P1110082

てなわけで、3月上旬、ニューヨークに行ってきました。
初の米国東海岸。
そう、NYのジャパンソサエティ―にて、自分の戯曲「鳥ト踊る」のリーディング公演が上演されたのです。英語に翻訳され、現地の演出家及び役者さんによって。
アフタートークに呼んでいただいた形なのだが、お呼びいただかなくても観にいったでしょう。自分の戯曲が英語になり、英語で上演されて、それを英語人の方々が観劇するのだもの、観ない選択肢はない。
飛行機で12時間強。日本を朝出発して、時差を13時間遡るので、同日の同時刻くらいにNYに到着。なんだか少し得した気分。
これがニューヨークかぁと、浸るよりも先に、寒い。頭がキンと痛いほどの寒さ。停車している車が凍っている。
その日は本番二日前。ホテルに荷物を置き、稽古場へ。
稽古自体もそれが初日だったようで、役者さん同士も初めまして的な挨拶を交わされていた。
挨拶もそこそこに、サクッと稽古が始まる。
いきなりのフルスロットル。初読みとは到底思えないクオリティー。
「鳥ト踊る」は、二人芝居の作品で、そこそこの技量を要する本なのだけど、それらをサラサラっと読み上げていく。しかも、ニュアンスなどもかなり絶妙に汲み取っている。
安易に「さすが」なんて言いたくはなかったけど、それは事実、さすがと言わざるを得なかった。演技の教養を受けた者しか生き残れないと言われるその国での役者さんは、やはり、間違いなく訓練を受けただけのハイスキルを持ち合わせていた。
3時間ほどで稽古は終わり、サクッと解散。
そうだった。仕事は仕事、あとの時間はプライベートのための時間。それがこの国の習わしだった。幼少時、西海岸に住んでいた頃、父の帰りはいつも早かった。家族での時間がたーくさんあったのを思い出した。
翌日も昼間に数時間稽古があり、3日目に本番。
合間にそこそこ時間があったので、ブロードウェイミュージカル、タイムズスクウェア、セントラルパーク、ロックフェラー、ハイライン、リトルイタリア、チャイナタウン、地下鉄、タクシー、自由の女神、グッゲンハイム美術館、メトロポリタン美術館、ハンバーグ、ステーキ、シリアル、チートス、ベーグル、ビール、大きな黒人に吸ってる煙草を強奪される、などなど、回れる限り回った。ニューヨークのことを全然知らなかったんだなってことを知った。
映像や画像だけで、知った気になってちゃいけないなあと、幾度となく感じてきたことをここでまた感じる。
公演の本番は、自分で言うのもなんだけど、大爆笑と大評判だった。
それは翻訳と演出と役者さんに尽きるのであるが、お客さん誰もが、芝居を楽しもうとして来ているのが何よりもいいなあと思った。
色々楽しかったし、今後も機会があればまた是非行きたいし、どんどん色んな所に行きたいし、色んな所で演劇をしてみたい。
だけどやはり、ホームグラウンドで結果を出すのが一番難しいなと感じる。
離れた土地では、自分らもお客さんも新鮮に感じるのは当たり前のこと。多少の有利は起こるものだ。長く居るホームグラウンドで結果を出すのが一番キツイしハードルが高い。
たまの離れた土地での体験をいい刺激に、また東京で頑張り続けるのだ。
なーんて、12時間強のフライトに加えて13時間先の日本に帰ってきて、つまりNY出発時より丸一日以上先の日時に日本に到着して、随分損した気分で帰宅したのでありました。ちゃんちゃん。


ノゾエ征爾


ノゾエさん

のぞえせいじ○75年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の99年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。11年 の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。

【今後の予定】
はえぎわ「飛ぶひと」

tobuhito-fix-1

作・演出:ノゾエ征爾
2015年4月3日~12日@ザ・スズナリ
http://haegiwa.net/


shop_rogo_sp

header_rogo

side_twitterside_facebook