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小5の時に一時期通ってた塾がありまして、そこで同じクラスだった男の子がいました。何度か一緒に帰ったりはしつつも、その程度の仲でした。
僕はその塾はすぐに辞めてしまったのですが、中学に入学すると、トイレでその男の子と再会しました。
最初はクラスは違ったのですが、中3くらいで同じクラスになりました。
お互いに音楽がすごく好きで、好きな曲集のカセットをよく貸し借りしたものです。
高校に入ると一緒にバンドを組みました。僕はベースで、彼はギター・ボーカル。
僕が一年遅れでようやく大学に入ると、またちょっとだけバンドを再開したり、二人だけでユニットを組んで、レコード会社にビデオを送ったり、路上で歌ったりしてました。
やがて、彼は元々好きだったラジオの会社に無事に就職し、
僕は就職をせずに演劇の道に進みました。
公演があれば、よく観に来てくれてはいましたが、それ以外でつるむことはほとんどなくなりました。
ある時、バンドメンバーの一人が他界しました。
それくらいから、またたまに飲んだりするようになりました。
やがて彼は演劇を担当する部署に配属されました。
ただ、僕が普段活動しているようなものよりも、もっと商業寄りだったので、仕事で一緒する気配はなかったのですが、
今年になって、彼から、とある公演の演出を依頼してきてくれました。
スケジュールはギリギリでしたが、なんとか幸運にもやれることになりました。
彼がプロデューサーで、僕が演出。
友達だから呼ばれたなんて当然思われるわけにはいかないし、
ともかく彼の悲しい顔は見たくないぞと。最高に満足してる顔が見たいぞと。
そんな意地でもって頑張れた気がします。
それが、つい先日までやってた、
オールナイトニッポン50周年記念公演「太陽のかわりに音楽を。」でした。
ある回で、死んだメンバーのお母さんが観に来てくれました。
最高に喜んで帰ってくれたので、いや、最高だなと。
30年前の小5の塾で出会った時は想像だにしなかった今のこの状況。
30年後のことなんてやはり想像だにできないですが、
お互い妙な爺さん同志で、道端で饅頭でも食いながらだべってられたら、それはやはり最高だろうなと。2018年もしっかりと頑張ろうと思うのでありました。
今年もどうもありがとうございました。
良い年末年始をお過ごしくださいませ。


ノゾエ征爾
ノゾエさん
のぞえせいじ○75年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の99年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。11年 の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。



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