ステージの上か?ってぐらいキラキラしている彼ら。

ま、眩しい。


「英徳?」

「お前にとっちゃあ色々あり過ぎただろうけどな。」


西門さんが苦笑する。


「色々だって?色々どころじゃないっつの。
二度としたくないわよ。」

「まぁな、そうだよなぁ。」

「お前、学園中を敵に回してたな。」

「しまいには鉄の女までよ。」



誰のせいだと思ってんだ。
げらげら笑って、呑気なんだから。


口で言うのは簡単だ。
全校生徒から追われてみればいい。
御曹司軍団め、こんにゃろ。

あの日々は毎日がギリギリの綱渡りみたいなものだった。
高校をやめるだけでは済まない。
家族が露頭に迷いそうになった事も何度もあった。

細いロープに必死でしがみついて、落ちたら生活が出来ない。
明日のお米さえ、ペットボトルのお茶すら買えない。
毎日うまく呼吸が出来なかった。
高校時代を…青春を楽しむ?
青春どころか、過労死寸前みたいになってたっつーの。


つくしは3人を睨んだ。


「いい思い出になるには千億年ぐらい早いわよ。
全く。
途中からでも転校すれば、普通の高校生活を送れたかもしれないのに。」




花沢類が軽く首を傾げた。


「無理でしょ。」

「へ?」

「諦めろ、牧野。
司がお前に惚れた瞬間から、普通の生活なんざ塵ほども存在しねぇよ。」


パスタを巻き付けたフォークを口に入れた瞬間…

ピタリと手が止まる。


「お前が惚れさせたんだろ。
自分でピリオドを打ったようなもんだ。」


美作さんがまたワインを頼む。
(ほんとザルなんだな、この人たち)


「転校しても引っ越ししても、あの男はお前をどこまででも探し出すさ。」

「そうそう。」

「牧野は一生、男は出来ねぇだろうし?」




む。


「それって色気がないとか言いたいんでしょ。」


フォークをかちん、と皿に置いた。



「違うよ、牧野。」


私の初恋。
ビー玉の瞳をした綺麗なひと。

おかしそうな微笑みで私を見てくる。


「司と張り合うような男はいないでしょ。」

「…道明寺?」



ゆっくりと瞬き。



「牧野、考えてみろ。あの司だぞ?」

「あいつが凶暴だったから?
まぁ確かに手が早かったよね。」

「いやいや、まぁそれも昔はあったけどよ。」

「道明寺司だぞ?」


美作さんと西門さんの微笑みは消えていた。



「あいつを前にしたら、どんな男でも尻込みしちまう。
化け物レベルだからな。」


西門さんの言葉に美作さんが強く頷く。


「小さな動物が競い合ってる時に、シベリアトラが出てくるようなモンだ。」

「ラスボスな。」

「最強だろ。」


花沢類がワイングラスをそっと持ち上げ、軽く傾けた。
二人の言葉に異論はないらしい。


「あいつが惚れてる女に手を出すバカはいねぇよ。」

「あの男は圧倒的過ぎて、ステージが違う。
お前も男だったらわかると思うぞ。」


じゃ、じゃあ…
私の平穏な生活は…


「ないんじゃない?」


花沢類は王子様みたいな顔でバッサリ言う。



ひゅいーーーーん。
(私の星空から普通という名の星が落ちていく。)



「司はなー。」

「次元が違う。」

「あいつが英徳に入学してからは希望者が4桁増えたらしい。」

「道明寺さんとお近づきにってな。」



…もぐ。
急にあんまり食欲が…





その時、携帯が鳴った。




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