現在クマノミ類は2属28種に分類されている。そのクマノミ類はスパインチークアネモネフィッシュとそれ以外のクマノミ類(27種)に大きく分けられる。スパインチークアネモネフィッシュだけがエラ蓋の上に鋭い棘があることで区分されている。27種の仲間をさらに細かく分けると、特徴からおおよそ5つのグループになる。
①クマノミ、②カクレクマノミ、③ハマクマノミ、④ハナビラクマノミ、⑤トウアカクマノミである。スパインチークアネモネフィッシュを加えれば、クマノミには合計6つのグループがあるといえよう。
①クマノミのグループ
クマノミ、オレンジフィン、バリアリーフ、アラルズを含む最多の合計11種からな
る。また、分布においても最も広範囲で、アメリカ大陸を除くほとんどの熱帯の海に生息している。バンド数は2~3本。どの種もバンドはまっ直ぐで凸型ではない。
②カクレクマノミのグループ
カクレクマノミとペルクラクラウンの2種から構成される。オレンジの体色に3本
の白いバンド、その真ん中のバンドが凸型になっていてピエロのような模様をもつ。
インドネシア地域では黒っぽいオレンジ色の個体や、オーストラリア地域では真っ黒
なカクレクマノミもいる。
●好むイソギンチャク:センジュイソギンチャク、ハタゴイソギンチャク
③ハマクマノミのグループ
ハマクマノミ、インドトマト、レッドアンドブラックアネモネフィッシュを含む合
計5種で構成される。基本的に頭部に白いバンドが鉢巻のように1本入る。このグル
ープは幼魚の際にバンドが3本あり、成長と共に2、1と減ってゆく。インドトマト
だけは、同様の成長を見せながら頭部のバンドも全て消失してしまう。
●好むイソギンチャク:タマイタダキイソギンチャク、サンゴイソギンチャク、シラ
イトイソギンチャク
ハナビラクマノミ、セジロクマノミなどを含む、合計6種から構成される。いずれ
も体色が肌色からピンクがかっていて、白い帯が鼻から背ビレを通り尾の付け根まで
入っている。頭部のバンドは、ある種とない種がある。性格はおとなしく、クマノミ
類の中で最も小型のグループだ。
●好むイソギンチャク:センジュイソギンチャクを最も好むが、比較的どのイソギン
チャクでも入る。
⑤トウアカクマノミのグループ
トウアカクマノミ、セバエアネモネフィッシュ、ワイドバンドアネモネフィッシュ
の合計3種から構成される。顔が丸くて体高が低い独特の流線型で他のクマノミ類と
大きく異なる。バンドは2~3本で、かなり太め。幼魚の時は黄土色の種類もあるが、
成魚になると黒っぽくなるので、基本的に体色は黒に白バンドのグループだ。
●好むイソギンチャク:ハタゴイソギンチャク、イボハタゴイソギンチャク
⑥スパインチークアネモネフィッシュ
全体的にカクレクマノミに似ているが、オレンジ色のカクレクマノミと異なり体色
が赤系で、バンドも細い。カクレクマノミに見られる凸型バンドもこの種にはない。
この種だけが眼の下に鋭い棘をもつ。
●好むイソギンチャク:タマイタダキイソギンチャク、サンゴイソギンチャク