目指そうサイエンス主任

電験三種に挑戦し、やっとこ合格することができました。その奮闘記や以前取得し応援ブログを書いていた放射線取扱主任者に関する記事が中心になります。また愛読誌「ニュートン」に関する記事も毎月書いてまいります。

こんにちは。虹法師です。本日から変圧器問題の解説に入ります。この章から令和5年下期の問題についても取り入れたいと思います。

1.変圧器の構造
0414変圧器の構造
変圧器は、電圧を高くしたり、低くしたりできる電気機器です。コイルの巻数と電圧が比例します。変圧器の巻線には電気抵抗が低く、柔らかく加工しやすい軟銅線が用いられます。巻線の方法としては、鉄心に絶縁を施し、その上に巻線を直接巻きつける方法、円筒巻線や板状巻線としてこれを鉄心にはめ込む方法などがあります。
 [変圧器の冷却方式]
・絶縁油を使用する油入式:化学的に安定で、引火点が高く、流動性に富み、比熱が大きい(冷却効果大)な油が用いられる。
・空気を使用する乾式
・ガス冷却式
 絶縁油は温度上昇等により膨張収縮を繰り返すため,圧力の逃がし場所を設ける必要があります。そのまま外気に触れると絶縁油が酸化劣化してしまうため,変圧器本体とは別にコンサベータという油の膨張室を設けます。

2.変圧器の損失
0414渦電流とヒステリシス
鉄損=ヒステリシス損+渦電流損 (無負荷損)   
ヒステリシス損:鉄分子方向が磁気で変化し摩擦熱が起こることにより生ずる損失。ヒステリシス曲線で囲まれた面積交番磁界周波数比例ケイ素を含むと透磁率(磁気の通りにくさ)・電気抵抗が増し、減少。これを電磁鋼板といいます。ただし、加工性・機械的強度は減。
渦電流損:交番磁界が強磁性体を通過するとき、磁束の周りに渦電流が流れることによる損失。積層した鉄心材料間で電流が流れないよう表面を絶縁被膜で覆う。この積層鉄心は図1の時、顕著な低減効果。
銅損:コイル電流とコイル抵抗によるジュール熱。電線の断面積を大きくして低減。
交流電流が並列コイルにながれると、並列コイル間の電流不均衡から損失増加。 
機械損:回転機の場合の軸受け摩擦損、冷却ファンの空気抵抗など(変圧器にはない)
変圧器は鉄損=銅損となるような負荷を接続したとき、最大効率となる。
(電圧一定で出力を変化させても、出力一定で電圧を変化させても)

3.変圧器の等価回路
0414変圧器等価回路

0414巻数比a
励磁電流(0)は、磁気飽和、ヒステリシス損のため、非正弦波電流となり、多くの次数の高調波を含みます。実部の鉄損電流(Ii)と虚部の磁化電流(Im)に分解できる。実部は鉄損を生じさせ励磁コンダクタンス(g0)、虚部は磁束を発生するために使われ励磁サセプタンス(b0)といいます。ともにR(抵抗:レジスタンス)X(リアクタンス)の逆数であり、一次側を二次側に換算する際、逆数なのでa2で割るのではなく、a2をかける必要がある。

4.電圧変動率
0414電圧変動率

それでは関連する問題を眺めてみます。(解答は白文字で書かれていますのでマウスでなぞって反転させて下さい)

令和2年-8
 変圧器の構造に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 変圧器の巻線には軟銅線が用いられる。巻線の方法としては、鉄心に絶縁を施し、その上に巻線を直接巻きつける方法、円筒巻線や板状巻線としてこれを鉄心にはめ込む方法などがある。
(2) 変圧器の鉄心には、飽和磁束密度と比透過率が大きい電磁鋼板が用いられる。この鋼板は、渦電流損を低減するためケイ素が数%含有され、さらにヒステリシス損を低減するために表面が絶縁被膜で覆われている。
(3) 変圧器の冷却方式には用いる冷媒によって、絶縁油を使用する油入式と空気を使用する乾式、さらにガス冷却式などがある。
(4) 変圧器油は、変圧器本体を浸し、巻線の絶縁力を高めるとともに、冷却によって本体の温度上昇を防ぐために用いられる。また、化学的に安定で、引火点が高く、流動性に富み比熱が大きくて冷却効果が大きいなどの性質を備えることが必要となる。
(5) 大型の油入変圧器では、負荷変動に伴い油の温度が変動し、油が膨張・収縮を繰り返すため、外気が変圧器内部に出入りを繰り返す。これを変圧器の呼吸作用といい、油の劣化の原因となる。この劣化を防止するため、本体の外にコンサベータやブリーザを設ける。

正解は(誤っているのは)(2)です。
渦電流損とヒステリシス損についてしっかり理解できていれば、(2)が誤りであることは確信できると思います。


令和4年下-9
 変圧器に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 無負荷の変圧器の一次巻線に正弦波交流電圧を加えると、鉄心には磁気飽和現象やヒステリシス現象が生じるので電流は非正弦波電流になる。この電流を励磁電流といい、第3次をはじめとする多くの次数の高調波を含む。
(2) 変圧器の励磁電流のうち、一次電圧と同相成分を鉄損電流、π/2[rad]遅れた成分を磁化電流という。
(3) 変圧器の鉄損には主にヒステリシス損と渦電流損がある。電源の周波数をf、鉄心に用いる電磁鋼板の厚さをtとすると、ヒステリシス損はfに比例し、渦電流損は(f×t)の2乗に比例する。ただし、鉄心の磁束密度を同一とする。
(4) 変圧器の損失には主に鉄損と銅損があり、両者が等しくなったときに最大効率となる。無負荷損の主なものは鉄損で、電圧と周波数が一定であれば負荷に関係なく一定である。また、負荷損の主なものは銅損で、負荷電流の2乗に比例する。
(5) 変圧器の等価回路において、励磁回路は励磁コンダクタンスと励磁サセプタンスで構成される。両者を合わせて励磁アドミタンスという。励磁コンダクタンスに流れる電流は磁化電流に対応し,励磁サセプタンスで発生する損失は鉄損に対応している。

正解は(誤っているのは)(5)です。



令和5年下-8
 変圧器の一次側(巻線N1)の諸量を二次側(N2)に換算した場合の簡易等価回路の換算係数に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、この変圧器の巻数比(N1/N2)をaとする。

(1) 一次側の電圧は1/a倍
(2) 一次側の電流はa倍
(3) 励磁電流はa倍
(4) 一次側のインピーダンスは1/a2
(5) 励磁アドミタンスは1/a2

正解は(誤っているのは)(5)です。



令和3年-9(電圧変動率)
 定格容量500kV・Aの三相変圧器がある。負荷力率が1.0のときの全負荷銅損が6kWであった。このときの電圧変動率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから1つ選べ。ただし、鉄損及び励磁電流は小さくは無視できるものとし、簡単のために用いられる電圧変動率の近似式を利用して回答すること。

(1) 0.7   (2) 1.0   (3) 1.2   (4) 2.5   (5) 3.6 

正解は(3)の1.2です

与えられた変圧器は三相ですが、基本となる単相変圧器で考え、最後に補正を行います。
公式 ε=pcosθ+qsinθですが、負荷力率1.0が与えられているため、sinθ=0
よってq百分率リアクタンス降下は考えなくてもよい。
単相変圧器の相電圧をV0、V2n、二次相電流をI2nと、銅損の元となる1相分の抵抗をRとします。
 ε=p=(I2n・R)/V2n
    =(I2n)2・R/I2n・V2n、(分子分母にI2nをかける)
三相変圧器の定格容量とは、一相分の相電圧、相電流の積の3倍。
すなわち500kV・A=3×I2n・V2n
三相の銅損とは、一相分の銅損の3倍。
すなわち6kW=3×(I2n)2・R
よってε=p=6kw/500kW=0.012=1.2%

こんにちは。虹法師です。本日は各電動機を横並びで比較した問題を眺めてみます。

1.電気機器の損失
(1)銅損:コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱。コイル断面積を大きくすることで低減できる。
(2)鉄損:ヒステリシス損と渦電流損の合計。
・渦電流損:交番磁界が強磁性体を通過するとき、磁束の周りに渦電流が流れることによる損失。周波数の2乗に比例。対策-強磁性材料や、表面を絶縁膜で覆った積層鉄板を活用。
・ヒステリシス損:磁性材料を通る磁束が変動すると摩擦熱が起き発生。周波数に比例。対策-鉄心材にケイ素を添加した電磁鋼板の利用。
(3)機械損:軸受およびブラシの摩擦損、回転部と空気との摩擦損。回転部と空気の摩擦による風損の各損失の合計。
 三相同期電動機のコイルリアクタンスによる損失は、鉄損・銅損のどちらでしょうか?マイクロソフトのAIに聴いてみたら、以下の答えが返ってきました。
「三相同期電動機において、コイルのリアクタンスによる損失は、鉄損として考えられます。鉄損は、同期電動機の鉄心部分において、磁束の変化によって生じる損失です。鉄心内の磁束が周期的に変化するため、鉄心材料のヒステリシス損失と渦電流損失が発生します。」
皆さんも、試験勉強中に生じた疑問点について、AIを活用してみては如何でしょうか。

2.巻線の種類
(1)重ね巻と波巻(主に直流電動機の回転子の巻線方法)
●重ね巻:コイルの巻き終わりを、次のコイルの巻き始めと重ねて接続。低電圧・大電流。
●波巻:並列回路数が2となるよう接続。高電圧・小電流。 
詳しくは「直流機の構造と種類」をご参照下さい。

(2)集中巻と分布巻(三相誘導電動機、三相同期電動機、ブラシレスDCモータ)
0330分布巻と集中巻
 集中巻は1つのスロットに1つのコイルを集中して巻く方法です。一方、分布巻は、複数のスロットにコイルを分散させて巻く方法です。誘導電動機、同期電動機では、電動機の効率や電圧波形の改善に寄与し、分布巻が一般的に多く利用されています。ブラシレスDCモータでも同じ概念の巻き方があり、こちらは集中巻が一般的です。

(3)単節巻と全節巻
 全節巻はコイルピッチを極ピッチ同様とした巻き方。単節巻は、コイルピッチを極ピッチより短くした巻線法であり、誘導起電力は小さくなりますが、波形をサインカーブに近づけられ電圧波形改善が期待できます。

3.トルク対速度曲線
(1)一般論
0330トルク対速度
 上図1にように、回転速度が増すにつれ電動機のトルクは減少し、負荷トルクは増加するという組合せであったとします。動作点より回転速度が低い場合は電動機トルクが上回りますので、速度は増していきます。動作点より回転速度が速い場合は負荷トルクが上回りますので、速度は減少します。よって丁度動作点で安定することになります。逆に図2のように回転速度が増すにつれ電動機のトルクは増加し、負荷トルクは減少するという組合せだったとします。今度は動作点より右側でも左側でも動作点とは逆向きに進むことになります。よってこの場合は安定的動作点はなくなります。
(2)直流機のトルク対速度図
 教科書でよくお目にかかるのは下図です。しかしこれは縦軸トルク、横軸電流の図です。
分巻直巻のグラフ
では、直流機のトルク対速度曲線はどのようになるでしょう。分巻式の公式からトルクTをNで表す式に変形します。
T=(KΦ/ra)・(VーKΦN)
電圧Vが一定ならば、N以外はほぼ一定と考えることができます。よって下図のようになると想像できます。
0330分巻式トルク対速度
(3)誘導機のトルク対速度図
誘導機でよくお目にかかるのは横軸滑りs、縦軸トルクTの下図の比例推移図です。
0213トルク比例推移
横軸は右に行けば行くほどSは小さくなり、回転速度はN0に近づきます。つまりこの形はそのままトルク対速度図を表しているとみなすことができます。

4.各電動機と始動方法
(1)直流機
 直流機の始動時の問題点は、誘導起電力が小さいため、抵抗が巻線抵抗Raのみとなり、極めて大きな電流が流れてしまうことにあります。このため始動抵抗を直列に挿入という方策がよく施されます。
(2)誘導機
 誘導電動機は始動電流が過大で、始動トルクが小さいという性質を持っています。このためY-△始動法、三相単巻変圧器を用い始動電圧を下げる始動補償法、巻線型ではトルクの比例推移を利用し、外部抵抗を接続し、始動時二次抵抗を大きくして始動電流を抑制する方法が用いられます。しかし近年では、インバータを使用して電圧・周波数を調整し、低い周波数から始動して設定された周波数で運転する方法が幅広く使用されるようになりました。
(3)同期機
 同期機の一番の問題点は始動が苦手なこと。このため外部の電動機の力を借りて始動トルクを得るという大がかりな方法まで使われていました。しかし、上記誘導機同様、インバーター式が一般的になりつつあります。 

それでは関連する問題を眺めてみます。(解答は白文字で書かれていますのでマウスでなぞって反転させて下さい)

令和元年-7(令和5年下-7に同じ問題が出題される)
 次の文章は、電気機器の損失に関する記述である。
a コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が( ア )であり、この損失を低減するため、コイルを構成する電線の断面積を大きくする。
 交流電流が並列コイルに分かれて流れると、並列コイル間の電流不均衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため、並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値、すなわち、各コイルのインピーダンスを等しくする。
b 鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は( イ )と( ウ )の二つに分類される。前者は、交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れジュール熱として発生する。そこで、電気抵抗が高い強磁性材料や、表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄板を磁気回路に用いて、電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は、鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この( ウ )を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。
c 上記の電磁気要因の損失のほか、電動機や発電機では、回転子の運動による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの( エ )がある。
 上記の記述中の空白箇所ア、イ、ウ及びエに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア   イ     ウ          エ 
(1) 銅損   渦電流損  ヒステリシス損    機械損
(2) 鉄損   抵抗損   ヒステリシス損    銅損
(3)  銅損   渦電流損  インダクタンス損   機械損
(4) 鉄損   機械損    ヒステリシス損    銅損
(5)  銅損   抵抗損   インダクタンス損   機械損

正解は(1)です



令和4年下-7
 次の文章は、交流機における電機子巻線法に関する記述である。
 電機子巻線法には、1相のコイルをいくつかのスロットに分けて配置する( ア )と、集中巻きがある。( ア )の場合、各極各相のスロットの数は( イ )となる。
 ( ア )において、コイルピッチを極ピッチより短くした巻線法を( ウ )と呼ぶ。この巻線法を採用すると、( エ )は低くなるが、コイル端を短くできることや、( オ )が改善できるなどの利点があるため、一般的によく用いられている。

 上記の記述中の空白箇所ア~エに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア    イ     ウ     エ      オ
(1) 分布巻  2以上   短節巻   誘導起電力  電圧波形   
(2) 分散巻  2未満   全節巻   励磁電流   力率
(3) 分布巻  2未満   短節巻   励磁電流   力率
(4) 分布巻  2未満   短節巻   励磁電流   電圧波形
(5) 分散巻  2以上   全節巻   誘導起電力  力率

正解は(1)です
分布巻は「複数のスロットにコイルを巻く方法」ですので、スロットの数は「複数=2以上」となります。


令和2年-7(同じ問題令和5年上-7)
 電動機と負荷の特性を、回転速度を横軸、トルクを縦軸に描く、トルク対速度曲線で考える。電動機と負荷の二つの曲線が、どのように交わるかを見ると、その回転数における運転が、安定か不安定かを判断することができる。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 負荷トルクよりも電動機トルクが大きいと回転数は加速し、反対に電動機トルクよりも負荷トルクが大きいと回転は減速する。回転速度一定の運転を続けるには、負荷と電動機のトルクが一致する安定な動作点が必要である。
(2) 巻線形誘導電動機では、回転速度の上昇とともにトルクが減少するように、二次抵抗を大きくし、大きな始動トルクを発生させることができる。この電動機に回転速度の上昇とともにトルクが増える負荷を接続すると、両曲線の交点が安定な動作点となる。
(3) 電源電圧を一定に保った直流分巻電動機は、回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方、送風機のトルクは回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって、直流分巻電動機は、安定に送風機を駆動することができる。
(4) かご形誘導電動機は、回転トルクが小さい時点から回転速度を上昇させるとともにトルクが増、最大トルクを超えるとトルクも減少する。この電動機に回転速度でトルクが変化しない定負荷トルクを接続すると、電動機と負荷のトルクが2点で交わる場合がある。この場合、加速時と減速時によって安定な動作点が変わる。
(5) かご形誘導電動機は、最大トルクの速度より高速な領域では回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方、送風機のトルクは、回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって、かご形誘導電動機は、安定に送風機を駆動できる。

正解は(誤っているのは)(4)です。
(4)を図解すると、下図のようになります。
0330R2問題7
加速時も減速時も安定するのは右側の交点です。

令和4年上-7
 電源電圧一定の下、トルク一定の負荷を負って回転している各種電動機の性質に関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア)巻線形誘導電動機の二次抵抗を大きくすると、滑りは増加する。
(イ)力率1で運転している同期電動機の界磁電流を小さくすると、電機子電流の位相は電源電圧に対し、進みとなる。
(ウ)他励直流電動機の界磁電流を大きくすると、回転速度は上昇する。
(エ)かご形誘導電動機の電源周波数を高くすると励磁電流は増加する。

 上記の記述中の空白箇所ア~エに当てはまる組合せとして、正しいものを
  (ア)     (イ)     (ウ)     (エ ) 
(1) 誤り     誤り     正しい    正しい    
(2) 正しい    正しい     誤り    誤り
(3) 誤り     正しい     正しい    正しい
(4) 正しい    誤り     誤り    正しい
(5) 正しい    誤り     誤り    誤り

正解は(5)です
(ア)は「三相誘導電動機の始動と速度制御
(イ)は「三相同期電動機」の位相特性曲線
(ウ)は「直流電動機の回転速度、トルク、効率等を求める計算問題」の回転数の公式
を参照のこと。
(エ )は周波数を高くすれば、励磁回路の鉄損は大きくなりますので、励磁電流は減少します。



令和3年-7
 電源の電圧や周波数が一定の条件下、各種電動機では、始動電流を抑制するための種々の工夫がされている。
a.直流分巻電動機
 電子回路に( ア )抵抗を接続して電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇するに従って抵抗値を減少ささる。
b.三相かご形誘導電動機
 ( イ )結線の一次巻線を( ウ )結線に替えて電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇すると( イ )に戻す。
c.三相巻線形誘導電動機
 ( エ )回路に抵抗を接続して電源電圧を加え始動電量を制限する。回転速度が上昇するに従って抵抗値を減少させる。
d.三相同期電動機
 無負荷で始動電動機(誘導電動機や直流電動機)を用いて同期速度付近まで加速する。次に界磁を励磁して( オ )発電機として、三相電源との並列運転状態を実現する。そののち、始動用電動機の電源を遮断して同期電動機として運転する。

 上記の記述中の空白箇所ア~オに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  ア   イ    ウ    エ     オ
(1) 直列   Δ       二次    同期    
(2) 並列       Δ   一次    誘導
(3) 直列       Δ   二次    誘導
(4) 並列       Δ   一次    同期
(5) 直列   Δ       二次    誘導

正解は(1)です




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こんにちは。虹法師です。本日は雑誌ニュートン2024年5月号の感想です。今月号の特集は「もっと空が好きになる-天気と気象」「驚異の哺乳類-大哺乳類展3をもっと楽しもう」が組まれていました。
ニュートン5月号
ニュートン2024年5月号
 6月16日(日)まで、上野の国立科学博物館では「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」が開催されるそうです。博物館の川田伸一郎博士監修の下、第2特集はこの特別展の見どころを紹介すると共に、「分類」と「系統」の考え方や哺乳類の進化の不思議を、最新の研究に基づいて分かりやすく解説されていました。面白かったです。是非、特別展に参りたいと思いました。でも、私的に一番盛り上がったトピックスは、「実はカバとイルカが極めて近い種である」というお話でした。虹法師は学生時代に「カバ」との愛称で呼ばれていたこともあり、イルカと近縁であるとの学説は、とても嬉しく思っておりました。でもこの話題「雑誌ニュートン2月号を読んで--イルカ図鑑」でも取り上げており、また取り上げるのもいかがなものかと躊躇しました。そこで、この特集の内側ではないのですが、この特集とも密接に関連するFocusのトピックス、「剥製の正体はニホンオオカミだった」の方に焦点を当てた感想といたしました。
 国立科学博物館で「ヤマイヌの一種」とされていた剥製標本が、実はニホンオオカミであることがわかった。ニホンオオカミはかつて日本の本州、四国、九州に生息していたが、1905年に採集された個体を最後に絶滅した。
 2020年に国立科学博物館の筑波研究施設で開催された研究イベントに参加した当時小学4年生の小森日菜子さんは、標本にニホンオオカミに似た剥製標本が置かれていることに気がついた。~
 剥製標本の形態の解析や、過去の管理の記録の確認には山階鳥類研究の小林さやか博士と国立科学博物館の川田伸一郎博士が加わった。詳しい調査の結果、この剥製標本は雄のニホンオオカミであり、1888年に岩手県で捕獲されたのちに上野動物園で飼育されていた個体であることが分かった。
 NHKのホームページによると、日菜子さんがオオカミと気づくには以下の経緯があったそうです。
 小森さんは、小学2年生のころにニホンオオカミに興味を持ち、国内で保管されているはく製を見学したり、図鑑や学術書を調べたりしてその特徴について学んできたといいます。4年前(2020年)、小学4年生のときに国立科学博物館の収蔵庫を訪れた際に、保管されている動物のはく製標本が目に留まり、図鑑などで見たニホンオオカミと特徴が似ていることに気がついたということです。
0328日菜子とオオカミ
         (NHKホームページより)
 以降、小林博士や川田博士の励ましと助力を得て、日菜子さんは今年2月に論文「国立科学博物館所蔵ヤマイヌ剥製標本はニホンオオカミか?」を書き上げ発表しました。NHKや民放ニュースでも取り上げられ、このニュースが流れるとSNSで記事が拡散され、数日にわたりアクセスが高い状態が続き、大リーグの大谷翔平選手の結婚発表に肩を並べるほど多くの人に読まれることなったそうです。百年以上前の剥製が、一人の優れた眼力を持つ人間によって、ニホンオオカミではないかと再評価され、しかもその人物とはニホンオオカミが大好きな小学生であったとは。今でもニホンオオカミは生きているのではないかと、探索を続けているグループもあるそうです。ロマンを感じますね。
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こんにちは。虹法師です。本日は特殊なモータに関する問題を取り上げてみます。

1.ブラシレスDCモータ
0324dcモータ
 ブラシレスDCモータは、ブラシ付とは逆に、永久磁石が回転子側に、電機子巻線が固定子側に取り付けられた構造となっています。電機子巻線が回転しないため、ブラシや整流子が不要で、摩擦による劣化を避けることができ、耐久性に優れています。ブラシ・整流子の役割を担うのが位置センサーとインバータ回路で、回転子の位置に応じて、電機子巻線の電流をON,OFF、逆流させます。ブラシレスDCモータは、半導体スイッチの発達とともに発展してきたモータであり、効率性に優れ、DDやCD-ROM ドライブのような情報機器をはじめ、冷蔵庫や洗濯機のような家電製品にまで幅広く使用されています。

2.ステッピングモータ(パルスモータ)
 ステッピングモータは、時計の針のようにパルス信号が送られる毎に定められた角度を回転するモータです。この1パルス当たりの回転角度をステップ角といいます。
種類
永久磁石形:永久磁石を使うことによって、無通電状態でも回転子位置を保持しておくことができます。
●可変リラクタンス形:回転子として歯車状の鉄心を利用。現在ほとんど利用されていません。
●ハイブリッド形:上記2形の長所を合わせ持つ新しいタイプのモータ
ステッピングモータは、回転角度センサを用いなくても、1ステップごとの位置制御ができる特徴があり、プリンタやスキャナなどのコンピュータ周辺装置や、核種検査装置、製造装置など、様々な用途に利用されています。 

3.交流整流子モータ
 直流直巻モーターは加える電圧を逆にしても、磁束と電機子電流が共に逆になるので、トルク向き変わらず→交流でも動く。始動トルクが大きく、回転速度が高速。電動ドリル、電気掃除機、小型ミキサーのモーター。交流・直流共用であるため、ユニバーサルモーターとも呼ばれています。

4.小形交流同期モータ
 回転子に永久磁石を用いた三相同期電動機。励磁装置が不要であるため,構造が簡単で、回転子に発生する二次銅損がないため,高効率です。
 永久磁石の着装位置によって下図のような表面磁石形と埋込磁石形があります。
0324表面と埋込
埋込は磁束の有効活用面では劣りますが、磁石が剥がれにくく高速化に適しています。またリラクタンストルクを活用できるというメリットがあります。

5.リニアモータ
 リニアモータとは,可動体に直線的な運動をさせる力を与える駆動装置で,回転形モータを半径方向に切り開いて展開したものとみなすことがでます。近年は工場内輸送装置,鉄道の駆動システムなどの移動体のドライブに実用化されています。
 3種では出題されていませんが、1種、2種では取り上げられています。面白い話題なので、ご興味がありましたら、「電験ーーリニアモータに関する出題」をご覧下さい。

それでは関連する問題を眺めてみます。(解答は白文字で書かれていますのでマウスでなぞって反転させて下さい)

令和元年A-6
 次の文章は、一般的なブラシレスDCモータに関する記述である。
 ブラシレスDCモータは、( ア )が回転子、( イ )が固定子側に取り付けられた構造となっており、( イ )が回転しないため、( ウ )が必要な一般の直流電動機と異なる。しかし、何らかの方法で回転子の( エ )を検出して、( イ )の電流を切り換える必要がある。この電流の切り換えを、( オ )で構成された駆動回路を用いて実現している。ブラシレスDCモータは、( オ )の発達とともに発展してきたモータであり、上記の駆動回路が重要な役割を果たすモータである。

 上記の記述中の空白箇所ア、イ、ウ、エ及びオに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア     イ      ウ       エ      オ

(1) 電機子巻線  永久磁石  ブラシと整流子  回転速度  半導体
                              スイッチ   

(2) 電機子巻線  永久磁石  ブラシと     回転速度  機械スイッチ
               スリップリング

(3)永久磁石   電機子巻線  ブラシと整流子  回転速度  半導体
                               スイッチ

(4)永久磁石   電機子巻線  ブラシと     回転位置  機械スイッチ
               スリップリング

(5)永久磁石   電機子巻線  ブラシと整流子  回転位置  半導体
                               スイッチ
正解は(5)です

令和3年A-8
 ブラシレスDCモータに関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) ブラシレスDCモータは、固定子巻線に流れる電流と、回転子に取り付けられた永久磁石によってトルクを発生させる構造となっている。
(2) ブラシレスDCモータは、回転子の位置により通電させる巻線を切り換える必要があるため、ホール素子などのセンサによって回転子の位置を検出している。
(3) ブラシ付きの直流モータに比べ、ブラシと整流子による機械的接触部分がないため、火花による電気雑音は低減し、モータの寿命は長くなる。
(4) ブラシ付きの直流モータに比べ、位置センサの信号処理や、駆動用の制御回路が必要になり、モータの駆動に必要な周辺回路が複雑になる。
(5) ブラシレスDCモータは効率がよくないため、エアコンや冷蔵庫のような省エネが求められる大型の家電製品には利用されない。

正解は(誤っているのは)(5)です

令和4年上-6
 ステッピングモータに関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) ステッピングモータは、パルスが送られるたびに定められた角度を1ステップとして回転する。
(2) ステッピングモータは、送られてきたパルスの周波数に比例する回転速度で回転し、入力パルスを停止すれば回転子も停止する。
(3) ステッピングモータは、負荷に対して始動トルクが大きく、つねに入力パルスに比例して始動できるが、過大な負荷が加わると脱調・停止してしまう場合がある。
(4) ステッピングモータには、永久磁石形、可変リラクタンス形、ハイブリッド形などがある。永久磁石を用いない可変リラクタス形ステッピングモータでは、無通電状態でも回転子位置を保持する力が働く特徴がある。
(5) ステッピングモータは、回転角度センサを用いなくても、1ステップごとの位置制御ができる特徴がある。プリンタやスキャナなどのコンピュータ周辺装置や、核種検査装置、製造装置など、様々な用途に利用されている。

正解は(誤っているのは)(4)です。

令和2年A-6
 次の文章は、交流整流子モータの特徴に関する記述である。
 交流整流子モータは、直流直巻電動機に類似した構造になっている。直流直巻電動機では、加える直流電圧の極性を逆にしても、磁束と電機子電流の向きが共に( ア )ので、トルクの向きは変わらない。交流整流子モータは、この原理に基づき回転力を得ている。
 交流整流子モータは、一般に始動トルクが( イ )、回転速度が( ウ )なので、電気ドリル、電気掃除機、小型ミキサなどのモータとして用いられている。なお、小容量のものでは、交流と直流の両方に使用できるものもあり、( エ )と呼ばれている。

 上記の記述中の空白箇所ア~エに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア     イ    ウ    エ 
(1) 逆になる   大きく  低速  ユニバーサルモータ    
(2) 変わらない  小さく  低速  ユニバーサルモータ
(3) 変わらない  大きく  高速  ブラシレスDCモータ
(4) 逆になる   小さく  低速  ブラシレスDCモータ
(5) 逆になる   大きく  高速  ユニバーサルモータ

正解は(5)です


令和4年下-6
 次の文章は、小形交流モータに関する記述である。
 モータの固定子がつくる回転界磁中に、永久磁石を付けた回転子を入れると、回転子は回転磁界( ア )で回転する。これが永久磁石同期モータの回転原理である。
 永久磁石同期モータは、回転子の構造により、( イ )磁石形同期モータと( ウ )磁石形同期モータに分類される。( イ )磁石形同期モータは、構造的に小型化・高速化に適しており、さらに( エ )トルクが利用できる特徴がある。( エ )トルクは、固定子と回転子の鉄心(電磁鋼板)との間に働く回転力のことである。この回転力のみを利用したモータは、永久磁石同期モータに比べて、材料コストが( オ )という特徴がある。

 上記の記述中の空白箇所ア~オに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア       イ   ウ    エ       オ
(1) より低い速度   表面  埋込  リラクタンス   低い 
(2) より低い速度   埋込  表面   コギング    低い
(3) と同じ速度    埋込  表面  リラクタンス   高い
(4) と同じ速度    埋込  表面  リラクタンス   低い
(5) と同じ速度    表面  埋込   コギング    高い

正解は(4)です


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こんにちは。虹法師です。本日は三相同期電動機に関する問題を眺めてみます。

1.三相同期電動機の原理
 誘導電動機同様な回転磁界の中に、磁石が置かれます。よって固定子によって作られる回転磁界と回転子は同期(同じ速度)で回ります。
0322同期電動機回転原理

無負荷の場合は、角度がつかず、回転磁界のS極、N極にくっついて磁石の回転子はからから回ります。負荷があると若干角度を保ったまま回転子の磁石が追随して回ります。この角度δを負荷角といいます。
同期機の負荷が変動すると、負荷角も変動します。負荷もトルクも変動し続けた場合、振動が収まらなくなる場合があります。これを乱調といいます。防ぐためには制動巻線(かご形誘導機の回転子導体のようなもの)かはずみ車が取付けられます。
少し古いですが電動機に関する経済産業省の統計がありましたので、引用します。
0316電動機の出荷内訳
日本国内においては、発電機はほとんど三相同期機ですが、電動機は台数も容量でも圧倒的に誘導電動機が多く使われています。

2.同期電動機の始動
 同期機は回転磁界(交流周波数によって一定)と同じ速さで回転子が回らなければならないため、始動時は回転磁界が速すぎて追いつけないことあります。このため、始動時に以下の様な工夫が必要となります。
0316同期機始動法

3.負荷角とトルク
 同期電動機の等価回路(一相分)は以下のようになります。
0316同期電動機等価回路
キルヒホッフの法則により、Vを基準に描くとベクトル図は以下のようになります。
0316同期電動機ベクトル図
VとIの位相差をθ、VとEの位相差を負荷角といいδとします。EとIの角度差はδθとなります。よって出力はEIcos(δθ)。これはほぼ(VE/xs)・sinθとなります。次の公式を覚えてください。
0316一相分の消費電力
またトルクTは
T=P0/ω
角速度が同一なら(周波数・極数が同じなら同一となるなず)、TとPは比例し、δπ/2の時、トルクも最大となります。負荷がこのトルクの最大値を超えてしまったとき、同期電動機は減速し始め、止まります。これを同期はずれ(脱調)といい、最大トルクを脱出トルクといいます。

4.位相特性曲線(V曲線)
 供給電圧、同機リアクタンス、電動機の出力を一定として、界磁電流Ifと電機子電流IMの関係をグラフにしたもの。電機子電流が最小の時は力率が1であり、電機子電流と供給電圧は同相となります。
0322V曲線
界磁電流を大きくすると、電機子電流を進ませることができ、小さくすると遅らせることができることから、同期電動機は同期調相機として利用されています。

それでは関連する問題を眺めてみます。(解答は白文字で書かれていますのでマウスでなぞって反転させて下さい)

令和元年A-5
 次の文章は、星形結線の円筒型三相同期電動機の入力、出力、トルクに関する記述である。
 この三相同期電動機の1相分の誘導起電力[V]、電圧[V]、電流[A]、VとIの位相差をθ[rad]としたときの一相分の入力Pi[W]は次式で表される。
  Pi[W]=VIcosθ
 また、EとVの位相差をδ[rad]とすると、1相分の出力P0[W]は次式で表される。EとVの位相差δは( ア )といわれる。
0217r1t5no1
 ここでx[Ω]は同期リアクタンスであり、電機子巻線抵抗は無視できるものとする。
 この三相同期電動機の全出力をP[W]、同期速度をns[min-1]とすると、トルクT[N・m]とPの関係は次式で表される。
0217r1t5no2
これから、Tは次式のようになる。
0217r1t5no3
以上のことから、0 ≦ δ ≦π/2の範囲においてδが( ウ )になるに従ってTは( エ )になり、理論上π/2の[rad]のとき( オ )となる。

 上記の記述中の空白箇所ア、イ、ウ、エ及びオに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア   イ     ウ     エ      オ
(1) 負荷角   cosδ   大きく   大きく   最大値
(2) 力率角   cosδ    大きく   小さく   最小値
(3) 力率角   sinδ    小さく   小さく   最小値
(4) 負荷角   sinδ     大きく   大きく   最大値
(5) 負荷角   cosδ   小さく   小さく   最大値

正解は(4)です


令和2年ー5
 図はある三相同期電動機の1相分の等価回路である。ただし、電機子巻線抵抗は無視している。相電圧Vの大きさはV=200V、同期リアクタンスはxs=8Ωである。この電動機を運転して力率が1になるように界磁電流を調整したところ、電機子電流Iの大きさIが10Aになった。このときの誘導起電力Eの値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
0220r2t51


(1) 120   (2) 140   (3) 183   (4) 215   (5) 280 

正解は(4)の215です。
ベクトル図が正しく書ければ、問題なく解けると思います。
0322r2問5
E=√2002+802=215[V]

令和3年-5
 次の文章は、三相同期電動機に関する記述である。
 三相同期電動機が負荷を担って回転しているとき、回転子磁極の位置と、固定子の三相巻線によって生じる回転界磁の位置との間には、トルクに応じた角度δ[rad]が発生する。この角度δを( ア )という。
 回転子が円筒形で2極の三相同期電動機の場合、トルクT[N・m]はδが( イ )[rad]のとき最大値になる。さらにδが大きくなると、トルクは減少して電動機は停止する。同期電動機が停止しない最大トルクを( ウ )という。
 また、同期電動機の負荷が急変すると、δ[rad]が変化し、新たなδに落ち着こうとするが、回転子の慣性のためにδ’にを中心として周期的に変動する。これを( エ )といい、電源の電圧や周波数が変動した場合にも生じる。( エ )を抑制するには、始動巻線も兼ねる( オ )を設けたり、はずみ車を取り付けたりする。

 上記の記述中の空白箇所ア~エに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   ア    イ    ウ       エ      オ
(1) 負荷角   π    脱出トルク   乱調    界磁巻線    
(2) 力率角   π    制動トルク   同期外れ  界磁巻線
(3) 負荷角   π/2  脱出トルク   乱調    界磁巻線
(4) 力率角   π/2  制動トルク   同期外れ  制動巻線
(5) 負荷角   π/2  脱出トルク   乱調    制動巻線

正解は(5)です




令和4年下-4
 次の文章は、三相同期電動機の位相特性に関する記述である。
 図は三相同期電動機の位相特性曲線(V曲線)の一例である。同期電動機は、界磁電流を変えると、電機子電流の端子電圧に対する位相が変わり、さらに、電機子電流の大きさも変わる。図の曲線の最低点は力率が1となる点で、図の破線より右側は( ア )電流、左側は( イ )電流の範囲となる。また、電動機の出力を大きくするにつれて、曲線は( ウ ) → B →( エ )の順に変化する。
 この位相特性を利用して、三相同期電動機を需要家機器と並列に接続して無負荷運転し、需要家の端子電圧を調整することができる。このような目的で用いる三相同期電動機を( オ )という。
0223r4shimo41
 上記の記述中の空白箇所ア~エに当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  ア   イ  ウ    エ       オ
(1) 遅れ  進み  A   C  静止形無効電力補償装置   
(2) 遅れ  進み  C   A  静止形無効電力補償装置
(3) 遅れ  進み  A   C     同期調相機
(4) 進み  遅れ  C   A     同期調相機
(5) 進み  遅れ  A   C     同期調相機

正解は(4)です


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