2013年11月
2013年11月24日 18:49
いつか中年の女性が尋ねてきた。筆者が細々ながら翻訳をやっているのを見て羨ましいと言った。何処かの大学の英文科を出た人らしかった。事情あって家を出て勤めたいが多年家庭の主婦だった者を採ってくれる企業なんてないだろうし、あったとしても「検定教科書と傾向と対策」なら、学校教材なら読めるという程度の語学力では企業の仕事はこなせないであろう。学習塾からの報酬では何処にも足りず、止む無く総てを棄てて生命保険のdoor-to-door cavassingに憂き身をやつすという次第になってしまったらしい。気の毒だがどうもしてあげられなかった。処で世の総ての英文科出身女性にこうした不幸が降掛る危険はないのであろうか。
器楽演奏のプロを育成する目的の東音（東京音楽学校＝東京藝術大学）本科器楽科を出て日本交響楽団（NHK交響楽団）のｵｰﾃﾞｨｼｮﾝに合格して入団しながら外人指揮者に好かれなかったとかで退団させられ、音楽大学の非常勤講師ぐらいの収入では全くやっていけなかったらしく、総てを棄てて音楽と何の関係もない、学歴のない者で間に合う只の商業に甘んぜざるを得なくなったのが遠山均氏（仮名）である。上記生保女性は英吾の遠山氏だというべきか。
筆者の場合、もともと理科志望だったのにうまくいかなくて焦って英語で行こうかとG大学英文科に入ってみたが英語の力は全く身に付かなかった。学費が日本一高い大学だったが、更に浪費ばかりを続けた筆者であった。親は此の高度の出費を殆ど黙って払い続けてくれた。あのまま理科を受け続けたなら、なんて思ったりしたのだが出直しなんて不可能、総てをこらえて自分で自分に向いた英語学習法を考え出して或る期間実行してみたらいちおう技術論文の英訳ぐらいならできるようになり、今では「英米人より上の英文を書いているぞ、東大、産総研か翻訳注文を取っているぞ」なんてキザなことを言って兎も角も翻訳を続行している。
英文科を出たばかりの頃は筆者も「検定教科書と傾向と対策」なら読めるという程度であったろうけれど、或るとき英語教科書出版でとうじ有名だった開隆堂が朝日に出した英語図書編集員募集に応じた。試験には一番で受かったのに開隆堂はどういうわけか採用してくれなかった。其のため止む無く語学と何の関係もない仕事に回る他なかった。此れではオレは英語の遠山均さんに過ぎないな、生涯こんなままで終わるのかなと憂鬱になった。
然し独自開発の英語学習法がやがて奏効して今くらいの力は身に付け得てきた。此の間に藤田五郎教授と親交を重ねることになったりはしたが、此れは経済的には全くマイナスのもの、収益は得られず、親兄弟に大幅なる負担を掛けてしまったことになる。其のことを思うと今でもただ済まない気持ちで一杯である。並の日本人にはできない仕事をやっているんだぞというorgueilが心の支えであったがorgueilだけではメシは食えるはずない。語学なんか潔く棄てて儲けの多い商売をやって親に裕福な生活をさせてやるべきであったかな、なんて時どき思う。親は日本とはこんな程度の国であり、西川家は其の日本の社会でこんな程度の地位にしか留まれないのだ、と信じたまま死んでいったのだろう。後に日本は高度成長期に入り一時は世界第二の経済大国だ、なんて称するに到った。（こんな程度で世界第二!？）西川家もあの頃に較べれば少しは豊かにはなったようだが親に貧困を強いてしまったという自責の念には今も付き纏われている。
器楽演奏のプロを育成する目的の東音（東京音楽学校＝東京藝術大学）本科器楽科を出て日本交響楽団（NHK交響楽団）のｵｰﾃﾞｨｼｮﾝに合格して入団しながら外人指揮者に好かれなかったとかで退団させられ、音楽大学の非常勤講師ぐらいの収入では全くやっていけなかったらしく、総てを棄てて音楽と何の関係もない、学歴のない者で間に合う只の商業に甘んぜざるを得なくなったのが遠山均氏（仮名）である。上記生保女性は英吾の遠山氏だというべきか。
筆者の場合、もともと理科志望だったのにうまくいかなくて焦って英語で行こうかとG大学英文科に入ってみたが英語の力は全く身に付かなかった。学費が日本一高い大学だったが、更に浪費ばかりを続けた筆者であった。親は此の高度の出費を殆ど黙って払い続けてくれた。あのまま理科を受け続けたなら、なんて思ったりしたのだが出直しなんて不可能、総てをこらえて自分で自分に向いた英語学習法を考え出して或る期間実行してみたらいちおう技術論文の英訳ぐらいならできるようになり、今では「英米人より上の英文を書いているぞ、東大、産総研か翻訳注文を取っているぞ」なんてキザなことを言って兎も角も翻訳を続行している。
英文科を出たばかりの頃は筆者も「検定教科書と傾向と対策」なら読めるという程度であったろうけれど、或るとき英語教科書出版でとうじ有名だった開隆堂が朝日に出した英語図書編集員募集に応じた。試験には一番で受かったのに開隆堂はどういうわけか採用してくれなかった。其のため止む無く語学と何の関係もない仕事に回る他なかった。此れではオレは英語の遠山均さんに過ぎないな、生涯こんなままで終わるのかなと憂鬱になった。
然し独自開発の英語学習法がやがて奏効して今くらいの力は身に付け得てきた。此の間に藤田五郎教授と親交を重ねることになったりはしたが、此れは経済的には全くマイナスのもの、収益は得られず、親兄弟に大幅なる負担を掛けてしまったことになる。其のことを思うと今でもただ済まない気持ちで一杯である。並の日本人にはできない仕事をやっているんだぞというorgueilが心の支えであったがorgueilだけではメシは食えるはずない。語学なんか潔く棄てて儲けの多い商売をやって親に裕福な生活をさせてやるべきであったかな、なんて時どき思う。親は日本とはこんな程度の国であり、西川家は其の日本の社会でこんな程度の地位にしか留まれないのだ、と信じたまま死んでいったのだろう。後に日本は高度成長期に入り一時は世界第二の経済大国だ、なんて称するに到った。（こんな程度で世界第二!？）西川家もあの頃に較べれば少しは豊かにはなったようだが親に貧困を強いてしまったという自責の念には今も付き纏われている。
2013年11月13日 16:33
相撲の場合、八百長をやったら重大問題だそうだがプロレスが八百長であることは誰もが想像しているであろう。未だ昭和だった頃、筆者は翻訳創業を決意して、先ず先輩翻訳業者を、今後お引き立てを願うと、表敬訪問して回った。原宿の翻訳会社に行ったところプロレス協会の者が居合わせた。此れで数度目らしかったが日本プロレス･チームとアメリカ･チームとで試合をするに当ってのagreementsを作成してくれということのようだった。両チームはリング場随所でエキサイトするが結局はアントニオ猪木側が勝利を収める、入場料収益はアントニオ側６、アメリカ側４で分けるという内容で、此の翻訳会社の社長が英訳し筆者が、無報酬仕事だったが、タイプ浄書して手渡した。後に八百長の専門家猪木が選挙で当選し、国会議員になった。何らかの面で有名であれば、つまり所謂知名度さえ高ければ、其のポリチカル・オピニオンの如何に関わらず当選するという傾向は実に根強い。筆者の恩人、伊東祐起先生はポリチカル･オピニオンは一流の方であっが知名度あまりにも低く、落選であった。新人がいきなり衆院選に出るのは見込みが低い。猪木は議員になったら八百長でなく真剣に議員任務を果たすのであろうか。ただ見守る他ない。自己の知名度だけを頼りに規則を無視して勝手に北朝鮮に出向いた。ポイント稼ぎを企てのだろう。懲罰を受けて当然だ。
2013年11月10日 16:28
2013年11月02日 21:44
遥かに若い国アメリカから来た黒船艦隊に太平の夢を破られた日本、大慌てで近代化を進め比較的短期間で形の上では近代国家になったらしい。後発国アメリカからきた外人さんが日本人に酪農を教え、札幌農学校を設立させ、其れが後年北海道大学になったという。僅か一年日本に滞在し8ヶ月間日本人に影響を及ぼしたという此の外人さんを神様みたいにいって銅像まで建てた。さいきんNHKテレビで見た。クラーク博士と呼ばれる此の外人さんが日本を去るに際して日本の青年たちに対して、
Boys, be ambitious!
と言ったという。此れを字句どおりに解釈して「少年よ、大志をいだけ」としているが果たしてそうであろうか。英語辞書でboyを引くと「少年」と出ているが、若くない男性をboyと呼ぶのは英語世界では普通であろう。「大志」なんていう詞を日常使うなんて以前だって今だったあまりやらないだろう。外人さんは日本の若者たちに対して軽い気持ちで「男なら、やってみな」の程度で発言したのではないか。もう分りようのない事柄であるが。
以 上
Boys, be ambitious!
と言ったという。此れを字句どおりに解釈して「少年よ、大志をいだけ」としているが果たしてそうであろうか。英語辞書でboyを引くと「少年」と出ているが、若くない男性をboyと呼ぶのは英語世界では普通であろう。「大志」なんていう詞を日常使うなんて以前だって今だったあまりやらないだろう。外人さんは日本の若者たちに対して軽い気持ちで「男なら、やってみな」の程度で発言したのではないか。もう分りようのない事柄であるが。
以 上
