日本の家族もなんと約八十パーセントが機能不全
私はこれまで何千人というアメリカ人を診療してきましたが、自分の育った家族の中で、親から受けた心の傷(トラウマ)を癒し、自分の子どもに同じ傷を与えないようにと、治療や勉強を続ける父親や母親たちのけなげな姿が浮かんできました。
私の経験では、約八十パーセントのアメリカ人が機能不全の家族の中で育っており、身体的、性的、精神的虐待(アビューズ)を受けて成長した人たちです。
こういう人たちが、健全な父親、母親のあり方を知らないのは当然だと思います。このようなアダルト・チルドレンと呼ばれる人たちは、精神療法を受け、山ほど出版されているその関係の本を読み、自助グループに参加し、ワークショップや勉強会に出席して、なみなみならぬ努力をして自己の改善につとめています。いまや、これは草の根的な社会ムーブメントとでも呼ぶべきものとなって、全米に広がっています。
ただ、日本もアメリカ人の彼が言ったとおりではなく、このごろは変わってきたと思います。私も七、八年前までは、日本では、精神的な問題を認め、真剣に考え、自分の人間としての成長に関心をもって精神療法やカウンセリングを受けたりすることは一般には受け入れられないだろうと思い込んでいました。
ところが、一九八九年以来、日本から依頼がくるようになり、毎年、講演、ワークショップ、グループ精神療法を日本の各地で行っています。年々、心理学に興味をもつ日本人が増え、自分の人間性を見なおし、心の成長に努力したいという人が増えています。
たしかに、アメリカより二十年ほど遅れているような気はしますが、家族から受けた心の傷を癒したい、次の世代に同じような不全な人間関係を伝えてしまいたくない、健全な行動、思考、感情、コミュニケーションの仕方を習いたいという切実な声が、私のところにも届くようになってきました。
私の見たところでは、アメリカと同様、日本の家族も八十パーセント近くが機能不全を起こしているように思われます。そして、まだ多くの日本人が、現実を直視しようとせず、家族のあり方が子どもにおよぼす影響について、真剣に考えようとはしていません。でも、変化は確実に起こっています。
ただ、そのことに気づきはじめても、まだ、自分が機能不全な家族から受けた心の傷をどうやって癒したらいいか、どのようにしたら機能する家族をつくっていくことができるのか、健全なペアレンティング(親業)とはなに…がわからないでいます。
そこで、アメリカで二十五年にわたって世界のいろいろな民族の人たちを治療してきた経験から、人間生活の基本ともいえる家族関係の中での父親業、母親業、すなわち親という仕事のあり方について、考えていきたいと思います。
私の経験では、約八十パーセントのアメリカ人が機能不全の家族の中で育っており、身体的、性的、精神的虐待(アビューズ)を受けて成長した人たちです。
こういう人たちが、健全な父親、母親のあり方を知らないのは当然だと思います。このようなアダルト・チルドレンと呼ばれる人たちは、精神療法を受け、山ほど出版されているその関係の本を読み、自助グループに参加し、ワークショップや勉強会に出席して、なみなみならぬ努力をして自己の改善につとめています。いまや、これは草の根的な社会ムーブメントとでも呼ぶべきものとなって、全米に広がっています。
ただ、日本もアメリカ人の彼が言ったとおりではなく、このごろは変わってきたと思います。私も七、八年前までは、日本では、精神的な問題を認め、真剣に考え、自分の人間としての成長に関心をもって精神療法やカウンセリングを受けたりすることは一般には受け入れられないだろうと思い込んでいました。
ところが、一九八九年以来、日本から依頼がくるようになり、毎年、講演、ワークショップ、グループ精神療法を日本の各地で行っています。年々、心理学に興味をもつ日本人が増え、自分の人間性を見なおし、心の成長に努力したいという人が増えています。
たしかに、アメリカより二十年ほど遅れているような気はしますが、家族から受けた心の傷を癒したい、次の世代に同じような不全な人間関係を伝えてしまいたくない、健全な行動、思考、感情、コミュニケーションの仕方を習いたいという切実な声が、私のところにも届くようになってきました。
私の見たところでは、アメリカと同様、日本の家族も八十パーセント近くが機能不全を起こしているように思われます。そして、まだ多くの日本人が、現実を直視しようとせず、家族のあり方が子どもにおよぼす影響について、真剣に考えようとはしていません。でも、変化は確実に起こっています。
ただ、そのことに気づきはじめても、まだ、自分が機能不全な家族から受けた心の傷をどうやって癒したらいいか、どのようにしたら機能する家族をつくっていくことができるのか、健全なペアレンティング(親業)とはなに…がわからないでいます。
そこで、アメリカで二十五年にわたって世界のいろいろな民族の人たちを治療してきた経験から、人間生活の基本ともいえる家族関係の中での父親業、母親業、すなわち親という仕事のあり方について、考えていきたいと思います。
nishiokazumi at 12:01│TrackBack(0)│機能不全家族