永井荷風の原作と言われる「四畳半襖の下張り」をヒントに、神代辰巳が映画化。その年の各映画賞を賑わせた日活ロマン・ポルノ初期を代表する傑作。米騒動が頻発する大正7年。映画は前半、芸者・袖子(宮下)が信介(江角)との初会で燃え上がっていく様を中心に、いくつかのエピソードを挟み込みながら、進んでいく。芸者の花枝(絵沢)が半玉・花丸(芹)に説く床での心構え、芸者・夕子(丘)と二等兵の恋、太鼓持ち・ぴん助(山谷)のお座敷での首吊り事件…。これらは、いずれも日時がバラバラでありながら、袖子と信介の交わりだけは、一夜の出来事というユニークな構成。この約50分近く続く蚊帳の中でうねる女の官能シーンだけをとっても、観る価値は十分。その中に挿入されるサイレント字幕、世相を表すスチール、ナレーションとも呟きとも唄ともつかぬBGM(?)…。“神代映画”が心いくまで堪能出来る作品だ。

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