くまぱぱのブログ

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2011年03月

●稚魚を採る手順


本日が産卵予定日。稚魚を採るまさにその時がやってきた。そこで、上手に孵化さ

せる手順を整理しておこう。



①エアレーションをかける。

産卵予定日になったら、水槽内に軽くエアレーションをかけておくこと。もし日頃

からエアレーションをかけている場合にはそれでよい。


②循環ポンプを停止する。

消灯時間はいつも消灯する時刻に行う。それと同時に循環ポンプも停止しよう。
れは孵化した稚魚が循環ポンプに吸い込まれないようにするためである。


③水槽内は完全に暗くする。

水槽照明を消灯しても、水槽を設置している部屋が明るい場合は、孵化は始まらな

いので部屋内を完全に暗くすること。

もしそれができない場合には、毛布や古新聞な

どで、水槽を覆い疑似闇を作ってあげるようにしよう。

 

⑤採り過ぎに注意

ここでのポイントは稚魚を採り過ぎないこと。付着していた卵の面積が50 0 円玉

ぐらいなら稚魚は通常、2 0 0 尾以上いるが、欲張らず数十尾採って確実に育てるよ

うにしよう。

稚魚を採り過ぎてしまうと、育成ケース内が過密度となり、水質が悪化

して稚魚が落ち始める。また、それが原因となり、病気を発症し、結局稚魚が残らな

い。

であるならば、せいぜい50 尾でも取れて、かつ、その

ほとんどが元気よく成長してくれれば、50匹もクマノミの赤ちゃんが育つ。

これで、十分ではないか。

 

④稚魚の有無の確認

消灯後1 ~1 時間半ほど経ったら、水槽の覆いを少し開けて、懐中電灯、または部

屋の明かり(間接光)で、稚魚の有無を確認する。

孵化していれば無数の小さな光る
稚魚が、泳ぎながら集光してくるのが確認できる。

懐中電灯で確認する場合、直接卵
が付着している場所を照らさないこと。これは、まだ孵化途中(半分しか孵化していない)の場合、照らすことによって孵化が止まってしまう場合があるためだ。


この時点で、1 尾、あるいは数尾程度の稚魚しか確認できない場合は、おそらく、

本格的な孵化は次の日と考えられるので明日再挑戦しよう。

ただし、先ほど停止した
水槽の循環ポンプは再開すること。また、ここで多くの稚魚が確認できた場合は、水槽の照明は消したままで部屋の明かり(間接光)のみをつける。

すると数分
で稚魚が集光してくるはずだ。ここでいよいよ稚魚を採るわけだが、採る方法は2通りある。


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ひとつは集光してきた稚魚を、直接稚魚を育てるケースで掬う方法。もうひとつは、

集光してくる稚魚をエアホース(通常のエアホースの倍の太さのほうが採りやすい)

などで稚魚を育てるケースに吸い出す方法がある。

稚魚は決してアミで掬わないこと。 それだけで 死んじゃうよ。

  稚魚の餌を、用意しておこう。

さて、産卵日がチェックできたところで、孵化するまでに準備したいことがある。

それは、稚魚に与える、餌だ。餌は、人工飼料(乾燥エサ)も、冷凍エサを食さない。生きているプランクトンを食べる。

一般的にシオミヅツボワムシ(以下ワムシという)というプランクトンを使用する。

ワムシは自宅で簡単に、培養し増やすことができ、取扱が簡単。そこでワムシの培養について、ちょっと触れてみたい。

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ワムシの培養

ワムシの培養に必要な物は、四点、ワムシ、と ワムシネット(ワムシをこしとる物)、と 淡水クロレラ(ワムシの餌)と培養水だ。

ワムシは通常クロレラが入った培養水(下記を参考)の中で泳いでいる状態(緑水)で販売されている。

その購入してきたワムシを適当な容器に入れ、エアレーションを軽くかけておく。と、時間(通常一日)と共に、ワムシの入っている緑色(クロレラ)の水が徐々に透明に(薄く)なっていく。

これはワムシがクロレラを食べている、つまり、クロレラが減少してきていることを、意味している。こうなったら、また、クロレラを数滴添加して、緑水にする。そして再度透明になるのを待つ。

これを繰り返すことにより、ワムシは増える。増えたワムシはさらに、二次培養をしてから稚魚の餌として消費していく。


 
培養水について、

培養水とは、ワムシを培養する薄い海水の事をいう。培養水は必ず新しく人工海水を水道水で溶いて作ること。

決して飼育水(水槽の水)は、使用しないこと。使用するとバクテリア等が混入してしまい、ワムシが上手く増えなくなる。 

培養水の塩分濃度は 
1.015から1.018の薄い海水、水温 23度以上.30度未満が望ましい。


 
二次培養って?。

ワムシの二次培養とは、餌として与えるワムシの栄養を強化するためる培養である。


それに対し、単にワムシを増やす、或いはワムシをストックするための培養を、一次培養と呼ぶ。

海水魚の稚魚を育てていく場合、この二次培養したワムシやブラインシュリンプが必要で、それを稚魚に与える事によって格段の生存率
UPを引き出せるようになった。

二次培養に使用する栄養強化剤は、大きく分けて2種類ある。自然の物と人工的に作った物だ。前者は一般に海産クロレラで、生、つまり、生きている状態で販売されているタイプと、濃縮タイプとがある。

後者は、粉末状で、水道水に溶かして使用する。栄養的には、後者の方が前者を上回る。


●ワムシを二次培養しよう。

二次培養の手順を紹介しよう。上記で増やしたワムシを稚魚が一回に食べる分だけ別にして、 栄養強化剤を数滴、添加し3から12時間エアレーションしておく。

こうして置く事によって、ワムシやブラインシュリンプに本来含まれない、不飽和脂肪酸(代表的なものに
EPAやDHAなどの脂肪分)や ビタミン・ミネラル・アスタキサンチンなどを総合的に含ませることが出来る。

その結果、栄養満点の餌になる、というわけだ。 それを、稚魚に与えるわけだ。


さて、明日は いよいよ孵化日当日。孵化した稚魚の採り方。育て方など、詳細に迫っていこう。

どうもイソギンチャクのふもとの岩影で カクレクマノミのペアーが こそこそしている。おや、もしかして、卵? 産卵だ。

いやはや、いつ孵化するのだろう。 これから孵化する赤ちゃんをどうやって 育てればよいのだろうか。
今回は めでたく産卵したカクレクマノミを例に稚魚の育成について、話を始めよう。



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●産卵日をチェックしておこう。

初めての産卵・・・それは待っていたことではあっても、ある日突然やってくる事態だ。

喜ばしい瞬間であるとともに、あわててしまう瞬間でもある。ここで、大切な事は、産卵日をチェックしておく事だ。産卵、孵化を何回も経験されているマリンアクアリストは、卵の色の変化で

なんとなく孵化日を特定できる。しかし、初めての方は、そういうわけには行かない。産卵日が判れば、孵化日も特定できる。

孵化日の予定が立てば、これからの予定(稚魚の餌などの準備)も立てやすい。

 

●産卵日を特定するには、日頃からの観察が大切。

卵の有無の観察

これから産卵を迎えるペアーは、たいてい、雄もしくは、雌のどちらか一方が特定の場所を時折口でつつき始める。

産卵予定場所を掃除しているのだ。そろそろ産卵ムードになってきた。少なくとも掃除している方は。

逆にいうと、掃除していない方は、まだその気が無いか、また準備不足、生理的に成熟していないと考えられる。

このように、ペアーのどちらか一方が、特定の場所を掃除している期間が、数週間、場合によっては数ヶ月続く場合もある。

 

そのうちに、ペアーが交互に、その特定の場所を掃除し始めるようになる。こうなると、産卵日は近い。

一概に言い切れないが、数日中には産卵するだろう。

その掃除をしている特定の場所が卵を産み付ける場所となるわけだから、そこに卵があるかどうかを時折チェックしておくことで、産卵日が特定できる。

●ペアーの行動に変化

また、特定の場所を掃除している事は、確認できるものの、その場所が岩陰でよく見えず、卵の有無を確認できない場合も多々ある。

この場合ペアーの行動を観察しよう。これから産卵を迎えるペアーとは異なり、産卵後のペアーは特定の場所をつつくことはしない。

産卵後に見られる行動は、両親(通常は雄の方がよくする行動)卵をジーと見つめ、口で海水を吹きかけたり、ひれを動かして水流を起こし、卵に新鮮な海水を送っている。

雌の方は、ゆったり、泳ぎ回っている。

この行動の変化からも産卵したことを、うかがい知ることが出来る。


 
卵の発生

ある日突然卵を発見してしまった、いつ産卵したのか、全く分からない場合に備えて、卵の色の変化を示してみた。

卵は産卵日にはキレイなオレンジか赤い色をしている。その卵が発生(細胞分裂)に伴い、下記のように変色していく。

オレンジ又は赤い色 → 赤黒い → 濃ねずみ色 → 少し色が薄くなり先端に光る物(眼球)がみえる。

→ ほぼ全体的に透明になり、先端に眼球がきらきらゆれ光るようになる。

→ その日の夜又は その次の日の夜には、孵化が始まる。


●産卵日から孵化するまでの日数

産卵日から孵化するまでの所要日数は、水温、魚種、によって、異なる。


水温で見てみると、低い水温の方が孵化するまでの所要日数が長くなる。

水温30度で
6から7日間で孵化するカクレクマノミは、水温25度では12から14日間とほぼ倍の日数を要する。


魚種については、で、カクレクマノミやセジロクマノミ類では(水温30)
6から7日間で孵化する。

ハマクマノミやマロンクマノミのようにやや大型になるクマノミ類は、同じ水温でも、
8から10日ほどかかる。ましてや、水温が低い場合は、さらに日数がかさむ。


  早く産卵させるために知っておきたいこと。

冷凍ハンバーグを食べる カクレクマノミ↓ 写真

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さて、無事にペアーリングができ上記のことが確認取れれば、今度はいかに早く、そのペアーを産卵に導くかである。

一年二年、それとも、何年 どれくらい待てばよいのだろうか。いやいやそんな流暢なこといってられない。早へれば、3ケ月ぐらいで産卵させることが可能だ。


その水槽で産卵に至った場合、一つの証として認められる。産卵にいたるということは、その魚にとって、自然海にかぎりなくそれに近い環境を水槽内で実現できていると認められる。

逆に言えば、そうでない環境であれば、水槽内での産卵は奇跡にちかいかもしれない。そこで、海に近い環境とは、具体的になんだろう。大きく分けると3っに区分できる。


1
     
栄養価の高い食事だ。自分たちが生きるだけの栄養条件では、産卵には至らない。また仮に産卵したとしても、生まれた稚魚の生命力は、著しく弱く数日で全滅する。

つまり、タップリと栄養価の高い食事を与えて、丸々と太らせる事。餌の種類も、乾燥餌だけでは、ものたりなく、冷凍イサザアミ、とか冷凍ブラインシュリンプ等を乾燥餌の他に、一日に最低一回は与えよう。


2
     
上記のような給餌状況でも、水質が不安定にならない、いつもクリーンな水質を実現できる強力なろ過槽があること。


3
     
照明の点灯、消灯時刻を規則正しくすること。我々哺乳類と違って、ほとんどの魚類は まぶた を持っておらず、照明を着けっぱなしに、しておくと、眠れずに何日間もそのまま、活動をし続けて やがて、ノイロウゼになり、死にいたる。

睡眠をとる事は生物にとって、大変重要であり、必要不可欠なものだ。魚が睡眠を取るためには、暗くしなければない。

その暗い時間と明るい時間の組み合わせが、1日を作り出し、魚の体内リズムを形成していく。照明の点灯、消灯の時刻がバラバラだと、魚の体内リズムも乱れて、体調も崩れるかも知れない。

これでは、産卵には至らない。このことを踏まえると、市販のタイマーなどを利用し定刻に点灯、消灯することをオススメする。

 

さて、ペアーを飼育し始めると、時折、オス、または メスのどちらかが、特定の場所を口でつつく様が見られる。

産卵真じかになると、オス、メスが互いに 産卵予定の場所を掃除しはじめる。

ペアーを飼育し始めて数ヶ月、()オス、或いは メスが口をつかって、

ある特定の場所を口でつっつきはじめる。

これは産卵の準備行動とも 求愛行動ともとられており、産卵が近い事を表している。いよいよだ。

●ペアー飼育中 気をつけたいこと。



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さて、無事にペアーリングができたところで、後は産卵を待つばかりだ。と 思いつつ、その間、この状態で本当に産卵するのだろうか。

と ふと 不安になる事が良くある。また、産卵しない状態が続けばさらにその不安も膨らむ。そこでどのようにペアーを飼育すべきなのか、質問形式で答えてみよう。

1      クマノミ類の産卵にイソギンチャクは必ず必要なの?― 

クマノミ類の飼育には、必要不可欠ではではない。イソギンチャクの有無はクマノミ類自身の生死には関与しない。ただ、産卵となると、話はかわる。クマノミ類は共生関係にあるイソギンチャクの脇を産卵場所として選ぶ。

その場所が最も安全な場所と認識しているからだ。つまり、イソギンチャクがないということは、産卵場所も見出せないわけだ。

特例として、イソギンチャクなしでも産卵しているケースはあるが、これは産卵経験豊富なペアーの場合で、これから初産を迎えるカップルにとって、イソギンチャクがいる方が、産卵しやすいことは、明らかだ。


2
     
このカップル。本当にペアーなの?- 

上記のように ご自分でペアーリングしたのであれば、大丈夫。ただ、 店頭で、ペアー売りしていた場合、或いは 友人からペアーだといわれ 譲り受けた場合、などは 本当にカップルかどうかは、疑問が残る。

なぜなら、ご自分で確認をしていないからだ。では、確認してみよう。本当にペアーかどうか。

確認方法― 今 飼育している同じ種類の(大中小色合いさまざまな)クマノミを
3から4匹その水槽に加えてみよう。通常、もともといたクマノミたちが、新入りクマノミを猛烈に攻撃するはずだ。

もしも 、もともといたクマノミも、新しく入れたクマノミも喧嘩も起きず泳ぎだしたとしたら、ペアーではなかったといえる。


3
     
他の魚を水槽にいれていれば産卵の邪魔になる?- 

上記の
2 で示したと通り同種のクマノミはだめである。また、違う種のクマノミ類も避けた方がよい。気になっては、産卵の妨げになる。



逆に そのほかの魚 例えば スズメダイや ハゼ ベラ エビ 小型ヤッコ類など、はむしろある程度は、入れておいたほうが、良いと思われる。
それは、 他の魚との摩擦が産卵行動を促しているようだ。

卵行動とは、自分たち子孫を残す行為 これは 一種の他の魚に対しての防衛本能、と言い換えられるのかもしれない。


4
 他の魚や特にエビなどを入れておいたら、卵を食われたり、あるいは 孵化した稚魚が食べられないのー 卵はまず大丈夫。

親がしっかり守っているはずだ。でなければ、自然界では子孫を残せなくなる事になる。孵化したばかりの稚魚が食べられる可能性は十分ある。

ただし、一旦照明を消して、暗くしてから稚魚を採るので、さほど問題にはならない。


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