第49回「まあ、賭けですわね」

ラスベガス

宅配の時間指定をしておきなから不在というのは絶対にやってはいけないことの一つと考えているのでありますが、特に我が家などは、5階なのにエレベーターがないので、部屋に到達するだけでも通常の宅配の10軒分ほどの体力を要するというもので、なので、不在ダメよの尚更度はまたグンと上がる。
なので、例えば12時~14時の間でお願いしていた場合、万全のスタンバイでもってピンポンが鳴れば秒単位の即度で出れるようにしているのでありますが、たまーにトイレ問題というのがある。たかが数分かもしれないが、ジャストその瞬間に来てしまったら最悪の場合出れない時もあるかもしれない。
そうなってくると、「賭けに出る」ということになるのであります。
2時間の間のこの数分にピンポイントで来ることはないだろう、と賭けに出てトイレに飛び込む。多くの場合はその賭けには勝つ。ほらみろ、勝っただろうと、ちいさな優越感にひたるってものなのでありますが、意外と負けることもそこそこある。
負けるとどうなるのか。中途な状態。である。敗者の罰に似たようなもので、中途な状態で、中途な状態が絶対にバレないように、中途半端な対応で応対する。という羽目になる。
このように僕らは、基本的にたくさんの賭けの上で生活しているのであって、賭けを乗り越える時の心持ちは一つ、「大丈夫だろう」。
何の根拠もない、「大丈夫だろう」だけである。
そしてボクはまた一つ、賭けにでる。
テロがここ数日また順繰りに頻発している欧州に行く。テロの頻発に加えてアメリカがシリアに大量のミサイルを撃ち込んだ。なんだか、世界的に、ものすごく、穏やかではない。
なか、英国へ行く。この稿がアップされる頃、僕はビッグベンなどを悠長に眺めている予定となっている。
それもこれも全て、賭けに勝ったならば、ですが。
まあ、大丈夫だろう。かな。どうだろう。どうなんだろう。実に穏やかではない。


ノゾエ征爾
ノゾエさん

のぞえせいじ○75年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の99年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。11年 の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。

第47回「しなやかに見渡す」

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福岡県は北九州市での滞在創作が(北九州芸術劇場プロデュース公演)、無事に終わりました。
1月半ばからの1カ月半に及ぶ生活で、どんどんと北九州が好きになっていきました。
好きになればなるほど、創作のハードルはあがっていきました。好きな人には誠実でいたい。といったところでしょうか。
部屋で書いては、稽古場に向かう20分弱の徒歩の間に、町に跳ね返される感覚。ここの生活者達に響くようなものになっていない。ここの生活者たちに響くものとはなんなのだろか。
稽古初日からNHK北九州の密着取材が入りました(北九州✖️クロス)。そこで生活し、創作する姿を追ってくださいました。100時間ほどにも及ぶ記録は、情熱大陸のような30分の熱い番組になっていました。時には撮れ高を気にして、普段行かないところまでちょっと足を伸ばしてみたり。それが以外と発見があったり。
オーディションから、ほぼ直感のようなもので採用したキャスト達だったけど、彼らだからこそ生まれたものも多く。
小さな偶然からの必然が積み重なり、東京では行き着けないような景色を見渡せた気がしました。観劇して感涙する北九州の生活者たちの姿を見て、そう思えました。
東京の創作では行き着けないところ。がそこにはあるし、そこに魅かれる、一創作者として。
頻繁にやれることではないけども、時折はやっていきたいものだ。


ノゾエ征爾
ノゾエさん

のぞえせいじ○75年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の99年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。11年 の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。


【今後の予定】
チラシ
脚本参加
カンパニーデラシネラ
白い劇場シリーズ 最終年 第3回公演『小品集』
@浅草九劇(杮落とし公演)
2017年3月24日(金)~31日(金)
https://asakusa-kokono.com/sp/list/2016/11/id-391/

第47回「北九州」

image1

北九州に来ています。
1月18日からいるので、もう約一か月いるでしょうか。
北九州に滞在して、稽古して、公演です。
慣れない土地に住むと、まず、そこの土地の新鮮な魅力に好奇心が止まらない期間があって、普段との違いに慣れるための期間があって、それを超えると、好き(もしくは嫌い)になる期間に突入して、
今ようやく、落ち着いてきたところでしょうか。
そう、なんだか妙に落ち着くのです。
人も町も、気さくで飾らないので、こっちも東京ではあまり歩かないような格好とかで平気で歩けちゃったりします。
東京では、ヒゲを剃らないのは3日が限界といったところですが(ボンとカールおじさんみたいな生え方をするので)、こっちでは、さらに1日2日平気です。
着飾る人も、真逆の人も、誰も浮かない。浮かないといのは、受け入れてくれるということでしょうか。そんな印象でしょうか。
気候的には、冬場は曇天が多い地域なのですが、住まう人々の気持ちよさがそれを忘れさせてくれるような。
そんな土地で過ごして出来上がってきた作品は、自分が10年前にやってたようなタイプのもので、もう自分にはそんなモードはないのだなとどこか寂しくも思っていた矢先に不意に戻ってきたので、妙に嬉しいのです。
この土地の普通の生活者たちに届くような、そんな作品に行き着けたら最高だ。


ノゾエ征爾
ノゾエさん

のぞえせいじ○75年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の99年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。11年 の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。


【今後の予定】
北九州劇術劇場プロデュース公演
『しなやか見渡す穴は森は雨』

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作・演出:ノゾエ征爾
・北九州公演:北九州芸術劇場 小劇場 2017年2月26日~3月5日
・東京公演:あうるすぽっと 2017年3月10日~12日
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/event/2016/0226nozoe.html



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