「こちら、スズ。
小鳥は最寄り駅付近で身繕い中」


報告を終えると、美鈴はそのまま美容室真向かいのカフェでお茶を飲んでいた。
目はつくしから離さない。 


普段の警護服装は少しラフだ。
黒の上下スーツは人目につきやすい。

白のシャツ、黒のタックパンツに
グレーのカーディガンを肩にかけていた。



美鈴は29歳。
上野と8歳違いの妹だった。
姉妹とも空手の黒帯で、合気道とテコンドーも嗜む。
根っからの体育会系で体を動かすのが好きだった。

姉がアメリカの大学からシークレットサービスに入り、勤務している間
美鈴は実家を出て警察官として働いていた。

姉から警護チームに誘われた時
溺愛する甥っ子の側にいたかったし、姉を手伝う為に警察を止めた。


美鈴がカフェモカを2杯飲んでいる間
警護チームは大忙しだった。



英徳だと良家の子女が多いため
すぐにどんな人物かが分かる。
(バックグラウンドで調べれば簡単。
親が会社社長が多かった。)


ただし、公立高校はそうもいかない。
一から調べるのは時間もかかるし、何しろ人数が多い。


警護チームは警察とは違って電話やメールの監視は出来ない。
(プライバシーもある。誰だってそれは嫌だろう。
真一はハッキングしちゃう?と言うがそれは止める)


「鈴木を叩き起こせ!」
(今日の非番は1人だった)

美鈴と非番の鈴木以外、ミーティングルームに集まっていた。


「上の承認が取れた。結婚式場がコネがきいて助かったよ。
今から全員で式場に向かう。
向こうに内密で警備室を用意するそうだ。」


上の承認…?
一瞬頭によぎったがすぐに頭を切り替える。

「了解!」






「おい、西田はどうした?」

「日本支社から緊急の連絡があり、席を外しています。会議には間に合うそうです。」

「分かった。」
 


その頃、西田もメープルと連絡を取り合い
手配を済ませていた。






つくしは複雑な編み込みをアップにしたような髪型になって美容室を出てきた。

後れ毛が色っぽく、メイクも結婚式用でいつもより華やかで可愛らしかった。


電車に乗り、式場に向かう。
(お洒落をしているからといって、タクシーではない)


「めぐみ綺麗だろうな。楽しみ♪」


警護チームの慌ただしさとは違って
のんびり電車に揺られて座っていた。
(美鈴はつくしの斜めに立っている。)


メールがきた。
〈小鳥が巣箱に入り次第、守りはコウと交代する。○○に集合。〉

〈了解〉





つくしがホテルに入った。


瞬間、スーツを着た浩二が
美鈴に目で合図をし、つくしと一緒に招待客の中に紛れた。



美鈴は集合場所へと向かう。

客室の1つに警護チームが着替えて集合していた。



「美鈴はホテル従業員」
バサッと制服を投げられる。


「田中、佐藤、鈴木は披露宴会場のボーイだ。
浩二は新郎側の親戚に紛れている。

真一は山田と二人で、二次会会場のホテルラウンジ担当だ。
披露宴で酒が入るからな。
もし牧野様がからまれたら強引に止めていい。

二人は披露宴が終わるまでここにいて、通信とカメラを担当しろ。
二次会が始まる時は交代する。

俺と上野は顔が割れてるから裏方に回り、外も確認してくる。

結婚式は男が近付きやすい。気をつけろ。
よし、行け!」




式がスタートした。




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