軌道を変える後方散乱が見られました。この現象から原子には正電荷の中心核(原子核)が存在することが明らかになりました。軌道電子とは直接関係しません。

2016年問3
放射線に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.α粒子は陽子2個、中性子2個、及び電子2個からなる。
B.電子と陽電子は進行方向と直交する静磁場中で、互いに逆方向に曲げられる。
C.γ線の速度はX線の速度よりも大きい。
D.熱中性子は間接電離放射線である。

1 AとB  2 AとC  3 BとC  4 BとD  5 CとD

正解は4のBとDです。

自身では電荷を持たないγ線、X線、中性子線は高速の電子をたたき出すことによって、連続的電離を引き起こします。これらは間接電離放射線と呼ばれています。

崩壊形式の早見表を作成しましたので参考にして下さい。
h0604崩壊形式

 β-崩壊の際に出されるのは正式には「反ニュートリノ」ですが、2011年問6のように「ニュートリノ」と記されることもあります。おおらかに考え、「反」がつかないからと妙な猜疑心を持つ必要はありません。
 設問では、「原子核から放出される」という言葉に注意する必要があります。電子捕獲(EC)すれば、必ず特性X線が観測されますが、それは原子核から出てくるものではありません。同様にβ+崩壊する核種からは必ず消滅放射線も観測されますが、これらは同様に原子核から発せられるものではありません。
 崩壊した後もこれらが原因となり連続して放射線が発せられるので、崩壊後の話をいたします。例えばセシウム137から生まれたバリウム137mが核異性体転移した際、発せられたγ線の内、10%は周りの電子を蹴り出します。γ線として放出されるべきエネルギーを軌道電子がもらって身代わりとなって放出されるのです。この現象をγ線の内部転換(internal conversion)と呼び、放出される電子のことを内部転換電子(ICE)と呼びます。そして電子が蹴り出されたなら、その空白に外の電子が落ちてきて特性X線が出され、更にそのX線が外側の電子を蹴り出すことがあります。これをオージェ電子と呼びます。複雑ですね。
下の図を見ながらじっくり覚えて下さい。
h0604様々な電子線


 線スペクトル、連続スペクトルに関する問題はよく問われています。
 
2008年問4
放射線のエネルギースペクトルに関する次の記述のうち、正しいものの組合わせはどれか。
A.α線は、連続スペクトルを示す。
B.β線は、連続スペクトルを示す。
C.制動放射線は、線スペクトルを示す。
D.特性X線は、線スペクトルを示す。
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は5のBとDです。
 
 
2010年問3
壊変に伴い放出される放射線について、エネルギーが線スペクトルを示すものの組合わせは、次のうちどれか。
A.α線
B.β線
C.γ線
D.内部転換電子
E.核分裂中性子
 
1 ABCのみ  2 ABEのみ  3 ACDのみ
4 BDEのみ  5 CDEのみ

正解は3のACDのみです。
 
 
連続スペクトルとは、放出割合とエネルギー値を見ると下図のように広い範囲に連続して現れるスペクトルです。
h0604連続スペクトルグラフ

 一方、線スペクトルは決まった値に線状にしか見られません。崩壊する際は、決まったエネルギーを取る、則ち線スペクトルになるのが一般的なのですが、β崩壊のように、観測しづらいニュートリノにもエネルギーが与えられ、β線だけでみると様々な値を取ります。連続スペクトルを取るものとして、β線、制動X線、 自発核分裂の中性子線(これも様々な物質でエネルギーを分かち合いますので、単一の中性子線を見ると、連続スペクトルとなります。)を記憶しておいて下さいネ。
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放射線の単位についての過去問

こんにちは。筆記具ではないのですが、ある時期、フィットカットカーブのハサミにも夢中になりました。


色々買ってきては実験しましたが、独特のカーブを持つこのハサミは抜群の切れ味でした。
さて、本日は放射線の単位に関する過去問を考えてみたいと思います。過去10年、毎年出題されており、頻出問題の一つです。毎年管理技術兇梁莪賁簗椶暴个気譴襪海箸多いようです。第一問目にコケると精神的にもよろしくありません。しっかりとマスターして下さいネ。

先ずは最もオーソドックな出題形式から入ります。
2007年問1
量と単位に関する組み合わせのうち、正しいものはどれか。
1.LET         − keV・μm-1
2.カーマ        − J・m-2
3.質量阻止能      − J・m3・kg-1
4.W値         − Gy
5.粒子フルエンス    − m-2・s-1

正解は1です。

2008年問1
量と単位の関係として、正しいものの組合わせはどれか。
A.粒子フルエンス     − m
B.カーマ         − Gy
C.線エネルギー吸収係数  − m
D.吸収線量        − Gy
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は5のBとDです。
 
 
2010年問1
次の量と単位の関係のうち、正しいものの組合わせはどれか。
A.カーマ          − J・m-2
B.LET          − μm・keV-1
C.吸収線量         − J・kg
D.粒子フルエンス      − m-2

1 ACDのみ  2 ABのみ  3 BCのみ
4 Dのみ  5 ABCDすべて

正解は4のDのみです。
 
 
2011年問1
次の量と単位の関係のとして、正しいものの組合わせはどれか。
A.質量エネルギー吸収係数   − m2・kg-1
B.核反応断面積        − m2
C.中性子束密度(中性子束)  − m-2
D.預託実効線量        − Sv・y-1
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとD  5 CとD

正解は1のAとBです。
 
 
預託実効線量とは50年間(子供では70年間)の実効線量の積分値をいいます。
従って単位は実効線量同様Svです。
 
2012年問1
次の量と単位の関係のとして、正しいものの組合わせはどれか。
A.預託等価線量     − Sv・y
B.カーマ        − Gy
C.1cm線量当量     − Sv・h-1
D.吸収線量       − Gy
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとD  5 CとD

正解は4のBとDです。
 
 
2013年問1
次の量と単位の関係のとして、正しいものの組合わせはどれか。
A.カーマ       − J・kg
B.実効線量      − J・kg
C.照射線量      − C・kg-1
D.粒子フルエンス   − m-2
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとD  5 CとD

正解は5のCとDです。
 
 
2014年問1
次の量と単位の関係のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A.放射能       − s-1
B.壊変定数      − s-1
C.粒子フルエンス   − m-2
D. カーマ      − J・kg-1
 
1 ABCのみ  2 ABDのみ  3 ACDのみ
4 BCDのみ  5 ABCDすべて

正解は5のABCDすべてです。
 
 
2015年問1
放射線に関する量について次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.吸収線量の単位はJ・kg-1である。
B.光子や非荷電粒子により物質中の荷電粒子に与えられた単位質量当たりのエネルギーの総和がカーマである。
C.放射能の単位はKg・s-1である。
D.放射線のエネルギーを表す単位はニュートンである。
 
1 ACDのみ  2 ABのみ  3 ACのみ
4 BDのみ  5 BCDのみ

正解は2のABのみです。
 
2016年問1
次の量と単位の関係のうち、正しいものの組合せはどれか。
A.壊変定数       − s-1
B.照射線量       − J・kg-1
C.カーマ        − J・kg-1
D.質量エネルギ一吸収係数− m2・kg-1・s
E.反応断面積      − m2

1 ABDのみ  2 ACEのみ  3 ADEのみ
4 BCDのみ  5 BDEのみ

正解は2のACEのみです。


次ぎに少し変化を加えた形式の出題を見てみましょう。
2007年問2
線量の単位に関する次の組み合わせのうち、正しいものはどれか。
  照射線量 吸収線量 等価線量 実効線量
1. C・kg-1  Gy   Sv    Sv
2. J・m-1  Gy   Gy    Sv
3. C・kg-1  Sv   Sv    Sv
4. J・m-1  Gy   Sv    Gy
5. C・kg-1  Sv   Gy    Sv

正解は1です。

2009年問1
次の値のうち、単位がeVであるものの組合わせはどれか。
A.G値   B.Q値   C.W値  D.RBE
 
1 AとB  2 AとC  3 AとD  4 BとC  5 BとD

正解は4のBとCです。


これもかなり変わった問題ですが、便宜上、ここで取り上げたいと思います。

2016年問6
1MeVのγ線のエネルギーが対象物質に全て吸収されたときに生じる変化について、その数が多い順に並べられているものは、次のうちどれか。ただし、乾燥空気のW値を34eV、ゲルマニウム結晶のε値を3.0eV、およびフリッケ線量計のG値を15.5とする。
A.乾燥空気に吸収された際に生じる電子一イオン対の数
B.ゲルマニウム結品に吸収された際に生じる電子一正孔対の数
C.フリッケ線量計の溶液に吸収された際に生じるFe3+の数

1 A>B>C  2 B>A>C  3 B>C>A
4 C>A>B  5 C>B>A

正解は3のB>C>A

 B>Aとなるのは、比較的容易です。このため半導体検出器は分解能が高いのでしたよね。フリッケ線量計の溶液に吸収された際に生じるFe3+の数とは。G値の定義は「放射線エネルギーが100eVがある系に吸収されて反応・生成する分子の数」です。これが15.5個です。W値を34eVなら2.9個、ε値を3.0eVなら30個です。よってABCの数はB>C>Aとなります。

早見表を作成しましたので参考にして下さい。
h0603単位早見表

 通常使われる単位に対して、それを長さでしたらメートル、重さでしたらKgなど、基本的な単位(SI単位)に置き換えたものがSI単位の欄です。吸収線量グレイ(Gy)でしたら、その意味は単位重量当たりどのくらいエネルギーを吸収したかですのでSI単位化すると、J/Kgとなります。
 同じグレイ(Gy)で表される量にカーマがあります。これはγ線、中性子線等、電荷を持たない放射線に適用され、物質中の荷電粒子に与えられた単位質量当たりのエネルギーの総和を表します。2次荷電粒子が再び非荷電粒子を生み出す現象の影響が無視できることを前提にすると、カーマと吸収線量は等しくなります。放射線の強度を表わすのに空気カーマがよく使用されています。
一般化でき、是非覚えて頂きたいことは”率”という言葉です。線量(Sv)という時は、人に与えるダメージの大きさです。これに率がついた線量率 (Sv/h)という時間当たりの概念となります。粒子フルエンスと粒子フルエンス率の関係も同様です。これさえ押さえておけば、2007年問1の5、 2011年問1のD、2012年問1のA(時間単位が分子に掛かることは先ず無い)、Cが違うことが分かります。ややこしいのが中性子束密度、これは”率”はつかないのですが単位時間当たり一定面積通過数です。
 さてゴチャゴチャしがちなのが線阻止能と質量阻止能、飛程と質量飛程の関係です。飛程は長さそのものです。荷電粒子がどれだけ遠くまで飛ぶかです。これを 質量飛程にするには密度(kg/cm3)を掛けてやればよい。則ち単位はcmからkg/cm2となります(一般の教科書では両者ともに「飛程」と表現されています。しかし両者は明らかに別な概念です。そこで虹法師は「飛程」と「質量飛程」を区別して説明しています)。一方線阻止能やLETは単位長さ当たりどれだけエネルギーを落としたか(吸収したか)を測るものです。ここでは長さは分母に来ます。つまり/cmです。これを質量に直すには密度(kg/cm3) を分母に掛ける、すなわち割ってやれば良い。則ち質量阻止能の単位はMeV・cm2/kgとなります。
 線エネルギー吸収係数は、ある長さを走った時、エネルギーが何割に落ちるかを示す単位です。エネルギーについての係数ですので、エネルギーに関しては無単位です。よって長さの単位が分母に来るのみです。これを質量エネルギー級数係数にするときは、上記同様、密度(kg/cm3)で割ることとなり、単位はcm2/kgです。

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雑誌ニュートン7月号を読んで----一般相対性理論と糖尿病

こんにちは。私がかつて熱烈に愛した文房具にトラディオ プラマンがあります。ある日偶然、この筆記具で文字を書いたのですが、以来、書き心地の良さにすっかり虜になりました。

クラフトデザインテクノロジー トラディオプラスティック万年筆(黒) 940PEPH3TR017BK
(参考:プラマン(ぺんてる)は玄人好みの名筆記具! その書き心地には病み付きに!
今は、消せるという魅力に勝てず、すっかりフリクションボール派になってしまいましたが。消せるトラディオ プラマンをどこかで開発してくれないかな〜。

さて本日は月例の雑誌ニュートン感想をご報告したいと思います。

今月も先ず「今度こそ理解できる----相対性理論再入門」の第3回目、「タイムトラベルと双子のパラドックス」について触れます。
面白かった!でも段々と難しくなってきたと実感しました。
双子のパラドックスとは。20歳の双子の兄弟がいた。兄は光速の80%の宇宙船で24万光年先の惑星を目指します。30年で到着できるはず。惑星に到着したら直ちに帰路につきます。60年後帰還。相対性理論によれば光速の80%で進む時は、地球から見れば時間は60%しか進まない。時の進行が遅れる。ならば帰ったとき、地球にいた弟は80歳になっているが、兄は56歳のはず。ところが相対性理論によれば、絶対の基軸はなくすべての動きが相対的。ならば兄の宇宙船を基軸にすれば、光速の80%で遠ざかったのは地球で、反転してこれが戻ってきたことになる。ならば時間が遅くなったのは弟の方。この矛盾をいかに考えたらよいか。
兄は目的地に着いたら、地球に戻るために進行方向を逆向きに変える必要があります。この折り返しがあるせいで、兄と弟の立場を単純に置き換えることはできません。結論としては、再会時には宇宙を旅してきた兄の方が若くなるというのが正しいのです。〜兄(宇宙船)視点で、弟(地球)の時間の進み方を考えるとき、問題となるのは兄が折り返す瞬間です。相対性理論によると、兄の宇宙船が進行方向を変えた瞬間、地球にいる弟の時間が一気に進みます。
アインシュタインの思考は時空間のみならず、これらと重力の関係にまで進みます。これらをすべて包含したものが一般相対性理論です。ロケットで加速されると重力が増すように感じられます。では宇宙船の加速によるGと地上の重力は、全く閉ざされた部屋にいたときに差を見分けることができるでしょうか。できないそうです。そこでアインシュタインは重力もGも同様のものとして取り扱います。ロケットが加速して光速の80%となるとき、凄まじいGを受けます。その結果、宇宙船の時計は地上のものより遅れます。ならば激しい重力を受ければ物質の時計の進みは遅れる。また空間もゆがむ。兄の乗った宇宙船は出発時に加速、到着時に減速、また帰還時にも加速と減速をします。このため激しい重力を受けたと同様となります。そして時の進行が遅くなる。一方、弟はずっと地球にいたままなのでこのようなGには晒されない。よって時に遅れは生じない。
ふむ、難しくはありますが、今月号でも相対性理論が今までより分かった気がしました。疑問が一つ。原子を加速器で加速、減速することにより、兄と弟のパラドックスを実験的に確認することはできるのでしょうか?

二つ目の話題は「予防は?肥満との関係は?忍び寄る糖尿病」です。今、この話題を取り上げるのはとても勇気のいることです。糖尿病に関する見解は、現在、革命の嵐の中にある。虹法師はそう感じます。巷には「糖質制限」に関する書籍が氾濫し、その中核を占める考え方は以下の通りです。
・人類は狩猟・採取生活を長い進化の歴史の中で営んできた。この時、米や麦などの糖質(炭水化物)はそれほど多く食べることはできなかった。
・農業が発達し、米や麦が主食となり、人口は爆発的に増えて、文明も発達したが、ヒトの体は糖質主体の食生活にそれほど適してはいない。
・飽食の時代となり、いつも糖質を主体として、腹一杯食べられるようになった時に、適応できず発症するのが糖尿病である。
・このためこの病気に対して最も必要ことは、糖質を主体とした食生活を変えることにある。
糖尿病に関して糖質制限が有効なことは、ドクター江部の糖尿病徒然日記糖尿病奮闘記ブログ〜完治までの道のり〜 -で明にされています。
一方、旧来の伝統的な権威ある糖尿病の対応法とは、炭水化物、タンパク質、脂質などのバランスはそのままに、カロリーを制限することに主眼を置き、これに適切な運動行うのがよいとされます。
先鋭的な対立点は、糖質の制限に主眼を置くか、栄養素バランスはそのままにカロリー(食の摂取量)制限に主眼を置くかです。
今回のニュートン記事は、伝統的考えに基づくものでした。
炭水化物、タンパク質、脂質はまとめて「三大栄養素」と呼ばれています。これらはすべて胃や小腸で消化、吸収された後、それぞれ体の中でエネルギーとなります。そのため、単純に炭水化物だけを制限したとしても、その代わりにタンパク質や脂質を多く摂取した場合、総カロリー量は変わらず、体重は減らないのです。むしろ、糖質制限にともなって、動物性タンパク質を多く摂取した場合、腎臓の悪化を招いたり、動脈硬化や心筋梗塞の発症率が上がったりすることで、結果的に死亡率が上がったという報告があります。食事療法を行う際は、独断で食事制限は行わず、医師や栄養管理士に相談することが重要です。
私は、ニュートンの読者として2つの主張のどちらが科学的見解であるか知りたいと思います。この2つは実験を行うことによって白黒付けることが可能と思います。A群の患者さんは、伝統的なカロリー制限の食事方法を一年間続けます。B群の患者さんは、糖質の制限に主眼を置く食事法を続けます。その結果どちらに糖尿病改善の効果が顕著に表れるのか。人間で行うことが倫理的に問題が多いなら、比較的人間と似た糖尿病の症状を発する動物で確認するという方法もあろうかと思います。糖質制限の考え方は、一時のブームに乗ったあだ花なのか。それとも医学界の革命なのか。科学に関する話題として興味芯々です

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プロフィール
虹法師
年齢:50歳代
性別:男性

職業:財団法人勤務のサラリーマン

家族:妻、息子、犬、猫、金魚

趣味:パソコン、サイクリング
過去に放射線取扱主任を目指し、2種取得、1種も目指してがんばっていたが、今は勤務も異なり全く別の世界で生きています。しかし昨今ほど放射線の知識が必要とされる時はないのではないか。これから放射線主任を目指して勉強される方のため、またそれほどではないにせよ放射線の知識を得たいと思う人のため、ささやかながら情報を送り続けることにいたしたい。
「放射線は、私達の身近に、常に存在するものです。放射線に関する勉強は、決して無駄にはなりません。試験に合格することだけでなく、放射線について勉強すること自体が、今後の人生の武器になると思います。」
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