February 09, 2012

3日前。
舞台『弱虫ペダル』の最後のステージが終わった。
不可能に挑んだ芝居だった。
だけど僕はカークの子供だからね。
不可能に挑むことが僕の道。
それに、一緒に挑んでくれる仲間もいた。
諦めずにやった。
やって良かった。
すごく良かった。
僕らは稽古場で、ずっと笑っていた。
劇場でも、ずっと笑っていた。

千秋楽のアンコールは、
30分続いた。
トイレに行きたいのに我慢して付き合ってくださった皆さん、
すみません。
袖で、僕らは抱き合った。
終わったんじゃなくて、
「始まった」
そう思った。

ありがとう、小野田坂道。
ありがとう、弱虫ペダル。
ありがとう、渡辺先生。
ありがとう、キャストの皆。
ありがとう、スタッフの皆。
ありがとう、劇場の皆さん。
ありがとう、プロデューサーたち。
ありがとう、なるせさん、manzoさん、桃井さん。
そして、ありがとう、観客の皆さん。
皆が、舞台に、山を、海を、道を見てくれたから、
僕らはそこを走ることができたよ。

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僕の、西田シャトナーという名前は、
初代『スター・トレック』の出演者、ウィリアム・シャトナーの名前を
勝手にいただいたものだ。
彼が演じたのは、
ジェイムズ T.カーク船長である。
カークを支えているのはロマン。
未知の宇宙に挑み、危険に臆さず、決して諦めず、
驚異的な解決法を思いつき…そして友情と責任に厚く生きる。
賛同者が現れるのを待っていては間に合わないような危機の中、
たったひとり、決断する。
僕は演劇を始める時、彼のように生きる自分になりたいと願った。
今でもその願いを忘れたことはない。

ずっとないだろう。

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これから『破壊ランナー』が始まる。
音速のランナーたちが、僕を手ぐすね引いて待っている。
さらなる未知の彼方へ、僕は行く。

http://www.hakairunner.com/

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diary:N氏の普通日記MIX 

February 06, 2012

今日。
舞台『弱虫ペダル』千秋楽ステージが、
ニコニコ生放送でネット中継される。
ここで。
ただ芝居をやってるところを放送してもらうんじゃなくて、
ちゃんと、
舞台のその場の観客とカメラの向こうの観客たち、
全ての観客に向けて、演技をするよ。

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『弱虫ペダル』。
5日前に初日が開いた。
僕らはペダルを、
漕いで、漕いで、
踏んで、踏んで、
回して、回してる。

漫画は、平面に描いた絵を使って、
小説は、文字を使って、
それで、観客の頭の中に、
どんな光景だって描いてしまう。
芝居にだって、それができる。

僕の作品は、観客の胸の中で完成する。
僕のキャンバスは、
舞台の板ではなく、
観客の胸なのだ。
舞台は、キャンパスではなくて、「筆」だ。
胸の中に作品を描く、そんな特別な筆を作るべく、
僕は一生懸命脚本を書き、
演出プランを考え、
役者と一緒に芝居を作るのだ。

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diary:N氏の普通日記MIX 

January 31, 2012

僕は、明後日(正式には明日)、
『弱虫ペダル』の本番初日。
http://www.maql.co.jp/special/pedal/

保村大和も、同じ日、
『審判』の本番初日。
http://ameblo.jp/blues-company/

やるよ、僕は。
小野田坂道のように。
踏んで踏んで踏んで、
回して回して回す。

坂道、お前が不可能に挑むから、
僕も不可能に挑んでしまうんだ。

『審判』に一人でいどむことに比べたら、
僕の目の前の激坂なんか、
ただの坂なんだ。

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diary:N氏の普通日記MIX 

January 30, 2012

『破壊ランナー』も迫ってるが、
『弱虫ペダル』はもう本番目前。

またもや、常識はずれの運動量を
役者に要求する芝居になった。
主人公、小野田坂道を演じる 村井良大くんは、
中でも飛びぬけて、運動量をこなしている。
しかも笑顔で。

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役者にね、
「駄目なところを指摘」するのは超簡単。
「ダメなところを指摘して、良い所も言う」のはまあまあ簡単。
「いいとこだけ言う」…これだけでいい芝居つくるのは、とても腕が要る。
僕も、目指したいところだ。
なかなかできないけれども。

でもね、
やってみるとわかるんだけど、まず、
その役者の良いとこばっかりに着目して付き合って、
良いとこを拡大してくと。
すると、最初気になってた「欠点」が、さほど問題ではなくなったり、
あるいは全然問題ではなくなったり、
場合によってはそれが長所に化けること、ある。

逆に、欠点に着目することから始めると、
最初「良い」と感じた部分も、
やがて良くなく感じてきて、
しまいにはそれも欠点に化ける、なんてこともある。

長所に注目するというスタートの重要な点は、
つまり、観察者である自分側の感性が、
「長所に気付きやい感性」になる、
という点だ。
最初に、何かを「欠点」と思ったのは、
自分側の感性の貧しさや、
勘違いゆえかもしれないのだ。
ひとの長所に気付きまくる自分になった方が、
いいもんね。

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diary:N氏の普通日記MIX 

January 28, 2012

皆さん。
本日、『破壊ランナー』のチケット、
一般発売開始です!
http://www.hakairunner.com/
素晴らしいメンバーもそろいました。
度肝を抜く、
新しい『破壊ランナー』を作ります!
是非、ご期待を!

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(今回の破壊ランナー、
いろいろ新しくなるけれど。
最初に破壊ランナーを作った頃の話)

27歳だった。
劇団を始めて、3年目になっていた。
僕は自分の才能とか能力に、
なんの自信もなかった。
その代わり決意だけをいつも、
心に燃やしていた。

僕は凡人だけど。
どんな天才もたどり着こうとしないところへ、
「たどり着こうと し続けよう」。
遠すぎて、天才たちも行こうとしない場所を、
本気で目指そう。
天才ですら行くことを諦めるほどの場所だから、
僕ごとき凡人にんは、
近づくこともできないかもしれない。
それでも、
本気で目指す。
そのことだけは胸に抱いて生きよう、

そう決意していた。
いつも、実際にそうして生きていた。

僕の劇団は、
天才と思われる先人たちの挑もうとしない風景や
取り上げもなかった物語に挑んだ。
「馬鹿な奴らだ」と周りには思われていたようだけど、
周囲にどう思われようと、
この決意の炎、
それだけは誇りだったのである。

『破壊ランナー』は、
そんな中で作り始めた。
音速のレース。
映画でも容易ではない光景と物語を、
生身の俳優だけで演じ切るのだ。
周囲は皆「無理だろう」と言った。
それを聞いて僕は、
「よし、たぶん天才でも挑まなさそうだぞ」
といつものように、思った。

ところで、
この物語の主人公、豹二郎ダイアモンドも、
物語の中で、
それまでの人類記録を50%以上も上回る速度に挑む。
恋人ですらそれを馬鹿にする。
誰も信じない。

彼に、
僕は、自分の決意を重ねていた。

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January 27, 2012

東京。
数日前に雪が降り、
今も日陰の奥深い場所には、
わずかに雪が溶けず残っている。
晴れた日も。

舞台『弱虫ペダル」、公演初日まであと少し。
現場は、「のって」る。
おそらく誰も来たことのない、
すくなくとも自分体は来たことのない道を、
離陸に向けて走っている。
油断せぬように、油断せぬように、
自分と言う機体を磨きぬいて、
そしてエンジンを回し続けている。
そんな感覚。

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俳優が、登場人物の内面を深く演じる時。
深く深く、本当の内面を演じる時。
それは深すぎて、観客に直接は伝わらないかもしれない。
だけど、共演者には必ず伝わる。
スタッフにも伝わる。
すると、共演者の演技とスタッフの気配が変わる。
それを、「あの俳優が登場すると、空気が変わる」って言うのさ。

表面を巧みに演じたり、
内面をわかりやすい状態で表面に出したり、
そういう演技は、観客に直接伝わるから、
ついついやりたくなる。俳優はね。
だけど、共演者やスタッフを信じて、
内面を、深く深く演じてみるのも、
とても素晴らしいことなのだ。

直接、心の演技が客席にとどかなくても。
その役者のまわりの空気の変化、
それは観客の目に見える。
拡大された形で、
心の演技は結局、観客に届くのだ。

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January 22, 2012

芝居の演出してると、
「今僕が事故とかで死んだら、
 この芝居どう作ったらいいかわかんなくて
 皆、困るだろうなー」
と思い、より用心深く生活する。
でもある日、
「あ、もうここまで作ったら、
 あとは僕が死んでも現場の皆でなんとかできる!」
って段階に達する。
先日、
そろそろその段階に達したなあ、
と、弱虫ペダルについて思った夜。
夢の中で、僕に電話があった。
国際電話だった。
電話をかけてきた主は、英語で、
「おい、こっちで一緒に仕事しようぜ」
と僕に言う。
僕はその人から誘われたのが嬉しくて、
一生懸命返事をしたけれど、
僕の英語の発音が悪くて、全然話が通じない。

その電話の主は、
カート・コバーンだった。
夢から覚めて、気付いたのだ。

もし話が通じてたら、
目覚めなかったのかな?
とか思ったよ。

yamato_omote


僕が舞台・弱虫ペダルをやる日、
保村大和がひとり芝居「審判」を上演する。
人間の尊厳を、
圧倒的な台詞量で描く、
2時間半の芝居。
常人には上演不可能と言われる、
伝説の戯曲なのだ。

観て欲しいのです。
僕の芝居も見て欲しいけど、
この保村大和の「審判」を!

http://ameblo.jp/blues-company/

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January 20, 2012

東京。
毎日、寒い。
電車に乗り、稽古場へゆく。
僕は演出なので、稽古で体を動かすことは特にない。
脚を痛めてもいるしね。
でも、稽古場で僕は、
必ずジャージに着替えて運動靴をはく。
その方が、頭が働く。
芝居のアイディアが出る。

座した時の僕と、
走る準備だけでもできている時の僕と、
何かが違う。

いろんなシーンを作るたび、
ほんの1ミリずつ、世界を動かしている感覚がある。
逆に言えば、
世界が動くような感覚のあるアイディアしか採用しない。
そういうアイディアは簡単には出てこないから、
僕はジャージを着て、運動靴になる。
頭脳に頼らず、
感覚を解放し、
1ミリずつ、1ミリずつ。
たぐるように前に進む。

今、稽古場には、
ハンドルと、車輪と、
そしてロードレーサーの実車がそろっている。
いろいろなことをして、
レースを表現するよ。

mannzoさんからの音楽が次々に上がってきている。
名曲ぞろい。
役者のためにmannzoさん自らが
参考ヴォーカルを入れてくれてる曲もあって。
それがとても美しく熱く切ない。
何度も皆で、稽古場で聴く。

噂に聞いた「はらドーナツ」を、食べた。
甘さがほんの1ミリあって、
僕の体を優しく揺らす。
美味しい。

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January 17, 2012

17年前、
破壊ランナーの千秋楽が終わった翌朝。
街が壊れ、僕の自信も誇りも壊れた。
自分のやっていることの役立たなさに耐えられず、
僕は芝居をやめようと思った。
被災者である劇団員たちがやめたくないと言い、
ひきずられる形で僕は続けた。
続ける意味を探すのに何年か、かかった。
意味をやっと見つけた頃、
僕はひとりになっていた。
今、僕ははっきりと、続けている。
未来のために続けてるのだ。

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January 16, 2012

昔…「破壊ランナー」を着想した時。
僕は、誰も(科学者すら)信じないような、
自分すら信じることが難しいような目標に向かって
突き進む主人公を描こうと思った。
それでね、
その主人公の芝居を作るなら、
僕自身も挑まねばならないと思ったのだ。
音速のレースを、舞台で、ナマの俳優だけでやり切る。
挑むしかないと思った。

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てなふうに音速レースに挑んだ1993年があって。
そして、2012年の「弱虫ペダル」がある。
あの時の成果が体に蓄えられていたおかげで、
自転車レースにも、挑もうと思えたのだ。

不可能そうなことも、
本当に不可能かどうか、
挑んでみなければわからないもんね
やってみれば、意外に不可能でないケースは多い。
多いね。

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金髪に帽子の少年-02



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