2004年07月01日

選挙という名の殿さま選び

訂正とお詫び:この記事の記述に、一部間違いがありましたので、お詫びして訂正します。

誤→比例区で立候補するには、会派から10人以上の候補者の擁立が必要で、一人当たりの供託金が600万円なので最低でも6000万円が必要。

正→比例区で立候補するには、会派から選挙区も含めて10人以上の候補者の擁立が必要で、比例区の供託金は一人当たり600万円、選挙区の供託金は一人当たり300万円なので、最低でも3300万円が必要。

・・・・・・・・

 明治時代には税金を一定額以上納めている人だけに選挙権があったらしい。(参照:愛のまぜご飯より「投票出来なくなっちゃうかも???」)カネによって選挙権の有無が決まるのがおかしいということは、今では大体の人に異論がないと思う。現在は、選挙権は納めた税額とは関係なくなった。ではこれでめでたく民主化したのかというと、実は決してそうではない。選挙権と必ず対になっていなければならないものがある。そう、被選挙権だ。
 被選挙権のない選挙権など、自分を支配する殿さま選びでしかないのではないか。「おらだつは自分で、どの殿さまに治めていただきてえか、どの殿さまに年貢を納めてえか、選ぶことができるだよ。おらだつは主権者だからよ」というのではお笑いだ。(意図的に特定イメージの方言のようなものを使用していることはお許しください)
 「誰もが選ばれることができる」ということが保証されて初めて、選ばれるのは殿さまではなく私たちの意思を代表する人であり得るのだと私は考える。人々が、選ばれる側に立てる人のグループと、選ぶしかできない人のグループとに分離されているなら、それは殿さま選びになってしまうのだと思う。だから、被選挙権は制限してはいけない。特に、カネの有る無しで制限しては絶対にいけないのだ。
 では今回の参議院選挙。もし望めば、私は立候補できただろうか。何がしかの理想を掲げて立候補するなら、それに賛同する人は全国に広く薄く散らばっているだろうから、全国から票が投じられる比例区で立候補したいところだが、それには選挙区を含めて10人以上の候補者を会派から出さなくてはならない。ところが比例区は一人当たり600万円、選挙区は一人当たり300万円、つまり最低でも3300万円の供託金が必要なのだ。選挙区なら自分一人でも出られるが、もちろん300万円は必要だ。これでは私は立候補できない。あなたはできますか。
 私たちの多くはカネによって、「選ばれる側に立てない人のグループ」に属させられている。実際に今回、総務省の説明を聞きに行って、資金不足のために比例区への擁立を断念した団体があるという。(資料、heteheeteさん多謝)
 選挙に出るためには(注:勝つためには、ではない)、まずカネを膨大に集めなければならないのだ。何よりもまずカネ集めができないと、市民の意見の代弁者になるために立候補することもできないのだ。これでは当選した人は、票を入れてくれた人よりも、カネを出してくれた人のご機嫌をとるのは至極当然だよねえ。こんな選挙制度をどう思いますか。
 
 だからといって私は、投票しないほうがいいとは思わない。こういうことをよくわかった上で、票を有効に生かしたらいいと思う。少なくとも私は、よりましな殿さまを選ぶような真似はしないつもりだ。問題の真っ芯を撃ち抜く可能性が少しでもあるように、ねらって票を撃ち込もうと思う。
 そして同時に、この社会は投票したからといって変わるようにはできていないということも、肝に銘じておくつもりだ。投票しただけでなにかをしたつもりになってしまうと、落とし穴にはまると思う。落とし穴にはまるとは、投票しても何も変わらなかったときに希望を見失うことだ。
 選挙なんかに期待しない。けれどもなるべく確実に心臓部を狙って票を撃ち込む。そして希望を見失わない。こりゃあ、かなりイカレた精神でないとやれないかな?

 ちなみに私の考えでは、「死票」はあまり恐れないほうがいいと思う。いい候補者がいるのにみんなが「死票」を恐れて「現実的な」ところに投票すれば、その候補者はゼッタイ当選しない、当たり前だが。「そこに投票しても『死票』になる」というのは、実に効果的な落選運動ではないだろうか。だいじょうぶ、「現実的な」ところの議席が増えたって、いいことは何も起こらないから、安心して本当に自分がいいと思う候補に投票することを、私ならおすすめする。

 そう。落し物を探す時は、明るいところではなくて落としたところを探さないと、決して見つからないんだ。いくらそこが暗いとしてもね。


この記事は、以下の記事にTBを送らせていただきました

★参院選の正しい選び方?(4) by あざらしサラダ
ビューリダンのロバ by 瀬戸智子の枕草子
投票に行こう! 7/11参院選 by Pocket Warmer
非国民? by いまどきの徒然草
そうだ、選挙に行こう(3) by あれ、これって青春?
参院選 その二 by column
参議院選挙 by inside たかしゃん
私達が必ずやるべきこと by 商人のぶきたの儲かる視点!
選挙に行こう! by dailywatch
そうだ、選挙、行こう。7・11 by くりおね あくえりあむ
選挙に行ってね!! by Return of the まにあな日記
選挙関連の話題あれこれ by 若旦那の独り言2004 Ver.3
ケンキン by **:ひょうたん島はどこへ行く:**




niwatori5555 at 23:16│Comments(15)TrackBack(11) 自由がなくちゃね 

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こんな画像を作ってみました。 7月11日の「第20回参議院議員通常選挙」の投票
2. 《おたまはん》  [ あざらしサラダ ]   2004年07月03日 08:55
●卵かけご飯醤油「おたまはん」(吉田ふるさと村:醤油) ○(株)吉田ふるさと村こだわりの卵かけご飯醤油「おたまはん」。もちろん無添加です。  卵掛けご飯にお好みの量をかけて、お召し上がり下さい。  その他にも、卵焼き、冷奴、納豆などにもお使いいただ
3. 選挙権は先着○○名さまに。  [ のぶろぐ ]   2004年07月03日 13:54
いや、もうびっくり。あきれました。 読売新聞を読んでたら(複数紙読めるのは休日出勤の数少ないメリットやね) 東京など5選管、投票用紙準備は有権者数より少なめ という記事が。 あのねー。税金つかってるので無駄を省くって、あーた、理屈の付け方まちがってないか
選挙公報というのをご存知だろうか?  大辞泉によると公職選挙法に定める選挙において、選挙管理委員会が発行する候補者の氏名・経歴・政見などを掲載した文書。有権者に無料で配布する。と定義されており、通常この時期に新聞と一緒に送付されてくるので目を通したことが
5. 良識の府  [ 愛のまぜご飯 ]   2004年07月05日 20:54
asahi.comの2004参院選 都道府県ニュースの中に 興味深い記事がありました。 参議院ってなんだろう(中) 良識の府 *******************************  初の参院本会議があった47年、250人の議員中108人は無所属だった。第1会派「緑風会」は作家の山本
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7. 参議院選挙に行きましょう  [ NOPOLOG ]   2004年07月06日 11:23
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8. 参院選、小事の終り、大事の始まり(改)  [ 藤沢生活 ]   2004年07月08日 15:02
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9. 死票? 〓選挙まであと二日〓  [ 愛のまぜご飯 ]   2004年07月09日 15:30
 【死票】  選挙の投票で、落選者に入れた票。当選に結びつかない票。死に票。                         (goo辞書より) 死票にしたくないというお気持ちよくわかります。 もっともなお考えだと思います。 ですので、そういうお考え
10. 非国民? パート3  [ いまどきの徒然草 ]   2004年07月09日 22:11
僕は京都市在住の20歳。 今回が初めての選挙。 でも、選挙に来てくださいみたいな葉書が来ない。 今年の初めに二十歳になった。住民票も届け出てる。 ……コレは投票するなって事? ついに公式に非国民と認められた?!
11. 『死票』を恐れない  [ +++ PPFV BLOG +++ ]   2004年07月14日 22:11
今回の選挙、正直言いますと、最後までどこに投票するか迷っていたのです。とにかく変わってほしいという焦燥感から先の「まだマシ党」発言だったわけです。結局は「やはり最もいいと思う候補」に投票しましたが、「たまごの距離」さん の 『選挙という名の殿さま選び』 .

この記事へのコメント

1. Posted by 呟き尾形   2004年07月02日 00:06
 こんにちわ。呟き尾形です。

 そういえば、被選挙権ってやつがあるわけですよね。
 知ってはいたけど、考えもしませんでしたね。

 公僕になる気なんてサラサラなかったし。

 公僕なのに、先生よばわり、まるで、国民に奉仕するはずの、公僕が偉いみたいだなぁ。と思っておりましたが、
 庶民に被選挙権を行使させない仕組みを作った、選挙は殿様選びといえるなら、なんだか納得です。

 そうそう、ちょっと試しに、いろいろな意見を主だった党に意見のメールをだしましたが、共産党は紳士にレスしてくれました。
 なんか、すごい。

 

2. Posted by qlown_yn   2004年07月02日 00:13
選挙の供託金ですが…

イギリスの総選挙では日本円で約10万円相当だそうです。
もっとも、これによって単なる目立ちたがり屋が数多く立候補する弊害はあるのですが(現にイギリスでは首相が立候補する選挙区では泡沫候補が一杯いるそうです)、供託金を大幅に引き下げることによって、選挙への新規参入を緩和する必要性は大きいと思います。
3. Posted by heteheete   2004年07月02日 00:23
『落し物を探す時は、明るいところではなくて落としたところを探さないと、決して見つからないんだ。いくらそこが暗いとしてもね。』

私、お恥ずかしいのですが・・・色々ぼやいているわりに、
惑わされやすかったり、気弱になったりするところがあるので、
とても心に沁みました。ありがとうございます。
(ご丁寧なご紹介どうもありがとうございました。)
4. Posted by あざらしサラダ   2004年07月03日 08:57
はじめまして、サイトの紹介と記事のTBありがとうございます。

たまご好きの我が家から、とっておきの記事をTBしました。(笑)
これからも、よろしくお願いします。
5. Posted by おやじじぃ   2004年07月03日 10:18
はじめまして。
トラックバックを頂きました、おやじじぃと申します。

>「落とし穴にはまるとは、投票しても何も変わらなかったときに希望を見失うことだ。」
私たちは、つい最近、この大きな落とし穴にはまったような気がします。
細川政権や村山政権の時、良い悪いは別として、何かが変わったのは事実です。
しかし、あっという間に引いてしまった波は、それまでの均衡と緊張、私たちの希望までをも沖へと流してしまいました。

「死票」(この言い方「サービス残業」と同じぐらい嫌いなのですが)とは開票した結果でそう呼んでいるだけですから、票が死ぬなどということはあり得ません。
例えば、当選者と100票差で落選しても、自分が推す政党にあと0.1%得票率があれば当選者が出たのにという場合でも、それは「死票」と呼ばれてしまいます。でも、僅差で負けたという事実は私たちの記憶に残り、次の選挙の際にはマスコミが採り上げます。
こういったことの繰り返しが、落とし穴から脱出する一つの方法ではないかと思うのです。
だから、「死票」を恐れることはない。
驚くほど長期に渡り、同じ体制が続いた頑固な国ですから、結果はすぐには出ません。
6. Posted by まきこ   2004年07月04日 23:56
呟き尾形さまへ
 そうなんですよ。大抵の人は自分が立候補しようなんて思っていないから、自分の被選挙権がいつのまにか絵に描いた餅状態になっていても、特に気にしてませんよね。どうせ使わないし? でも、使えるけど使わないのと、使おうと思っても使えないのとは全然ちがうぞい。
 「どうせ使わないし」つながりでいうと、のぶろぐさんのトラックバックでご紹介のように、投票用紙が全員分ないところがあるらしい。投票用紙足りなくなるまで投票に行っちゃってほしいな、こうなった暁には。

qlown_ynさまへ
 ああ、10万円ならなんとかがんばれますね。ふざけてるとしか思えない候補者が出るくらい、まじめに立候補したい人が出来ない弊害よりずっとましですよね。それに、いろんな人がいろんなことをいって立候補してもいいんだなって目の当たりにすることは、いろんな意見があっていいということを実感するにもいいと思うなあ。

heteheete さまへ
 この言葉そのままではないですが、内容は、心理学の研究に対する戒めからの流用です。

あざらしサラダさまへ
 私、うちとこの生たまご大好きなんです。おしょうゆを入れて、ちょっと飲むつもりがおいしくてそのまま飲んじゃって、ご飯のおかずがなくなります。(笑)

おやじじぃさまへ
 「死票」について、おっしゃるとおりです。死んでなんかいません。ボディブローのように効いてくるはず。それと「死票」が多く出るのは制度の問題もありますよね。みんなが思うままに投票して「死票」が多ければ、制度の問題も明らかにわかりますが、みんながそれを予防して、当選しそうなところにしか投票しなければ、制度の問題がないかのように統計上見えてしまいます。とりあえず今なら、二大政党さえあればいいように、みんな二大政党のどちらかを支持しているように見えてしまうと思います。
(「サービス残業」と並べるの、なんとなくわかる気がします。)
7. Posted by A-11   2005年09月14日 13:07
供託金が無くなったくらいでは、現行の選挙制度である単記非移譲式投票では、やっぱり被選挙権を行使できません。

小選挙区での共産党を見てください。彼らのような小規模政党では、候補を立てようが立てまいが、小選挙区で共産党自身が獲得する議席数は変わりません。それより大きいのは、共産党が候補者を立てない場合、自民党よりましな民主党に共産票が流れるため、候補者を立てると大嫌いな自民党の議席が増え、立てないと自民党の議席が減ることです。

つまり、現行の制度でのあなたの被選挙権行使は、或いは「二大政党以外の候補への投票は、二大政党の内あなたの嫌いな方を有利にします」。これを知ってしまった有権者は二大政党に投票して、この仕組みを強化するしか在りません。デュヴェルジェの法則の動作原理です。
8. Posted by A-11   2005年09月14日 13:09
長文失礼します。

死票には二種類あり、ボディーブローの様に残るのは次点の候補者の死票だけです。残りはデュヴェルジェの法則という鎧が有権者の拳を壊してしまうでしょう。次点以上の順位を取る自信がない限り、あなたの被選挙権行使は共産党の二の舞になります。

政権・首長選挙は定数が一にしかならないので、小選挙区制と同じように二大政党化します。さらに、地方議会・緑の党・女性党・新風を見れば分かるように、この法則は中選挙区・比例代表制にも当てはまり、次点より下の候補に立候補を躊躇わせます。
9. Posted by A-11   2005年09月14日 13:11
しかし、希望を捨てないでください。デュヴェルジェの法則は、投票用紙に候補を一つしか書かない選挙制度でしか成り立たないからです。私は、Approval voting(詳しくはインターネットを検索してください。私の書いたものが引っ掛かるはず。)という方法を薦めます。これは裁判官の国民審査の様に候補者毎に独立に投票するもので、二大政党の片方を支持するか否かに関係なく、他の候補にも支持するか否かを投票用紙に書き込みます。これだと自分が立候補してもしなくても、他の候補の得票数に、直接には全く影響を与えません。この「全く影響がない」性質のおかげで、戦略投票・アナウンス効果・小党乱立などを逆手にとって利用できます。

全ての人が同時に被選挙権を行使することを想定した選挙制度が必要です。共産党の二の舞を演じるのは、被選挙権の目的では無いはずです。
10. Posted by まきこ   2005年09月15日 11:28
A-11さん、こんにちは。

> 供託金が無くなったくらいでは、現行の選挙制度である単記非移譲式投票では、やっぱり被選挙権を行使できません。

当選できそうもないのに立候補したら、現政権への批判票を分散させる結果になるので、考えた結果やめてしまう、という意味ですね。
わかります。しかし、2大政党のどちらになっても、どっちもましじゃない、と思う場合にはそれでも立候補しますね。共産党はたぶんそれでしょう。民主党の方がましだなどとは、思っていないのだと思います。(私もそれに同感です)
それでもさすがにお金ばっかりかかるので、今回は全小選挙区では立候補しなかったようです。つまり、お金のせいでやめたといえるでしょう。
11. Posted by まきこ   2005年09月15日 11:37
供託金を無くしただけ解決するとは思いません。ただ、「カネのあるなしで選挙権が制限されるのはおかしい」ということがわかるなら、同様に被選挙権が制限されるのもおかしいということは、わりと簡単に納得できますよね。

「日本は普通選挙が行われているから民主主義だ」という宣伝が行き渡っている上に、最近は「選んだ以上は従うのが民主主義」というセリフをよく聞くようになりました。

私たちが行なっているこの「選挙」とは、いったい何をしていることになっているのか、もう一度考え直したいところです。

Approval voting 勉強してみます。ありがとうございました。
12. Posted by A-11   2005年09月15日 13:39
理想としては、被選挙権の行使率は選挙権の行使率(投票率)並みに上げるべきだと思っていますので、供託金の件は承知しています。

ただ、二大政党が誰もがワースト2に挙げる政党に変わっても、デュヴェルジェの法則は被選挙権を邪魔し続けることは、覚えておいてください。二番にダメな政党は、最悪の政党よりは支援すべきだと、誰もが思うのですから。
13. Posted by まきこ   2005年09月15日 15:43
あ、A-11さん、巡回してくださってましたか。

ところで、「ボディーブローの様に残るのは次点の候補者の死票だけ」というのはまた、どうしてですか?

たとえば、自民、民主が殆どであっても、共産の票が確実に伸びてきたとわかる時、政権党は、自らの政策をあまりタカ派にしないようにだとか、見直すものではないでしょうか。
14. Posted by A-11   2005年09月16日 12:21
「次点未満の候補者の得票は、最後にはゼロ(立候補者本人すら、次点以上の候補に投票してしまう)になる。」というのがデュヴェルジェの法則の帰結だからです。「最後にはゼロ」と言い切った時点で、この法則が机上の空論から演繹されたと気付くでしょう。

そう、この法則は「ゲーム理論」という、ある種の人間の存在を無視した理論で、現在は根拠付けられています。もし共産票が伸びたとすれば、その票はゲーム理論の前提を越えた意志を持つ人々からのものです。
15. Posted by A-11   2005年09月16日 12:59
これらの強固な確信をもつ人たちの意見にこそ、耳を傾けるのが当然だと私も思います。しかし当選のためには、その必要は在りません。彼らの票は、共産党を始めとする泡沫候補に分散して、白票・無効票程度の効果しか選挙結果に及ぼさないからです。

当選に必要の無いことに力を使う候補は、当選に無用のことで力を無駄にしない候補に敗れます。まきこさんが言うような政権党は、次点以外の死票を無視する政党に、次の選挙で敗れるでしょう。

有権者が次点以外の死票を無視しなければ別ですが。

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