■「ROCK'N ROLL Rendevous/V.A/LP/77年リリース」
●作詞 ★★★★☆
●作曲 ★★★★☆
●歌唱 ★★★★★
●編曲 ★★★★★
●技術 ★★★★★
●容姿 -
●総合 ★★★★☆
クリーム・ソーダがプロデュースした幻のオムニバス・アルバム(写真上)です。ちなみに日本人アーティストは"RIE(中原理恵)"さんのみで、他は海外アーティストです。
プロローグの「エデンの東」~軽快なロックンロール・ナンバー「ロックンロール・ランデブーのテーマ(RIE)」、オールディーズの優しい名曲「逢ったとたんに一目惚れ(ボビー・ヴィントン)」、ご存知「ルシール(リトル・リチャード)」、本場ロンドン・テッズ・サウンドの「ティーンエイジ・ブギ(フライング・ソーサーズ)」と「ロック・アラウンド・ザ・クロック(フライング・ソーサーズ)」、ホットロッド・ロックンロールの「サーフィン(ホット・ドッガーズ)」「カスタム・マシーン(ブルース&テリー)」「青春の渚(ブルース&テリー)」、ジャジーな「ミスティ(ジョニー・マティス)」、コッテリしたソウル・チューンの「ミスター・ポパイ(サウスサイド・ジョニー&アズベリー・ジュークス)」が、A面。
気持ちの良いピアノ入りロックンロール・ナンバー「ティーンエイジ・アイズ(フラッシュ・キャデラック&コンチネンタル・キッズ)」、お馴染みの「アイ・ニード・ユア・ラブ・トゥナイト(フライング・ソーサーズ)」、ファズ・インスト「ローハイド(リンク・レイ)」、ファンタスティックなギター・デュオ「セイブ・フォー・ア・レイニー・デイ(ジャン&ディーン)」、バブルガム・ポップスの「ランデブー(ブルース・ジョンストン)」、ブルージーなロックンロール「エンドレス・スリープ(フラッシュ・キャデラック&コンチネンタル・キッズ)」、最強のツイスティン・ナンバー「ジョニー・B・グッド(フライング・ソーサーズ)」、悲しみのエンディング曲「愛の通り雨(RIE)」がB面の、全19曲。
このアルバムは、「オクラ入りした幻のロックンロール映画のサントラ盤」という事で、"ミスター・スリム・カンパニー"の様なストーリー仕立てになっています。BGM的に使用されている曲は、一曲丸々入っていない場合もあります。
内容は、原宿を舞台に繰り広げられる、どこにでもあるような若者のラブ・ストーリーなのですが、イマジネーションが掻き立てられて、なかなか面白いです。
この「幻のロックンロール映画」ですが、スチール写真を撮っただけで、多分最初から映画の制作予定は無かったように思われます。きっとこのオムニバス・アルバムの"話題作り"でしょう。ずいぶん手の込んだ演出ですね。
それにしても、この時代にこの選曲は凄いですね。オールディーズやロックンロールのオリジナル・アーティストの曲に加え、ロンドン・テディボーイ・ロカビリー/ロックンロール、ホットロッドにインスト、ソウルまでと、"最大解釈したロッカビリー"で、実に幅が広いです。最大解釈だからこそ、大勢の人々を魅力し、80年代に空前のロッカビリー・ブームを巻き起こせたわけです。もちろん、世界的な流れも追い風になりましたが。
ロッカビリーの基本中の基本のオリジナル・アーティスト~当時としては最先端でマニアックだったロンドン・テッズまで聴けるオムニバスなんて、なかなかありませんよ。そこにストーリーまで付いているのですから、面白くないはずがありません!さすがです。
●このアルバムの唯一の日本人アーティストで、以前紹介したRIEさんの「ロックンロールランデブーのテーマ」(写真下/B面は「愛の通り雨」)がシングル・カットされています。クリーム・ソーダの山崎社長&ジョニー大倉さん作詞、内海さん作曲という、"クリーム・ソーダ+キャロルの夢のコラボ"ですから、機会があったらぜひ聴いてみて下さいね!
このレコードは17、8年前に、行きつけの中古レコード屋で見つけました。その店は当時住んでいた所の隣町にあって、店主と音楽話をしに仕事帰りによく寄っていました。そして、何気なく"オールディーズ・コーナー"を見てみると、ジャケット裏に曲名が書いて無い、何やら怪しいレコードが。。。値段も1000円程度で安かったのと、不気味な顔のジェームス・ディーンとジャックナイフのデザインが妙に気に入ったので購入してみました。
そして、家に帰ってライナーを見たら、クリーム・ソーダの幻のレコードだったのでビックリ。。。とても嬉しかったのを覚えています。
ジャケ買いバンザーイ!