And juseppe loves her

にたないけんの生存と残像と記録

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にたないけん。

男。
1984年生まれ。
東京都葛飾区立石在住。

ひとりで歌とギターとハーモニカ。

高校生からずっとドラムを叩いていたが、2008年アコースティックギターを買って歌をつくって歌いはじめる。

ライブ演奏をするようになる。
都内でも地方でもライブハウスでも飲み屋でもどこでも歌うようになる。

2011年23曲入りの1st album(CD-R)をつくる(廃盤)
2013年20曲入りの2nd albumをつくる。
2015年9月10曲入りの3rd albumをつくる。
入手方法はライブ会場で購入するか通販のみですが、岡山の古本屋ながいひるにも置いてありますので、そこで買うこともできます。



2016年3月ロックバンド結成、名をジョズエ。
にたないけん:エレキギター、エレキハーモニカ、ボーカル
はなえもん:エレキギター、コーラス
うわがわこういち:エレキベース
たなかけいご:ドラム

ジョズエのホームページ


2017年10曲入りの1st albumをつくる。



twitter:@nitanaiken
instagram:wagahaiken



いついきなりきみとであってもいいように
ぼくはきょうもちいさな歌をじゅんびしている
この歌はしらない街をあるくための靴にもなるし
ゆうだちから身をまもるためのおおきなはっぱにもなる
ばけネコがいやがる音をだす笛にだってなるし
いつだったかの夜あけのあまくこげたこおひいにだってなる
かなしまないでポーラ
そんなことはぼくにはいえない
うんとかなしんで
それからそのきみがもってきた
ちぢんだてのひらにあるものを
くしゃくしゃにまるまったものを
ぼくの歌ととりかえっこする日がいつかくるよ

2015年5月 にたないけん





【VIDEO】


にたないけん「ずぶぬれシアター」


にたないけん「ダンス」


にたないけん「うそでもいいのさ」


ジョズエ「ダンス」 作:和久井幸一



にたないけんドキュメンタリー 作:成富紀之



にたないけん「クロール」 作:和久井幸一


にたないけん×夜久一「うそでもいいのさ」 作:和久井幸一



おたより、チケット予約、ライブ出演のお誘いはこちらまで
→ nitanaiken@gmail.com



2018年


―9月―

■9/1(土)塚本エレバティ(大阪)
はなたBarプレゼンツ
たむらゆうこ写真展併設
【なつのおわり会】
16:30open/18:00start
予約2000円/当日2500円 +drink
岡沢じゅん/にたないけん/ガリザベン
写真展示:たむらゆうこ
ご飯:ちょこ(バニーブルース)
※にたないけん出演は20:00〜

■9/2(日)北浜雲州堂(大阪)
「夜には星と音楽を」
18:30open/19:00start
前売2300円/当日2800円 +drink
にたないけん/西島衛(ザ・シックスブリッツ)/青木拓人/藤井えい子
※にたないけん出演は21:00〜
住所:大阪市北区菅原町7-2

◾︎9/12(水)池袋adm
「クレイジーモンキー」
18:30open/19:00start
前売2000円/当日2500円 +drink
ジョズエ/モーレツアタック/あきらめきれず/ユメイハダカ/乙
※ジョズエ出演は21:40〜

◾︎9/13(木)新宿ロックンロール以外は全部嘘
小豆原一朗presents「メガフォークフェス」
17:30start/18:00start
2000円 +drink
cumimame/沼田健二朗/内藤重人(Three Questions)/アサトアキラ/
にたないけん/カトウタクミ(ブルボンズ)/PAJAMARZ mini/小豆原一朗
※にたないけん出演は20:00〜

◾︎9/17(月・祝)吉祥寺WARP
「SUMMER OF LOVE 2018」
14:00open/14:30start
前売2500円/当日3000円 +drink
The mammy rows/コーンカワハラ(ポップコーンズ)/TADPOLE SPRASH/PEPPERMINT U/
人人人/Chieco and Her Drivers/ブリキオーケストラ/東京ゴッドファーザーズ/ブルボンズ/
シャク&リハビリーズ/BINJU/たいへんにんげん/イエローキャラバン/ジョズエ/NUTTY WESTERN’S
DJ:まーくん/Ko-Hey
FOOD:ブラジル串焼き(ブラジル料理キボン)/縁日屋台橋本商店
出店:Dove Overall(ハンドメイドレザーアクセサリー)
※ジョズエ出演は17:30〜

◾︎9/29(土)豊川GROOVE STOCK(愛知)
ロックンロール&似顔絵屋さん〜音楽とアートの祭典〜
16:00open/19:00start
1500円+drink
NOZU/平和主義過激派/青春☆金属バット/にたないけん
アート:ささきなそ/kinta
※16時から似顔絵屋さんとバー営業スタート
にたないけん出演は21:15〜

■9/30(日)四日市ドレミファといろは(三重)
「安島サンテントウリツ」
12:30開演〜21:00終演
3500円(各店で一杯ずつ使える3ドリンク付き)
いとまとあやこ/石指拓朗/蠣崎未来/ガリザベン/黒岡まさひろ/佐藤守晃とブルーハワイ/
佐々木健太郎/樽木栄一郎と宮川剛/仲井陸/にたないけん/原田茶飯事/ひろたうた/
雰囲気バンド/堀田ダチオ/わたなべよしくに/ヲザキ珈琲


ー10月ー

◾︎10/5(金)高円寺U-hA
19:00開場/19:30開演
2000円+drink
にたないけん/松浦湊
※にたないけん出演は19:30〜

◾︎10/18(木)西荻窪ARTRION
【再会の宴】
18:30open/19:30start
前売2500円/当日3000円 +drink
藤田悠治/にたないけん
※にたないけん出演は20:40〜

◾︎10/31(水)亀有KIDBOX




チケット予約・お問い合わせ・ライブ出演のお誘い→ nitanaiken@gmail.com






なかなかライブを観にいけない
でもCDを聴いてみたい
という方のために
にたないけんは通信販売を受け付けています




cd

「吾輩は猫ではない 名前はにたない」(CD-R)
23曲入り1000円
※廃盤です

1.アニー
2.日が暮れるよりも早く
3.ライフイズビューティフル
4.メランとコリー
5.ぼくの神さま
6.ぼくはきみのかわいさしか知らない
7.雨男
8.レディドントダイ
9.戦車がやってくる
10.ダンス
11.風になるのさ
12.ダンボールムーン
13.アイラブユーはいらないよ
14.バイオハザード
15.長い夢
16.パレードはおわったよ
17.女生徒
18.メリミー
19.ずぶぬれシアター
20.むてきだぞ
Bonus track
21.もしも日曜日がきたら
22.1000のバイオリン(THE BLUE HEARTS)
23.スーパーカー




jacket

「きみを見つけるためにここで暮らすのも悪くない」
20曲入り2000円

1.トリップ
2.遠くへ行こう
3.名古屋駅
4.何もはじまってないのに
5.きみは何になりたかったんだい
6.アクアドルフィンランド
7.女がほしい
8.ゴースト
9.大掃除の朝
10.赤いマント
11.ブルーハーツ
12.夜になれば
13.ボーイミーツガール
14.きみにさわりたい
15.熱帯夜
16.カバンとコートとカートコバーン
17.鴨川
18.トムとソーヤ
19.うそでもいいのさ
20.愛の言葉



waretakutibiru

「われたくちびる」
10曲入り1500円

1.東京パンクミュージック
2.三浦海岸
3.地獄の犬
4.夏のはじっこ
5.ロッテリア
6.酔いざめの星
7.ぽたぽた焼き
8.ペチカ
9.ベトナム
10.まだねない


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ジョズエ「しゃべるなポーラ」
10曲入り2000円

1.ナイトインザナイト
2.風になるのさ
3.ギロチン
4.カバンとコートとカートコバーン
5.きょうはかなしいのさ
6.レディドントダイ
7.女生徒
8.スーパーカー
9.映画みたいだ
10.ダンス



■注文の仕方■

1.お名前、住所、メールアドレス、欲しいCD、枚数を明記して
nitanaiken@gmail.com
までメールをください。

2.折り返しこちらからメールで口座番号などをお伝えしますので、そちらの銀行口座に金額をお振り込みください。

3.入金確認後、CDを発送させていただきます。

4.なお、送料として300円別にいただきます。2枚以上でも300円です。
銀行手数料はご負担くださるようお願いします。ご了承ください。


ぜひご利用ください
おたよりお待ちしてます!


にたないけんより




とにかく曲を作るのが好き
というより自然に曲がどんどんできる
作曲難産の方には申し訳ない
最近わざと曲作りを封印している
そうすることでどうなるのか
知りたくてそうしている

 

可能性は無限じゃない
時間も体力も知性も限られてる
どこに命を賭ければいいのか
僕はその場所とタイミングを知っている
さっさと生きやがれ

アーチーシェップの「マジックオブジュジュ」ってアルバムもすごくいい
アフリカっぽいせわしないパーカッションと気が狂ったみたいなサックスの2つだけで交尾してたら、10分ぐらいしてドラムとベースが入ってきて乱交になる
コルトレーンよりアイラーよりアーチーシェップが好きだ
音の黒さが尋常じゃない


ダムドが、ビートルズのヘルプをカバーしてるやつ聴いたら、血わいた
テンポも歌い方もコードもちがう
ヘルプって全然言わない
でもヘルプなんだよ

往年の僕の好きなミュージシャンはみんなカバーがうまい
カバーっていうのはコピーじゃない
解釈と翻訳と濾過だ
いかに自分のものにするかがおもしろい
カバーがよくない人というのは自分のアレンジ能力が貧しいことを暴露してるようなもんである
しかしいわゆる名曲というのはどんな人が演奏しても名曲である
曲はいつも作り手の巣をはなれて思わぬところまで飛んでゆく


 

アーチーシェップの「ブラックジプシー」というアルバムがある
1969年に発売された3曲で56分のジャズである
アーチーシェップは音源によって表情がまるでちがう
この「ブラックジプシー」はそのタイトル通りの音像で、黒人音楽が持っている力強さ、不気味さ、明るさ、土臭さ、卑猥、牧歌、反逆、自由、などのすべての栄養をたっぷりと含んでいる
うちで聴いてて思わず、なんじゃこれ、と一人吐き捨てた
黒人がパスカルズをやったらこういう風になるかもしれない
ジャズと言ったが、そういう枠で聴くとなにも拾えない
混沌としてるのにどういうわけかひどく聴きやすい
あえて俗な言葉で言わせてもらう
ばりくそかっこいい 

8/31から9/3まで大阪にいた
いろいろなことがありすぎて何も話したくない
思ったことの鮮度が落ちないうちに話すことばかりしてきた
思ったことをすぐに口に出すのも気分がいいが
じっと発酵を待つのも悪くない
追い追いこの場所にまた記録したい
ぼくは旅をしたのだ

 

月島にある岸田屋に行ってきた。
これで自分のレコードとしては東京5大煮込みを制覇したことになった。
と言っても、この東京5大煮込みという冠は一人の食通ライターさんが勝手に決めただけのものに過ぎず、つまり一個人の意見に過ぎず、それをインターネット民がぱやぱや言ってるだけのものである。
別にわざわざ行かなくてもよろしい。
読者の皆様は、自分が今までに出会い、今なお心の中で湯気をほかほか立てているマイフェイバリット煮込みをかっこみに行けばよろしい。

しかしそれだと話が終わってしまう。
僕は書きたい。のだ。
僕はわざわざこの5大煮込みを制覇するツアーをしていたわけではなく何となく外でぱやぱや飲んでいたら7年越しにそうなったのである。
その記憶の片鱗、紆余曲折、風雲、省察、をここに明かす。
といっても味の評価というのは絶対的なものではない。
ニコミストの皆さまはあまり鼻息を荒げずに喜怒愛楽していただきたい。

言い遅れたが、煮込みと言う料理は、畜肉の内臓を煮た汁料理で和風シチューのようなものである。
居酒屋に行けばまず置いてある定番メニューであり、入れる具のバリエーション、味付けの仕方によって、型は無尽蔵に変幻する。



1、北千住「大はし」
名店として名を馳せているが、改装されてから行ったのでひどくきれいだった。一軒め酒場みたいな雰囲気で、少し滅入った。
外で少々待ってから入った。回転はいい。
ここの煮込みは肉豆腐と言えるような一皿である。甘めの汁。すき焼きっぽい味の肉と豆腐が皿にのっている。内臓肉は入ってない。
浅草の「正ちゃん」の煮込みと似ている。 特になんのコメントもできない普通の煮込みである。でもそれがいいのかもしれない。飽きない味と言うべきか。
でもこの肉豆腐系の煮込みとなると、僕は八広の「日の丸酒場」にとどめをさす。
大はしは値段が安くメニューも豊富な良き大衆酒場である。接客も柔和である。
機会あらば再訪したい。 


2、森下「山利喜」
やまりき、と読む。
収容可能人数も多く、机もゆったりとした店である。大いに混んでいる。
ここの煮込みは洋風である。なにやらバタの風味もあるし、フランスパンがついてくる。 
変わっているし、いい味わいなのだが、なかなかにイレギュラーな煮込みなので、5大煮込みに食い込んでくるかと問われれば首をかしげてしまう。 
他のメニューも洋風料理が多い。
短所を挙げると大衆居酒屋としては全体的に値段が高い。


3、門前仲町「大坂屋」
5大煮込みの中でいちばんアングラ臭を放っている店である。
門構えが小さい上に外からだと店内の様子がいっさいわからない。
勇気を少しばかりふんばってのれんをくぐると店の中はさらにインディーズである。
10席ほどのカウンターしかなく、プロのおっさんたちが猫背を並べている。メニューはひどく少ない。
僕個人の好みや統計からするとこういう店は当たりである。しかも大当たりである。
ここの煮込みは串にささってでてくる。目の前にあるたぷたぷの煮込み鍋に串にささった内臓肉がぱやぱやとひしめいていて、それを丸いお皿に4本か5本のせて出してくれる。
いやがおうにも興奮が高まる瞬間である。
それを口の周りをべとつかせながら、引き抜き、ほおばる。
こってりとした味つけとやわらかく煮込まれたかろやかな肉。冷たく汗ばんだ瓶ビール。
そういう状況に出くわした場合、人は犬になるしかないのである。食欲と飲欲の忠実なる奴隷になるしかないのである。
再訪したい。
途中で来店したおっさんが店主に「ビールと煮込み」と言い放つと、カウンターには座らず妙な小部屋に入っていき、ガラス戸になっているので見えたのだが、そこでおっさんはコタツに入り、テレビをつけ、くつろぎはじめ、そこにビールや煮込みが届けられる寸法になっていた。
さすがプロは違う。


4、京成立石「宇ち多゛」
うちだ、と読む。
自宅から歩いていける上に、この店のみ数えきれないほど行ってるので、少しひいき目に見てしまうことをご容赦願いたい。
洞窟、秘密基地、男風呂、山賊の隠れ家、さまざまなキャッチフレーズを耳にしたことがある。
そのフレーズの通りの風格の店であり、他の4店と比べると圧倒的なオーラを放つ。
常に行列ができているが、そんなに待たずに入れる。
土曜日なんかは朝の9時からぱやぱや並んでる。
というより、これは行ったことない人しかわからない感覚だが、並び始めた瞬間から宇ち多゛での飲食の火豚は切って落とされる。並んでるだけなのに酒を飲み臓物を食っている白昼夢のような感覚に襲われ、席についてはじめて夢から叩き起こされたような気持ちになり、そして焼酎を重ねるほどに、さっきの夢は正夢だった、デジャブだった、というようなデヴィッドリンチの映画みたいなことになる。
巨大な煮込み鍋がひときわ目立つところに鎮座しており、注文するとおもむろにそこから皿に煮込みがダンクされ、速ければ5秒くらいで提供される。
他の4店とちがうところは、煮込みの中身を自分でカスタマイズできることである。好きなパーツを言えばそれを多く入れてくれる。
味つけはおそらく味噌と水のみ。にんにくしょうがの類はいっさい入ってないしネギもない。具も臓物のみで野菜も豆腐もなし。
好き嫌いがわかれる煮込みである。おいしくないと言う人もよくいる。
僕はおいしい。あのなにも誤魔化してない味が好きだ。疲れない。モツが新鮮な証拠である。
お新香のうえの紅生姜を移してのせたり、塩で焼いてもらったモツをいれて即席のヅケにしたりする。そういう楽しみもいい。
他の4店の煮込みと比べて群を抜いて安いのもいい。 200円である。


5、月島「 岸田屋」
開店前から行列。 
コの字カウンターとI字カウンターのみの小ぢんまりとした落ち着く広さのお店である。
コの字カウンターというのは名店が備える条件としてよく登場する。牛丼の松屋も吉野家もそうだろう。
店の人がみんな女性である。古くは江戸時代の接客文化がいまだ受け継がれているのだろうか。俄然ぱやぱやとした気持ちになる。
女将さんの物腰の柔らかさと笑顔にいたっては最重要文化財にしたほうがいい。
そういえば京都二条の「赤垣屋」はみんな男性の店員さんだった。そのへんのルーツも掘れば面白そうだ。
それた。
煮込みを注文するとネギを入れるかどうか聞いてくる。
丁寧に千切りされたみずみずしいネギが大量についてくる。でも辛くない。仕事の丁寧さに感無量になる。
野菜は入っていない。内臓肉だけである。ほろりと煮込まれていて噛むと言葉を失う。
醤油と砂糖のすき焼き的味付けだが、濃くなくてさっぱりしている。絶妙をいく一皿。透明をいく一皿。煮込みという形のひとつの最終形態を見た。 
くさやもある。煮魚も多い。おにぎりもあるし、すまし汁もある。
名店である。腹立たしいほど名店である。
力づくで再訪したい。 


以上が僭越ながら東京5大煮込みの個人的評論である。
どの店が一番か、そんなことは僕にもわからない。
ただ気になったのが、宇ち多゛だけが豚であり、他がみんな牛という点である。 
東京のモツ文化は豚である。牛は関西である。そんなイメージを僕は濃く持っている。
東京5大煮込みを提唱したライターさんは関西出身の人だったのかもしれない。というようなことを想像してみたり。

最後にひとつ。
今までどこの店の煮込みが舌に刺さってきたかをほじくり返してみる。
池袋の「千登利」である。


 

朝4時に目覚めてしまい、なんだか寝付けそうにない。コンビニに行ってビールでも買おう。この穏やかな心を荒くれさせよう。心のジョギングだ。そうすればまた寝られるだろう。

青黒い朝。外に出ると目の前に枝豆の殻が落ちている。よほ。
しばらく歩くとまた落ちている。よほほ。
誰かがこの道を枝豆を食いながら歩いたのに違いない。
殻はポイ捨てか。なんたる不届き。なんたる傲岸。俺は公序を陵辱する輩は好かん。想像力を使わない輩は好かん。自分さえ良ければいいという発想はもう流行らんよ。戦争好きの考えだよ、そりゃあ。
とかなんとか黙念していると、また殻が。よほほほ。
この具合でいくと次も落ちてるだろう。ほれまた。よほほほほ。
だいたい等間隔に落ちている。ってえことはだ。次はあの電柱あたりと見た。
うむ。よほほほほほ。
一定のペースで枝豆を食い、規則正しく殻を捨てていく。
俺は移動しながらものを食いたくない。なので容疑者の心理がうまくつかめない。たまに、自転車をこぎながらパンをむさぼり食う人、電車の中でスイカ割りをはじめる人、全力疾走しながら駅弁を食う人、泳ぎながら雪見だいふくを食う人、盆踊りをしながらマクダナルのハンブルゲルを次々と撒き散らす人、バンジージャンプをしながら熱燗を飲む人、など、なぜそうまでして、という行動をするのが人間である。人間はいつだって人智を超えていく。だって人智だぜ。人智は人間の発明品なのに、それを超えていくんだぜ、人間は。人智の役立たず。人智のおたんこなす。サイコパス。オタンコパス。帰ってママの人智でも吸ってな。
などと黙念していると、また、殻。よほほほほほほ。

いったいぜんたいどこまで落ちているのだろう。そんな好奇に駆られる。
ところがだ。途端にペースが崩れる。落ちていない。毎秒毎秒時間を打ち続ける秒針のように、正しくまっすぐ落ち続けていた枝豆の殻が、ない。
どうした。終わった。のか?さっきのが最後か?ピリオド。か?
俺は歩き続ける。コンビニはとうに通り過ぎた。結末が気になった。
あ。少しく遠くに緑色が。エバーグリーンが。あんなところに。少し早歩きを駆使して近寄ると、よほほほほほほほ。 
こうなると次も知りたい。法則が知りたい。測量したい。軌跡を辿りたい。嗚呼、化石にハマる人の気持ちってこんな感じかしら。

青黒い朝。俺は歩く。とある引力に振り回されて。だんだん白けてくる。空、がだ。俺は白けない。興奮のるつぼにいる。るつぼを頭からかぶり、るつぼを右足と左足に履き、るつぼのタトゥーを背中に彫り、携帯の待ち受け画面をるつぼにする、そのぐらいのるつぼ、つまり、るつぼっくりだ、聞こえたか諸君、るつぼっくりだよ僕は、そう呼んでくれ、生涯。
と黙念しながら徒歩していると、え。あれ。そうなの?いや、そうだよな。うん、やっぱそうだ。
なんと枝豆の殻様は道端ではなくポストの上にあった。赤いポストに殻様は非常にお似合いであった。息を飲む光景であった。一種の神聖を放っていた。 
おお、このパターンもあるんですね。思わず声に出し、そして俺は殻様に手を伸ばし、殻様を手にとった。

すると突然強靭な力で俺は上に引っ張られ、からだは宙に浮き、すごい勢いで上昇を続け、そのまま雲を突き抜けてなにか柔らかいところに放り出された。
え?え?どういうこと?
周りを見ると頭のうえに輪っかが浮いてて、羽が生えた、金髪の、白い子どもたちがわいわい騒いでいる。手には長い竿を持っている。
「ほら見ろ、枝豆で人間は釣れるんだ!」
「前も釣れたよね。」
「朝まづめ、夕まづめ、って言うよね。釣れやすい時間帯。」
「持って帰ってお母さんにさばいてもらおう。刺身と味噌汁だ。」

俺はその男の子たちに取り囲まれた。こいつらはきっと天使だ。俺は釣られたのだ。天使どもに食われて俺は死ぬのだ。
やれやれ。
ところで天国で死んだらそのあとはどこへ行くんだろう。それだけ聞いておこう。


 

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