大谷皿屋敷のコピー

植本 この台本は世に出てないんでしょ。
坂口 ちょうどね、前の号で取材をしたときに、やってみようかなって思って。大谷さんに聞いたらいいって言うから、データもらいました。
植本 ぼくが不勉強なだけで、注目されている劇団なんでしょ?
坂口 もう、それは! …お客さんは少ないんですけどね。
植本 それは…そうなんだ(笑)。
坂口 賢い人は注目してますね(笑)。
植本 あ、アンテナ張ってる人?
坂口 うん。もう、ね、アンテナ張ってるって言うか、ほんまもんが観たい人かな。
植本 だって、えんぶって言ったらね、青田買いって言われてるくらい。
坂口 へへへ、どこが、誰が言ってるのさ。
植本 ふふふ。
坂口 そうなんですよ。なんとも言えず、こう、…まずは台本読まれた感想からお聞きしましょうか。



植本 いや、これはさ、このコーナーでね、取り上げるの全然構わないんだけど、どう評したり、感想を述べたらいいかっていうのは、なかなか難しいじゃないですか。
坂口 はあ。
植本 ストーリーとか言えないから。
坂口 そうね、断片、断片で次々にコントのような話が繋がって、いくというか、いかない。だけど途中で、あ、この人、前にも出てきたっていう、ある流れがわかってきて、だんだん繋がって行くわけですよね。エピソードが常に交互に出てくるから、よく分からない。でも、最後の最後ですべての物が、…こう。
植本 え、それ何か、深読みする感じ?
坂口 全然、全然。深読みしてないですよ。出来事そのものですよ。
植本 収束して行ってる感じというか、もう、最初からハイテンションでグワーッていき始めるけど、最後、どんどん加速していくじゃない。
坂口 はい。
植本 で、ウワー! って言ってる間に終わる?
坂口 そう。
植本 そこのさ、登場人物も個性的な名前だなと思ったら、みんな役者さんの名前なんだね。
坂口 そうなんですね。本名…。
植本 本名っていうか、芸名ね。
坂口 そうか、芸名か。



植本 だから不条理の連続っちゃ、そうですわ。
坂口 で、コントっぽいって言えば、コントっぽいですね。
植本 何て言うんだろう、寄席のめくりじゃないけど、例えば「募金」「ライオン・キング」「海の家」とかお題のような感じで、各章のタイトルみたいなのがついてるんですけどね。
坂口 その中で、台本読んでると本当にしょうもないことがずーっと書かれているじゃないですか。でもそのしょうもないことが、しょうもないことだけわざわざ選んで書いてるような台本が、段々に一つの話に集約されていく、しかも笑いも含めて、ギャグっていうのかな。も含めて、何か、ぼくの中ではね、妙なリアリティを持ってくるんですよ。
植本 ふふふ。そのへん、詳しくどうぞ。
坂口 いや~。すごくおもしろい! って思うんですね。
植本 すごいことじゃない? これ。元々は芝居を観ておもしろいと思ったわけでしょ?
坂口 はい。
植本 実際、台本をお借りして読んでみたら、おもしろさは失われてないわけでしょ?
坂口 全然失われてない。細かい作者のしょうもないこだわりがとてもたのしい。
植本 それ、すごいことじゃない!



植本 2回ご覧になってるの?
坂口 3作品かな。
植本 もう、3つ観てるの!? すごいファンだわ。
坂口 ・・・。
植本 3つの作風は似てるんですか?
坂口 確実にやっぱり、何だか分かんないけど、成長してるって言ったら、言ってる自分が偉そうすぎるけど、明らかに…。
植本 でも旗揚げからの期間を考えると、まだそんなに経ってないですよね。
坂口 そうですよね。この集団がこのまま大きくなって、いろんなね、有名な劇団みたいになるとは思ってはないけど。
植本 あとは劇場双六みたいにね。
坂口 そうそう。
植本 スズナリから本多とかね。
坂口 でも、そんなことはどうでもよくて、とにかく今、とてもおもしろい。っていうところが、やっぱり魅力的かなぁとは思いますよね。



植本 大谷皿屋敷さんて、プロフィールとかインタビュー記事を見ると、北海道の方だね。
坂口 はい。
植本 北大出身で、落研で、全然演劇とか知らなかったって書いてあって。お客さんからは、初期の大人計画のにおいがするみたいなことを。ご本人もちょっと、影響を受けたっぽいこと言ってらっしゃいましたけど、でもお客さんからそう指摘されても、自分からは言えないって。
坂口 まぁ、それなりに、いろんなところの影響を多少は受けてるんでしょうけどね。でもやっぱり演劇で、の影響をあまり受けてないっていうか。演劇なんて、こんなもんって言ったらおかしいけど…。影響受けてないところが、一番魅力的なのかもしれないですね。
植本 過激さ、良い意味の暴力性もあるじゃない。時代、時代でそういうところって出てくるじゃない。たとえば、ハイレグジーザスが出てきた頃とか、もちろん、大人計画もそうだし、ポツドールとか。最近だと解散しちゃったけど、犬と串とかもそういう感じがして。そういうところで生まれてくるんだなって思った。
坂口 そうですね。必ず何か次の表現が生まれては来ますよね。それが歴史って言うもんだから。
植本 ははは。どうした、急に名言を吐いたぞ。
坂口 ふははは。
植本 ま、あのー、言うとね、役作りとか、役の気持ちとかとさ、縁遠いところに、対極にあるよね。
坂口 ところが、彼らは、ものすごく役作りとかね。このナンセンスな下ネタ満載のお芝居で、そういうこと意識して作ってますよ。
植本 それ、聞いたの?
坂口 観てても思いますよ。
植本 へーーーー。
坂口 いやいやいや。
植本 たとえ、腕が炙りベーコンに変わってもね。
坂口 そう、炙りベーコンに変わった人の役作りをしてるわけですよな。よくわからないということも含めてね。
植本 へへへ、素晴らしい!



坂口 もうちょっと台本の話をしていくと、いくつか塊があるじゃないですか。まず、最初は礒村君か。あ、これ取材したときの表。

#編注 巻末に取材時に作った構成表を入れました。ここまでの、そしてこれからの話があまりに断片的なので、少しは芝居の様子が、少しでも知りたいと思った方は、ぜひ読んでみてください。

植本 へへへ、何これ? こっちで書いたの?
坂口 構成表。そう。
植本 ほほー。
坂口 だから礒村君の話があって、礒村君はウソの募金で暮らしを立ててるんだよね。300円のカップ焼きそばが食べたいからね。
植本 アフリカのワクチンってやつね。
坂口 彼が放置自転車置場に自転車を取りに行くと、いろいろな出来事が起こるっていう。駐輪場の中村っていう女性の管理人と礒村君の健全なエロ話みたいな関係が一つ、ありますよね。もう一つは、お父さんとお母さんが不倫してて自殺しちゃう、超貧乏な幼なじみが出てくるでしょ。あと、看板の文字が盗まれる東日暮里西動物園。
植本 あぁ。(あまり気が乗ってない)
坂口 の3人組が、大宮君とシオザキ君と常連客のフルサワさん。
植本 出てきた出てきた。
坂口 があるでしょ。あと、結婚式の3人がいるでしょ。子供の頃メルカリで買われちゃって、結婚しなきゃなんないっていう、hocotenと関口と武内君。
植本 それ、役者さんの名前だからね(笑)。登場人物のように言ってるけど。hocotenね。はいはい。
坂口 がいる塊があって。まだあるんですよ。海の家を運営している、東野君とかませ君だっけ。でそこに登場する先輩、立川がじら。落語家さんなんだよね。
植本 実際にそうなんでしょ。立川流なんでしょ。
坂口 そう。テレビでちょっとだけ見た。落語やってました。
植本 へー、そうなんだ。
坂口 もう一つは屋代さんっていう、それこそタイトルロールだよね。つちふまず…なんだっけ。
植本 そうそう、おれ、タイトル言って無かったね。
坂口 そうね。
植本 『つちふまず返却観音』無教訓意味なし演劇vol.8ですわ。ふははは。
坂口 だから、そうです。彼が夢遊病を発症したときに、つちふまずを集めて、固めて保管する。
植本 そう、すごい。
坂口 気がない返事ですね。リアリティのあるシーンだったでしょ?



植本 大谷さんご本人的には、誰かに似てるとか言われるのはすごく嫌かもしれないけど、最後の夢遊病の人が、つちふまずを集めて、固めて、それが鶴になったりするじゃない。で、その鶴がインターネットだったりするじゃないですか。もう、野田秀樹みたいだなと思ったよ(笑)。昇華していく感じがね。
坂口 彼らは多分、野田秀樹は知ってるけど、影響は受けてないと思うよ。


##編注(以下、台本より引用)

 屋代、夢遊病みたく起き上がって

がじら「ああ! 夢遊病だ!」
屋代「返せ! つちふまずを! つちふまずを返せ!」
東野「なにいってるんだ! 各々のつちふまずは、各々の物だ! お前のつちふまずじゃな
い!」
屋代「いや! 世界中のつちふまずは、もともと俺の物だったんだ! つちふまずを発明したのは俺だ!」
かませ「やっぱり、やばいやつだったんだ!」
屋代「そもそも、ない部分がつちふまずだろ! そう! あるのにない! それがつちふまずだ! だから 、つちふまずは、お前のものでも、俺のものでもない! つちふまずは実態を持たない! でもある! そう! インターネットと⼀緒だ! インターネットは嘘!つちふまずも嘘! つちふまずとは、インターネットだ!!」
東野「暴論の極みだ!」
屋代「さあ! 仕上げだ! ホレ!」

 ⼀同、苦しむ

かませ「ああ! みんなのつちふまずが…回収されて⾏く!」
フルサワ「ああ! 扁平⾜になってる!」
東野「ああ! 世界中のつちふまずが固まって…」

 つちふまずを固めて作った鶴、登場

⼀同「鶴になった!」
屋代「そうさ! これは、つちふまずを固めて作った鶴! そして、これが、インターネットの正体さ!」
⼀同「ええ!」
フルサワ「これが…、インターネット…」
屋代「そうさ!これが、つちふまずを集めた時に起こる奇跡さ!つちふまずが固まって鶴になるという奇跡さ! さあ! ⾶ぶんだ! つちふまずを固めて作った鶴よ!」

 つちふまずを固めて作った鶴、⾶ぶ

(以上、台本より引用)



坂口 飛び飛びの話が、ある時点でひとつになっていって、最後、何か大きなテーマみたいなものが見えてくるけど、見えてこないみたいな。それが乱暴にみえる展開のなかで、下ネタとギャグがバイオレンスにあって。ぼくはいったい何言ってるんだろうね、、、でも、ずーーと作品を通して出てくる人たちは愛らしいし、おかしいし、真面目で真摯だし。そういう部分では、台本より生の役者を見た方が圧倒的だね。
植本 台本を読んでるだけでも、スピード感とか疾走感とかはすごくあって。で、まぁ、何となく、見たことはないけど、上演もなんとなく想像はできるんです。このくらいのスピードで行くんじゃないのかなって。それって、全編がそうだから、逆に緩急っていうところではどうなの?
坂口 やっぱりちょっとだれる場はあるから、それが緩かな。
植本 ははははは。



植本 単語のチョイスとかが、俺でもよく分かるからそんなに若い方ではないのかなと思ったんだけど、実際には、
坂口 よくわかりませんが、30歳前後くらいですかね。
植本 なかなか単語っていうかさ、タレントの名前が、芸能人とかけっこう年のいった人が何回も出てくるからね。
坂口 そこらへんの引っ張ってきかた、世の中の出来事の引っ張ってきかたが絶妙っていうか。
植本 言葉のチョイスはまるっとセンスだと思うのでね。芸能人出すにしても、名前を出すっていうのは、危険をいっぱい孕んでるでしょ。
坂口 はい。
植本 ま、ま、ま、いい意味でも危険はいっぱいだし。言うとね、下ネタも満載っちゃ満載。実際の舞台ではどうやってるのかは分からないですけど。えんぶに載ってた写真を見て、あ、これはこういう感じかなって分かるけど。
坂口 まぁ、まぁ、頻繁に出てきて、それが決してメインテーマではないけど、話の流れの重要な部分を、何て言うの? 流れて…。
植本 何て言うんだっけ、そういうの。通奏低音だっけ。
坂口 音楽で言うとね。やっぱそれは叙情とユーモアとエロとバイオレンスみたいのが。何だろう…。かわいいエロってアングラの王道ですよね(笑)。



植本 ギャグ的なセリフを誰かが言うじゃない? そしたらその後に次の人も繰り返す、で、普通だったらそこで終わるんだけど、もう一人くらいは繰り返すんですよね。
坂口 けっこうありますよね、そういう部分。
植本 押しが強いんですね。その部分、笑いのところに関して言うと。それは劇団なり、大谷皿屋敷さんの特徴なんだろうなと思いながら読みました。
坂口 繰り返しの連続だし、何かが起こっても知らんぷりしてそのまま進んでいっちゃうとかね。そういうのが、どんどん積み重なって。
植本 あと一瞬しか出てこない人たちとかが。桑田と長渕とか。野球選手に覚醒剤を売った人とか。
坂口 そうそう、上野のブラックジャックっていう浮浪者のおっさんとかが出てくるでしょ。本物との共通点は無免許。
植本 おもしろいね。
坂口 だからね、でもあれじゃない。貧乏な子供2人の話とか途中で入ってきて、切ない話でしょ?
植本 つらい話ね…。ふふふふ。
坂口 草喰ってお腹を満たしたことにして。そして最後がいいでしょ?



植本 よかった、よかった。終わり方もいいしね。
坂口 鶴がインターネットの本体。ドトールのフリーWi-Fiに、武内君のお腹の穴が繋がっていて。
植本 そうそう、それ本番でどうやってたのかなって。
坂口 よく覚えてないです。
植本 身体の中の穴、どうしてたんだろうなって思う。
坂口 その穴が繋がってて、自分の動物園を持つことが夢の飼育員大宮が、フルサワにそそのかされて、どんどん動物園の動物を放り込んで。みんなが猛獣にかじられて死んじゃうっていう話の中で、横ではセックスしてるやつがいたりするわけでしょ。
植本 だから、深読みする人もいるんだろうなと思ったりするんですよね。
坂口 最後はインターネットの鶴を汐崎がはたき落として、全てがなくなった世界で貧乏だった幼なじみの二人が生き残るんですけどね、嘘をつき続けるためにコンクリートで女の顔を殴り続けるという。
植本 もしかすると大谷さんが深読みできるように書いてるんだろうけど。
坂口 本人はたぶん、言わないけど、ある程度はそう書いてるかもね。
植本 ご本人がそう書いてるとして、それ以上に深読みする人が出てくると、作品としては成功なんだろうなとおれは思ったよ。



坂口 それはそうなんでしょうねぇ。今でこそ、そういう風潮は減ってるけど、昔は深読みのおもしろさみたいのは、特に映画評とかね。昔は評論そのものが芸になってました。
植本 ご本人自身が、ホームページを見てもそうだし、インタビューとかを見てても、まぁ、煙に巻いているから。こちらがね「これって、こういうことなんでしょ?」って言っても、ご本人はそうって決して言わないかも。
坂口 そうですね。だからそういう意味では、インターネットや性に関する意見とか、暴力に関するこだわりとか、そういうのはある程度はね、頭の中にないと書けないじゃないですか。この戯曲の中にもそういうことが一杯はめ込まれてはいるとは思うけど。そんなことよりは観てるときは、やっぱりとにかくおもしろがって。おもしろがって観れるような台本を作ってますよね。
植本 はい。エンターテインメントだとは思いますよ。こういう演劇が出てくると、演劇元気だなって思われるところがあるんじゃないかなと思って。
坂口 これ、ダメだよ! 戯曲の話になってないじゃん!
植本 なってる、なってる。全然大丈夫!


##構成表(以下は取材のためのメモです。実際のお芝居とは違っている場合がありますので、ご注意ください/文責・矢﨑)

【シーン名(場所)内容】

1、募金(路上)
募金活動をしている礒村。300円でワクチンが・・・とか言っているが、実は生活費を稼いでいる。

2、ライオンキング(ラブホの一室)
「アフリカ!」「アフリカ!」などと大陸名を連呼している女。水を張った洗面器に女の顔を浸けて窒息させて幻影を見させる男。男はコミュニケーションがうまく取れない女と、なんとか事に及ぼうとしている。

3、海の家(海上、砂浜、海の家)
仲良く波乗りしている男2人は海の家の店員?。水着女子3人をナンパ(客寄せ)し、あわよくば・・・と思いきや、ネギ塩温玉牛丼で毒殺。

4、東日暮里西動物園(動物園)
世間話をしている常連客の女フルサワと飼育員の大宮のもとに、動物園の看板の「物」の文字がなくなったと報告に来る同僚の汐崎。

5、うどん(カズマとほうぼの家/居間)
両手に溶けたチョコを握ってクイズを出すカズマとほうぼの団らん。うどんの様子を見に台所にほうぼが行った隙に飯野が登場。「御社の福利厚生」についてしつこく聞く。カズマの身に危険が迫ったとき、台所から悲鳴。うどんがうどんじゃなくなっている。なぞの男(がじら)が「もうお前のうどんはない!」自分は「そば派だ」と言い残し去る。

6、結婚式(披露宴会場)
和やかな口調と表情で司会・進行を勤める武内。何年か前にメルカリで6万円で買った娘を育て上げ、15歳年下の妻とし、得意満面の関口。途中、武内の妻が登場し、最後は夫婦交換セックスとなる披露宴。

7、違法駐輪(違法駐輪預かり所)
前世の報いとして違法駐輪預かり所できまじめに働いている女係員の中村。返却時間に遅れて現れた礒村にむべなく対応するが、あまりの哀れさにサドルだけ返却。サドルのつぶれたクリームパンの事情を話し、オナニーをする中村。その行為によって出てきた金貨を礒村にあげたところ、「お礼にいいところに連れて行く」と中村を連れ出す礒村。

8、お供え(浜辺)
子泣き爺を背負ったかませと東野。無理がたたって足腰に支障が出たたため、トゲトゲの中にある皇潤を飲む。皇潤を手に入れるため、東野は腕の神経を抜く。そこに水着女子を持ったがじらが登場。海に供えて、熱心に祈る3人。

9、泥棒(動物園)
胸ポケットがなくなり、乳首が見えるシャツとなり困っている汐崎。昔話で応戦するフルサワ。そこに「大変だ!」と言いながら両肩から大きな爪の生えた大宮が登場。「大変!」なのは、動物園で盗まれた品がヤフオクで売られていることを見つけたという。

10、マンガ(カズマの家/仕事場)
締切の修羅場中の仕事場にほうぼが編集者を案内。新連載など朗報がもたらされると家が燃え出す。カズマは良いことがあると必ず災いが起こる体質なのだ。

11、ダンス(関口の家)
いい服を着て、いい物を食べて、英語をマスターして知花くららのような世界に通じる美人になるようhocotenを諭す関口。「庶民のままでいい」と主張するhocoten。そこに社交ダンス帰りの武内夫妻が踊りながら登場。関口夫妻を上から目線でバカにする。

12、ニューヨーク(ラブホ前→屋根裏)
ラブホに入るのを嫌がり、腕を舞台を一回りするくらい伸ばす中村。何とか磯村の住居の屋根裏に侵入。いくつかのやり取り後、中村の膣の中にいる「性欲のライオン」が目覚め、通りすがり?の男の生首を手に入れ(殺し)てしまう。悔やみ苦しむ中村の膣の中から「助けてくれ」という声がする。シーンの最後に白塗りの男女が登場。(短歌入る)「母の日に 肩たたき券を 贈呈し カツオ君かと 母が笑った」

13、窃盗(動物園内の一室?)
テレパシーで世界中に居る仲間に隣に住むキチガイばばあの動向を報告し、不幸を祈る汐崎。そこに大宮が登場。視神経と嗅覚の神経の入れ替え手術をかけ、指スマをする。フルサワが大宮の私物や看板など動物園で盗んだ品をネットで売っていることがばれ、開き直る。「世界を全部インターネット化するんだ。一人Amazonになるんだ!」

14、金槌(イオンの駐車場→屋代家の玄関)
イオンの駐車場で酒盛りをしている若者3人に「自慢話をしていいかな」と声をかけてきたパジャマ姿の中年男屋代。若者たちが邪魔するなとまっとうな対応をしていると「貸した物を返してもらおう」と「つちふまず返却観音」となり、3人を金槌で殴り殺す(ダンス風あり)。つちふまずを回収した翌朝、スーツ姿で家族に見送られて出勤する屋代。

15、女王(東銀座の路上)
派手な格好で派手に買い物するhocotenにこき使われている関口は、みずぼらしい。アシカに股間を噛まれ、役立たずになったため、hocotenに虐待されている。そこに武内が登場。武内にまとわりついたhocotenは、武内の胴体に大きな穴があることを発見。理由を述べる武内。

16、不倫(ラブホの一室→2人の小学校時代の家など)
「アフリカ!」と言っているほうぼに、2万円バーガーを支払い、気持ちよくしてもらおうとしている大宮。そこに礒村が屋根裏から現れ、ほうぼと15年ぶりの再会を果たす。(以下、回想シーン。貧乏で、草を食べては吐き、空腹を紛らわしていた2人の両親は不倫をしており、ほうぼの家で首を吊っていた。それを見た礒村は「ぜんぶ嘘にしようとニッパーとニンジンを持たせ、ほうぼにもあやとりの途中のやつを握らせる)「見せたい物があるから来いよ!」

17、海坊主(浜辺)
夕暮れ時?、バイト先の鍵をなくし、浜辺で黄昏れているかませと東野。なかなか会えない海坊主に思いを馳せている。がじらがドエロちゃんとともに現れ、揚げ物の衣を二人に振る舞う。そこにパジャマ姿の屋代が登場し、海砂利水魚の昔の名前を教えてあげる、と話しかけてくる。みんなが相手にしていないと、興味を持った女が話しかけ、耳に「モニョモニョ」され殺される。そこに、桑田と長渕が登場し仲直り=奇跡が起こる。「つちふまずを集めると奇跡が起こる」という屋代に、「奇跡は何か?」興味を持った男たちが詰め寄るが、「おまんじゅうを食べる時間だ」と言い、マイペースでおまんじゅうをもくもくと食べ続ける屋代。

18、出会い(汐崎の家?)
テレパシーでフルサワを亡き者にしようと呼びかける汐崎に、「それはインターネットでできる」と教える飯野。飯野も超能力者だが、本来の姿は炙りベーコン。

19、移動動物園(動物園)
大宮の夢を叶えられると説得するフルサワ。空間に穴を空け、ドトールのWi-Fiにつないたので、そこに動物を入れるよう、大宮を説得成功!穴の先から「奴隷TVの声(武内とhocoten)」が聞こえてくる。

20、性獣(渋谷ヒカリエ)
ゴミをあさり、捨てられたピザに女子高生の靴の中敷きを挟んで食べている小野に、ドすけべど根性ガエル姿でぶつかり、いきなりフェラ→セックスする中村。あまりの気持ちよさにおもわず側転してしまう小野。互いの身の上を語り合い、膣の中のライオンを殺してくれと頼む中村。

21、意気投合
つちふまずを集めるために人を殺す屋代と、私利私欲のため海坊主に若い女を殺し捧げるがじら、東野、かませは「私利私欲のために気軽に人を殺す」者として意気投合! 楽しく「愛しているよ」ゲームに興じている。

そこに、奴隷関口の動画撮影中のhocotenと武内が乱入。混乱のなか、hocotenが撃った麻酔銃が誤って屋代に当たり夢遊病を発症して、つちふまず返却観音になり、一同のつちふまずを回収し、鶴を作り出し、これこそがインターネットの正体だと宣言する。

一方、膣の中の獣を殺すため、小野が進入した中村の膣の中は、武内の腹の穴の中、フルサワがドトールのWi-Fiにつないだインターネットだった。フルサワにそそのかされ、動物園の猛獣をインターネットの穴にどんどん放り込む飼育員の大宮。中にいた人たちは猛獣にかじられ血まみれ。

さらに小野とセックスをしている中村が小野の漫画を読むと金貨が振ってきて、小野の仕事がうまくいったこととなり、火事が発生。そこに海が流れ込む! ドサクサで一同の屍をお供えすると巨大な海坊主が現れ、がじらの願い(=世界中のうどん撲滅)がかない、でっかいきしめんが流れ込んでみなに絡みつく。

世界中がインターネットに吸い込まれ、世界中が全部空っぽになったときインターネットに恨みを持つ汐崎が現れ、鶴=インターネットの正体を破壊する。全てがなくなり、礒村とほうぼの2人だけとなった世界。真実を嘘で塗り固めるために礒村に自分の顔をコンクリで殴ってとたのむほうぼ。血だらけになりながらありきたりの嘘を言い続けるほうぼを、殴り続ける礒村。


植本 純米

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うえもとじゅん岩手県出身。89年「花組芝居」に参加。以降、老若男女を問わない幅広い役柄をつとめる。主な舞台に東宝『屋根の上のヴァイオリン弾き』劇団☆新感線『アテルイ』こまつ座『日本人のへそ』など。

【出演情報】


mainのコピー

音楽劇『ライムライト』
原作・音楽◇チャールズ・チャップリン
上演台本◇大野裕之
演出◇荻田浩一
出演◇石丸幹二 実咲凜音 矢崎広 吉野圭吾 植本純米 保坂知寿 ほか
2019年4月4/9~24◎シアタークリエ 地方公演あり
公式サイト:

http://www.tohostage.com/limelight


坂口眞人

さかぐちまさと○84年に雑誌「演劇ぶっく」を創刊、編集長に就任。以降ほぼ通年「演劇ぶっく」編集長を続けている。16年9月に雑誌名を「えんぶ」と改題。09年にウェブサイト「演劇キック」をたちあげる。

(文責)坂口眞人




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