2018年! 豊洲に通いながら、気がついたらもう年を越していましたねえ。本年もよろしくお願いいたします。
2018年になってもまだまだ豊洲方面に通うんですよ。2017年の夏も豊洲、冬も豊洲、2018年も豊洲。クリスマスも年末もバタバタと過ぎていきました。2月の下旬までやっておりますから、是非ともグルグル回りに来て下さいませ。

さて、そんなワケで今回のツキドクロは上弦の月・下弦の月というダブルチーム制で三ヶ月もの長期間です。長いですよねえ。昨年もずいぶんとやったつもりなのですが、まだ半分にも届いていません。
長いといえば上演時間も長いのですよ。休憩も含めて約三時間五十分。今回の「髑髏城の七人 花鳥風月」の中でも一番長いのではないでしょうか。色々と盛り込んじゃったのね。

二時間半を越えるような長い演目では休憩が付きものです。最近の新感線は三時間超えの作品ばかりですから必ず休憩を挟む公演となっていますが、これまた色々盛り込んじゃうからですね。たまに別の劇団に出て、それが二時間で休憩無しだったりするとホッとしたりします。どっちがいいってワケじゃないんですけどね。二時間のギュッとした作品もいいし、三時間半のドーンとした作品もいいんです。

で、今日ご紹介したい演劇用語はこの「休憩」でして、まったくもって心苦しい限りです。こんなものは専門用語でもなんでもありません。ただの一般名詞です。しかし、演劇公演に於ける「休憩」について語り始めると、意外と深く掘り下げられるんですよ。

まずは客席側について話しましょうか。歌舞伎座や新橋演舞場などの大劇場では休憩二回の三幕ものであるコトも多く、その休憩時に劇場内の食堂で食事をしたり、枡席にお弁当を届けてもらったりも出来ます。ロビーのお店(しかも芝居と関係なく和装小物屋さんとか)も数が多くて、明治座なんかはさながらショッピングモールのようになっております。
このように、舞台の休憩時は軽食を取ったりお茶を飲んだりして頂く時間です。また、色々と趣向を凝らしたパンフレットやグッズコーナーを覗くのも楽しいですね。終演後は割と混雑しますから、入場時や休憩時にお買い求め頂くと比較的楽です。

そして、それよりも大変なのがお手洗いの行列なんですね。長い芝居だとどうしてもトイレに行きたくなりますが、大劇場でも一度に集中しますとどうしても行列が出来てしまうんです。
劇場に慣れている方々の場合、半券や外出票を見せれば再入場できるシステムを利用して、一旦劇場の外に出てお手洗いを済ませる方々もいます。テナントビルなんかだとビル内の別のトイレも利用できますからね。私も外の空気を吸いがてら、だいたい一旦外に出ます。
しかし! 今回のIHIステージアラウンド東京の場合、周りに何もありません。ホントに何もありません。トイレどころか建物がないんです。一番近い公共のトイレは歩いて二、三分かかるゆりかもめ「市場前駅」の構内です。こいつは困った! なので、この髑髏城シリーズではロビーのトイレが大変混雑しております。申し訳ありません。

まあ、客席側の休憩時については皆様もよくご存じでしょう。今回ご紹介したいのは舞台側の休憩時についてなんです。みなさんがお茶を飲んだりトイレに行ったりしている間に、我々は何をしているのか。そこんところを明らかにしたいと思います。

俳優部は簡単です。場合にもよりますが、一旦衣裳を脱いでカツラも脱いで、トイレに行ったり汗を拭いたりメイクを直したりします。軽く何か食べたりコーヒーを入れ直したりする人もいます。また、衣裳を脱いだこのタイミングで衣裳の下に着る「汗取り」という下着を着替える人も多いですね。だから毎日持って帰る洗濯物が多いんです。
でも、人それぞれですから色んな人がいますよ。休憩時にシャワー浴びちゃう人もいたし、昼夜公演の間に食べるはずのお弁当をもう食べちゃったり。まあ、俳優部はおおむねノンビリしております。

しかし、大変なのがスタッフさん。衣裳部さんは先ほど俳優が脱いだ汗だくの衣裳を乾かしてメンテナンスします。一幕しか使わない衣裳なんかはさっそく洗濯されていたりします。乱れたカツラも床山さんが結い直したりして整えます。
大道具さんは一幕でしか使わないセットを片づけて二幕用のセットを出してきます。新感線ではセットが多いので、劇場の外に出してあったりするんですよ。その入替が大変なので、大道具さんはほぼ休憩無しです。小道具さんも入替や準備が忙しい。
照明さんも、床に直接置くタイプの照明を移動させたり色を変えたりと、意外と忙しいし、制作さんは休憩時にみんながガシガシ食べるお菓子や差し入れを補充するのに忙しいし、もちろんロビースタッフは誘導・整理・物販に大忙しなのは皆さんが見ての通り。そして、音響・音効さんは、ええと、ええと…。うん、音関係のスタッフは割とヒマです。

このように、休憩はもちろん皆様のトイレ・軽食タイムとして大事なのですが、我々やる側にとっても大変重要なのです。皆さんが休憩なさっている間、裏ではバタバタしてるってコトですよ。
ちなみに私は、一幕最後の出番から休憩を挟んで二幕最初の出番まで結構な時間があるコトが多く、そんな時はモニターでみんなの声を聞きながら大体何かの原稿を書いております。そしてこの原稿も休憩時にちょっとずつ書きました。そして書き上げました。そしてこうなりました。それでは、また、来月にお会いしましょう。


dashi

本文とは関係ありませんが、先日浅草あたりで見つけた「だし」の自販機。PETボトルに入った出汁が売られているのよ。

粟根まこと


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あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。演劇ぶっくコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。


【出演情報】

ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 Produced by TBS
2017年11月23日(木・祝)~2018年2月21日(水)
会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)

◇コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「えんぶ2月号」は、1/9より全国書店で発売!


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