2007年04月
この愛おしい想い、この激情…。愛欲のうねりに身を任せ、情痴の底へと落ちていく男と女。ダンプカーの運転手・光造(石橋)は雨の道で、まるで捨て犬を拾うかのように、赫い髪の女(宮下)を拾った。それから始まる愛欲の日々。部屋の下にはシャブ中の女が住んでおり、その生活は、彼女に“ある過去”を思い起こさせる。そんなある日、光造は彼女を姉(絵沢)の家へ連れて行く。姉は赫い髪の女を以前、見かけたような気がすると言い、その言葉は、なぜか彼女をひどく怖がらせた。だが、光造にとっては、女の過去など、どうでもいいこと。官能の赴くまま、ふたりは“今”だけに身を任せるのだった…。匂い立つ如き官能性と役者の息づかいさえ聞こえてきそうな濃密な映像。名匠・神代辰巳の傑作の誉れ高い一作だ。
あたし、初めて感じちゃったんです。体中がカーッと熱くなって、もう気が遠くなりそう。姉(三崎)の理容室でお手伝いをしている、あたし(井上)。まだそんなに日はたたないんだけど、ホント、いろんなことがあったの。義兄さん(草薙)は、夜中に懐中電灯であたしの恥ずかしいところを、覗きにくるし、姉は姉で浮気を。そんな中でも、もちろん仕事だってしてたわよ、あたし。でも、義兄さんがいない時にやってきたお客さんの頭をモヒカン状態にしたことから、その人怒っちゃって、そのたてがみでチクチク。おまけに極太でブスリ。それを知った義兄さんはシャボンで消毒。あ〜、あたし、どうなっちゃうんだろう?「12人のやさしい日本人」でコメディに新風をもたらした中原俊が早くもその才覚を見せた一編。
27歳の女歯科医、弓岡麗子は、21歳の妹、恭子をアシスタントにしてマンションで歯科医院を経営している。ある日、強盗が侵入、姉妹を脅して全裸にし、居座る。しかし、麗子には、恩師の正木に融資をしてもらう話をする約束があり、妹を人質に外出が許された。正木は融資を条件に麗子の体を求めた。妹に電話する麗子の後ろから、正木は激しく突き上げると、彼女は次第に喘ぎはじめ、一方、受話器から聞こえる悶え声に男が触発されて恭子の体に割って入った。双方の受話器から喘ぎ声がもれた。麗子はマンションに戻り、姉妹は腕を縛られて眠った。麗子は恭子の縄をほどくが、男の虜になった彼女は逃げようとしない。目を覚ました男は、怒り狂い、麗子を犯す。そして姉妹は男の虜になっていく。ニュースでサラ金強盗の顔が映され、あの男の正体を知る。男のバッグの中には、そこに3千万円入っていた。姉妹と男は車で逃げようとするが、捜査の網はすぐそこに迫っていた。マンションの駐車場に降りた麗子は男を残して車を急発進する。男が追いかけると、彼女は車をバックさせ、男の足は壁にはさまれた。数日後、マンションでは動けない男にまとわりつく姉妹の姿があった。
車内騒然。群衆の中が暴行現場だ!!それは、妹・岬(島崎)の誕生日の夜に起きた。恋人・渉と楽しい一時を過ごした倫子(速水)は、地下鉄の車内で、異様な雰囲気を醸し出す5人の男に囲まれ、岬ともども集団暴行されてしまったのだった。チラチラ視線を送る者、居眠りを決め込む者、顔を背ける者、まったく無関心を装う者…。乗り合わせた客は、だれも彼女らを助けようとはしなかった。「もっと泣けや、もっと泣け!」。男たちはコトを済ませると「あ〜、さっぱり、さっぱり」と、その場を去って行った。それ以来、渉は彼女を遠ざけ、岬は精神に障害をきたし、ついには飛び降り自殺してしまった。もはや、泣き寝入りするわけにはいかない。倫子は、タクシードライバーに職を変え、あの日の男たちに復讐すべく町を流すのだった…。「人を殺すには絶対条件が一つある。殺られる前に殺ることだ!」…追われたやくざ野沢(大杉)と知り合って以降のヒロインの変貌は実に圧巻。無口に、無表情に標的に銃弾を放つその姿は、一種のカタルシス。身震いするほどカッコイイ!
「夫婦円満の秘訣をお聞きしたいのですが…」。今日も街頭インタビューに励むディスクジョッキー緑川俊策。と、その中に「ズバリSEXよ。毎晩励んでいるワ」とあっけらかんとした答が。思わずア然とする俊策。それもそのはず、近頃彼は性的不全。妻を満足させられないでいたのだ。そんなある日、再びその人妻・千穂を見掛けた俊策は、“毎晩”の秘密を知りたくて、彼女に声をかけてしまう。その夜、家に戻った千穂は、いつものように夫・源造とのSEXにいそしみ始めた。蜂蜜、ワイン、バターを掻き混ぜ、仕上げにロイヤルゼリーと鹿の角を入れたミックス液。これが源造の自慢の“道具”だ。千穂の肌に滴らせ、それをすすり上げていく源造。その一部始終を窓の外からのぞいていたのが、ワラをもつかむ思いの俊策。と、下半身がズキン!“可能性”が見えてきた彼は、のぞきに全てをかけることにするが…。宮下順子の大人のエロティシズムがそそる“のぞき”ポルノ。フォーク界の異端児・三上寛が歌ばかりでなく、岡本麗とのSEXにチャレンジしているのも見逃せない。
夏は高原の避暑地として民宿村になる西湖村。そんな村でよそ者を嫌う桑山藤二郎がいた。二十年前、藤二郎の妻、妙子がよそ者に強姦されたのだ。そのとき、奈津子は三歳。やがて妹の可奈子が生まれた。村人たちは藤二郎の種じゃないと噂し、妙子は夫の仕打ちにもいたたまれず自殺。そして、可奈子は十八になると家を出ていってしまった。それから数ヵ月後、連絡が跡絶えていた可奈子が出ている週刊誌を見かけた。妹を探そうと奈津子は東京に向かう。奈津子はフリーライターの香取と会い、妹はビルという黒人と暮らしていることを知る。香取が案内したが、家は留守だった。二人は待ったが、深夜になっても妹は戻って来ない。奈津子は香取のアパートに泊まり、抱かれてしまう。翌朝、再び可奈子の家に行く。奈津子が窓から家を覗くと、可奈子とビルが全裸で絡んでおり、視線が合うと、妹は見せつけるように激しく求めた。数時間後、対面した奈津子は、妹の愛を知り、一人で帰ることにする。香取に送ってもらう途中、二人はモーテルで再び結ばれる。奈津子は、抱かれながら、五年前に強姦されたことを思い出す。奈津子は複雑な気持ちで、ただ無表情に見つめ返すのだった…。
ブルーフィルムに映し出された暴行現場!!肉欲の渦に漂い運命に弄ばれる女<名美>。一人の女の奈落への歩みを、男と女のスレ違いというメロドラマ的手法で鮮烈に描いたロマンポルノの傑作!!ポルノ雑誌の編集者・村木哲郎(蟹江)は、温泉町で見たブルー・フィルムのレイプされる女の表情に衝撃を受け、東京へ帰ってもそのことばかりが気になっていた。そんなある日、彼は撮影で訪れたラブホテルで、受付嬢に身をやつしているあの女・名美(水原)と運命的な出会いをする。村木の熱意に負け、再会の約束をした名美だが、当の村木は警察に引っ張られてしまう。事情を知らずに雨の公園で村木を待ち続けた名美は、男への絶望をさらに深めるのであった…。奈落の底へと堕ちていく女の姿を鮮烈な画面で描く曽根中生の情念の世界。ロマンポルノの一頂点を極めた傑作である。
陶酔の責め秘技からSMゾーンの極致へ…。諸肌脱いでつとめます。ナオミ最後の妖花の乱舞。女胴師緋桜のお駒(谷)は、自らの引退披露の花会で、弁天のお房(橘)のイカサマを暴いたことから、彼女を連れてきた結城の親分に逆恨みされ、その手下に婚約者の健三を刺し殺されてしまう。月日が流れ、久し振りに舞い戻ってきたお駒は、仲の良かった佐久良の親分が、結城一家に殺されたばかりか、その娘・雪代(山科)も彼らに狙われ、強請られていると知り、再び賭場へ。だが、結城達は、雪代を騙して連れ去り、彼らのサディスティックな餌食に。それを知ったお駒は、単身、殴り込みをかけるのだったが…。SMの女王として、一世を風靡した谷ナオミの引退記念映画。その抜群の道具で、腹に含んだ卵を割ってバナナ切りが出来るようになるまで調教を受けるナオミ。その太股を流れる生卵の中身の淫靡さはどうだろう!足を抱えられて放尿させられる山科ゆりも痛々しい。
あぁ、あたしの…。こんなに充血してるし、なんか腫れぼったい…。濡れて地ならし、悶えてムネ上げ!チャッカリ新妻の<マイホ-ム>作戦!宇能ポルノ・激烈映画化!!あたし(東)と彼(久保)、もうすぐ結婚するんです。それでお家捜し。分譲造成地に着いたら、彼、早くも家が立ったつもりで、あたしのパンティに手を…。でも、結局、彼のお給料じゃムリということになって、次々と高級マンションやアパートへ。その度に彼ったら、自分の家でもないのにアノことを始めちゃう。結局は狭い2DK住まい。それが、彼には物足りない様子…。よぉし、あたしがタテちゃおうっと。それからは、いろんな人と体を濡らしてガンバったんです、あたし…。可憐な容姿と大胆な演技で一世を風靡。若者達を、ふるい立たせた“オナドル”東てる美主演の濡れ濡れポルノ。