2014年12月13日

【考察】 「進撃の巨人」 の巨人とは何だ?(山田玲司)




漫画家・山田玲司氏による考察。
本編は動画に譲るとして、イントロ部分で面白かったトークをちょっと抜粋。
話し言葉だから文章に起こすと細部が多少アレかもだけど、そこは脳内補完してください。


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壁。
“巨大な壁があります”っていうのは、あれもう印象として一番最初に思ったのが、
諫山くん(著者)にとっての「壁」っていうか、あの壁は何を象徴してるかって
いろいろ考えたんだけど、あれ「デスクトップ」でしょ。

で、「デスクトップの向こう側には行けないんだ俺たちは」「海なんか見れないんだ」
っていう感覚っていうのが、あの世代ぐらいからあるんだろうなっていうのが
漠然とあったんだよね。

で、これも結論から言っちゃおうかな。
巨人って一体何かって話なんだけど。
アメリカだろうなーとか、大人だろうなーとか、ブラック企業だろうなーとか、
いろんな事をみんな言ってるだろうなと思うんだけど、まぁなんていうのかな
「よくわからない」「とにかく話通じない」感ハンパないね、巨人に対して。

だけど、面白いのが、ちょっとずつ「通じるかも?」っていう風になっていくっていう。
そして、毛が生えた奴は「喋れたじゃん」みたいな感じになっていく。
あれなんなんだろうと。

“巨人が裸でいる”っていうところがちょっと面白くって、
それはむき出しの人間、本能みたいな事を言ってんだろうと思うんだよね。
で、最も強い奴が、皮も剥がれちゃって、筋が出てる、っていうのも
人間の本質、もっとも恐ろしい部分みたいな事かなっていう気がして。

言っちゃおうかな、巨人は「リア充」です(笑)

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売れる漫画って何かっていうと、
時代の気分っていうものに「無意識に」乗っかっちゃって、
「素で」みんなの気持ちを言っちゃってる奴っていうのが、
ヒットする資格を持っている人間なんだよね。


で、今みんなが何を思っているかって言うと、「大人死ね」って思ってるわけ。
だから、進撃の巨人では、上の人間はまったく信じてない。
だけど、隣のやつも、塾の友達だから、コイツが受かると、みたいな事。

もう1個、ブラック企業問題。
「頑張って、こんなに頑張って努力したのに、一瞬で食われるんだ」
「俺たちの努力って意味ないじゃん」
っていうのが、「あれ?数学とかやって意味あったのかよ」っていう、
「え?偏差値上げて、こんだけ大学入ったのに、就職先ないじゃんよ」気分。

みたいな事が、全部、諫山創に乗っかったの。

で、彼がまた象徴してるもう1つが「ゆとり死ね」っていう気分なんだよね。
それは何でかって言うと、「俺らそれどころじゃねーんだから」
「そんな優雅なこと言ってる場合じゃねーよ」っていう感じ。

だから、進撃の巨人にはシャアがいないの。
美学を語ってる、うっとりしてる奴が出てこない。
で、うっとりしてる奴がドーンと殺されちゃう。
うっとりしてます、ドーンと殺されちゃう。
だから「カッコつけてる奴って嘘臭いよな」っていう風に思ってる。

だから、進撃の巨人ってのは、希望があるかなーと思ったらドーン、
希望があるかなーと思ったらドーンって潰されていくっていう
絶望の繰り返し。

で、みんな何を思ってそれを見てるかって言うと
「わかるわかる」
「そうだよな」
「俺たちに未来なんかないよな」
「だけど海見たいよな」
って思ってる感じ。

そして、リア充の奴らだけど、たまには
「話通じる奴もいるかもしれないな」
っていう、異形種みたいな奴が出てくるでしょ。

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初めて壁の外に出ていくと、
女の巨人に会うってのが面白いよね。
女型。

「壁の向こうには女が!」っていう(笑)








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