アイドルソング、ギター弾きの私の流儀 - にぽたん研究所

February 22, 2017

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ICON ≫ 連載『アイドルソングの作り方 〜 HOW TO MAKE “IDOLSONG”』by CHEEBOW 〜 第7回:アイドルソングを作る(仕上げ編)

ICON の連載『アイドルソングの作り方 〜 HOW TO MAKE “IDOLSONG”』シリーズが今回第 7 回目をむかえ、仮歌とコーラス、ギターという、サウンドとして「人によるプレイ」が融合される回が掲載されています。
この連載中に登場するデモソング「なのはなイントネーション」のギターを、今回私が演奏させていただきました。

これまで見逃していた方でご興味のある方は、以下のリンクから連載の各回をご覧いただけます。

今回、ちょっとこの個人ブログに、他にも見えないところがたくさんある、「ギター弾きである私目線からの、アイドルソングの弾く際の流儀」について書こうとおもいます。

まず「お前誰だよ?」って感じだとおもいます。

ご存知ないドルヲタの皆様に、もしかしたらわかりやすいかも知れない?表現で自己紹介をさせていただきます。

愛乙女☆DOLL さんの「GO!! MY WISH!!」とか、Doll☆Elements さんの「ギュッとSTAR!!」とか、Luce Twinkle Wink☆さんの「刹那ハレーション」とか、じぇるの!さんの「Gimme a Spark!」とか…いまパッと浮かんだ「イントロのギターサウンドが印象的な曲」をいくつか挙げさせていただきましたが、これらの曲中、皆さんが「ジャージャー!」と大声で自己を高めかつ同士とともに互いに高め合っているあいだ、時に、その大声よりも大きめの音量でハコで轟いているイントロのあのギターのメロディ…そう、アレなどを弾いている人です。

ほかにもアイドルさんの楽曲に関しては今日現在で 50 曲ちょっと演奏させていただいています。
楽曲リストは、ポートフォリオ・サイトでご覧ください。

前回の連載第 6 回のアレンジ編の最終的段階のサウンドは、シーケンサーに打ち込まれた演奏データで、カラオケとして十分な段階にまで仕上がったアレンジになっていました。

そして、今回の連載第 7 回の仕上げ編では、小森ゆなさんの仮歌+コーラスと、私のギターという、整っているサウンドに対して「人間によるアナログな整っていない状態のもの」を添加して味をつけるターン。
いやまぁ、実際には量子化された果てのデジタルではあるのですが…。

要するに私の役割は、上記の「仕上がったオケ」から、Virtual Guitarist の音を抜いてもらった版に、ギター演奏した音を重ねることです。
「燦びやかに整ったオケに、清濁共に最も人間クサイものをインジェクションする役割」と勝手に自認している

と紹介文に記載されている通り、燦びやかな音色、楽譜かピアノロールか演奏後のクォンタイズ等でキチンと拍アタマが 0 から始まっているクロック、ベロシティも適度に整った、所謂「ジャスト」な演奏データに対し、クロックもベロシティもまったく整っていない、しかも譜面に書くことも MIDI データで表現することも MIDI データ化することも困難な音などを注入することが私の役割です。
なので、綺麗なものを踏みにじって汚すから、時に「蹂躙」という強い表現を用いたりしますが、これは自虐ではなく「汚された人間クサイ音こそカッコイイ」という信念があるから使っていたりします。

EDM のように「あえてのジャスト」に美徳を見出したとしても、製作側が、電子データに対して、裏拍のハットにアクセントをつけるなど意図的に不揃いにしたり、裏裏のキックを妙に弱く入れたり、キメ部分のスネアにフラムを入れたりと、わざわざ人間クサイ表現を入れているのは、あえてのジャストを蹂躙したカッコ良さ成分を求めてのことだとおもっています。

逆に言うと、自分の場合は、電子データだけで音楽を作る労力を払えない気の短かい性質だけに、ナチュラルに汚すことしか知らない、砂場で泥団子を作る幼児のようなピュアさがあったりします。
えっと、なんだか意味わからないですね。

作詞編で作詞のまいさんの気持ち悪い LINE のやりとりが晒されていて、


なんて言われたのですが、


とリプライしました。

記事中にも、メールの大まかな内容が書かれていますが、だいたい実際のメールがあれとほぼ同じで、あの情報量で、ギター演奏データの納品まで完了させてしまいます。

では、あのメールを受信してから、納品までのいつもの流れをご紹介します。


準備


私の場合、DAW はコーラスの小森さんと同じく Logic Pro X を使っています。

Logic Pro X


アイドルソング演奏家初期は Logic Studio 8 を使っていましたが、OS アップデートで急に起動しなくなったり、最終的に Snow Leopard までしかサポートされなかったりで、見切りをつけた頃にはすでに 9 を飛び越えて X になっていました。

マーカー設定


まず空のプロジェクトを作って、BPM を設定したら、1 トラックに全オケ (ギター有り版)、2 トラックにギター抜き版のオケを取り込み、再生しながら、真っ先にマーカーを設定していきます。

マーカー


フィジコンに KORG の nanoKONTROL2 を使っています。お手頃価格ですが、ボタン操作でマーカー設定やマーカー移動が簡単に出来てとても便利です。

nanoKONTROL2


nanoKONTROL 1 は CHEEBOW さんから譲っていただいてしばらく使っていたんですが、2 を試した時に、このマーカー用の機能だけで買う価値を感じ、2 に乗り換えました。



コード譜確認、演奏用コード譜生成


CHEEBOW さんから受け取るコード譜には、小節数がふってあり、五線上にメロディーが書いてあり、わりとそのまま使えそうなやつが PDF で送られてきます。

コード譜 (イントロ部分)

イントロ部分がこんな感じで、いったんこれを見ながら初見で適当に (録音せずに) 弾いてみます。
そうするとイントロでギターメロが入る冒頭部分 (2 小節目の 3 拍目) にコードが記載されていないことがわかります。
聴いた音からも、コンテキストからも、B♭7 であることが暗黙の上でわかるんですが、記載しておかないといざ録音する時に「あww なんだっけwww」なんてわからなくなります。
他に、この曲以外の例も含めると、たとえばテンションが鳴ってるのに記載上抜けている時があったり、あとは完全に弾き手都合ではありますが、分数コードがある場合に「ギター的」ではない場合にベース音を省略して弾かないので、目障りなベース音表記を抜いたり、テンションで言えばギター的ではない (6 音で鳴らないとか、運指に無理があるとか) コードから構成音を間引いたボイシングに替えるか代理コード使ったり。
そんなこんなで「実際に演奏するコード」が記載されたコード譜に落とし込みます。

加えて、「メロの頭が一番左端」にあって「そこからはじまる一行が 4 小節」という構成こそが、演奏しながらチラ見するぶんには一番やりやすく、むしろ逆にそうではないと、今どこを弾いているのか頻繁に見失なったりしがちなので、譜面上の配置替えは必須です。
昔は印刷して切り貼りしたり赤ペンを入れたりしていましたが、データとして後に残せないし、紙の譜面を使うための譜面台を使う必要があって煩わしかったりで、ここ 5 年ぐらいは全曲テキスト版のコード譜にして使っています。

テキスト版コード譜

ここまでのものを新たに作る労力が相当なもののように思われますが、ここまでやったものを用意しておけば、録音時のミスが格段に減るので、事前にこの労力を惜しまずにやっておくほうがトータルでかかる時間コストは短かかったりします。
これが最初非常に面倒だったので、元の譜面からもっと簡易的なテキスト形式に写経したやつを、自動的に整形してこの譜面スタイルに変換するプログラムとかを自分で書いて使っているので、実は想像よりも大変じゃなかったり。
あとはリピートだのダルセーニョだのに応じて、曲の構成や小節数が認識と合致してるか、マーカーなどと照らし合わせて確認をして、再度通しで (録音せずに) 弾いてみて問題なければ、いよいよ録音に取りかかります。


演奏編


演奏する上で、割とポリシーとして意識的にやっているのは、
  • バッキングはヤンチャしすぎない
  • リードギターはあえて人間くさく

「ヤンチャ」という表現が適当ではないかも知れませんが、具体的な基準として「自分で弾きながら歌えなさそうなバッキングはなるべく避ける」という感じです。
本当はこねくり回したバッキングとか大好物だったりしますが、あえてやりません。

バッキング


バッキングのレコーディングに際して、ギターあり版 (1 トラック) に入ってる Virtual Guitarist の演奏を参考にすることはほとんどありません。逆に Virtual Guitarist のバッキングパターンに聞き入ってしまうと、先入観で引きずられてしまって、それ以上の拡がりがなくなってしまったり、「自分だったらこう弾いたほうが良いとおもう」というのが出てこなくなってしまうので、「どこからどこまでギターを入れるのか (どこからどこまでがブレイクしたほうがいいのか)」の意図を汲む用途で一度聞いて、以降は基本的に完全にミュートしてしまいます。

バッキングは、CHEEBOW さんの楽曲に関して言うと、音数の少なめなロックバンド然とした楽曲よりは、音数の多いポップス然とした楽曲であることが多く、1 パートあたりの音の厚みよりは全体的なバランス重視になるので、あんまりヤンチャしたところで、ミックスされた音になると鍵盤やストリングスなどに埋もれるし、もっと言うとライブでは歌やコールに埋もれます。

加えて、アイドルさんというのは、言葉が悪いかも知れませんが、良くも悪くも「アベレージシンガー」が大半です。
シンガーを「歌だけに聞き惚れてくるファンが大多数で、千だ万だと CD が売れている人」と定義するとすれば、アイドルさんは「他の数多ある魅力に加えて歌も好きで来るファンというのが大多数で、千だ万だと CD が売れている人」なので、つまりは「歌のみならず」歌の品質だけを問えば、だいたいアベレージ。
くさしてるわけではなく、得てして、天は二物を与えないものです。

なので、「熟達のシンガーではない」ということも考慮すれば、歌唱を邪魔するような過度な目立ちかたや、歌が合わせづらくなるぐらいの複雑なリズムを刻むようなヤンチャをしてはいけません。

「♪君のボディはノーボディ、ノーボディ…ギター!ギター!おい、ちょっとやめろストップストップ!おい!ストーップ!ギター、アイドルより出しゃばるな!」

という、「ストップ・ザ・ニューウェイブ」の気持ち (これ、わかる人少ないだろ) を忘れず。
シンガーファーストを肝に命じてジェントルにバッキングを弾きます。

端的に言えば「クランチで、パワーコード、硬めにミュートして 8 分で刻む」

が多いです。
ギタリストとしては面白味に欠けるかも知れません。
でも、「アイドルより出しゃばるな!」That's it.

リード


逆にリード (イントロやギターソロ) は、目立つ気マンマンで臨みます。

よく「ギターソロも CHEEBOW さんが考えてるの?」みたいに言わる時がありますが、イントロとかのメロディは CHEEBOW さんが考えている場合が比較的多いですが、ギターソロは 100% 自分で考えてます。
一応、連載第 6 回のアレンジを聞いていただければ、ギターソロの部分のメロが完全に空白になってるのがおわかりいただけるとおもいます。
むしろ、バッキングも自分で替えてしまってますし、イントロとか以外はギターは全権委任してもらってる感じでやらせていただいています。

CHEEBOW さんからの指示は、
2コーラス目のあとにギター・ソロです。
という感じで、ギターソロを入れるべき場所が指定されています。
どう入って、どう終わるのか、どう弾くのかはアドリブです。
最低限、歌のメロディーと噛み合って大丈夫か、邪魔しないかだけ注意します。

今では考えられませんが、昔はホントにアドリブ一発録りとかやってました…。
いや、ホントにすごいプレイヤーはそれでいいんでしょうけどね…。
今になって、ホントにアドリブのみでやると、手癖が出すぎちゃったりします。ライブのノリならまだ許されるかも知れないけれど、音源として残るとかになると、「あの時の自分を許せない」みたいな後悔に苛まれるので、色々なやりかたを取り入れては変えていった末に、ここ最近、ようやくやりかたが固まってきた感じがあります。

で、そのやりかたというのは、ギターソロのところだけ、延々とループさせながら、だいたい 20〜50 テイクぐらい、ホントにスケールだの手癖だの頭に浮かんだのみたいなものなど、出来るかぎり捻り出すようにアドリブでノンストップで弾き続けます。
で、捻り出したら、あとでプレイバックしながら、ある程度のフレーズの塊で「ここ、我ながら良いな!」っておもえるところだけ採用していきます。
ブツ切りの「なんか良かったフレーズの塊」が点在する状態のものが出来たら、それらが自然に繋がるように間を繋ぐメロディを考えます。うまく繋がらない場合は再考します。
この行程で、およそ一続きのギターソロが完成したら、自然に、パワフルに、そしてメローにすべく、その完成したものを、あらためてイチからひと続きに弾きなおします。
で、だいたいここで「やっぱりこうしたほうが…」っておもったところが出てきて、そこもどんどん直します。
で、最終的に、…全部いちからやりなおしたりする時もよくあります…w

ここまで熟考を重ねてギターソロを作っているわりに、演奏に関していえば、波形で見たら多少リズム的につっかえていたとしても「これ、味だからw」と強気に OK テイクにしちゃっています。
まぁ、味気のないギターソロなら、もろとも打ち込んじゃったほうがマシですし、多少のミスタッチも込みで「味」とみなしています。
なんて言いつつ、一応はなるべくミスタッチにならないように録音する時だけ FretWraps とか使ってたりしますが。


まぁ、こうして後先考えずに荒ぶって演奏したりするときが大半なので、あとで盤になるような場合に、それはもう荒すぎて、レコーディングエンジニアさんを泣かせているのかも知れませんね…。わからないですが…なんかすみません…。

アコギ


今回の曲はアコギを、とのことだったので、アコギをマイク録りしています。
しかし、どこかのスタジオを借りてレコーディングを行うわけではありません。二人に音源を渡して、それぞれの自宅で録音してもらっています。

とありましたが、時々、録音に適さない状況でアコギ録りをする必要がある場合にはスタジオ借りてアコギだけ録りに行くこともあります。
ただ、街中にあるリハスタはアコギのマイク録りには大概向かないですね。隣のブースの爆音拾う時があったりするので…w
ベストは自治体とかがやってたりする施設にある、その自治体の住人とかにだけ格安で貸してくれる音楽スタジオ。税金使って無駄に吸音壁材だったりとかで、レンタル機材が国産ばかりなのを除けばファシリティとしては自治体のやつのほうが圧倒的に良かったりするなんてのが、スタジオあるあるで、建物の造り自体も雑居ビルなんかよりは重厚で、隣ブースの音漏れに悩まされなかったりするので、民間のリハスタよりだいぶ重宝したりします。ただ、予約の取りかたがよくわからん融通のまるで利かない自治体ルールだったりするのが多かったりして、そういうとこが玉に瑕ですが…。
お金に余裕があるなら、ちゃんとレコーディングスタジオでやるのが大正解です…w

今回は諸々調整して、自宅でアコギを弾けるチャンスがあったので、自宅で録りました。
残響とか雑音が紛れこむ可能性があって決して良いとは言いがたいのですが、段ボールを積んで囲ったりなど工夫してやったりしています。

写真録り忘れましたが、アコギ録りには、最近は sE Electronics X1 というラージダイアフラムコンデンサマイクを使っています。
けっこうお安めのマイクですが、色々試させてもらった時に、この値段帯のマイクの中ではかなり音が良かったので、すっかり気に入って使っています。


今回の「なのはなイントネーション」では、1 カポ、転調後は 2 カポで弾いてます。
カポは普段は SHUBB のカポをつかってます。


今回は SHUBB よりも、曲中でカポのフレット移動がしやすい Kyser を使いました。

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マイク録りなので、マイクとギターの距離や向きがかわるとまったく繋がらなくなってしまうので、頭から最後まで一気に弾いて、ミスタッチした箇所だけパンチ録りするようにしています。

昔はエレアコのストロークをラインで録ったりしました (愛乙女☆DOLL の「Lovely Days」等) が、録音しやすさ (繋ぎとか) では粒が揃っていて扱いやすいんですが、まぁ、音色としては扱いづらいところがありますね。
録音専門の演奏家になっていたりする昨今「エレアコって一体何なんだよ!」って感じがしてます (言い過ぎ)。
アルペジオやエレアコのギターソロとか、単音で使うにはぜーんぜんアリっていう感じはありますが。


環境


なんとなく、録音時の環境などについて。

Amp Simulator


基本的にアンプやエフェクターの類はすべてアンプシミュのソフトウェア上でやっています。

使ってるのはこちら

IK Multimedia AmpliTube 3


IK Multimedia AmpliTube 3 と、

IK Multimedia AmpliTube 4


IK Multimedia AmpliTube 4 です。

やべぇ…。
パッと見でまったく見分けがつかねぇ…。

この見分けのつかなさでたまに事故ったりします…。
AmpliTube 3 で鳴らしてるのに、気づかないうちに別トラックの 4 の設定をゴリゴリいじってしまっていて「あれー?音変わんねーなー」なんていってつまみをいじりすぎて、4 のほうの別トラックをさっきまでの音に戻せないでござる…なんて何度も泣かされてます。

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AmpliTube 4 は、特にアンプキャビネットとマイクまわりが劇的に変化しています。
レコーディングブースのサイズと壁材、コーンの交換、マイキングが無駄にフル CG でわかりやすい、アンプ用のマイクとルームマイクと DI などをミキサーを使ってバランス調整が出来るなどかなりグレードアップしています。

…がしかし、本音を言うと問題多いですね。

3 で買ったギア (アンプやエフェクター) は 4 じゃ使えない。
3 とまったく同じ設定にした 4 の音がまったくもって別物過ぎる。なので 3 で自分で作ったユーザパッチを 4 に容易に移植できない。
むしろ 3 のほうが音が良い気が…w (※個人の好みです)

一番の不満は StealthPedal が 4 で使えないこと。
先程の画面をじっくり見てもらえばわかりますが、StealthPedal を挿していると 3 では右下に StealthPedal の表示が出ますが 4 では出ません。
これはホント…だいぶナイです…。4 を買って早々に後悔させられました。

あと、これは各所でネタで言ってますが、4 が出てちょっと経った頃に AmpliTube 4 Deluxe を €239.99 (当時約 3 万円ちょっと) で買ったら、ほどなくして IK Multimedia 20 周年で、その時の記念プロモーションで 7,000 円しない iRig UA を一個買うと AmpliTube 4 Deluxe がもれなくもらえるキャンペーンとかやってて、もう、アンラッキーすぎてかなりゲンナリ…w

それでも一時期は 4 に全面的に乗り換えようと頑張ってきましたが、やっぱり上記の色々な問題と、なんだかやっぱり音が好みじゃないので、最近は 4 を捨てて、ふたたび 3 に戻る傾向にあります。

あとは、最近 BIAS に目移りしつつあります。





ヘッドホン


CHEEBOW さんがミックスの時に使用する MDR-CD900ST を、自分の場合は最初から最後まで使っています。

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着圧は、自分にとってはこのぐらいがベストという感じ。半日とか使っていていても特に痛いとか感じなかったので、イヤーパッドもそのままのを使ってます。

スピーカー


最後の音の調整はスピーカーで行なっています。
BEHRINGER MS20 というこれも比較的格安なパワードモニタースピーカーを使っています。
ヘッドホンだけでやってると、スピーカー通して聴いた時の印象がおもっていたのとだいぶ違ったりする時がたまにあるので、あくまで最終確認用です。
最初から最後までずっとスピーカーで作業するというわけじゃないので、ここは、まったくこだわりのない感じのそこそこの安物を使ってます。
まぁ、これの音については、別に「この値段のわりに良い」とかいうほどでもなく、良くもなく、悪くもなく、じつに無難な感じ。

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演奏中の画面


連載には小森さんの画面が出てたので、自分の画面をカメラで撮ったのを載せてみます。
演奏中の画面

いつもだいたいこんな感じです。
右側は横置きのモニタに DAW を全画面表示。左側は縦置きのモニタに、先述のテキストで書いたコード譜を全面に映してます。
演奏中は今弾いていないコード譜の上に AmpliTube のチューニングメーターのウィンドウを重ね、録音するごとにそこでチューニングをしなおすようにしています。


…と、まぁ、だいたいこんな感じで録音して、完成したものを CHEEBOW さんに送って、アレンジに取り込んでもらいます。

って、最後のところ若干端折り気味…。


仮歌+コーラス、ギター無しの最終アレンジ


仮歌+コーラス、ギター有りの最終アレンジ


聞き比べてどう感じるかはあなた次第ですが、平易な感じから、複雑さが大幅に増しているのを感じていただけるでしょうか。


アイドルソングを演奏させていただくことについて


ここからは、「流儀」というよりは「考えかた」について。
ポエムセクションなので、読み飛ばし推奨です。

シゴトとしてのアイドルソング演奏家


演奏をするのは本業ではないです。

私と個人的な付き合いがある方や、ここのブログを以前から知ってる人はご存知の方も多いとはおもいますが、本業はわりと真面目な仕事をしている、技術系サラリーマンです。
国内スマホユーザの過半数の皆様が、日頃、知らずに目にしていたりしていて、もはや日常の中に溶け込みつつある、スマホ関連サービスの裏側を支えている人だったりします。

じゃあ、なんでアイドル楽曲の演奏家をやっているか…。

実のところアイドルさんの楽曲を演奏するのって、最初はさほど乗り気じゃなかったんです。
元々アイドルにはさほど興味がないですし。いや、今も「ファン目線での興味」というのはあまり無かったりします。
たぶん、現場で私の姿を見たことがあるヲタの方から言わせれば「それ嘘だろ」とおもわれるかも知れませんね…。
いや、ファンなのかなぁ。ファンじゃないとおもうんだけどなぁ…。
いや、めっっっっちゃ応援はしてるんですよ。
あ、それをファンって言うのかなぁ…。

アイドルソングで、一番はじめてやらせていただいた曲、完成して納品したあと歌入れでキーが高くて歌いにくかったか「半音 3 つ下で」と 変更リクエストきました。
生楽器は容易にキーをかえられないので、当然全部録り直し。

「えーwww あの労力はwww てかカラオケ屋でリモコンでやるキー変更のノリwww」

って感じで面食らって、もう嫌だアイドルとかやりたくないわーって気分にさせられました。
…今でも忘れません。

ただ、その後、嫌よも嫌よもなんとやらで、何組も関らせていただいている中で、時に
「ああ、この子たちなら売れて欲しい」
だとか
「夢のために自分がお手伝い出来るのなら一肌脱ぎたい」
だとか、そうおもわせてくれるアイドルさんたちに多々お会いする機会に恵まれました。

以来、大枠「夢のお手伝い役の一人」と、自分の立ち位置を勝手に自認していたりします。

カッコイイギターを考えて、演奏して、録音する労力なんてのは、ここに書いた通り、なかなかのもんです。しかもプラグインや機材や消耗品だのメンテナンスの手間だのって、まーまー時間もお金もかかります。別に専業ミュージシャンのような報酬をいただいてるわけでもなかったりで…まぁ、そこは、本業があるから余力でなんとでもやってけてるみたいなところがありますが…。

「波瀾万丈」に抱かれたい


なんか、ある時から、自分の人生のテーマとして「多くの人が経験したことがないこと」を経験したいっておもうようになりました。
なんだろう。勤務先の会社が、良くも悪くも荒波に揉まれっぱなしの波瀾万丈な会社だからなのかな。
「多くの人が経験したことがないこと」を多く経験させてもらえていることの「有り難さ」は日々噛み締めていて、この有り難さのためには自ら火中の栗を拾いにいくことも厭わない性分。波瀾万丈に自ら歩み寄ろうとしているところすらあります。
むしろ波瀾万丈に抱かれたいんだろうなぁ…。
そうだ。
そうに違いない。

アイドル楽曲の演奏家稼業をはじめて、それ絡みだけでもそれはそれはもう色々な経験をさせていただいています。
一介のサラリーマンが、自分の演奏させていただいた楽曲の CD がオリコンデイリー 1 位になるとか、しかもそれを 4 回も経験させてもらえるとか、普通なかなか経験出来ることではないじゃないですか。
一介のサラリーマンが、横浜 BLITZ のステージにあげさせていただけるとか、普通なかなか経験出来ることではないじゃないですか。
AJ さんに初期から関らせていただいて、こんなにもたくさんの栄誉を経験させていただけていて、なんだったらワタシ AJ さんになら全てを許してもいいのよ (何) みたいなところがあったりします。
丸山夏鈴ちゃんの夢のお手伝いをさせていただいたことも、本当に身に余る光栄で、彼女の記憶とともに、褪せることなく永遠に心に深く残り続ける、かけがえのない稀少な経験です。

アイドルさんたちの「夢のお手伝い役の一人」はこれからもライフワークとして、そこに「有り難さ」を見出しつつも、自分の生きてきた爪痕を今たくさん残していきたいと心のどこかで願っているのかも知れません。

楽曲無償提供


本連載で制作したオリジナル曲、『なのはなイントネーション』を1組のアイドルに無償で提供します! グループやソロなど、アイドルの活動形態は問いません。末長くこの曲を愛してくれるアイドルに歌ってもらいたいと思っています。

「アイドルソングの作り方」の元の連載は ICON という、音楽の作り手さん向けの媒体での扱いです。そんな媒体で、この「なのはなイントネーション」をアイドル 1 組に無償提供すると、募集が開始されています。だから、言ってしまえば、製作サイドのみならず、アイドル運営さんに届いて欲しい連載です。
これ、マジな話、売れてる、売れてない関係なく、ちゃんと末長く愛し歌い続けてくれるアイドルさんに歌って欲しいのが個人的な願いです。

ぶっちゃけ、アイドル、すぐやめたり (やめさせられたり) 解散したり (させられたり) で、楽曲を簡単に捨てちゃうの、正直つらいです。
別のアイドルグループに引き継いでくれるケースもたまにあって、それは涙が出るほど嬉しいですが、解散して楽曲もろとも消滅させるとか、愛が無くてほんとつらいです。
ライブで盛り上がらないから干されソングになるとかは仕方ないとはおもいます。
でも、グループや事務所の都合で、消される楽曲 1 曲 1 曲に、こうして何人もの人があれこれとかかわって、それぞれ皆さんがどれほど心血を注いで作っているのか、そういうのが伝わって、考えてもらえるいい機会になればいいなぁなどと、私は勝手におもっています。
いや、もう、連載の趣旨にはそぐわないので、これはもう、完全に私個人の心情。

「買い切りで、幾ら幾らの曲だから」と、楽曲に対して、対価として支払った額面の価値しかないという考えでとらえれば、それ以上ではないものは簡単に捨てることも可能なわけです。

ある事例では、お金を支払った末に、心身を病んだかで炎上発言して、息をひそめて 1 年以上も塩漬けにして、急に謝罪放送するとか言って、蓋をあけたら、歌い手未定のまま、誰も歌いたくないような変な歌詞をつけて、笑われる道具に利用して晒し上げにあう楽曲…あの楽曲とかも、抜かりなくこの連載と同等の心血が注がれて作られた曲でした。こんな事例もまた、まぁ、苦笑いを通り越して憎しみしか生まれないのとか…はぁ…なんというか…えーっと…普通なかなか経験出来ることではないじゃないですか。

はは、何言ってんだろ。
賢明な方は何言ってんのか伝わったかとおもいますが…。

今回、楽曲が無償提供なのだから、心無く本当にタダ同然の扱いにされる可能性も否めません。言わばギャンブルですよね。
でも、タダ同然にしか扱わなさそうなアイドルの運営さんにはきっと巡ってこない曲だと、勝手におもってます。

何が言いたいかというと、無償で楽曲が提供されることも含め、良い意味での「普通なかなか経験出来ることではない」を、無償なものを元に、それを底無しに価値を高めてくれるアイドルさんがいたら、僭越ながら今回も「夢のお手伝い役の一人」になりたいなと。
そういう気持ちで居ます。

是非応募してください。
応募方法の詳細についてはリンク先をご覧ください

私のこの気持ち、普通に重いでしょう。
いや、ホント、重いだろうなぁ。
そう、軽々しくない。重いんですよ。

作り手ならずとも、人の夢って、決して軽々しくないんですよ。
アイドルビジネス、儲かりそうだなんて軽くおもってやろうとして失敗してる人よくお見かけしますけど、軽くないですよねぇ。
人の夢、人の人生、一生のうちに一番輝ける時間を預かるんだから、めっちゃ重いんですよ。


重みいっぱいの人の夢のために、無償で奉仕する人の気持ちの重さをも一緒に感じとってもらえたらなとおもいます。


無償提供、めっちゃハードルあげてしまった。
怒られるかな。



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nipotan at 22:55 | Comments(0) | TrackBack(0) | アイドル 
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