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「三人芝居」

桜が慌ただしく咲いて慌ただしく散っていく四月。現在、私は「トリスケリオンの靴音」という舞台の本番中です。4/8までが赤坂RED/THEATERにて、そして大阪公演は一心寺シアター倶楽にて5/11〜13です。その間に「若様組まいる 〜アイスクリン強し〜」という舞台もやります。こちらは4/27〜5/6にサンシャイン劇場にて。

でね、その「トリスケリオンの靴音」は三人芝居なんですよ。私にとって初めての三人芝居への挑戦となります。この「三人芝居」というのが今回ご紹介したい用語なんですが、意味としては「三人の俳優が出てくる芝居」ということでして何のヒネリもありませんが、まあ日常生活では絶対に使わない舞台専門用語ではありますよね。
同様に二人の俳優しか出てこない場合は「二人芝居」といいます。もちろん一人しか出てこなければ「一人芝居」となりますが、こちらは日常でも使われる言葉ですよね。一人で空回りしてテンパっていたりしているのを「アイツの一人芝居だな」なんて言ったりします。
私自身は一人芝居はやったことがありませんが、作品としては数多くあります。加藤健一さんの「審判」や、イッセー尾形さんの作品群などが有名ですよね。あと、よく考えたら落語も一人芝居の一種のような気もします。
二人芝居ならばやったことがあります。坂本チラノさん作・演出の「パ・ド・ドゥ」という作品を高田聖子さんと二人でやりました。もう25年ほど前の事です。いやあ、なんとも懐かしい話です。

もちろん「四人芝居」や「五人芝居」なんて言い方もあるのですが、あんまり使いません。四〜六人くらいだと「少人数芝居」なんていったりもします。では一〜三人の場合とどう違うのかというと、やはり役柄間の関係性が急激に複雑になるからじゃないでしょうか。

二人芝居の場合、それぞれが一役しか演じない場合、その関係性は一対一となります。つまり二点の間に引ける線は一本です。そして三人芝居だとその関係線は三本になります。一本とか三本とか、このくらいのミニマムな関係性が特殊性を醸し出すような気がします。必要最小限というか、ドラマとして面白くなりやすいところなんだと思います。恋の三角関係なんてまさにそうじゃないですか。
これが四人だと六本、五人だと十本、六人だと十五本となり、一気に複雑さが増していきます。もちろん話としては複雑な方が面白いのでしょうが、シンプルな関係性を考えると三人というのが丁度いいトコロなんです。
(ちなみに一人芝居の場合、一人で何役もやったり架空の相手をたくさん出したりして、逆に何でもアリになるので別の話とします)

ただ、二人芝居や三人芝居では当然のコトながら一人あたりのセリフ量が多くなります。出番としてもほぼ出突っ張りです。気の休まる暇も無いほど大変ではあるのですが、その分、濃密なセリフ劇になるので、やっていて楽しくもあります。

「三」という数字は面白い数字で、実に多くの成語が作られています。三度目の正直とか、三人寄れば文殊の知恵とか、石に上にも三年とか、仏の顔も三度までとか、三位一体とか、日本三大がっかりとか、三バカトリオとか、まあとにかくたくさんあります。三は調和や安定を表すので、なんとなく使いやすいんでしょうね。「three is a magic number」という名曲もあります。洋の東西を問わず、「三」という数字にはなにやら神秘的な魅力があるのでしょう。

そんな三人芝居、現在上演中です。今週末までなので、気になる方は是非ともお越し下さいませ。当日券も出ますよ!

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本文とは関係ありませんが、赤坂見附あたりにある牛鳴坂。路面が悪くて牛が鳴くほど辛い坂らしいんですが、それにしても牛鳴坂って。


粟根まこと


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あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。えんぶコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。


【出演情報】

『トリスケリオンの靴音』3/28〜4/8◎赤坂REDシアター、5/11〜13◎一心寺シアター
『若様組まいる〜アイスクリン強し〜』 4/27-5/6◎サンシャイン劇場


◇コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「えんぶ4月号」は全国書店で発売中!



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「打ち上げ」

やっと終わったよツキドクロ。三ヶ月に渡ったツキドクロ。ダブルチームだったツキドクロ。楽しかった文化祭。みんなで頑張った体育祭。今日、僕たち私たちは卒業します。いや、卒業しません。もうすぐゴクドクロが始まるし、その後にはメタルマクベスもあります。豊洲通いはまだ卒業できないんです。

まあ、先の話はいいでしょう。取りあえず、ツキドクロは無事に終わりました。色々あったけど、体調不良でシャッフルキャストになっちゃったりしたけど、怪我とかもあったけど、まあなんとか終わりました。終わったら打ち上げでしょう!
この「打ち上げ」というのが今回ご紹介したい用語なんですが、今では一般の方々も使いますよね。大きなプロジェクトが完了した時とかに祝宴を開いたりします。でも、実は演劇用語からきているのです。
元々は、歌舞伎界で興行の最終日(千穐楽)を打ち終わるという意味だったのですが、それがその後の祝宴を指すように変化していったそうです。無事に終わって良かったねというねぎらいの宴なんですね。

無事に千穐楽が終われば打ち上げ! これが演劇界です。実は、無事に終わらなくても、公演中に色々あっても、ていうか大抵の公演で何かしらあるのですが、そんな苦労話もネタにしながら打ち上がるのです。テレビ業界では、毎収録ごとに呑みに行くことを打ち上げと言っているようです。毎回ゲストがいたりメンバーが違ったりしますから、その回ごとに締めていくんですね。しかし、演劇の場合は大体同じメンバーで稽古から本番まで長期間に渡って一緒ですから、終演後に呑みにに行くのはただの呑み会。打ち上げというのは基本的に全員参加の公式な行事なのです。

しかし、この打ち上げも公演形態によって多少の違いがあります。規模も違うしシステムも違う。これも色々あるんですよ。
小劇場の劇団公演の場合、予算がないので全員でバラシをします。盛り上がった千穐楽公演の後、みんなが作業着に着替えて劇場撤収をするんですね。さすがに照明や音響にはプロがいますが、プロを呼べる人数に限りがありますから劇団員みんなで手伝います。大道具もバラし衣装も小道具も片付けてトラックで搬出します。そして最後に大掃除をして劇場さんに感謝をしてから退出して、そして念願の打ち上げですよ! え? 積み込んだ荷物? そんなの明日明日! 荷下ろしは明日にして今日は呑むぞ−!
いや、そうもいかない場合もあります。そのままみんなで倉庫に行って荷下ろしをして、クタクタになった後に打ち上がる場合もあります。なんならそのまま倉庫で、缶ビールと乾き物で打ち上がっちゃいます。もう終電もありません。朝まで呑んでそのまま寝ちゃう。熱い演劇論を闘わせる時もあれば、普通に拳で闘う時もある。いや、私は経験ありませんけど、そういう劇団もあったそうです。新感線は穏やかなもんですよ。そんな日々の青春でした。

これが、公演の規模が大きくなると違ってくるんですね。まず、打ち上げは千穐楽にやりません。スタッフが参加できないから。器材が多すぎてスタッフは深夜に至るまでバラシがあるんです。なので、公式な打ち上げは千穐楽よりも前に行われるコトが多いのです。千穐楽の前夜とか、もうちょっと前の昼公演だけの日の夜とかに行われます。しかも参加者が多い! 全キャストと全スタッフと主催などの全関係者が一堂に会し、お互いに感謝をしあうのです。なんかね、もう戦友みたいなもんです。一緒に苦労を分かち合ってきた戦友。お互いに感謝しあいながら、ほどほどに呑む。だって明日も公演があるから。さすがにみんなオトナです。

そして無事に千穐楽を終えた後、俳優部は楽屋を片づけて、バラシはスタッフに任せて劇場を出ます。そしてどうするか。そう、呑みに行くんです。俳優部しかいませんが、公演が終わったことを祝いに呑みに行くんです。祝おうよ。終わったんだから。色々あったけど無事に終わったんだから。これまで毎日顔を合わせてきたけど、明日からはもう会わないんだから。会うかもしれないけどね。

打ち上げにはやはり達成感があります。達成感がなくとも、とりあえずホッとするんですね。お疲れ様でしたと、ありがとうと、またねと、色んな感情が渦巻く中、美味しいお酒を呑み交わすワケです。明日からは、また別々の道を歩みますが、今日はゆっくり呑みましょう。そして、また会いましょう。
また次の舞台に向かうために。

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本文とは関係ありませんが、平昌オリンピックの開会式の日、オリンピックカラー(多分)になっていた東京タワー。ボケていてすみません。


粟根まこと


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あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。えんぶコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。


【出演情報】

『トリスケリオンの靴音』3/28〜4/8◎赤坂REDシアター、5/11〜13◎一心寺シアター
『若様組まいる〜アイスクリン強し〜』 4/27-5/6◎サンシャイン劇場


◇コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「えんぶ4月号」は全国書店で3/9発売!


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「衣裳部」

まだやってますよツキドクロ。もう二ヶ月以上やってるのにまだやってますよツキドクロ。でもそろそろ終わるよツキドクロ。なのでお見逃し無きよう!

前回、休憩時には舞台裏ではみんながバタバタと忙しいという話を書きましたが、なかでも一番忙しいのが衣裳さんです。脱がせて乾かして畳んで着せての連続です。特に新感線では衣裳の数が多いので天手古舞いですよ。
でね、今日ご紹介したい用語はその「衣裳部」なんですが、意味としては衣裳を担当する部署という意味で特に難しいコトはありません。しかし、その仕事の内容は意外と知られていないのではないでしょうか。

衣裳部の仕事は作品の内容や規模によって全く違ってきます。照明や音響だと、会場の規模によって量が変わっては来ますが、やることは大体同じなんですよ。しかし、衣裳部の場合は内容によって大きく異なるのです。

衣裳部を大別すると、衣装プランナーと、衣裳製作班と、衣装さんの三つに分かれます。プランナーは演出家と打ち合わせて全出演者の衣裳を考えます。既製の服を貸衣裳屋さんに手配する場合もあれば、デザインを書き起こして一から製作する場合もあります。そんな衣裳を製作するのが衣裳製作班。そして本番で毎日メンテナンスをしたり衣裳を着る手伝いをしたりするのが衣裳さんです。
まとめるとこういうことになるのですが、内容と規模によってこれらの作業が随分と変わって来ちゃうって話です。

例えば小劇場で現代劇をやる場合、予算があまりありませんので、みんなの持っている服を持ち寄ってそれで済ませたりします。専門の衣裳部がいないなんてこともありまして、劇団員の誰かが衣裳部を兼ねて差配したりします。劇場に洗濯機が無い場合は皆で持ち帰って家で洗濯してきたりします。
もう少し規模が大きくなるとプロの衣裳プランナーがついてくれて、知り合いの貸衣裳屋から安く大量に借りてくれたりします。しかし、それでも本番中には専任の衣裳さんが付いてくれない場合もありまして、そんな時には演出部の誰かが仕事の合間を縫ってアイロンを掛けたり洗濯してくれたりする現場もあります。
時代劇で使用する和服でも、一般的な着物ならば放送局関係の貸衣裳屋で借りられます。大量に借りれば安くなりますし、綺麗に使えば文句も言われません。
まあ、現場によって様々なケースがあるってコトですよ。歴史の長い劇団なら衣裳のストックが多くて使い回しが利くとか、礼服や燕尾服ならレンタルするよりも中古を買った方が断然安いなんて知識も蓄積されるワケです。

問題なのが、特殊な衣裳が出てくる場合。なにやら宇宙人が出てくるとか、物凄くサイケな柄の歌舞伎者が出るとか、まあとにかく既製の服では間に合わない場合は新たに作るコトになります。そこで登場するのが衣裳製作班。衣裳プランナーが書き起こしたデザインを衣装製作班が採寸して作ります。点数が少なければまだマシですが、多いと本当に大変なんです。
確かに、全員の衣装を考えるプランナーも大変だし、それを作る製作班も大変ですが、それを毎日メンテナンスする現場の衣裳さんが一番大変なのです。
着せたり脱がせたり、洗濯したりアイロン掛けたり。汚れれば染み抜きをするし、破れれば繕います。しかも大量に。衣装は毎日着るモノですから様々なトラブルが起こりまして、その度に衣裳さんにお願いしてなんとかしてもらいます。毎日大量の着物を着付けていると、手の脂が全部持って行かれて手がカサカサになるらしいです。申し訳ありません。我々俳優部にとって、一番身近で一番頼りにしているのが現場の衣裳さんなのです。正直言って頭が上がりません。

今回の髑髏城シリーズの場合、ご覧頂いた方ならお判りかと思いますが、終盤に多くの俳優が水浸しになります。となれば替えの衣装が必要になります。しかも二回公演が多いので、乾かす時間を考えると同じ衣装が最低三着は必要なんです。そのうえ、それぞれの俳優に何パターンも衣装があったり別の役もやったりするので、35人の出演者とはいえ、用意すべき衣裳は優に百を超えるわけです。しかも、ツキドクロに至ってはダブルチーム制ですから、それが倍になるんです。うひゃあ! 正直、今回はいったい何着の衣裳が用意されているのか見当がつきません。全部考えたプランナーさんも、全部作った製作班も、全部メンテナンスしている衣裳さんも、そりゃもう大変だと思います。
ほらもう頭が上がらないでしょ。

どの現場でも楽屋には大量の衣裳がありますし、廊下には大量の衣裳が干してあるし、アイロン台では大量の衣裳が平らにされていますし、洗濯機はグルグル回り続けています。汗を乾かすために扇風機は回るし乾燥機は回るし、なんだかもう色んなモノが回っています。ことほど左様に衣裳さんは大変なんだってコトですよ。
もう一つ頭が上がらないコト、それは旅公演では衣裳さんの洗濯機をお借りして我々俳優部の普段着も洗濯することがありまして、ていうか私がそうなんですが、全くもってお世話になりっぱなしです。今後ともよろしくお願いいたします。

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本文とは関係ありませんが、去る1/22の大雪の翌日、IHIステージアラウンド東京の横の空地も綺麗な雪景色となりました。


粟根まこと


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あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。演劇ぶっくコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。


【出演情報】

ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 Produced by TBS
2017年11月23日(木・祝)~2018年2月21日(水)
会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)

◇コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「えんぶ2月号」は全国書店で発売中!


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