September 27, 2017

先日、愛知県長久手に行き、
日本劇作家協会東海支部主催のイベント『劇王』の
ゲスト審査員として参加させていただきました。
僕は劇作家協会に所属していないのですけれど、
とても光栄なことです。
審査員としてご一緒させていただいた坂手洋二さんが、
たくさん僕と話をしてくださいました。
楽しかったです。

芝居仲間のことで、心配事などもありました。

参加した3日間を、
日記にまとめようとも思ったのですが、
上手く書けそうもなかったので、
その間にツイートしたことを並べました。
(僕のツイッターアカウントは、@Nshatner です)
ツイートまとめると凄い文章量になりますね。

<9月15日>

●明日から僕が参加する『劇王XI アジア大会』。
 16日には、僕と天野天街さんと坂手洋二さんの
 「三賢者に訊け!」っていうイベントもあるそうです。
 頑張ります。
●名古屋には、12年住んだ。ロマンティックな街だ。
 故郷のように感じる。
●叫んで走ってるように見えるかもしれないけれど、
 僕は呟くように芝居を作る。
 呟くということは、
 自分の胸の近くで世界を想うということです。
 すべての観客ひとりひとりに、それぞれの胸があり、
 それぞれの至近距離の世界があり、
 その胸々と響きあうために、
 僕は自分の胸の近くで呟くことが必要です。
●名古屋まで来た。穏やかな街だ。
 穏やかさは人間の良い面のひとつだ。
●1年半ぶりくらいに「紙の温度」に立ち寄った。
 ビオトープやコルキーやカラペラピスがあって、
 「折り紙愛好家たちのために入荷しました」
 という旨の張り紙もあった。
 愛知の折り紙者たちが店と会話したのかなー嬉しいなー。
 ウルシックペーパーも、ヨーロッパ産のホイル紙もある。
●とても久しぶりに長久手に来た。やはり遠いね!
 遠いところに芝居をしに行ったり、
 芝居を見に行ったりすことは、
 とても面白いことです。
 楽屋に、久しぶりの顔がちらほらあって、
 僕のことを覚えてくれてて嬉しいです。
 静謐な土地。静かにわくわくしています。
●長久手文化の家のロビーで、仕事しながら、
 劇王が始まるのを待っている。
 明日は近くを散歩してみよう。
 ここで
 『サムライヘルメッツ』や
 『例えばなし砦』を
 やったりしました。
 また自分の芝居を上演できる日がくるように頑張ります。
 今日は見る側です。
●『サムライヘルメッツ』は、
 銀河系演劇フェスティバルに参加するため、
 必死で土星まで旅をする劇団の物語である。
 宇宙中から、
 ものすごい超能力や科学力を持った劇団が集まる中、
 なんの能力もない科学の遅れた星の劇団が優勝するのだ。
●また、東京でも上演できる日がきたらいい。
●祈っている夜です。
●今日僕は、僕の時間を過ごしていました。
 愛知長久手で、一生懸命、4つの芝居を見ておりました。
 得点を投じる役割なのです。
 大きな喪失と格闘し、
 それにケリをつけようとしている芝居に、
 たくさんの点を入れました。
 それを格闘ショーの形で描く
 もがきと優しさと悲しさに心が揺れました。

<9月16日>

●刈馬カオスさんと久しぶりに話せた。
 昨夜見た芝居について、とても面白い意見を持っていた。
●今日も芝居を見ます。
 一生懸命見るというのは、おかしいのかもしれないですが、
 しかし一生懸命見ようと思っています。
●時間を間違えて、2時間早く会場に来てしまい、
 窓から雨を見ています。
 良いことが起こって欲しい。
●世界が僕なしでも存在するのか、
 僕の認識を材料として存在するのかは、
 ホントのところわからないのだけれど、
 良いことが少しでも起きるように、
 良い方向に出来事が起きるように、
 今日を生きたいと思っております。
●劇王2日目でした。一生懸命みて、一生懸命喋りました。
 観客たちの票が審査員票を吹き飛ばす、
 ドキドキできる日だったと思います。
●抑えた静かな演技なのに、
 遠くまで胸の中の揺らぎがビリビリ届く力強い芝居と、
 体や熱で表現しようのないはずの内面の格闘を、
 見事体と熱に変換して演じ切った芝居、
 ふたつの芝居が今日は決勝へとすすみました。
 とても気持ちのいい結果だったと思います。
●僕がたくさん点を入れたのは、
 もがいてもがいても望みかなわぬ現実に、
 それでもとことん立ち上がる芝居と、
 こんなに本気で演じても演技とは嘘なのかそれとも真実なのか、
 それを磨き抜かれた体で問う芝居でした。
 どちらも決勝に進まなかったけど、
 美しく悲しく可笑しい、素晴らしい芝居でした。
●僕の好きだった芝居を、
 「何かを冒涜しているのはわかった。
 でも何を冒涜しているのかが分からない。そこが良かった」
 と天野天街さんが評していて、
 なんという痺れる言葉を言うのかと思いました。
 天野さんは凄いね。
●もうこんな時間ですが、もう少し僕は仕事をしてから眠ります。
 良いことが起きますように。良いことが起きますように。

<9月17日>

●審査員のような立場で演劇祭に出ると、自分の投じる票が、
 誰とも一致しないことはよくあります。
 あるいは作る側で出場しても、
 誰からも評価されないことはよくあります。
 そんな時に思うのは、
 作る人になって良かったな、
 ということです。
 自分が作らねば、欲しい物語が出現しないのです。
●昨日、一昨日と、
 僕は、僕が作りたいと願っても届かぬような、
 僕もあんな風でありたいと夢みるような、
 そんな眩しい作品に出会い、
 票を投じました。今日も一生懸命見ます。
●劇王XI、決勝戦が終わりました。
 決勝ならではの見応えがあったと思います。
 僕は駆け引きをすることなく、心の底から芝居を見て、
 一生懸命拍手をしました。
 私の拍手もまた演者に届いたはず。悔いはありません。
 平塚さん、おめでとうございます。
●講評での私は、奇妙な男だったかもしれませんが、
 それでも私の思うロマンを言葉に託し、
 背中まで覚悟を固めて喋りました。
 出演者の皆さん、観客の皆さん、
 聴いてくださいましてありがとうございます。
●楽屋裏で、ゲスト審査員の皆さんと、思う存分喋りました。
 楽しかった。ゲスト審査員5人にも、
 審査員楽屋での青春がありました。
 この場所に僕を加えていただいたこと、
 心から感謝しております。
 安住さんがいつも優しく作家陣を見守ってくださいました。
●東京への帰り、僕は坂手さんと一緒に新幹線に乗りました。
 2人で乾杯をし、つまみをつまみながら帰りました。
 楽しかったです。とてもとても楽しかったです。
 2人で、楽しい3日間だった、と言い合いました。
●劇王の3日間で僕が見た、一番美しいものをいくつか言います。
 見た人、作った人にしかわからないツイートになります。
 すみません。
●『まみれまみれ』/荒木宏志(劇団ヒロシ軍)より、
 主人公が最後に振り上げる拳。
 →リアルな肉体の苦痛、物語の上の希望をも打ち砕く失恋、
  想像の鶏肉を生み出す汗、
  それらをもってしても救えない自分や愛する人、
  それでも振り上げる拳が、皆からの拍手を握りこむ!
  僕の胸は震えました。
●『アツモリ』/遠藤雄史(トラブルカフェシアター)より、
 レフェリーの振り上げた腕。
 →この腕が止まっている中、時間も止まり、
  ハンコに全てが集まってゆきます。
  振り下ろされながら押されるハンコ、
  去ってゆく妻の勇敢な背中、
  夫がマイクで「ありがとう」と叫ぶ姿、
  すべてが美しかったです。
●『言いにくいコトは、、』/上田龍成(星くずロンリネス)より、
 「彼」の早口言葉。
 →僕はかつてこれほど早口言葉を言う若者の姿に
  胸が震えたことはありません。
  美しい戦いでした。
  それに対するお父さんの「それ以上言わんでいい!」
  も素晴らしかった。あのシーンを何度でも見たいです。
●他にも美しいと思う瞬間はたくさんありました。
 舞台裏で働く東海の劇作家たちの汗もまた美しかったです。
●今夜からまたペダルの僕である。

<9月18日>

●劇王決勝で、優勝作品について僕は
 ネガティブなことしか講評では言えませんでしたが、
 「時間が少なくて考えられたのはここまでです、
  もう少し考えたら考えが変わるかもしれない」
 と言いました。
 それで、実際昨夜も考え続けたのです。
 考えが進んだ部分、変った部分はあります。
 近くツイートします。
●もっとネガティブな方向に考えが進んだり変わったわけでは
 ないですから、安心してください。
 現場にいた人皆にツイートを読んでもらえるわけでは
 ないでしょうから、
 ささやかなことにしかなりませんが。
 今日はこれから稽古なので、また夜か明日にでも。
 それと、ほかにも美しい場面について呟くかもです。
●一生懸命、客席に、どこかにきっといる小野田たちに、
 そして仲間に届く芝居をつくりたい。
 力になる芝居を作りたい。
 そのように思っています。

<夜>

●僕は昨日、優勝作について、
「私は不幸を描きたくないと考えている作家であり」
「不幸になってゆく人を笑う芝居は、自分は認められない」
 と言いましたが、
 笑ったのは観客であって、
 作者平塚さんが、笑わせる意図で書いたかどうか
 についてはわかっていないのです。
●見た人(僕以外)の反応は別として、
 僕と作品の1対1の純粋な関係で言えば、
 この芝居には文学的な美しさもありました。
 良い芝居だったと思います。
 周囲の反応に惑わされたのは、僕の至らぬところでした。
●平塚さんが、笑わせる意図で書いたのでなければ、
 以上のような感想になります。
 笑わせる意図で書いた、ということであれば、
 昨日の私の感想は、あまり変更の必要はありません。
●不幸を笑う人々に満ちた観客席で、
 その光景が恐ろしくて悲しくてたまらなかった、
 というようなことを私は言いました。
 これについては、今も同じ気持ちです。
 観客に文句を言うとはけしからん、
 とお考えの人もいるかもしれませんね。
●私は、観客たちが不幸な人を笑うなら、
 それを「良し」とは思えませんし、
 そんな世界を変えたいと願って芝居を作っています。
 その自分を捨てて劇場に来ることはできません。
●最後に小さなことを言います。
 平塚さんは
 「僕は(西田以外の)観客のために芝居を作ってます」
 と叫ばれたようでしたが、
 それについては少し悲しく思っています。
 私は、芝居を見ている間は自分のことを
 観客だと思っていました。
 審査員でもありますが、
 観劇ルールを守り、楽しもうと思い、
 着席しました。
●客席には、いろんな観客がいます。
 学生も、いろんな仕事のプロも、中には作家もいるのです。
 審査員という観客がいる場合もあります。
 招待客がいる場合もあるし、
 家族がいる場合もありますね。
●ネガティブな感想を言ったとたんに観客扱いから外されたのか、
 それとも最初から
 「審査員は観客にあらず」と思われていたのか、
 それはまたお会いして
 話をしてみないとわからないですけれど、
 また次の機会があれば、
 私は観客の一員として扱われたく願っております。
●本日のところはこんなところまでたどり着きました。
 また考えを続けてみて、
 考えが進んだり変わったりしたら
 ツイートすることもあると思います。
●劇王を見て、
 しかも私のツイートを見た人にしか
 関係ないツイートでしたし、
 番号もつけてないので
 どこかに届いたりはしないかもしれませんが。
 自分の今日までの考えをまとめるためにも、
 呟きました。
●点数をつけること、
 創作者たち自らが
 勝者敗者を決めるイベントをやることについて、
 私は考えはまとまっていません。
 そのような評価のありようから離れたくて
 芸術の道へ進んだ自分なので、
 あらためて点数をつけることの意味を知りたくて
 参加した面もあります。
●私自身も、一人芝居イベントに出て、
 他の出場者と得票を競ったことがあります。
 その時は、勝つことを考えないようにし、
 芝居に集中しました。
 点数で評価されることの意味について考えることを
 さぼってしまったのです。
 だからまだ考えが進んでいません。
●ですがよい機会なので、後出しではありますが、
 「芝居に点数をつけること」
 「勝者敗者をきめること」
 の意義について、
 もう少し考えて、近くツイートすると思います。
 肯定的な考えになればいいとは思っています。

<9月22日>

●改めて考えてみたんだけど、
 芝居の順位を競うということの本質について、
 やはり答えは出ていない。
 これまで何年も、何回も考えてみたけれど、
 答えに届かない。
 純粋に芝居を作ることと、社会とうまく付き合うことの対立。
 本質的問題ではなく、
 そのような浅い問題のようにも思い、
 葛藤してしまう。
●僕は、得票数とは別に素晴らしい芝居はもちろんあると思い、
 自分が「負けた」時もあまり気にしないし、
 「勝った」時もさほど自慢にしないが、
 それなら勝ち負けのあるフェスに出るなよとも思うし、
 いやそれでも出る意味はあるとも思うし、
 なかなか思い定まらない。
●世の中には、自分が応募する形ではなく、
 知らぬ間に決定してゆく演劇賞や戯曲賞
 みたいなものもあり、
 そういうものにエントリーされたことは僕はない。
 勝手に賞レースに参加させられ、
 しかも「負け」に分類されているような気もする。
 気にしないようにはするけど。
●僕には、僕の演劇や作品が、
 そういった「賞」の箸にも棒にもかからないからといって、
 価値がないとは思えない。
 自分の人生を賭して、僕の知る限りの宇宙で、
 もっとも価値がある作品のひとつと信じて作ってる。
 僕が時々見に行って、
 骨の底まで揺さぶられた芝居のほとんども、
 大抵「賞」には登らない。
●だからといって、
 賞を得た作品がつまらないとは思わないし、
 価値があるとも思う。
 世の中に「賞」は存在するし、
 それを決める催しに出場する作り手たちはいる。
 僕も出場したり、時には審査する側で参加したりもする。
 まだ、気持ちの定めどころはわかっていないのです。
●今日も稽古をしました。
 「こんなのどうやって演出すればいいのか」、
 悩まない日はありません。
 今日は特に長い時間悩んで、
 稽古場に入る前に10時間、
 演出ノートをスケッチしたのです。
 その甲斐あって、
 難しいシーンを実現することができました。
 今夜は多めに眠りたい。

●●●
以上です。
さて、明日も、
舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~ヒートアップ~
の稽古、稽古、稽古、稽古、稽古です!

nishidashatner at 01:51コメント(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote
diary:N氏の普通日記MIX 

August 12, 2017

お知らせすることがあります。

保村大和 急病にて、
彼と一緒に準備をしていた保村大和ひとり芝居を、
延期することになりました。
まだ彼は病院で眠っており、
皆さんに言葉を伝えることができないのですけれど、
私は明るい気持ちで彼の帰還を待ちます。
是非皆さんも一緒に待っていてください。
公演はどれくらい延期することになるかまだわかりませんが、
必ず彼と一緒にやります。
その日まで、応援のほど、よろしくお願いいたします。

公演の主催であるハルベリープロデュースからの正式な告知は、
こちらです。↓
・ハルベリープロデュース・演劇馬鹿30周年記念公演
 「カルメン」公演延期のお知らせ
 haruberry.com/archives/3284

私や、仲間や、ハルベリーオフィスに届いた保村大和への応援メッセージは、
必ず大和のもとへ届けさせていただきます。

しばらく、新たなお知らせをお待ちください。

nishidashatner at 11:24コメント(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote
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August 01, 2017

半年経った。
夏になっている。
毎日、太陽の熱が我々の地上にはっきりと届く。
太陽が概念上の存在ではないのだと感じさせられる。

この半年の間に、

舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~スタートライン~。
SHATNER of WONDER『破壊ランナー』。
『ALL OUT !! THE STAGE』。
SHATNER of WONDER『遠い夏のゴッホ』。

4つの芝居を上演した。
合間、パリで行われたJAPAN EXPOにも1日だけ参加し、
舞台『弱虫ペダル』のデモンストレーションステージをやらせていただいた。
これも短い芝居だった。

睡眠時間が少ない日々を送ったけれど、
どの芝居も、渾身の力で、一生懸命、丁寧に作った。
どのカンパニーの役者たちとも、腹の底から芝居をやれたと思う。

『スタートライン』は、ペダル10作目にして新たに旗揚げするような公演だった。
『破壊ランナー』は、25年間のこの作品への僕の気持ちをすべて投入した。
『ALL OUT !!』は、ラグビーを舞台で表現するために自分でも素晴らしいと思える発明をした。
『遠い夏のゴッホ』は、現実の向う側にゆくべく、丁寧に丁寧に進んだ。

僕は気持ちを切り替えるのが上手くないのだ。
だから、大抵、前の芝居を作っていた気持ちを抱いたまま、
次の芝居作りに突入してしまう。
気持ちを切り替えないことが得意なのだ、と考えることもできる。
ともあれ、ずっと加熱に加熱を重ねて、半年を送った。

ひたすら芝居を作っていたので、
自分が成長したような記憶はあまりない。
冬になって落ち着いたら、振り返ってみようと思う。

劇場へ見に来て下さった皆さん、
一緒に芝居を作ってくれた皆さん、
応援してくれた皆さん、
ありがとうございます。

写真 2017-02-06 16 47 38-2

↑舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇〜スタートライン〜 装置模型と実際の装置。

写真 2017-04-20 13 49 00

↑『破壊ランナー』ゲネプロ。

写真 2017-06-09 20 01 35

↑『ALL OUT !! THE STAGE』のメンバー。

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↑『遠い夏のゴッホ』ゲネプロ。

写真 2017-07-09 6 47 25

↑パリ、JAPAN EXPOでの移動中の地下鉄。

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March 10, 2017

3月になっている。
暖かい日が時々あるし、雨も柔らかい。

舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇〜スタートライン〜
http://www.marv.jp/special/pedal/
が始まっている。

芝居作りが始まった頃、manzoさんと話した。
いつも芝居を作る時、どんな音楽をつくろうか相談するのだ。
『野獣覚醒』の時は、挫折と苦悩の中を進む男のために、ブルースを。
『イレギュラー』の時は、頂上の向うの空につながる穏やかで幸福な音楽を。
『総北新世代、始動』の時は、毎日努力してすこしずつ上昇してゆく、スパイラルのような音楽を。
そういう風に、これまでmanzoさんは作ってくれてきたのだった。
今回はどうしよう?
僕はとうとう、どうすればいいのかわからなくなっていた。
「なぜか、どんな音楽を作ってもらえばいいのか、わからないのです」
と、僕はmanzoさんに言った。
仕方がないので、稽古場で起きていることを話した。
演劇の舞台を始めて踏む新人たちがいるのです。
しかも、彼らが今回の物語の核心を担っているのです。
彼らは今、不安と未知の中を戦っています。
我々先輩たちも、今、彼らとともに戦っているのです。
戦いが続いていて、迷走する日もあります。
それらを話すうち、僕はふと、
「manzoさん、若者を励ます曲、彼らに勇気を与える曲を1曲、書いてください」
と言った。
それを元にして、他の曲も書いもらうことにした。

我々はそれからも稽古を続けた。
そしてある日、稽古場に、たくさんの音楽が届いた。
どれが「その曲」なのかは、あえてたずねなかった。
それでも、一曲、どうしても特別に心が奮い立つ曲があった。

僕は新人のレースのシーンになると、稽古場でいつもその曲を流した。
先輩が頑張るシーンでも、その曲を流した。
新人のひとりが上手く芝居をできず失意の中にいる時、
今夜は眠る前にこれを聞いておけ、とその曲の音楽ファイルを渡した。
芝居作りはそれからも進み、
結局その曲は新人のシーンでは使わず、
カンパニーの皆が頑張るシーンに配置することになった。

公演が始まり、manzoさんが見に来てくれた。
僕はやっと、manzoさんにきいてみた。
「約束したあの曲は、どの曲なんですか?」
manzoさんは答えを教えてくれた。
僕が繰り返し新人に聞かせた曲だった。
その曲は今、インターハイで皆がレースを始める時、
戦い開始のフラッグが振られるシーンで鳴っている。

今日も、公演がある。
その曲を聴きに、
その曲で走る皆を見に、
manzoさんと共に僕も走りに、
劇場へ向かう。

皆で走る芝居である。


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February 04, 2017

毎日、舞台『弱虫ペダル』の稽古をしています。
http://www.marv.jp/special/pedal/

『ALL OUT!! THE STAGE』の準備を進めています。
http://allout-stage.com/

そして、
SHATNER of WONDER、5作目の発表となりました。
『破壊ランナー』です。
http://hakai-runner.com/

どの作品も、底力を出して、素晴らしい作品をお届けします。

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キティエンターテイメント×東映 Presents
SHATNER of WONDER #5
「破壊ランナー」


不可能を可能にする灼熱の音速アクター19人発表!
オフィシャルHP先行チケット実施!

<オフィシャルHP先行(抽選)>
受付期間:2017年2月4日(土)12:00〜2月13日(月)23:59
受付:http://w.pia.jp/s/hakairunner17of/

そのランナーたちは音速を超える。
生身の人間が音速で走るレースを、生身の舞台で演じ切る。
90年代、演劇界の常識を覆した伝説の傑作が、
SHATNER of WONDERに登場!

【作・演出】
西田シャトナー

【出演】
池田純矢

河原田巧也
米原幸佑
宮下雄也
平田裕一郎
白又 敦
伊万里 有
天羽尚吾
山川ありそ
竹内尚文
砂原健佑
加藤ひろたか
田中穂先
須藤 誠
堀家一希
鐘ヶ江 洸

鎌苅健太
兼崎健太郎
村田 充
【スケジュール】 
2017年4/21(金)〜4/30(日) 全13ステージ
4/21(金)   19:00
4/22(土)   13:00 / 17:00
4/23(日)   13:00
4/24(月)   14:00
4/26(水)   14:00 / 19:00
4/25(火)   休演日
4/27(木)   14:00
4/28(金)   19:00
4/29(土・祝) 13:00 / 17:00
4/30(日)   12:00 / 16:00
※開場時間:開演30分前


【会場】
Zeppブルーシアター六本木(東京都港区六本木5-11-12)

【チケット料金】
全席指定 7,900円(税込)
※未就学児入場不可

【一般発売】
3月12日(日)10:00

【オフィシャルHP】
http://hakai-runner.com

【オフィシャルTwitter】
@SHATNERofWONDER

主催:「破壊ランナー」製作委員会
   (キティエンターテインメント・東映・テレビ朝日・東京音協
      ・Zeppブルーシアター六本木運営委員会)
企画・製作:キティエンターテインメント・東映

公演に関するお知らせ:東京音協 03-5774-3030(平日11:00〜17:00)



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December 07, 2016

12月になった。
10月の芝居が終わってから、
ずっと来年の芝居のための準備をしている。

家の前にあったカエデの葉が落ちて、道が黄色くなっている。
毎日どんどん寒くなるし、すでに一度雪がふったりしたけれど、
時々暖かい昼間もあって、
たまにはベランダで仕事をしている。

先月、来年の芝居のための出演者のオーディションがあった。
選ぶというより、
我々を選んでいただく気持ちで臨んだ。
面白い、素晴らしい出演者が集まったと思う。

もうすぐ来年になる。
楽しい年にしたい。
まわりを楽しませる年にしたい。

写真 2016-11-21 14 27 13


未来もまた人類に残された開拓地だな。

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October 14, 2016

11月になっている。
寒い日が増えた。
雨が降った日は、手が冷たい。
秋は、冬がやってくる時のドップラー効果のようなものかもしれない。

1か月前、
舞台『弱虫ペダル』〜箱根学新世代、始動〜 の初日があけ、
そして終わった。
王者と言われた若者たちが、
新しい戦いのために立ち上がろうとする。
ただ立ち上がとうとするだけの物語だった。
新しい戦いが始まらない以上、
自分たちが立ち上がっているかどうかを自覚する術はない。
ずっと、立ち上がろうとし続けるしかない。
その永遠のような日々の青春の物語だ。
自分のことのように感じながら、
肚の底から芝居を作った。

manzoさんと一緒に作った歌の歌詞に、
「友よ仲間よ 僕のペダルに力は宿っているか」
という言葉がある。
この言葉を役者たちが歌う、その声を聴くのが好きだった。

--------------

引っ越しをして、荷物をたくさん整理した。
失くしたと思っていた、昔書いた戯曲を見つけた。
昔一緒に劇団をやっていた仲間たちとの写真を見つけた。
劇団を始めた頃の、仲間からの燃えるような手紙を見つけた。
劇団を始める前の、ただの友人だった頃の仲間からの、
何気ない年賀状を見つけた。
写真や手紙があって良かった。

--------------

今、来年の芝居のための準備の日々です。
一生懸命やります。

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October 06, 2016

写真 2016-08-22 8 41 03


10月になった。
まだ暑い日も時々あって、
時には真夏のようにすごく暑い日もあり、
そういう日にはアロハを着ている。

舞台『弱虫ペダル』〜箱根学新世代、始動〜が、始まっている。
東京公演は終わり、
今、大阪公演に向けて劇場で作業をしている。
面白いカンパニーになった。
俳優同士、スタッフ、皆の間に電流が行き交っている。
勤勉に、楽しく、無駄口少なく。
原作の向うの空間にいる葦木場や泉田や手嶋たちにも、
喜んでもらえているといいな。
きっと喜んでくれてるんじゃないかな。

東京で初日が開く日、
僕と妻は名古屋から東京に引っ越した。
名古屋では12年過ごした。
大好きな街だ。
公園と、空と、街と、カフェがあり、
友達のいる街だ。
皆、穏やかで明るかった。
名古屋の街で僕はいろんなものを見つけた。
自分の中の重要なものを見つけたりもした。
またこの街で芝居を作る日がくるよう、
頑張ります。

写真 2016-09-03 12 10 26

これは、9月1日に参加したライブの写真。
「The NEW-HOTELS」というバンドを組みました。
ずっと作りたかった、自分のピックも作ったよ。
写真 2016-08-23 0 02 17

新しい僕の書斎には、
U.S.Sエンタープライズ号の小さな模型が置いてあります。
写真 2016-09-08 1 27 08


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August 17, 2016

写真 2016-08-13 0 13 31

9月1日(木)・2日(金)に高円寺club Mission'sで開催される、
『第10回 うたう知人の会』
というライブに出ます。
僕の出番は9月1日。

「小劇場のバンドが肩よせあった、
あまりのゆるさにむしろ心温まるライブ」
…というコンセプトの、なごやかで楽しそうなライブ。
6月の『熱闘!! 飛龍小学校☆パワード』にも出演してくれた宮崎陽介さんに誘われて、
僕はギターと歌で参加します。
宮崎さんのバンドとも一緒に演奏させてもらいます。
良かったらワンドリンク飲みがてら、聴きに来てね。

『第10回 うたう知人の会』
<日時>
9月1日(木)開場18:30 開演19:00
<料金>
チャージ2,000円 + 1ドリンク500円
<出演>
サンソン狂うセダーズ(イチキ游子、田中嘉治郎&guest 津田タカシゲ、竹井亮介)
MOCKZ(YO-suke、エディー、村上渡)
KOφWY(大堀光威、岡野直史、宮崎陽介、井本洋平)
T(田中嘉治郎、津田タカシゲ、竹井亮介)
めがねの味わい(宮本奈津美、岸野聡子、細川洋平、ウクレレ原田)
NICE
西田シャトナー

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先日。
大阪のHEPホールにて、
劇団「ポップンマッシュルームチキン野郎」の公演に、
日替わりゲストとして出演させていただいた。
大阪で舞台に立つのは12年ぶりである。
とても、とても、楽しかった。
PMC野郎の作品自体、最高に素晴らしくて、
大阪の観客にどかんどかんと受けていた。
そしてラストシーンでは皆感動して、涙を流していた。
PMC野郎は、東京の劇団。
僕と一緒に惑星ピスタチオをやっていた登紀子が、
現在プロデューサーとして参加してる。
これが彼らの初めての旅公演で、
その場所が、僕らがずっと本拠地にしていた大阪・梅田の小劇場だったのだ。
とても誇らしい気持ちになりました。

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51歳になり、一週間が経った。
毎日戯曲を書いてる。
スケジュールに余裕はないのだけど、
誕生日もあったし、2日くらいは休んだ。
夏を感じてる。
一生懸命やってる。

劇団を解散した35歳の時に、
目の前が燃え尽きて真っ暗になり、
「なぜ自分は今70歳じゃないのだ。
と思って日々を過ごしていた。
人生の終わりのような気持で、
毎日空を眺めていた。

その頃から16年経った。

いつのまにまた一生懸命生きる日々が始まったのか、
あまり思い出せない。
ぼんやりした夢のような日々と、
現実感にまみれた今の日々は地続きで、
どこかにはっきりした境界線はないようだ。
僕はまだ51歳で、
70歳までは19年も残ってる。

人生の、大きな、2回目の夏に入っている気がしている。

今、とても、
頑張ってやっていこうと思っています。
空だけでなく、
自分の仲間や家族や観客の顔を見て、
しっかり生きて行こうと思っています。

nishidashatner at 16:43コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote

August 13, 2016

写真 2016-08-13 0 20 16


51歳になった。
ちゃんと空や花を見て、毎日を一生懸命歩いていこうと思う。

セミが少ない夏だ。
だけど長い。
もうずっと夏が続いてる気がする。

東京の演劇仲間で、
俳優でありドラマーであり映像作家でもある宮崎陽介さんが、
写真を撮ってくれた。

夏の終わりにライブに出るよ。

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ムッシュ・モウソワール『レッド・ジャケット』のDVD編集が終わった。
編集をしながら、僕もスタッフも、
何回も笑った。
そして感動した。
俳優たちの渾身の演技が余すことなく撮られている。
最高のディスクになりましたよ。

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今日から大阪HEPホールで、
僕が大好きな劇団、ポップン・マッシュルーム・チキン野郎の、
めちゃめちゃ面白い芝居
『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』
が始まるよ。
15日の昼の回には、僕も日替わりゲストで出演させてもらいます。
大阪で舞台に立つのは12年ぶりかな?
是非見に来てください。
最高の芝居です。
http://pmcyaro.com/stage/22_uchinoinu/sp/

公演Tシャツがとても良くて、
実は僕が絵を描かせていただいているのです。
是非こちらも!
犬コロ2016TシャツデザインB02


nishidashatner at 08:23コメント(1)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote
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