2005年02月25日

第1話:久しぶりの再会

すべてはこのニュースから始まった(←大袈裟)

小学生の時に興味本位で購入し、そのときは結局投げ出してしまったのだが、
世間的には名作と名高いゲームブック「ソーサリー」が、携帯アプリとして復活したという。

突然、何かに突き動かされるように、近所のブックオフに走る俺。
そして、その日の夜には俺の手元に4冊の赤い本が置かれていた。


ソーサリーは、「魔法使いの丘」「城塞都市カーレ」「七匹の大蛇」「王たちの冠」の4冊からなる大作だ。
早速、第1巻の「魔法使いの丘」を手に取ってみる。

震えるぞハート。
燃え尽きるほどヒート。
刻むぞ血液の(以下略)


というわけで、せっかくだからプレイ日記でもつけながらやってみるかってな企画です。
既にプレイ済みの方も、興味はあるが未プレイの方も、ソーサリーなど知らんが
なぜかここに着いてしまったという貴方も、よろしかったらお付き合いのほど宜しくお願い致します。


※プレイ日記という性質上、ネタバレてんこ盛りです。
  まだ未プレイで、読んでいる内に興味を持たれた方は、この日記を読むのを止め、
  実際にプレイされてみるのがよろしいかと思います。
  その後、改めてここに来て頂ければより楽しめるかと。



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Posted by nirva7 at 23:31Comments(0)TrackBack(5)

第2話:初級と上級

ソーサリーには「初級ゲーム」と「上級ゲーム」というものがある。

その特徴を簡単に述べると、初級ゲームでは戦士となり、ひたすら武器を用いた肉弾戦で戦う。
上級ゲームでは魔法使いとなり、肉弾戦の他に48種類もの魔法を使いこなして戦う事となる。
魔法使いは戦士に比べて肉弾戦には多少弱い。また、魔法は、使う度にプレイヤーの体力を削り取っていく。

ここで賢明な読者諸氏は「でも、48種類もの呪文が使えるんじゃあ、上級ゲームの方が逆に有利なんじゃ?」
と思われたかと思うが、そこはさすが「上級」というだけあって、プレイヤーには大きな制限が設けられている。

なんと、プレイヤーはその48種類の魔法を「出発前にすべて暗記」しなくてはならないのだ。
勿論、ゲームが始まったが最後、呪文の書を読む事は禁じられています。
48種類ですよお客さん。当然、全てを完璧に覚えられるはずはありません。

プレイヤーは、魔法を使うタイミングが訪れる度に、自分の記憶を紐解きながら
(ときには半ば当てずっぽうに?)呪文を唱えるのです。
間違えた場合であっても、当然体力は減りますし、場合によってはそのロスのおかげで
更に不利な状況に追い込まれる事もあったりするでしょう。

しかも、意地悪な事に、存在しない呪文も選択肢に含まれていたりするし。
・・・ね、上級でしょ?



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Posted by nirva7 at 23:57Comments(0)TrackBack(0)

2005年02月26日

第3話:能力設定

あえて茨の道を進む男こと俺は、当然上級ゲームを選択する事に。
(ていうか、上級選ばんとこの作品の醍醐味が味わえない気もするので)

ゲームを始めるにあたっては「技量」「体力」「運勢」の3つのパラメータを設定する必要があり、
その数値の大小はサイコロに委ねられる事になる。

まずは技量だ。魔法使いは戦士に比べ、技量がデフォルトで2低くなる設定になっている。
たかが2と侮るなかれ。戦闘システム上、この2はかなり大きいのだ。
気合いもろとも、えいやっとサイコロを振る。4。まずまずの数値だ。
魔法使いの基本値4+サイコロの4で、俺の技量は8と決まった。

次に体力。ここだけはサイコロ2個。目は7。ちょっと少なめだがまぁいいだろう。
基本値12+7で、俺の体力は19。

最後に運勢。この運勢というやつは、ゲーム中ちょこちょこ登場する「運試し」という行為に影響する。
運試しについては後で詳しく述べようと思う。
サイコロは3。基本値6+3で9。

技量8
体力19
運勢9

いずれの数値も、まぁ可もなく不可も無くと言ったところで、無難なスタートがきれそうだ。
金貨20枚、食料2食分を荷物袋に入れ、一振りの剣を握りしめると、俺はアナランドの門に立った。



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第4話:旅立ち

主人公であるところの俺は、アナランドという村(?)に住んでいる。
アナランド生まれのアナランド育ち。よっ、アナっ子だねぇ!
というのかどうかはわからんが、とにかくそのアナランドを出て
旅に出ようとしている。

目的はひとつ。
魔王マンパンから「冠」を取り戻す事が俺の使命。
苦しい事もあるだろさ。悲しい事もあるだろさ。
だけど僕らはくじけない。泣くのはいやだ笑っちゃおというわけで、
サイトマスターとかいう奇妙ないでたちの男に見送られて門をくぐる。

門があるって事は当然壁があるって事で、
アナランドとカクハバード(外の世界の名称)は
高く分厚い壁で分断されている。

外の世界には危険が一杯。モンスターもうようよいる。
生きて帰れるかどうかもわからない危険な旅が
いよいよ始まろうとしている。

でも、行く先々には村があったりするわけで、
じゃあそこに住む人達って一体どういう人達なのよ?
と思ったりもするんだが、まぁそれはそれ。
細かい事は気にしない気にしない。



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第5話:カントパーニの村

アナランドの門を出て、シャムタンティの丘に降り立つ俺。
サイトマスターのいうとおり、まずはカントパーニという居留地を目指す。
小一時間でいけるらしい。178へ進む。カントパーニに到着した。
小一時間というか、1項目で着いてますけど。
体感時間にして約1分ですな。
ここに「ソーサリーの小一時間=現世の約1分」という公式が成立したわけだ(←そうか?)

村に入ると、一人の村人が俺の前に立ちふさがる。
男曰く「お前は何者だ」
それを聞きたいのはこっちの方だよ。

と思っているところに、初の選択肢登場。
1.自分は商人だという
2.どちらへ行くべきかをたずねる
3.腹が減っているので、何か食べ物が欲しいという

俺は商人では無いし、まだ腹も減ってはいない。
そういえばアナランドのサイトマスターは、この後はカーレというところを目指せと言っていたな。
まぁ第2巻の名前は「城砦都市カーレ」だしな。差し当たってはそこを目指そうかね。
とりあえず、この後どっちに行くべきかを訪ねてみる事にした。

「かくいうわしもこの村を出た事はないのだが、この先は2本の道に分かれておる。
教えてやらん事もないがただというわけにはいかない。金貨2枚くれたら、教えてやろう」

こんなチンケな村すら出た事ないなんて、たいそうな引き籠もりっぷりだな。
こんな男に金払ってまで情報を貰う事に意味はあるのだろうかという疑問も浮かんだが、
ここはひとつ、素直に従ってみる事に。

この村人から聞いた話を要約するとこうだ。
下りルートは悪戯好きのエルヴィンの谷。よほど自信が無い限りはやめておけ。
上りルートはシャンカーの鉱山。このルートを選ぶなら方角に気を付けろ。
あとは、黒いロータスの花には気を付けろ。甘い薫りは命取りだ。

とりあえず無難にシャンカーの鉱山を目指す事にする。安全第一(それでいいのか?)



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第6話:宿屋の食事

カントパーニ村の中央通りを歩く俺。

しばらく行くと、右手に食堂を兼ねた宿屋が見えてきた。
よし、ここはひとつ、食堂のオヤジからも情報収集だ。
とばかりに中に飛び込む俺。食事をすれば情報をくれそうだな。
「食事をするなら116へ」という記述も意味ありげだしさ。

金貨を一枚払って食事をする。116へ。
「食事は温かく、栄養もたっぷりだ。体力ポイントを2ふやす。
食事の代金として金貨一枚を「忘れずに」支払うこと。
あなたはふたたび歩き出した」


・・・それだけかよ(笑)
別に体力はまだMAXなんですが何か?
意味ありげに別項目になっている事ですっかり騙された。
「あら、こんなところにトラップが♪」って感じですよ。
こんな事なら、持ち帰り用の「パンと山羊の乳のチーズ」でも買えば良かった。
憤懣やるかたない俺は、金貨一枚を叩き付けると店を後にした。
(完全に逆ギレですね)



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Posted by nirva7 at 02:34Comments(0)TrackBack(0)

第7話:情けは人のためならず

村を出てしばらく行くと、情報のとおり分岐点に差し掛かった。

どっちに行こうかと考えている俺の耳に、弱々しいすすり泣きが聞こえてきた。
注意しながら近づいてみると、老人が木の上に腰掛けているではないか。
降りられずに困っているようだ。チッ、美女じゃないのか・・・(心の声)

とはいいながらも、義侠心あふれる男こと俺は当然老人を助けてやることにする。
こんなところにいた理由を聞いてみると、エルヴィンに悪戯されて、身ぐるみはがされた挙げ句、
木の上に取り残されたとの事。なかなかお茶目なジジイだ(そういう問題ではない)

老人は大層感謝しており、お礼にと魔法の呪文書を差し出してきた。
害虫を追い払う呪文との事で、102という数字が刻んであった。
きっとどこかで役に立つのだろう。やっぱ、人助けはしてみるもんだな。

改めて分岐点を選ぼうとする俺の耳に、今度はブンブンと音が聞こえる。
まぁ挿絵に思いっきり「蜂の巣」の絵があるんで何かはモロバレなんですが(笑)
当然、駆除します。サイコロを振って1〜4なら数値分のダメージ。
5・6なら無傷との事。気合いもろともサイコロを振る。



最高ダメージかよ(笑)
まぁダメージは痛かったものの「蜂蜜」と「蜜蝋」を手に入れる事に成功した。
もっともこの場合、直前に手に入れた害虫駆除の魔法を使う事はできなかったのだろうか?
と思ったのは俺だけではあるまい。

分岐点は丘を登るルートへ。
情報どおりなら次はシャンカーの鉱山にたどり着くはずだ。



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第8話:夜を徹して走れ!

シャンカー鉱山へとひた走る俺。

途中、一休みできそうな場所があったが勿論スルー。
俺は早くシャンカー鉱山に行きたいんじゃああああああ(以下略)
太陽が沈んだ後も、夜を徹して歩き続けた。

「眠らずに歩き続けたため、体力ポイントを2へらす」
ぐはっ。たかがゲームブックと侮っていた。こんなペナルティがあるとわ・・・。

しかし、こんな事でくじける俺ではない。
後ろから襲いかかるジャイアントバットも軽く蹴散らして進む。

「アナランドを過ぎてから丸一日が過ぎたが、貴方は一度でも食事をしただろうか。
もし一度も食事をしていないなら、体力ポイントを3へらす」

またもや予想外の展開。まさにトラップだらけだ。これは本当にゲームブックなのか?(笑)

と、一瞬焦ったのだが、カントパーニの宿屋で食事をしていた事を思い出す。
あの時は腹が立ったが、こんなところで役に立つとは。



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第9話:奇妙な光景

丘の中腹にたどり着いた俺の目に、奇妙な光景が映った。

数本の杭が地面に打ち付けられている。
その杭の先にあるのは、人間、ゴブリンなどの首だった(ざわ・・・ざわ・・・)
杭には×印が刻んであり、まるでこれ以上進むなと言わんばかりだ。

でも俺は進むよ。
ここで戻ったら目的は果たせない。
そもそも戻る選択肢が用意されていないという理由もあるが(笑)

丘を登り続けるか、下るかという分岐に差し掛かった。
ここは上りだ。なんとかと煙は高いところに(違



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第10話:シャンカー鉱山到着

更に丘を数時間登る。やっと頂上付近までたどり着いた。
文中の表記どおりなら、この丘だけでかれこれ6〜7時間は登ってきた事になる。
一般的にはどう考えてもこれを丘とは言わないと思うぞ。
山だ、ヤマ。

まぁそれはいい。丘の頂上から話し声や怪しげな金属音がするので、
一旦道をはずれて様子を探ることにする。

かなりの数のゴブリンがいる。
それぞれ、宝石や金塊を載せた入れ物を抱えて洞窟を出たり入ったりしている。
どうやら、ここがシャンカー鉱山のようだ。

鉱山に忍び込むか、それともスルーして先に進むか。
選択を迫られた。

もちろん潜入だ!



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第11話:潜入!シャンカー鉱山

丘の斜面をぐるっと周り、鉱山の入り口にそっと近づく。
しばしの緊張の後、ゴブリンたちの目を盗み、鉱山に潜入することに成功した。
ゴブリンごときに見つかる俺様ではないわ。

鉱山の通路を進むと、左右に分かれた分岐点にぶつかった。
しかしこの作者は本当に分岐点が好きだな(笑)

直感で左ルートを選択。
奥に進むと行き止まりとなった。壁には扉がある。更に奥に続いているらしい。
ここまで来て引き返す手はない。迷わず扉のノブに手をかける。

扉はあっさりと開いた。
その中は部屋になっており、1匹の大柄なゴブリンが中央に鎮座していた。

「おかしな臭いじゃ」
お前に言われたくない。

「よそ者じゃな。ここに入ってきてはならん」
俺は構わずゴブリンに襲いかかった(どっちがモンスターだかわからんな・笑)。
ゴブリンも巨大なこん棒をもって応戦する。戦闘開始だ。





長い戦いを経て、ゴブリンは俺の目の前に崩れ落ちた。
室内には値打ちのありそうなものは何もなかったが、ただひとつ、
ゴブリンが首にかけている銀の鍵を持って行くことにした。
111と数字が刻まれている。これもどこかで役に立つだろう。

しかし、苦しい戦いだった。俺の残り体力6。
そしてここは敵の本陣奥深く。
・・・誰か俺にリレミトを(以下略)



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第12話:はじめての魔法

意を決して奥に進むことに。
部屋の奥の扉はあっさりと開いた。
目の前には真っ暗な空間が続いている。

・・・嫌な予感がした。今はワンミスが命取りな状況だ。
ここは、体力が限界に近いのは承知の上で「SUS」の呪文を唱える事にした。

「SUS」とは、危険な気配を感じたときに使用することにより、
内なる声が危機を知らせてくれるという呪文だ。
体力を2消耗するため、これで俺の残り体力は4となる。

しかし、結果的にはこれがいい判断だった。
内なる声は俺に「奥に行くな」と告げていた。
俺は引き返すことにした。

48の魔法の中で最初に使うのがこの呪文になるとは思わなかったが、
間違えずに使えて本当に良かった。
間違えずに呪文を使えた事に、殊の外満足感を覚えた。

でも、残り体力は4。
次号・・・詰むや?詰まざるや?



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第13話:奇跡

鉱山入り口付近の分岐点まで引き返した俺。

ここで、鉱山を出るか、先ほどとは逆の右ルートへ進むかの選択を迫られた。
少し考えた後、右ルートを進むことにした。窮すればなんとやらだ。

突き当たりにあった扉には鍵がかかっている。
この先には敵がいるかもしれないし、財宝が眠っているかもしれない。
伸るか反るか、一か八か、当たるも八卦当たらぬも八卦、行ったれぃ!
俺は「DOP」を唱えて鍵を解除した。

この呪文は「DOOR」「OPEN」をもじって付けられてと思うのだが、
一発で覚えられたので助かった。まだ使ってはいないが、他にも
覚えやすい呪文は結構ある。「BIG」なんてそのままだしな(笑)

さて、扉の向こうには・・・こちらの祈りも虚しく、オーガが待ちかまえていた。
ここで逃げる選択肢も一応提示はされたのだが、俺は立ち向かう方を選択した。
今思うと、期待が外れて半ば自暴自棄になっていたのかもしれない。

だが、ここで奇跡が起きる。
オーガは俺の前にあっけなく崩れ落ちた。
ホッと胸をなで下ろす俺。

残念ながら、オーガが抱えていた機械を動かすことはできなかったのだが、
テーブルの上に、機械によって精製されたであろう宝石が2個置いてあったため、
それを失敬して部屋を後にする。

さぁ、この鉱山にはもう用はない。後は上手く脱出するのみ。
残り体力は2。失敗は許されない。



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第14話:運試し

あたりをうろつくゴブリンに気が付かれないように鉱山を抜けなくてはならない。
「運試し」をするよう指示があった。

ここで「運試し」について解説しよう。
運試しとは、サイコロを2個振り、自分の運勢ポイントよりも低い値が出れば幸運、
自分の運勢ポイントを上回れば不幸となり、その場の結果が大きく変わる事になる。
この場合で言えば、鉱山から気づかれずに脱出できるかどうか。
こういった場合に運試しを行う事になる。

現在の俺の運勢ポイントは9。
よって、9以下を出せば幸運となる。これは高いハードルではない。
結果は幸運。俺はゴブリンに気が付かれることなく鉱山を出ることに成功した。

実はこの運試し、戦闘中にも試みる事ができる。
自分の攻撃成功時に幸運と出れば与えるダメージが2倍になり、
敵の攻撃成功時に幸運と出ればダメージは1/2となる。
不幸となった場合は、それぞれ逆の結果となる。

ここまで読まれた方は「運試しをバンバン行った方がいいじゃん」と思ったかもしれない。
だが、そう都合良くはできていない。運試しは、1回行う毎に運勢ポイントを1消費する。
つまり、運に頼ったプレイングをすればするほど、幸運を引き寄せるためのハードルは
高くなっていくのだ。この辺、なかなか上手くできているシステムだなぁと感心する。

とにかく、今回については幸運と出たため、俺は鉱山を無事に脱出することができ、
ほどなくして小さな村にたどり着いた。苦しい状態が続いたが、やっと切り抜けられた。
俺は一も二もなく宿屋に飛び込み、傷ついた身体を休める事に専念する事にした。



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第15話:幻のヤングヒル

村の名前はヤングヒルというらしい。
その宿は清潔とは言い難いが、快適なものだった。
スカンクベアのシチューを頬張ると、ベッドに倒れ込むようにして眠った。
翌朝には体力は2桁まで回復していた。代金の金貨5枚を支払い宿を出る。

ここで村を後にしようとして、ある事に気が付いた。
「このクリスタタンティの村から先、道はふたつにわかれている」
あれ?ヤングヒルの村じゃなかったのか・・・誤植か?

とりあえず勘で片方の道を選択し、森の中をくねくねと進むこと小一時間(推定)、
開けた場所に出た。東からきたもう1本の道が合流している。
道の標識によれば、まっすぐいけばダンパス。西に向かえばアリアンナとの事。

そういえば、以前助けてやった老人はダンパスからやってきたと言っていたな。
ダンパスに行ってみよう。



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第16話:ダンパスのお偉いさん

ダンパスに到着した俺。

このまま宿に行く選択肢もあったが、クリスタタンティでぐっすり休めたおかげで
体力的には充実している。ここは村人から情報収集だ。

とある小屋の前で立ち止まる。村人が数人、座り込んで何かを食べている。
知らない人と話すときは自分から自己紹介しなさい、って昔習ったっけな。

「はじめまして。私はスティーブ・ジャクソン(仮名)と申します。
カーレという場所を目指して旅をしているのですが・・・」

村人たちは話すことをやめると、こちらに向かって手招きをしている。
ただし、その目は俺ではなく、俺が腰に下げている剣に集中していた。
ここはひとつ、友好的な態度を見せないとな、と思い、
剣を地面に置くと、村人たちの話の中に加わった。

どうやら村のお偉いさんのようだ。
「これはあなたにとって幸運なめぐり合わせだといえるので、運勢ポイントを2ふやす」

やっぱりコミュニケーションって大切だよね。



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第17話:逆鱗

しばし歓談を続ける。だいぶうち解けてきたので、冗談のつもりで
先ほどクリスタタンティで見た光景を面白おかしく話してみた。

すると、お偉方の一人の顔が見る見る赤くなって行くではないか。
やっちゃった。どうやらこの人、クリスタタンティの出身者らしい。
これはバツが悪い。だいぶ話したし、ここはぼちぼち退散するに限る。

そう考えた俺は、挨拶もそこそこにくるりと背を向けその場を立ち去ろうとした。

・・・なんか追ってくるし。
それも、怒り方が尋常ではない。
俺を殺さんばかりの勢いだ。
勘弁してくれ。

俺は一目散に村を後にした。



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Posted by nirva7 at 15:24Comments(0)TrackBack(0)

第18話:転落の序曲

ダンパスから走って逃げてきた俺は森の中の道を進んでいる。
気が付くともう太陽は沈みかけている。

ほどなくして、休むのに良さそうな場所を発見。
ダンパスで宿に泊まっておけばよかったと後悔しながらも、
今日はここで野宿する事にした。夜通し歩くと体力を消耗するし。

荷物を下ろすと、荷物袋を枕がわりにゴロリと横になる。
後は剣を外して、と・・・剣を・・・剣・・・

ああああああああああああああああああああああ(エンドレス)

ダンパスに剣を置き忘れてきた。
他に武器らしい武器もない。

これからどうしよう・・・orz



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Posted by nirva7 at 15:32Comments(0)TrackBack(0)

第19話:武器がない

武器がない。

これは肉弾戦による戦闘がほぼできなくなった事を意味する。
俺がもし戦士だったら、死を宣告されたも同然だ。

だがしかし、幸いにも俺は魔法使い。

たとえ武器が無くたってェェェェ、
こちとらには48種類の魔法とォォォォ、
ATフィールドがあるんだからァッ!(←ありません)


てなわけで(どんなわけだ)、気を取り直して先を急ぐ俺。
やがて小屋が並んだ小さな集落にたどり着く。
そこで目にした光景は、アナランドでは見たこともない悲惨なものだった。

集落の住人達は、手や足がなかったり、ひどく痩せこけていたりと、
見るも哀れな姿なのだ。これまでにも散々ひどい目に遭ってきたのだろう。
俺の姿を見ると、皆小屋の中へ引っ込んでいく。

こういう村はとっととスルーするに限る?
ノンノン。
こういう村人が、物語に重要なカギを握っていたりするもんさ。



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Posted by nirva7 at 15:44Comments(0)TrackBack(0)

第20話:伝染るんです

一軒の小屋の戸を叩く。
返事がない。他の小屋へ行く選択肢もあったが、何か気になる。
そっと扉を開け、中に入ってみる。

部屋の中には家具一つ無かった。
部屋の真ん中には小さな火が灯されており、
その奥の壁際に、小さな3人の家族が震えながらこちらを見ている。

怖がることはないよ。
俺は何もしやしない。
さぁ、こっちにおいで。
そして、村に伝わる古文書(想定)や、呪文の書(想定)でも俺に差し出しな。

満面の笑みをたたえながら、村人たちにそっと手を差し伸べる。
はじめは恐れていた村人も、やがて警戒を解いてこちらの手を握り返してきた。
よしよし。

「旅のお方、あなたは魔法を使われるのか?」
ええ、使いますとも。
「わたくしどもが怖くはござらんのか?」
ああ、怖くは無いよ。さ、早く古文書か呪文書をお出し。
「私どもの はやり病い を癒やして下さる治療師殿とお見受けしました」


はやり病い・・・はやり病い・・・はやり病い・・・はやり病い・・・(無限ループ)


-------------------------------------------------------------
[ はやりやまい ]の前方一致での検索結果 1件
 はやり-やまい ―やまひ 4 【〈流行〉り病】
 伝染病。流行病。時疫(じえき)。     (goo国語辞典より)
-------------------------------------------------------------


俺は一目散に村を後にした(通算2回目)。



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Posted by nirva7 at 16:08Comments(0)TrackBack(0)

第21話:小さな仲間

丘を少し下ったところで腰を下ろす。
丘の梺には村が見える。

身体が重い。明らかに伝染病の影響と思われる。

「これ以降、あなたは毎朝一番に体力ポイントを3ずつ減らさねばならない」
現在の状況を考えると、これはあまりにも厳しすぎるハードルだ。
ただでさえ武器が無く、体力を消耗する魔法に頼らなければならないというのに。

「それを、死んでしまうか、伝染病を治療できる人物を見つけるまで続けること」
厳しいことをあっさり言ってくれるねぇ・・・さすがアメ公の作品だぜ(←注:イギリス人作家です)
しかし、伝染病を治療できる人物って、いつ登場するのかね。ハァ・・・。


そんな事を考えていた俺の目の前を何かがかすめた。
慌てて周りを見回していると、頭の上の方から甲高い笑い声がする。
声のする方を見ると、親指大の小さな生き物が飛び回っている。

子供のようでもあるが、肌は緑色で痩せこけており、すきとおった羽を動かして
鮮やかに飛んでいる。やがてその生き物は俺の肩のあたりにとまった。

「オイラはミニマイトのジャンってんだ。よろしくな」
そう挨拶すると、やけに親しげな態度で、下の方に見えるのはシャムタンティで
最大の村「ビリタンティ」だと教えてくれた。
シャムタンティ最大の村か・・・伝染病を治療できる医者がいるかもしれねぇな。
よし、ちょっくら足を運んでみるとするか。

「・・・お前もついてくるか?」
肩にとまったジャンに語りかけると、ジャンは小さく頷く。
なかなか可愛い奴だ。連れて行けば何かの役には立つかもしれん。

それに、一人旅に仲間ができたようで少し嬉しかったりもするしな。



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第22話:子供のお祭り

シャムタンティ最大の村、ビリタンティにたどり着いた俺とジャン。
折しも、村では祭りの真っ最中だった。

「子供のお祭りなのさ。年に一度だけ子供達に許される村の無礼講で、
いたずらをしては大いに楽しむ日なんだ」 耳元でジャンがささやいた。
その言葉どおり、村の中では子供達が喧嘩をするわ、酒を飲むわ、
老人の尻を叩くわ、道行く大人の足を引っかけて転ばせて笑っているわで、
まさにやりたい放題の状況だ。

こんな祭りに付き合っていたら、それこそ何をされるかわからない。
俺は「グランドレイガー」という看板のかかった酒場に逃げ込むことにした。

酒場にはいると、グランドレイガーその人が俺を出迎える。
話し好きな男で、旅人との話が大好きだと言う。
俺は金貨2枚を支払ってエールを頼むと、よもやま話に花を咲かせた。

カーレに向かっていることを話すと、こんな事を教えてくれた。
なんでも、カーレに行くにはトレパーニを通らなくてはならないが、
そこに住むスヴェンたちが近頃ずっとふさぎ込んでいるらしいのだ。
トレパーニを抜ければ、カーレまではほんの1日の旅で、しかも
丘を下るだけの楽な道だという。

ふと横を見ると、ジャンが俺のエールをちびちびすすっている内に
すっかり酔っぱらってしまったようだ。そろそろ宿屋にいくとするか。

俺はグランドレイガーに別れを告げると、宿屋へと向かった。



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第23話:甘い薫り

シャムタンティ最大の村だけあって、ビリタンティの物価は高い。
宿屋もご多分に漏れず、食事と宿泊で金貨9枚を要求された。

金貨の代わりに、シャンカー洞窟でゲットした宝石をひとつ差し出す事にした。
これは1つで金貨10枚の価値がある。ただしお釣りは貰えない。
こんなときでないと、使う機会もなかなか無さそうだからな。

気持ちの良いベッドでぐっすり眠り、翌朝早くビリタンティを後にした。
さぁ、目指すはトレパーニだ。

しばらく行くと、毎度お馴染み分岐点だ。
丘を登る東ルートと、丘を下る西ルートがある。
この度ではずっと上りルートを選んできている。今回もそうする事にした。

低木の茂る森を抜けたあたりで、なにやら心地よい臭いがしてくる。
前方を見ると、目の前には黒い花が咲き乱れる花畑が確認できた。
道は花畑を抜けて、下の谷へと続いている。

「ここがトレパーニへの一番の近道なんだ」
ジャンが俺に告げる。
だが俺はカントパーニで村人から聞いた
「黒いロータスの花には気を付けろ。甘い薫りは命取りだ」
という言葉を思い出していた。ここの事に違いない。

強行するか、引き返すか。或いは呪文を唱えて切り抜けるか。
切り抜ける呪文はあるのだろうが、新米魔法使いの俺には
それがどんな呪文なのかがわからない(覚えていない)。
勿論、ここで呪文の書を確認することは御法度だ。

命あっての物種。ここは遠回りになっても別ルートを取ろう。
そう思い直すと、来た道を引き返して丘を下るルートへと向かった。



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第24話:刺客

下りルートを進む。しばらくいくと上りに変わり、また下りへと。
勾配はあるものの、ゆるやかなので割と楽な道と言えるが、
伝染病で重い身体を引きずっている俺には結構こたえる。

道中、ジャンが下らない事を喋り続けているおかげで気が紛れるのが
せめてもの救いだ。やはりこいつを連れてきたのは正解だった。

途中でちょうど良い場所を見つけ、食事を取る。
毎朝、伝染病のペナルティで体力が減るルールだ。
武器が無く、体力だけが頼りな状況故、体力には常に気を遣っておきたい。

午後になっても下り道は続く。
そのとき、絶えず喋り続けていたジャンが、ぴたりと喋るのをやめた。

「スティーブ、止まって」
ジャンの言葉に足を止める。
「僕たち、誰かに見張られているよ」
これまでまったく気が付かなかったが、言われてみれば確かに何者かの気配を感じる。

少しの静寂の後、突如、茂みを分けて黒い影が飛び出してくる。
黒装束に身を固めた背の高い男が俺の前に立ちはだかった。
手には大きな半月刀を握りしめて、今にも襲いかからんばかりだ。

こいつが何者かはわからないが、話して済む相手では無さそうだ。
覚悟を決め、頭の中で呪文を選択する。ここは一発で切り抜けたい。
指先から稲妻を放つ呪文「ZAP」を唱える事を選択。
消耗する体力は大きいが、ダメージも大きい。

指先に力を込め、叫ぶ。
「ZAP!」



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第25話:僕たちの失敗

稲妻が走り、黒装束の男は俺の前に崩れ落ちる。

・・・はずだった。
しかし現実は、男が倒れるどころか、指先から稲妻が放たれる気配すらなかった。
ZAPは初級魔法だ。記憶を辿ってみても、呪文を間違っているはずはない。

ジャンがつぶやく。
「ごめん、スティーブ。呪文を唱えても無駄なんだ。
僕たちミニマイトは、生まれつき防護霊気で守られているんだよ。
その霊気のおかげで、僕がそばにいる限り、呪文は使えないんだ」

ジャン、それを早く言え・・・orz


武器もなく、魔法で戦うという選択肢も奪われた俺は、素手で黒装束の男に立ち向かった。
逃げる、という選択肢があるコンピュータRPGの世界なら別だが、この世界ではあいにく
そんな気の利いた選択肢は用意されていなかった。

半月刀vs素手。
結果は火を見るよりも明らかだった。
少しの傷を負わせる事には成功したが、こちらの傷はその比では無い。

伝染病のせいなのか、血を流しすぎたせいなのか。
それは俺にももうわからなかったが、いつしか俺は地面に倒れ込んでいた。
ジャンが心配そうにこちらをのぞき込んでいるのがかすかに目に映った。
それが、俺の最後の記憶となった。



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第26話:女神リーブラ

・・・気が付くと、俺はベッドで横になっていた。
見覚えのある風景。これはアナランドの俺の家だ。


あれは夢だったのか・・・?
やけにリアルな夢だった。全ての出来事が鮮明に記憶されている。
確かに俺は、黒装束の男の半月刀で命を奪われたはずだったのだ。

その時、俺の頭の中に話しかける声があった。

「・・・我が名はリーブラ。
貴方にはこの世界を救うという重大な使命があります。
ここで貴方を死なせるわけにはいきません。
さぁ、再び旅に出るのです・・・」


気が付くと、リーブラの声は消えていた。
リーブラというのは、この世界に伝わる伝説の女神の名だ。
俺は、リーブラの意志によって再びこの世界に生を受けたらしい。
現時点ではそうであるとしか思えない。



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第27話:再び旅路へ

身支度を整え、家を出る。
いつもと変わらないアナランドの平和な光景だ。

「やぁスティーブ。今日は旅立ちの日だな。
門のところでサイトマスターが待っているぞ」
近所の人々は口々にそんな事を俺に語りかけてくる。
どうやら、時間までが出発の時に戻されているらしい。

すべてを理解した俺は、再び門へと向かう。
サイトマスターがカントパーニへの道のりを説明してくれた。
そのすべてが聞き覚えのある説明だった。
やはり、時間が戻っているのは間違いないようだ。

受けた傷も、手に入れたアイテムも、すべてが消え失せていた。
すべてをリセットされたように感じるが、唯一残っているのは記憶。
これだけが俺の武器だ。

次こそは冒険を成功させるという誓いを胸に秘め、再び門をくぐった。


・・・しかしこれは、まさに「1,000回遊べるRPG (C)チュンソフト」の先駆けですな(笑)


※パラメータを再設定。技量7、体力18、運勢9。



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第28話:記憶を頼りに

アナランドを出て小一時間。カントパーニの村へたどり着く。
この村にも見覚えがある。確かここでは途中で男が出てきたはずだ。

中央通りをしばらく行くと、俺の目の前に一人の男が立ちふさがった。
「お前は何者だ」
聞き覚えのある台詞に思わず苦笑する。

確か前回はこの男に道を聞いたはずだ。
だが、今の俺はこの先の道を既に知っている。
金を払ってまで同じ情報を買う必要はない。

「俺は商人だ。この村に品物を仕入れに来たんだ」
こういうと、男は村の奥の大きな小屋へと案内してくれた。
中に入ると、この小屋が倉庫であることがすぐにわかった。

でっぷりと太った倉庫番の男が品物を見せてくれた。

「薬草」
「鋭い広刃の剣」
「笛」
「彫刻のついた斧」
「歯がたくさんはいった袋」
「美しく輝く宝石」

前回、剣を失って苦労をした経験があったため、まずは広刃の剣を購入。金貨5枚。
続いて、歯のたくさん入った袋を購入。これは、魔法の材料として使えるからだ。金貨3枚。
最後に、怪しげな装飾が施された斧を購入。金貨7枚のところを値切って金貨5枚で購入した。

俺は倉庫番の男に別れを告げ、村を後にした。



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第29話:グランドレイガー

先ほど購入した品を確認する。

広刃の剣は、名匠の手になるもので、掘り出し物といえる。
今持っている剣は予備にして、今後はこちらをメインで使う事にする。

歯の入った袋には、デスハウンド、サル、ゴブリン、スナッタキャット、
ジャイアントの歯が入っていた。魔法に使えそうなのは2種類ぐらいか。

最後に、斧に施された装飾を調べてみると、こんな言葉が書いてあった。
「これなる斧は雄牛の年に守護者グランドレイガーのために作られしものなり。
秘めたる力を知るは持ち主ばかり」


ここである事に気づく。グランドレイガー・・・聞き覚えのある名前だ。
そう、確か前回の冒険で行ったビリタンティの村、酒場の親父と同じ名前だ。
まさか、あの親父が守護者・・・?よくわからんが、調べてみる価値はありそうだ。
斧には「233」という数字が刻まれている。この数値も関係があるのだろうか・・・?


カントパーニの村はずれ、丸い大岩にさしかかったとき、剣を振りかざした
二人組の男が襲いかかってきた。山賊だ。前回はこんなイベントはなかった。
どうやら、まだ見ていないイベントは結構ありそうだ。面白い。



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第30話:山賊との死闘

山賊は荷物袋をよこせと脅してくる。

ここで与えられた選択肢は3つ。
荷物袋を渡すか、剣で戦うか、呪文を唱えるか。
俺はここで、LAWの呪文を唱える事を選択した。

「LAW」とは基本呪文の一つで、攻撃を仕掛けてくる者に対して唱える事により、
相手の意志を支配できるというものだ。

しかし、LAWを食らっても山賊どもはびくともしなかった。
確かにLAWは「知能の低い者」にしか通用しないという設定はあったが、
この山賊どもはそれなりに知能レベルは高いようだ。これは判断ミスだった。
おかげで、山賊のうちの一人に先制攻撃を食らってしまった。

俺は先ほど買ったばかりの広刃の剣を握りしめると、山賊に斬りかかった。





2人と交互に戦うというのは骨が折れる作業だった。
なんとか倒す事には成功したものの、消費体力の大きい基本呪文を
使用してしまった事も重なって、こちらも瀕死に近い状況だ。
・・・相変わらず厳しいゲームだことで(苦笑)

体力を回復できるまで、今後は慎重に進まねばならない。



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第31話:基本呪文について

ここで、未プレイの方のために、基本呪文について解説しておこう。

基本呪文と呼ばれるのは以下の6つ。
・ZAP・・・指先から稲妻を走らせる
・HOT・・・敵に火の玉を投げつける
・FOF・・・力場を作り出す
・WAL・・・魔法の壁を作り出す
・LAW・・・敵を意のままに操る
・DUM・・・敵を不器用にする

攻撃2、防御2、特殊2といった形だが、それぞれ特徴がある。
詳しい事は使用時に述べるとして、これらの6つの呪文には共通点がある。
それは「消費する体力が大きい」という事だ。他の呪文群のほぼ倍の体力を消費する。
使用するのにアイテムが不要で、かつ応用範囲が広い分、
そうそう便利に使うというわけにもいかないわけだ。


やがて、見覚えのある二股の分岐点へと差し掛かった。
そして二つの道の間にある木の上からは、聞き覚えのあるすすり泣きが聞こえてくる。
相変わらず進歩の無いジジイだ(←それは仕方がないと思います)
老人を助けてやり、呪文書を受け取る。

続いて、前回同様、木の上の蜂の巣駆除をして蜂蜜と蜜蝋を
手に入れたいところではあるが、なんせ今の俺の体力は一桁前半だ。
蜂の攻撃で即死もあり得る状況故、泣く泣くスルーする事に。

二股の道は、前回とは逆の道を選択する。
前回、カントパーニの村人から聞いた情報によれば、
この先には悪戯好きのエルヴィンがいるはずだ。
細心の注意を払って進もう。



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Posted by nirva7 at 21:22Comments(0)TrackBack(0)

第32話:エルヴィンとの遭遇

谷の奥へ奥へと歩を進めるが、なかなか出口は見えてこない。
やがて太陽が沈みかけてきたため、今夜は野宿をする事にしよう。
体力が少ないので、今夜はゆっくり休んでおきたいところだ。

谷底を流れる川の音を子守歌にうとうとし始めたその矢先、
水しぶきの音で目を覚ました。
岩陰からのぞくと、人間のような姿をした3人の痩せた生き物が、
川の流れに石を投げ込んでいるのだ。
彼らがエルヴィンなのだろう。どうやら魚を捕っている最中のようだ。
石を当てられた魚は、不思議な力で彼らの足下に打ち上げられている。

まだ体力が回復しきっていないため、できれば関わりたくない。
俺は息を殺し、見つからないよう岩陰に潜んだ。
ここで運試しをするよう指示が出る。俺の運勢ポイントは9。
よって、サイコロ2個で9以下が出ればOKだ。

10

・・・まったくついてない。エルヴィン達に見つかってしまった。
話してみるか?それともひたすら身を守っているか?
俺は、敵ではない事を示すべく、こちらから挨拶をする事にした。

すると、こちらにくるよう手招きしているではないか。
変な勘違いは生みたくないので、とりあえず言われるままにする。
その後はエルヴィンの悪戯の格好のターゲットにされた。
体力が無いのでひたすら耐える。

やがて、飽きたのかエルヴィンたちは川沿いの森の中に姿を消した。
なんとかやり過ごせたようだ。あとは朝まで少しでも休んでおこう。

しかしなんだ?この釈然としない気持ちは(笑)



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2005年02月27日

第33話:大蛇の尻尾

川沿いの道を歩いていくと、吊り橋が渡された場所にたどり着いた。
どう考えてもすんなり渡れるわけはないと思うのは疑いすぎだろうか(笑)
とりあえず、そのまま川沿いに進むというルートもあるのでそちらを選択する。

川沿いの道を数時間歩くと、小屋がいくつか集まっている集落が見えてきた。
集落の真ん中では火が燃えているが、村からは物音ひとつ聞こえない。
未だ体力は一桁のままだ。とりあえずそのまま入るのは避け、道を外れて
丘を登っていく事にする。そこから村の様子が見渡せるはずだ。

草木の茂った丘を、かき分けるようにして登る。
村を見下ろそうとしたその直後、何者かに腕を掴まれた。
身体をぐるぐる振り回されるが、肝心の正体はどこにも見えない。
俺は死を覚悟しながら、防御態勢を取った。

ここで剣を構えるか呪文を唱えるかの選択。
呪文を選択する。

すると、俺の目の前に大きな大蛇が姿を現した。
俺を掴んでいたのは、この大蛇の尻尾だったのだ。
・・・マジで終わった(笑)



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第34話:HOW

しかし、ふとここである事に気が付く。

提示された呪文群の中に「HOW」があるではないか。
「HOW」とは、危機に陥ったときに、どうすれば安全に脱出できるかを
知る事ができるという呪文だ。一体どういう理屈だ?(笑)

とにかく、ここは神に祈る気持ちで「HOW」の呪文を唱えた。
これで俺の体力はほぼ限界点に達するわけで、この呪文が外れれば死あるのみだ。


・・・大蛇と目が合う。お互いに相手の出方を見ている。
すると、徐々に緊張がゆるみ、やがて大蛇は姿を消した。
姿を消す前に、こちらにウィンクをしていったのが確かに目に映った。
呪文の効果といえるのかどうかは微妙だが、とにかく危機を脱したようだ。



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第35話:ウィンクの意味

大蛇は去ったのだが、驚くべき事に腕にはまだ何かの力を感じていた。
そして、不思議な事になぜか足を運ぶのが楽になったような気すらする。
まるで、見えない何かに導かれているかのように。

ほどなくして、草木が密集した地帯を無事抜け出す事ができた。
その途端、腕に感じていた力から解放された。
きっと、大蛇がナビを買って出てくれたのだろう。
感謝感謝。

まだ草はあるが、だいぶ歩きやすくなっている。
分岐点に差し掛かったが、誰かが歩いた形跡がある方を選択して進む。


軽快に歩いていると、途中で足に何かがあたった。
かがんで拾い上げてみる。財布だ。金貨がたんまり入っている。
可哀想に、誰かが落としていったのだろう。
俺様が有効に使ってやるよ。



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第36話:コソドロ草

拾った財布をホクホク顔で荷物袋にしまおうとしたその時、妙な事に気づく。
荷物袋に草が絡みついて、俺の荷物を取り出している。
コソドロ草との事。まったく安直なネーミングだな。

・・・なんて言っている場合ではない。慌てて荷物袋を抱えるが、
時すでに遅し。荷物のうちの一つを奪われたとの事。
幸い、盗まれた荷物は任意に選んでいいという事なので(なんやそれ)、
悩んだ結果、「歯の入った袋」を選択する事に。
呪文の材料になるものではあるが、必須アイテムではないのでまぁいい。

更に進むうちに、また拾い物をする。
女性の肖像画が入ったロケットだ。
きっとこれも旅人からコソドロ草が盗んだ物なのだろう。
何に使えるのかはわからんが、とにかく拾える物は拾っておこう。
用途のない道具は出てこない、というのがゲームの原則だからな。

やがて、草地を抜けて川沿いの道に出た。



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第37話:ドングリの雨

川沿いの道を歩く。
その道は橋を渡り、森へと続いていく。

突然、あたまに何かがぶつかる。続いてクスクス笑う声。
足下に転がったそれはドングリだった。またエルヴィンの悪戯か。
次の一撃をかわすべく、俺はすかさず「WOK」を唱える。

「WOK」は、手持ちの金貨を一枚使用して魔力の盾を作り、
身を守れるという呪文である。使えそうだったので覚えていた。
魔力の盾で見事ドングリの雨を回避する事ができた。

呪文で体力を1消耗し、俺の体力は過去最低の3まで落ちたが、
ようやく目の前に村が見えてきたのでホッと胸をなで下ろす。
とにかく、宿屋を探そう。

しかし、今回はついているんだかついていないんだか、
よくわからない旅だ。



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第38話:盲目の乞食

たどり着いた村はクリスタタンティだった。
前回の旅に比べ、ここまでやたらと遠回りした気がする。

宿は食事込みで金貨5枚。体力が一気に8ポイント回復。
ようやくまともに冒険できる体制が整った。

村はずれにさしかかったとき、道ばたに座った乞食が施しを求めてきた。
目の周りに黒い粉を塗っており、これは目が見えない事を意味する。
金貨を一枚投げてやろうとした時、牛に引かれた荷車がこちらに向かってきた。
俺を見つけると、方向が同じなので乗せて行ってやろうかと申し出てくれた。

ここで選択肢が登場。
1.荷車に乗せてもらう
2.乞食に金貨をめぐんでやる
ここは乞食に金貨を恵んでから荷車に乗りたいんだが(笑)、それは無理らしい。

迷った俺は、荷車に乗る事を諦め、結局乞食に金貨を恵む方を選択した。
どう考えても、乞食が何かキーになるものを持っている気がする。
まぁ同じような考えの元に行動して、伝染病を移された事もあったわけだが(苦笑)



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第39話:カーレの牢獄看守

乞食は金貨に驚き、鍵を差し出してきた。
やっぱりな(笑)

話を聞くと、この乞食は昔カーレで牢獄の看守をやっていたとの事。
この鍵はカーレの牢獄の鍵だと言う。206という数字が刻まれている。
きっと役に立つ場面がありそうだ。荷車に乗らなくて正解だった。

「カーレではレッド・アイに注意しなされ。
さもなくば、あなたにもわたしと同じ運命が待ち受けております」
乞食の言葉を胸に刻み、先を急ぐ。


分岐点は前回と逆のルートを選択していく。
道はやがて消え失せ、行く手には森が待ち受けている。
標識には「アリアンナ」へと書かれており、森の奥を指している。

引き返す選択肢もあったが、今は体力的に充実しているので
森の奥を目指す事にする。

この時は、この先にアリアンナという村があるものだとばかり思っていた。



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第40話:檻の中の美女

アリアンナを目指してひた走る俺。

途中でまた分岐点がやってきて、ダンパスへの道を提示する。
どうしてもアリアンナには行かせたくないらしいな。
行くなと言われれば行きたくなるのが人間の心理ってもんよ。
それに、ダンパスにはロクな思い出が無いし(泣)

てなわけで、アリアンナルートを選択。
すると、アリアンナへの道中に小屋を発見した。
体力があるときには何でも顔を突っ込むのが俺の信条。
当然立ち寄るさ。

こぎれいに片づけられた室内。広い台所。
この小屋はどうやら女性の住まいのようだ。


・・・部屋の奥からすすり泣きが聞こえる事に気付く。
そっと近づいてのぞいてみると、大きな檻に若い女が、
それもとびきりの美女が閉じこめられているではないか(*´Д`)ハァハァ
話を聞くと、エルヴィンの悪戯で閉じこめられたらしい。

ここで選択肢が。
1.助ける
2.何か見返りがあるかどうかを尋ねる
3.女を放置し、部屋の中を物色する

2or3を選びたい気持ちを抑え(笑)、1を選択。



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第41話:アリアンナ

「DOP」を唱え、檻の鍵を開けてやった。

女は礼をしたいという。
魔法に使う物と、戦闘に使う物のどちらがいいか尋ねてきた。

「勿論両方だよ。それと君もな」

なんて選択肢はあるハズもないので、戦闘に使う物を選択。
「ラグナーの剣術熟達の腕輪」をもらう。
この腕輪をはめれば、剣を用いて戦う際に、サイコロの目に2を加えられるとの事。
これはかなり大きい。もう肉弾戦で負ける事は無いんじゃなかろうか。
女は更に、金貨7枚の入った袋を俺に手渡した。至れり尽くせりだな。


突如、女がこちらを見てクスクス笑い出した。
気味の悪い女だ。早々に立ち去ろうとした俺を女が呼び止める。

「このアリアンナ、戦いもせずにほうびの品をあげたりはしませんわ」
やっぱりお前がアリアンナか。そんな気はしていたよ。
このストレイツォ、容赦せんッ!

木の椅子が、アリアンナの呪文でみるみるうちにウッドゴーレムに変化する。
そして俺に向かって襲いかかってきたが、ラグナーの剣術熟達の腕輪を持つ
俺様にとって(←貰ったもので偉そうに)、ウッドゴーレムごとき敵ではないわ。

ウッドゴーレムを軽く蹴散らすと、アリアンナを尻目に小屋を後にする。
嫌な思い出の残るダンパスに向かう。



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第42話:再びビリタンティへ

ダンパスにたどり着いた。
もちろん村のお偉いさん達との接触は避け、一目散に宿屋へ。
楽勝とは言いつつも、ウッドゴーレムから多少のダメージは受けていたので、
その傷を癒すと、とっととダンパスを後にする。

村を出るときにこんなメッセージが。
「あなたは早起きをして、ダンパスに向けて出発した」
じゃあ今俺がいるのは一体どこなんだ?(笑) 誤植その2発見。


分岐点は森の中を下っていくルートへ。
途中で食事などを済ませ、橋のある場所へたどり着く。
敢えて橋を渡らず、丘の斜面を下っていく事にする。
どうやら俺は、どうしても橋を渡るのが怖いらしい。

丘を下り、次の丘を登る。勾配がきついため体力を消耗。
さっきの食事で回復した分がパーにorz
素直に橋渡っとけよ>俺

その丘の頂上にはトロルの見張り小屋があったものの、運試しで難なく回避。
その後、いくつかの丘を経て、ビリタンティの村の手前までやってきた。

そう、ジャンと会ったあの場所だ。



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Posted by nirva7 at 03:20Comments(0)TrackBack(0)

第43話:ジャンとの再会

ジャンだけは連れて行っちゃいけねぇ。
これが前回の旅で得た教訓だ。

今回の旅では、なんとしても前回の到達点を越えたい。
この気持ちはきっと、漫画家が前に連載した作品の単行本巻数を超えたいと
思うのと同じようなものなのだろう(←もうちょっとうまい例えは無かったのか)。


ジャンが登場。
話しかけるか、呪文を唱えるかの選択を迫られる。
呪文が効かないのはわかっているので、話しかけざるを得ない。

つーか、追っ払おうとしても、結局ついてくるのな・・・orz
仕方がないのでジャンを連れてビリタンティに向かう。


そんな事よりも、ビリタンティではどうしても調べたいことがあった。
それは斧に刻まれたメッセージにもあった「グランドレイガー」の事だ。



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Posted by nirva7 at 03:31Comments(0)TrackBack(0)

第44話:グランドレイガーの斧

グランドレイガーの酒場に行き、装飾の付いた斧を見せる。

すると、途端にグランドレイガーの表情が一変した。
「いったいそれをどこで手に入れなさった?」
いきさつを話し、グランドレイガーに斧を手渡した。

グランドレイガーは大喜びだ。
斧の代わりに、と言って、水晶の滝の通行証を俺に手渡した。

「じつを申せば、カーレには心強い身内がおる。何か困ったことが起きたら、
すぐにヴィックを呼びなされ。わしの友人での、力もあるし顔もきく」 と、
ヴィックの呼び出し方を教えてくれた(敢えてここには書きません)

また、トレパーニの酋長の娘が略奪者にさらわれ、マンティコアの守る
暗い洞窟に生け贄として置き去りにされている事も教えてもらった。

俺は酒場を後にすると、貰った通行証で水晶の滝へ向かい、滝に打たれた。
技量・体力・運勢ポイントが全快した。

その後、村を出ると、手頃な場所を見つけて野宿した。



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第45話:フランカーという男

久しぶりの野宿から目を覚ますと、先を急いだ。
やがて分岐点に差し掛かる。上ればブラックロータスの花畑、
下れば、前回の冒険で俺の命を奪った黒装束の男の元だ。

今回は武器もあり、体力も充分。負けるはずはない。





案の定、黒装束の男は俺の前にひれ伏した。
かつてこの男に命を奪われたという恨みはあるものの、
慈悲心あふれる男こと俺は、命だけは助けてやる事にした。
(ていうか、この選択肢があるのは「選べ」って言われているようなもんだ)

男はフランカーと名乗った。
こいつもまた俺と同様、カーレを目指しており、
見逃してくれた代わりに、今後は俺の味方になるという。

「カーレでお会いしましょう」と言い残すと、
フランカーは茂みの中に姿を消した。

いや、むしろ今同行しろよ。
だってこれからグランドレイガーに聞いたマンティコアとやらと戦う事になりそうだし。
ていうか、第1巻の表紙が思いっきりマンティコアじゃん。

こういうのを世間では「体よく逃げられた」と言うと思うな、俺は。



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Posted by nirva7 at 13:17Comments(0)TrackBack(0)

第46話:2つの茶碗

やがて一軒の小屋が見えてきた。
ジャンがきぃきぃ騒いでいる。うるさい殺すぞ。

小屋の戸口の階段には、老女がひとり腰掛けている。
俺を見つけると、寄っていけといわんばかりに手招きをしている。

「おいババァ、なんのようだ」
聞くと、森の中の一人暮らしで寂しいらしく、茶飲み相手が欲しいらしい。
聖母マリアクラスの博愛心を持つ男こと俺は、寄っていってやる事にした。

ババァは大きな茶碗を2つと、小さな茶碗を1つ、テーブルに置いた。
ジャンが「ちょっと怪しいな」とつぶやくと、ババァはジャンを睨み付け、
台所に紅茶ポットを取りに戻った。

ここで選択肢が登場。
・茶碗を取り替える
・そのまま待つ


・・・ちょっと待て。
これって選択を間違えると、毒殺とか、しびれ薬で今夜の晩飯にされるとか、
ババァの夜の相手をさせられるとか、変な病気が残るとか、そんなパターンの
典型じゃないですか。完全にハメられたよ・・・orz
ここで「ババァを斬り殺す」という選択肢は無いのか?


毒を盛られていると考えるなら、茶碗を取り替えるべきか?
いや待て。俺が取り替えるのを承知ですでに取り替えてある場合も考えられる。
いやいや待て。俺が取り替えるのを承知ですでに取り替えてあると見せかけて(以下無限ループ)

ええい、ままよ。
小細工をするなんざ男のする事じゃねぇ。
出されたモンは黙って飲む。これが男の生き様じゃねぇか。

俺はそのまま待ち、注がれた紅茶を一気に胃袋へと流し込んだ。



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第47話:さよなら、ジャン

紅茶を飲んでいると、ババァの様子がおかしい。
やっぱり ”盛って”やがったか(笑)
しかも、俺が茶碗を取り替えると見込んでいたらしいな。

しばらくすると、ババァは台所に引っ込んだ。
おおかた解毒剤でも飲みに行ったんだろう。

戻ってきたババァと、旅の話をしているうちに、老人に貰った
呪文書の話になった。途端、ババァの食いつきが尋常じゃねぇ。
その呪文書を取り出して見せると、嬉しそうに俺の手から引ったくった。

ババァ曰く、この呪文書の切れ端は、この家から盗まれたもので、
盗んだ人間には「老いの呪文」をかけてやったとの事。
あのジジィは盗人のなれの果てだったようだ。

ババァはお礼に、この呪文書でジャンを追い払ってくれるという。
もちろん、追い払ってくれるよう頼んだ。
こいつのおかげで、俺はこの道中「魔法の使えない魔法使い」という、
「牛丼の無い吉野家」状態に追い込まれていたからな。

ババァが呪文を唱えると、ジャンは悲鳴をあげながら去っていった。

ふと考える。
この呪文書は確か「害虫を追い払う呪文」じゃなかったか。
すなわち「ジャン=害虫」って事か。これまでを考えりゃ当たってる。
どこで使うのかとずっと思っていたが、まさか対象が身内にいるとはね。
「灯台もと暗し」とはまさにこの事だ。

そんな事を考えながら、俺はババァの小屋を後にした。



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第48話:トレパーニの村

だいぶ陽も傾いてきた頃、村が見えてきた。
恐らく、ここがトレパーニの村だろう。
第1巻もそろそろ終わりか。

村に入り、広場にあった切り株に腰を下ろす。
ここの住人であるスヴィンという種族は本来好戦的なはずなのだが、
グランドレイガーから聞いたとおり、酋長の娘がさらわれたおかげで
すっかり沈み込んでいる。

一部の村人が、集まって議論している。
酋長一族の血は、この村にとって決して絶やしてはならないものらしい。
そして、さらわれた娘は、その一族の唯一の後継者との事だ。

なんとなく俺もその話の輪に加わり、自分がここまであった事など話していると、
村人の俺を見る視線が変わってきた。ん?何か変な期待をされているようだ。
俺は、通りすがりの村の娘のために凶暴なマンティコアと戦うのなんか
まっぴらゴメンだうわ何をする放せくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」


・・・気が付くと、村はずれの小屋に放り込まれていた。
戸にはしっかり鍵がかけられている。

こうなったら煮るなり焼くなり好きにしろい。
俺は居直って眠りにつく事にした。



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Posted by nirva7 at 17:53Comments(0)TrackBack(0)

第49話:マンティコアの洞窟へ

日の出から一時間もたった頃、外で物音がする。
扉が開くと、マントを羽織った老いたスヴィンが入ってきた。

老人はプロセウスと名乗った。当の酋長のようだ。
閉じこめた事を俺に詫びると、合図と共にパンとミルクが
俺の前に運び込まれた。腹が減っては戦は出来ぬ。
とりあえずこれを食う事にする。

この後は、娘の話を延々と聞かされる羽目になった。
・・・わかった、わかったよ。助けに行けばいいんだろ。
100Gと銅の剣を渡されて「世界を救ってくれ」とか無茶を言われるのが
RPGの定番だからな。たった一人で戦う方の身にもなってみろ。
まったく勇者は辛いぜ。

小屋から出されると、村人たちは俺をとある丘の上まで連れていった。
丘の頂上には穴が開いており、穴の奥は暗くてまったく見えない。
きっとマンティコアの住処に潜入するための秘密の道なんだろう。
穴の中に降りるための籠に乗ると、籠は穴の奥深くに降ろされていく。


・・・中は真っ暗で何も見えない。
たいまつに火を灯すと、目の前にぼんやりと二股の道が見える。
右の通路を選択し、音を立てないよう慎重に歩を進める。



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Posted by nirva7 at 18:24Comments(0)TrackBack(0)

第50話:危険がいっぱい

”祝!50話到達”

何か聞こえたような気がするが、気にせず進む。
道は再びふたつに分かれる。右を選択する。

通路を折れると坂になっていた。
気のせいか、ごろごろと低い音がし始める。嫌な予感がする。
やがて、音と共に洞窟が振動し始める。これはやっぱり定番の「アレ」ですかぁ〜?

予想通り、目の前から大きな岩が転がってくる。
インディー・ジョーンズかよ!などと突っ込んでいる場合ではない。
「WAL」の呪文を唱えると、目の前に魔法の壁が出現し、大岩を跳ね返した。

慌てて直前の分岐点まで引き返す。
今度は左の方へ行ってみる。

今度は落とし穴に落ちた(笑)
不思議と痛くなかった。やわらかいものの上に落ちたようだ。
はい、そうです。これまた定番の毒蛇の群れが俺を待ちかまえていました。
仕方なく「LAW」を唱える。

蛇は離れていった。
しかし、ここからが問題だ。
上に上がる手だては無い。

「あなたがまだリーブラを呼んだ事がないなら273へ。
もうすでにリーブラを呼んだ事があったのなら、そう、せめて体力が尽きるまでの間、
魔法を使って蛇を寄せつけずにいることだ。あなたの旅はここで終わる・・・」


呼ばざるを得ません。リーブラさーん。



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Posted by nirva7 at 18:48Comments(0)TrackBack(0)