写真3

引っ越すことになりました。
というのも、我が家の前に、家が建ったのです。
つまり、家の前に、家が建ったので、別の家に引っ越すことにしたのです。ということなんですが、
なぜ、家の前に家が建ったくらいで引っ越すのかと言うと、
我が家は三階にあるんですが、
部屋からの、以前の眺めは、これでした。

写真1

決して絶景というわけでもないんですが、自分的には、結構お気に入りの眺望でした。
朝起きては、執筆が煮詰まっては、洗濯物干しては、
特に何かが見える訳でもない遠くを眺めて一服。
この眺望が好きでこの部屋に住んでたと言っても過言ではありません。
それが今、こうなったんです。

写真2

眺望、シャットアウトです。と同時に、気持ちも遮断です。
眺めても眺めても、もう2メートル先の家の屋根しか見えません。
泣くか、怒るか。
なんだか無性に腹が立ってきて、引っ越しを決めたのでありました。
まあ、ちょうど更新の時期でもあったというのもあり。
引っ越しを決めた次は、引っ越し先です。
眺望遮断で憤った勢いで引っ越そうと言うのだから、自ずと眺望は条件に入ってきます。
で、ほどなくして、出会いました。
スカイなツリーと東京のタワーの両方が見える、バルコニー広々の7階のお部屋。
かなーり古いマンションではありましたが、この値段でこの眺望、みたいなお得感。
割と即決で不動産屋に首を縦に振る。
夜、新しい部屋が決まった高揚と、本当にあの部屋で良かったのかの不安でグルグル。
翌朝、不動産屋さんのミスで取り逃したことを聞かされる。
・・・まあ、縁がなかったってことで。頭では理解できても、
いざ住めないと聞かされると、より住みたかったと思わされる。
もはや、半ばキレ気味で家を探す。
不動産屋に条件を聞かれては、眺望!眺望!としかもう言いません。
「眺望良し」の上に、「値段安し」を求めると、自ずと「古し」ということになってきます。
もしくは「かなり遠し」。

そんなこんなで、この度引っ越すことになった部屋は、
5階。の、エレベーターなし。足腰にいいです。
築年数は、私より年上。耐震はちょっと祈るばかりです。
つまり、「古し」の条件でございました。
「かなり遠し」を免れたその場所は、現マンションの、お隣。
縁って近い所にあるもんなんですね。

こうして、眺望を巡る戦いは、無事終着を迎え、本日、引っ越しでございます。
ありがとう。さようなら。302号室。

ノゾエ征爾
ノゾエさん

のぞえせいじ○75年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の99年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。11年 の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。

■今後の予定■

●ノゾエ征爾 脚本・演出
PARCO劇場・クライマックスステージ
「ボクの穴、彼の穴。」
2016年5月21日(土)~2016年5月28(土)
原作:デヴィッド・カリ、イラスト:セルジュ・ブロック、
訳:松尾スズキ(千倉書房)
出演:塚田僚一(A.B.C-Z)
      渡部秀
http://www.parco-play.com/web/program/bokuana/

●はえぎわ 新作本公演
「 其処馬鹿と泣く 」
@イマジンスタジオ(ニッポン放送地下)
2016年8月27日(土)~9月7日(水)
作・演出:ノゾエ征爾
http://haegiwa.net/