釜ヶ崎で春をひさいでいる19才のトメ(芹)。彼女は、同じく娼婦の母親・よね(花柳)と、どこの誰だか分からない客との間に生まれた子であった。弟の実夫も、トメとは父親が違うものの、同じ身の上。しかも精神にハンディを負っていた。そんな中、トメは、特に気負うことなく日々をやり過ごしていく。だが、今まで身を置いていた小料理屋から抜け出し、フリーになったことから、女将の百合(絵沢)の怒りに触れ、痛い目に遭ってしまう。そんなある日、同じドヤ街に住む文江(宮下)をめぐって、凄惨な事件が発生。やがて、よねは客の子を流産。残されたトメは、実夫を哀れみ、自分の体を与えるのだったが…。ガス入りダッチワイフによる爆発無理心中、通天閣から吊るされる鶏など、非日常的に捉えられた大阪の街の中を、ボロボロの服をまとって彷徨する芹明香が秀逸。『秘 女郎責め地獄』で日本映画監督教会新人奨励賞を受賞した田中登が翌’74年に放った不思議な魅力に富んだ作品だ。

詳しく見る