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■「HEAT UP CRAZY KID/BLUE CAPS/7"EP/84年リリース」




●作詞 ★★☆☆☆
●作曲 ★★☆☆☆
●歌唱 ★★★☆☆
●編曲 ★★★☆☆
●技術 ★★★★☆
●容姿 ★★★★☆
●総合 ★★★☆☆



ブルー・キャップスの4曲入りシングルです。




このレコードは、日本で初めての「ピュア・ロカビリー・バンド」のレコードと、昔何かの本で読みました。ですから、資料としては価値のあるものだと思います。


ちなみに、ピュア・ロカビリーという呼び方は最近では使われなくなりましたが、「50sスタイルの純粋なロカビリー」という意味です。


84年のリリースですが、あまり売れなかったようで、92、3年くらいまでは普通に新品で売っていました。日本のウッドベース系のバンドのレコードはまだ珍しかったので、とりあえず買ってみたのを覚えています。



A面は「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス(エルビス・プレスリーのカバー)」と「ハレルヤ・アイ・ラブ・ハー・ソー(エディ・コクランのカバー)」で、なかなか本格的なロカビリー・サウンドが堪能できます。



B面はオリジナル曲の「ヒート・アップ・クレイジー・キッド」と「ティア・イット・アップ(ジョニー・バーネット・トリオのカバー)」の2曲。



オリジナルは、50年代のロカビリーのオムニバスに入っていそうな、そんな雰囲気のナンバーで、歌詞は英語。曲自体はストレートで何の特徴も無いですが、この時代にスラップ入りの"ピュア・ロカ"をやったという事実はとても凄い事です。



カバーした曲も、今でこそ手軽に手に入る音源ですが、特にジョニー・バーネット・トリオなどは、当時の日本では比較的、入手が困難だったと思われます。それを考慮しながら聴くと、彼らの"50sロカビリーに対する深い愛情"を強く感じる事が出来るでしょう。


ただ、録音も古いスタイルですので、音色や各パートのバランス等がほぼ一緒で変化がなく、聞いていくうちに若干退屈してきます。



例外もある事はあるのですが、基本的に50sロカビリーには、2ビートと4ビートと8ビートしかなく、ベースも2つ刻みか4つ刻みが主流。ギターの音色は生音にディレイまたはリバーブをかけただけのシンプルなものです。

曲構成も3コードのパターン化したものがほとんどで、ミックスはカセット一発録音に近いものですから、味のある音ではありますが、曲のバラエティーに乏しく、長時間聴いていると飽きてきます。

これは、50sロカビリーという「元型」がとても単純で、音楽的な教育をマトモに受けていない農村部の人々でもプレイ出来る、庶民的で簡単なスタイルだった為ですから、仕方ないのかもしれません。



また、現在普通に流れている流行歌は、構成もミックスも複雑ですし、エフェクト処理も多種多様です。そういった高度な音楽に私達の耳が慣れてしまっている事も、"飽きてしまう"一因となっているのでしょうね。


なぜ、現代の流行歌が複雑になったかと言えば、単純だったものに少しずつ、新しく考案された技術や技法が取り入れられ、時間の経過とともに変化してきたからです。例えばテレビが、白黒テレビ→家具調カラーテレビ→タッチチャンネル→リモコン→ステレオ・スピーカー付き→プラズマ薄型に進化してきたのと同じ理屈だと考えられます。つまり、要らないものは捨て、新しく考案したものを加えて、以前より良いものを作ろうと努力してきた結果、レベルが上がったわけです。


ですから、50sロカビリー好きは「俺は白黒テレビしか認めない!」、オールディーズ好きは「家具調テレビが素敵!」、テッズ好きは「タッチチャンネル最強!」、ネオロカ好きは「リモコンは新しい!」なんて言ってる、時代を逆流する変わり者なのですよ。。。。時代はハードディスクレコーダー内臓のブルーレイで、3Dまで登場しているのですから。


テレビ(ロッカビリー)の歴史を語る上で、白黒テレビ(50sロカビリー)の発明はとても重要ですし、家具調カラーテレビ(オールディーズ)は豊かさの象徴でもありました。そしてタッチチャンネル(テッズ)は再びテレビに革命をもたらしたし、リモコン(ネオ・ロカビリー)が出た時には本当にビックリしたものです。

とりあえず、私のテレビに対する回想をロッカビリーに置き換えてみました。要は、ロッカビリーは進化しているもので、時代により名称が違うだけで、全部「ロッカビリー」だという事。もちろん、サイコビリーもロッカビリーで、テレビで言えば、「ステレオスピーカー付き」あたりでしょうか?初めて聴いた時には、クリアーで迫力のある音に驚きましたよ。


これを読んでくれているあなただって、「赤ん坊」の頃と、「小学生」の頃と、今「現在」では、容姿や思考や行動などが大きく違っていると思いますが、どれも同じ「あなた」の各時代の姿でしょう?要らないものを捨て、良いものを取り入れなから、少しずつ変化/進化して今に至るはずです。ロッカビリーもそういう事なのです。



そして、変化/進化を止めた時、そこには「死」が待っています。サイコビリー以降、大きな変化/進化が無いという事は、そろそろロッカビリーの死期が近いのかも?と、私は少し心配しています。打開策はいくつか私の頭の中にはありますが、今までのロッカビリー・ファンの大半が着いてこれないものとなる可能性が非常に高いです。一周廻って、現代に神(当時のエルビス的な白人の若者)が降臨すれば、ロッカビリーの死は回避されるでしょう。しかしその時、「あんなのはロッカビリーとは違う!」なんて言う人は、50年代半ばのロカビリー誕生時に、エルビスに熱中する自分の息子や娘に説教をした時代遅れなパパやママ達と、全く同じ思考と感覚の持ち主だったと言う事を痛感するでしょうね。。。




いつものように、また話が脱線しかけてきましたので、戻します。。。




作品という視点から、ピュア・ロカビリーを視ると、似たような曲をアルバムで10曲以上聴いて退屈してしまうよりは、最大でも4曲入りまでのシングル盤の方が、ちょうど良いのかもしれませんね。



写真右側は、一曲入りハガキ型変形ソノシートで、「ヒート・アップ・クレイジー・キッド」の別バージョン「フォーエバー・クレイジー・キッズ」です。ただ、サビの歌詞を「ヒート・アップからフォーエバー」に変えてあるだけですけどね。




あぁ、でもやっぱり一曲だけしか入ってない方が、集中力が散漫にならなくて、ちゃんと聴けます!