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2015年03月06日

書評みたいなもの:山本朋史「ボケてたまるか」

早期治療を受ければ「認知症」は治るらしい

「ボケてたまるか!」を読んだ。このイージーなタイトルの本はアマゾンで五冊も出てくる。伊東四朗、はらたいら、金子満雄、明治製菓広報室、そして一番新しいのが、山本朋史「ボケてたまるか! 62歳記者認知症早期治療実体験ルポ」である(朝日新聞出版、2014)。

62歳の記者による、認知症早期治療現場の体当たりルポ、ではない。筆者自身が「症状はまだ軽いが認知障害の疑いがある。まだ認知症までは進んでいない。しかしこのまま放置すると数年後には認知症になる可能性がある」と診断された患者なのだ。彼は「ボケてたまるか!」と専門医が推進する認知症早期治療に賭けた。その実体験ルポ。このご時世、なかなかナイスな企画である。

前期高齢者でさえない記者は、61歳を過ぎた頃から脳の異常を自覚する。物忘れが重なったが、加齢のせいにしてきた。ところが、あるとき取材日程のダブルブッキングという、今までの記者人生でありえないことが起こってしまた。認知症かもしれない。不安で夜も眠れなくなる。

医療関係者に相談して、東京医科歯科大学病院神経科の「もの忘れ外来」に飛び込む。結果、前述の診断が下された。受けることになった認知症早期治療は、仕事と両立できるのか。週刊朝日のデスクに相談すると、その治療の実体験をルポすればいいと提案され連載が始まった。300日間の記録を再構成したのがこの本。治療費は自己負担だった。

筑波大学附属病院でのトレーニングが始まる。南千住の自宅から約2時間のつくばの病院へ。午前9時から午後3時半まで、男女30人以上が参加するグループワークだ。認知機能ゲーム「アタマ倶楽部」での集中トレーニング、簡単なゲームで高齢者たちに惨敗。参加者たちはみな必死で「認知力アップデイケア」をこなしていく。柔軟体操、ステップダンス、筋力・歩行・敏捷性テスト、耐久力比べなど、すべて記録され順位が発表される。

こうして笑いと汗と格闘の日々が綴られてゆき、非常に興味深い。だが、このような先進的な認知力アップトレーニングは、まだ限られた病院でしか受けられない。認知症早期治療の最前線を、身を以て体験する非常に価値のあるレポートだ。

健常者からいきなり認知症になる人はいない。最初は必ずMCI(軽度認知障害)という通過点がある。ここで治療すれば治る可能性も高い。何もしないで放置すると症状が進み本当の認知症になってしまう。

初めて知ることだが、筋力トレーニングが高齢者の認知機能に顕著な効果があるという。MCIからもとに戻るために一番効果のある運動は、負荷のかかる強めの筋トレである、という「本山式筋トレ」が写真入りで解説されている。これは非常に価値ある情報だ(発売中の「週刊新潮」3/12号の特集「超早期[アルツハイマー病]完全対策」にも「本山式トレーニング」が掲載されている)

筆者はいまも回復を信じて早期治療にいっそう励んでいるという。最近もの忘れが多いと思う人、その程度が高い人はこの本を読むべし。以下に認知症についての基礎知識を記す。「アルツハイマー病情報サイト」より。

・認知症とは、認知機能(思考力、記憶力、論理的推理力)や行動能力が、日常の生活や活動を妨げる程度にまで失われる状態を指します。認知症の重症度は、その人の機能に影響が及びはじめる最も軽度の段階から、日常生活の基本的な活動について完全に他人に依存しなければならない最も重度の段階まで様々です。

・認知症は、様々な病態や疾患が原因で生じます。高齢者における認知症の原因の上位2つは、アルツハイマー病と、数回にわたる脳卒中または脳への血液供給の変化によって生じる、血管性認知症です。

・アルツハイマー病は、不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われる病気です。ほとんどのアルツハイマー病の患者では、60歳以降に初めて症状が現れます。アルツハイマー病は、高齢者における認知症の最も一般的な原因です。現在のところ、この深刻な疾患に対する治療法はありません。

(やたら怒りやすくなった、というのも危険信号。自分も危ないと感じている39世代男)

ぼけて

 



nishiko39 at 11:34│Comments(0)書評みたいなもの: 

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