主にこんばんわ。
小野寺ずるです。

皆様、最近はいかがお過ごしですか?

おずるは珍しくお出かけをする日々です。
先日鎌倉にも初めていきました。日帰り観光で竹林に行きました。

そして先日は、カメラマンの友人に誘われ井の頭公園に。

そのときのお話を少し。

「ずる、写真撮りたいから撮らせて~」

大好きな友人の誘いだったので嬉しかった。
反面
写真がとても苦手、そして全く写真映えしないわたしはその誘いに恐怖も感じた。

しかし己のコンプレックスと向き合ういい機会なのかもしれない、とおもい
「逆フォトジェニックだけどそれでもいいかい?」といって誘いにのることにしたのだ。

天気最高!の土曜、井の頭公園。
光を返す水面、くすんだオレンジの葉、子供の笑い声、
ご褒美のような昼下がり。
緊張する私。

「ずる、歩きながら、沢山撮ろう。そこに立って。」
ついに苦手な写真撮影が始まった。
美しくない私の写真なんてだれが喜ぶのだろう。
という卑屈さと、既成概念の美からいまだ抜け出せきれない己の愚かさで顔がこわばる。

真剣に写真を撮っている友人をみながら
「私はどうして写真が恥ずかしくて苦手なのだろう」
とずっと薄く考えていた。

「ずる、横向いて。ずるの横顔、絵になるね」
と友人が言う。
「え?!」思わぬ言葉に私は衝撃を受ける。
「私の横顔は汚いし、変だ!不細工だ!」と言う。

「まあとにかく。横。」

痺れる。コンプレックスの塊である部分をばしばし撮られる。


友人は楽しそうに「うん、かわいい、いい雰囲気」とフラットに話しかけてきながら撮影していた。
その姿をみていて
なんだかどこかで見栄をはっていた自分がいたのかもしれない。と思わされた。

きっと友人は嘘じゃなく、私を愛でてくれたのだ。レンズ越しに。


3時間程、撮影散歩のち、喫茶店で珈琲をのんだ。

友人に
「私はね、自分の横顔が、ヘンテコで嫌いなんだ。
でもあなたに撮ってもらえて自分の横顔にもなにかいいところがあるのかな。と思えて嬉しかった。」
と伝える。

「もっと自分を可愛がればいいのに。あなたはかわいい。可愛がって。愛でる。」
というようなことを言われた。

愛でる事、、、己の肩や眉やホクロや好きなところにはうっとりした眼差しをむけていたが
確かに横顔には愛をもっていなかった。
わたしの横顔よ、ごめんな。既成の美をうらめったらしくどこかで諦めきれない私の心のひずみだ。
どこかで自分に根拠の無いやっかいな自信もある、のもなんだかバランスが悪い。


舞台にたっているのだから、そんな、ここがどうだ、ということでなく

美しい、は私の身体そのものに自由な意志として宿っている(宿らせる)。

というふうになりたいな。
と思えた井の頭公園の出来事だったのだ。

「私は美しい!愛しい!」(声にしてみる)

そんな果敢な心をもらった撮影散歩だった。最近一番心に残った出来事。ありがとうmy friend.

しかし友人のことば。。。。


私も誰かに同じようなことをいった記憶、、。。一体誰に、、。


思い出した。

ハゲの友人に、だ。

ということで今月のテーマは

「禿(ハゲ)」

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~このコーナーは日常でエロスを感じるものに焦点をあてて、わたくし小野寺ずるが
皆様にイラストとエッセイ、ポエムでおおくりするという欲深いコーナー~

禿を隠してる男がいた。
「俺、、、なんかめちゃめちゃでこがひろいんだよね、、すげーコンプレックスで、、。」
とその男は恥ずかしそうに長い前髪を上げてでこを見せ、、、俯いた、、。

想像以上に

禿げていた。


なんだかわからないが腹がたった。
怒りが込み上げてきた。

「こんな立派ないやらしいものを
悪いもの、みたいになんで隠しているんだ。」

と。

私も酔っていたのかもしれない。口が出る。


「出せばいいじゃん。おでこ。かわいいんだから。
なんかそういうの自信なさげに隠してるの色っぽくない。」

いま思い出す。と。とんでもない。赤面。なに様なんだほんとに。
(挙げ句、、、つまらない恋愛ばかりしてそうに見える!
安くて美味しい松屋みたいな恋ばかりしてる感じ!あなたは松屋。そう、松屋セックス。
というようなことまで口走っていた。。。
女性社会に長くいすぎてるせいで男性に嫌われる事が平気なのかもしれない、、。阿呆。)
※第2回の連載でもかきましたが松屋は大好きです!


私は禿が好きだから
もっと見せていけばいいのに。と真面目に思ったのだ。愛でろ、と。

それは、カメラマンの友人が
私の不格好な横顔を、好き、と感じて
もっと見せて、と思ってくれた事に近いのかもしれない。

禿はエロジェニックだ、と本気で思っている。

私の好きな俳優さんは皆禿げてる。
塚本晋也さん、マチューアマルリックさん、そして散らかり果てたご存知ジャックニコルソンさん。
etc...
禿までいかなくても禿の気配がデコからむんむんする。ああ、素敵。

なんで禿は色っぽいんだろう。

しかし
禿は日本の文化、一般の価値観では
美・魅力
とは離れたもの。。。(フランスでは禿はかっこいいものらしいけど。)

カメラマンの友人が
美しいは自由に可愛がらなきゃ。と体現していた。


わたしは書こう。
エロも自由に可愛がらなきゃ。と。

禿はエロの象徴であり、愛でるべきものだ!
世間は知らん。すくなくとも私のなかではそうだ。

色々と考えてみた。

なんで禿は色っぽいのか、と。

電車で街で、色んな男性を観察しながら考えてみた。

美人にも
エロい美人と
エロくない美人がいるように

禿にも
色っぽい禿と
色っぽくない禿がいた。

考えた。

そして私が分析するに、

色っぽい禿には6タイプ。


■エロ禿
男性ホルモンが強いために禿げた。女性に対しての目が粘着質。
ふさふさのスケベよりも、禿げているという点で
すぐさまペニスを連想させるビジュアルであることが多いため一歩リード。
エロすぎる、という点で一目置かれるタイプ。

■悟り禿
「歳なんだからしかたないじゃん」「遺伝じゃん」という宿命を受け入れる禿。
禿といわれても「昔はふさふさだったんだけどなあ」と悲しみなく言える。
その余裕、穏やかさに懐の深さを感じて女性がよりつく。

■気づかない禿
じょじょにじょじょに、後退していったタイプ。
禿といわれれば禿、しかしそこまで禿げてないタイプに多い。
おしゃれもたしなむピュア。女性のS心をくすぐるタイプ。
禿の一言で崩れてしまいそうな繊細さを持つ。

■PUNK禿
禿げたことに対して怒りを忘れない禿。
「禿禿うっせーよ!どうせモテねえよ!」という諦めに似たマグマをもつ。
その怒りを別の事柄に昇華させていることが多いため特殊技能をもつ場合が多い。
ナイフのようなオーラ、ギャップ、で女性に注目される。

■権力禿
金がある。「禿がどうした。俺の戦場はそこじゃねえ」という非常に強い禿。
金でなんでも解決できる。オーラが最も強く存在感があるので鼻につく。
「金さえなければただの禿なのに、、、!」と女性をじれったいキモチにさせる。
金があるので基本的に明るい。しかしたかられることは嫌う。

■パーフェクト禿
禿すらもチャームポイントになってしまうほどの禿使い。
芸能関係者に多い。禿をアクセサリーのように捉えている。
禿じゃなかったら○○君じゃない!大好き!と言われるほどのキングオブ禿。


こんなにも色気を放つ禿がいる。
街ですれ違っただけ、一瞬顔を合わせただけでも
そのオーラからこのどれかに当てはめることが出来るのではないでしょうか?
と思うほど細分化してみた。。つもりだ、、。

基本的に身近な美のハンディという認識だとして。
そのハンディとその人がどう向き合ってきたか、どう対処しているか、どう折り合いをつけているか
という闘いの跡を感じることができるから、禿は、なんとも色っぽいのではないか。
その人の強さと弱さを想像したくなる。好奇心をかき立てられる。

既成の美的感覚からずれた造形、いわゆるブサイク。
のハンディとはまた違う。

なぜならば
ブサイクは生まれながらのそれで、
-から+にしていくという上昇への道しるべの旅。

しかし禿は
あったものがなくなってしまうパターンが9割だ。

0からの-への進行。しかも、とめられない刻々と目に見えて行くケツラク(髪の)。


しかも、全員が全員禿げるわけではない。そこもまた禿の歴史と存在を複雑なものにしているような気がする。
(悩んでる人にとっては、たまったもんじゃねえよ、なんで俺なんだよ。というキモチだろうが、
私はその複雑さにもエロスを感じてしまう。、、。)


しかし、
魅力的ではない禿がいることも知っている。

それは
隠したり、恥ずかしがったり、ふっきれてない、禿だ。
現実をとらえようとしないことはその人の魅力を消してしまうことだとおもう。

前述した、悩んで俯いた青年も、
きっとその向かい合いの種類、時間で、エロをそのデコ!に宿せると、私は心から信じている。

まあ、こんなことを熱烈にかきながらも、

世間の価値観ではなく
己の美の価値観で生きて行けるようになれば、
いわゆる、いわゆる、禿だブスだは問題でなくなるのかもしれない。
(自分にも言い聞かせているが早くその境地にいきたい。)

と思っている。(それがきっと難しいのだが)
肯定には強さと喜びが必要なんだろうな。。。

世界がそれをもてたなら、もっときっと景色は色・とりどり。。。

ただ
世間の価値観によって生まれた美のハンディ、
その逆境に向かう姿に色気が宿るのも事実、だから

ああ、ずるは複雑です。


皆様、今月もそれぞれのエロに邁進しましょう。

ずるは今日も危うい頭皮に熱視線、だ。
また来月。

p.s
お笑い芸人の設楽統さん(バナナマン)。
私は彼は本当にエロジェニックだなあ、と思います。
若い頃はおでこが狭かったのですが歳とともにデコが後退していっておりました。
おや?とおもったあたり、彼は髪型を変えておりました。
左右でデコの広さが違うのですが、彼は、
デコが広いほうがよ~くみえるような髪型に変化させたのです。
「ちょっとはげた、、?」と思うような髪型です、、。
しかし、その髪型によって彼の魅力、セクシーさが増した!とますます私は彼のファンになりました。
設楽さんの判断なのか、メイクさんの判断なのか。あっぱれ。



★今月のポエム★

『メニエール』作詞:小野寺ずる

ベッドに見える足、北北西、
瞬間的な意識障害についての噂を医者がしていた

白熱灯のオレンジよ
窓から差し込むメタルブルーに負けちまってどうすんだ

進化を止めたきもち


ああ
クリトリスがフードを脱いで心配そうに辺りを見回す
「大丈夫、誰もお前のことを話してるんじゃないんだよ」
なだめる私の声がきこえた

クリトリスはピリピリ鳴いて
また
小さくうずくまる

震える
SU
ZU

首を少しもたげ(たつもりで)話しかけたが
彼女、すでに皮の中。

自分勝手で自意識過剰
これだからただの性感帯は。。。

なにもかも
みることは
叶わない

私は
救急隊員と熱海に行きたかった
私は
救急隊員と箱根に行きたかった

救急車でそのままにいきたかった
大勢でいけば楽しいはずだった

いつまでもサイレンを鳴らしていたっていいじゃないかと悪態をつきたかった
にぎやかに
にぎやかにさ

涙が涙が涙が止まらないのを
だれもぬぐってはくれなかった


何度も注射をしないでくれってば
検査をしたってわからない

私の心はわからない
首をのばしたクリトリス
いい加減に諦めて
でなけあ外してグミにする

ランボルギーニが頭のなかでまわってる
誇らしいくらい
車だよ

水滴まみれの窓の外
曇った向こうで看護婦の滲むカーデガンカーデガン
ナースステーションの収穫祭

亡骸区切ったカーテンで
パッチワークの昼下がり
私の好きな瑠璃色で
参列まがいの温泉旅行


葉っぱが落下しながら呼んでいる
私のことだとおもうんだ

悲しいけれど
なにもかも
みることは叶わない

ランボルギーニが照らされる
誇らしいくらい
車だよ


心電図の楽譜
心電図の楽譜

誇らしいくらい
車だよ


■プロフィール

小野寺プロフ画像
撮影:野村服

役者。思春画家。89年生まれ。気仙沼市出身。ロ字ック所属。異物と呼ぶにふさわしい存在、子どもの声と獣の瞳を武器に一進一退。
。最近抜け毛が酷い。

■小野寺ずる出演情報
◆雷ストレンジャーズ
国際演劇祭イプセンの現在 参加作品
『フォルケフィエンデ-人民の敵-』
12/3(土)ー12/4(日)
@シアターX
http://kamist.main.jp