「爆弾だと?」

「はい、尾上班長。
道明寺のこのビルに、硫酸を仕込んだ爆弾を10個仕掛けたと匿名で電話がありました。」 

首を振りながら言う。
「いたずらだとは思うが…。
見回りを増やして、社員にも不審物を見つけたら触らないように至急連絡を。」

「はい。」

「支社長は出張中だが、すぐに西田室長に連絡する。
今は牧野様が働かれているからな。」


皆、一斉に頷く。


「コンピューターチームに防犯カメラを再度チェックさせろ。
怪しい人物が映っていないか。 」


日本一のこの企業に嫌がらせは後を絶たない。
出入りする人物は業者も含めて厳しくチェックされる。

入口には全て金属探知機を備え、IDがないと内部には入れない。
それでも、絶対はないのだ。


「全館チェックするまでは
コード・イエロー “警戒せよ” だ。」

「「「「はい!!」」」」


部下達が警備室を出ていった後
尾上は西田に電話し始めた。





「先輩、お先にお昼頂きま~す」


牧野様がお弁当とマイボトルを持って出張所を出られる。
城之内がさりげなく声をかけた。


「今日は外に行かれるんですか?」

「はい、天気がいいので。
近くの公園で食べてきますね~」


公園か。
美鈴が後を追ったあとに
無線を取り出した。



小さい公園のベンチでお弁当を広げるつくしを、総勢6名で警護していた。
公園の出入り口に立ち周囲に目を光らせる。


公表してはいないが、御曹司の恋人は格好のターゲットとなるからだ。


警護していくとわかる。
何故  あの道明寺司がこの人しか愛さないのか。
この人に何かあったら、と警護班は気が気ではなかった。


子どもが風船が木に引っかかったと泣いていた。
帰ろうとしていたつくしは木を見上げ
これならいけると、ランチバックをベンチに置き登り始めた。

SP達はギョッとしていたが、なんなく風船の紐をつかみ降りてきた。
(ちなみに今日はパンツで良かった。)


女の子に風船を渡し、お腹の大きなお母さんに何度もお礼を言われて
恐縮しながらペコリと頭を下げて
会社へと戻っていく。

SP達は、木登りを報告するべきかしないべきか迷っていた。




先輩とお昼を交代して、一人出張所にいたつくしは
今日届いた荷物を仕分けしていた。
大きい物はほとんどが宅急便で届くので、郵便は大体封書ばかりだ。


「ん?」

1つの小さい段ボールがあった。
ゆ○パックで届いている。
宛名は、この出張所だった。
差出人のところがにじんでいて読めない。



それに何か音がする。

開けようとした時、電話が鳴り
自分のデスクに置いたまま忘れてしまった。



階ごとに分けた郵便物を
2階にいるフロアメッセンジャーの方に託す。
あ、そうだ。あの小包…
出張所に戻りながら 中身を考えていた。



その時
お昼から戻り仕事をしていた先輩が
つくしのデスクにある包みに気付いた。

近付いて手に取った瞬間

チッチッチッ という音に気付いた。
不審物の連絡を覚えていたので

「ばっ、爆弾??」



叫びを聞いた城之内が走ってきた。
包みがつくしのデスクの上にあり、確かに音が聞こえる…!

無線を出し、叫んだ。


「不審物、発見!
出張所の牧野様のデスクです!
至急応援を!」


連絡を聞いた尾上はすぐさま、警護班に連絡をとった。




「コード・レッドだ!!」




館内で警備を行っていたSPは直ちに全員、出張所へ向かっていた。


コード・レッド
それは、牧野様(と司様)が最優先の安全確保だった。


つくしが出張所に戻ると黒いスーツだらけだった。
「え?何?あ、いらっしゃいませ~」

にっこり笑ってスーツ軍団に近付く。

 

とっさに美鈴がつくしに叫んだ。
「この方達全員、ゆうち○銀行に入りたいそうです!
場所がいりますね。
道明寺会議室をご案内します!」


つくしは申込書や書類を大量に持ち
黒いスーツ軍団を引き連れて、美鈴とビルを出た。
(会議室が外?まぁいいや。15人はゲットかも!)



尾上や上野(姉)や何人かが出張所にいた。
つくしの先輩は城之内が離している。
警察に連絡しようか話し合っている時




出張所の電話が鳴り響いた。




犯人か?
出張所に緊張が走る。

尾上が頷き、上野が電話をとった。











「あれ?先輩は?」

「松田さんなら席を外していますので、警備員の上野がとらせて頂きました。
伝言を承ります。」

「さっき、言うの忘れてて~!
小包、私のロッカーに入れててもらえます?
弟から目覚まし時計届くの忘れてましたぁ
はははは。
じゃ、すみませーん。」 





しーん…。




 

チクタクなる荷物は、つくしのロッカーに入れられ
コード・レッドは解除された。

(爆弾予告があったので、コード・イエローは継続された。)




爆弾騒ぎは西田から司に伝わり
帰国すると大騒ぎしていたが
つくしのある写メを見せられ、安心していた。

「この通り牧野様はお元気ですので。」

「この写真送れ!お前は削除しろ!」

「…はい。」




司は早速送られた写メを見て笑っていた。
「全くお前は…。」





写真は、つくしが木によじ登っているものだった。



警護日誌     担当    上野美鈴

今日はコード・レッドがありましたが、予告もいたずらだったようで一安心しました。
牧野様はゆうち○の新規を12名とられ
大変喜ばれていました。
(残り3名はすでに通帳ありで新規ならず。)

支社長より、木登りはなるべく止めろとの事でした。



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