2007年09月11日

「正しさの定義」

9月11日

おひさし日記・・・。


   短編ドラマin武蔵野線

   主題「正しさの定義」

   ・9月の夕暮れ時、夏が終わろうとしているのにまだ残暑を感じる

   ・武蔵野線の車内。

   ・ラッシュの少し前ということもあり人もまばらで車内は閑散としている。

   ・卓朗はいつものように ipod を聞きながらサッカー雑誌に目を通している。

   ・すると西浦和から3人の乗客が自分の左斜め向かいのブロックの席に

   ・腰をおろした。

   ・小学生低学年くらいであろうか、子供ふたりに、やや若作りをしている

   ・30代後半の母親。

   ・雑誌をひらきつつ、片目でチラチラ目をやっていると、DS片手に

   ・大騒ぎしている。 ipod 越しに聞こえるのだから、結構な騒音だ。

   ・{うるせぇな〜・・・。ガキもガキだが、母親も化粧なんて直して

   ・ないで注意せんかい!}

   ・やがて乗り換えの駅が近づき、早めに席を立つ卓朗。

   ・するとうるさいガキ二人と若作りの母親の向かいのブロックの席には

   ・コカコーラzeroのカンが落ちているではないか!

   ・「チッ」{誰がこんな非常識なことを!}

   ・{この非常識なうるさいガキ達と若作りの母親に、常識ある自分は

   ・こんな時どうするかってことを見せてやるぜぇ}

   ・そう意気込みながら、堂々とカンを拾う卓朗。

   ・するとコカコーラzeroの黒いカンからは残った中身が少しばかり

   ・流れ出ているではないか!

   ・「うっっ」

   ・乗り換えの駅につきドアがひらく。

   ・{このままカンを持ち去れば、気付きながらも誰も拾わない空き缶を

   ・拾ったヒーローとしてあの親子の間では語り継がれる事だろう。しかし

   ・拾うことによって、流れ出たコカコーラzeroの上に座ってしまう犠牲者が

   ・出てしまう可能性も・・・。疲れた1日の終わり、帰宅途中にコカコーラzero

   ・でベタベタになった席に座ってしまったら、その精神的ダメージは

   ・計り知れない。次の日会社を休んでしまう可能性すらはらんでいる・・・。

   ・そこに座った人が平社員ならともかく{注、平社員を軽んじてわけじゃ

   ・ありません}、重役級の社員で明日重要な会議があり

   ・それを欠席されては会社の運命も変わりかねない。

   ・いやいや、重役級は車出勤か・・・。

   ・でもこの eco の時代、車出勤を控えて電車を使う意識の高い重役かも・・・。

   ・カンがあればそこは危険地帯ということを表す充分な証拠となる。

   ・拾ってわざわざトラップ{罠}を仕掛けることになりかねない・・・。

   ・待てよ・・・。カンが拾われずににおいてあるこの状況は頭の良い誰かが

   ・そこまで深く計算し尽された結果なのかも・・・。

   ・小さな親切大きなお世話ってのがこの状況か・・・。

   ・う〜〜〜〜ん}

   ・ドアが開きカンを拾い上げてから考える時間がわずか5秒程。その間に

   ・おきている出来事である。

   ・{このカンを拾い上げたあと、あえて戻すこの深い意味をはたして

   ・非常識なうるさいガキと若作りの母親がわかるだろうか・・・}

   ・{いや絶対にわかるまい・・・。この3人には拾わなかったら

   ・カンも拾えないチキン野郎として一生語り継がれることだろう}

   ・{どうする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・}

   ・{えぃ!}

   ・カンを拾い上げ閉まりかけたドアにぶつかりながら、下車する卓朗。

   ・息を切らしながら、ゴミ箱にコカコーラzeroのカンを放り込む。

   ・膝に両手をあてながら・・・{自分は正しいことをしたのだろうか・・・}

   ・と打ちひしがれる卓朗。

   ・{あそこの席に座るのが平社員であることを願うしかない・・・。

   ・いや平社員も重役級でも関係ない。あそこに座る人がコカコーラzeroの

   ・ベタベタに屈しない強いメンタルの持ち主であることを祈る!}

   

   これは実際に起きた出来事を忠実に再現したノンフィクションの物語です。

   読んでくれた読者の皆様が自分なりの答えを見つけ、この出来事をきっかけに

   「正しさとは?」という本質的な問題と向かい合う良い機会にしてもらえれば

   幸いです。




p.s


9日に双葉社から「サッカー批評」という季刊誌が出ました!

ここで「哲学的志向のフットボーラー西村卓朗を巡る物語」という記事を

ライターの川本梅花さんに書いて頂いたものが載っています!

「正しさの定義」とは違ったちゃんとした物語なので是非是非読んでみてください!

   

    





  

Posted by nishimura_takurou at 19:45│