本編-13 「さよなら開城、さよなら 板門店」
2009年11月12日
【本編-13】 ■2008/01/20 開城 「さよなら開城、さよなら 板門店」
●「高麗歴史博物館」
チマチョゴリ女性の胸の谷間の余韻に浸りつつ、
だんだん落ち着いてきたところで、
高麗歴史博物館を見学する事になった。
いろんな展示物があり、
朝鮮の歴史を学べる、という感じの内容。
ここでは、博物館の係員の女性のかたが同行して説明してくださる。
朝鮮語で説明して、金さんが訳してくれる、という感じ。
ほんとに観光地っぽい感じで、
正直、申し訳ないがあまり興味がなかったのだが、
いざ見てみてると、歴史的価値がありそうな貴重な展示物とかもあり(本物かどうか知ら(略 )、
なかなかおもしろかった。
最初に門のところに来て、いきなりそのデザインや飾りが綺麗で、
夢中で見てしまった。
しかし、金さんと案内員の人、どんどん行っちゃうwwwww
待って、おいてかないで!!!wwwww
上からぶらさがってるかざりが、見たこともないような物体で、
本気で興味をもって、
これって何で出来てるんですか?と真剣に聞いたのだが、
金さん、すごい冷たい感じで、こっちも向かずに「それは紙ですね。」
と言ってさっさと歩いていってしまう。
俺、なんか悪い事聞いた??www
で、それから建物の中に入り、
朝鮮の歴史(しかし、朝鮮に限った事じゃないけど、ほんと、歴史って、戦争だらけなのね)、
武器や土器、鉄器の進歩などを展示物で知る事になる。
(そして、いかに朝鮮の技術が素晴らしかったかを、何度も説明されるwww)
自分も夢中になってみてしまい、案内員の人に質問とかもしながら進む。
しかし、途中、
「これは、日本が攻めてきた時の様子です。 朝鮮人がたくさん犠牲になりました。 お寺などの建物もたくさん焼かれたりしました。」
と説明された時は、
そうなんですか としか言えなかったwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ひととおり見たところで、お土産屋があった。
せっかくなので、ここでちょっといろいろ買う事にした。
高麗人参の粉末や朝鮮式の金属の箸、スプーンなどを買う。
金さん曰く、
高麗人参は、開城付近の独特の土や水だからこそ、良いものが育つのだとか。
それから、昔、元々高麗人参の輸出で朝鮮が有名になり、高麗がなまって、
コリア、KOREA、と外国に知られるようになった、という雑学も聞かされる。
そして、目をひいたのが、布に書かれた水彩画。
やっとそれっぽいみやげ物に出会った。
まよった挙句、3枚購入。
そこにいた男性のかたが書いたものだとか(本当かな??)
↑購入した水彩画。
●「南朝鮮の人たち」
そんな感じで見学も終わり、駐車場のほうへ向かって歩いていたところ、
突然 ウーーというサイレン音が何度か聞こえた。日本のパトカーのサイレンのような音。
そしたら、金さん、
「あ、これはまずいですね。早く車へ戻りましょう。」
え?なに???何がまずいの??なんのサイレンなの??
言われるままに急いで歩いていると、
駐車場のほうから、小銃を背負った兵士が歩いてきた。
なんだ!!???
なにがまずいか説明してくれ。怖いから
俺は何か関係してるの??
金さんと張さんが、早口でなんたらかんたらと会話してる。
兵士がこちらまで近づいてきた。
張さんと何やら話してる。顔見知りっぽい感じ。
会話の途中、兵士が何度か俺の事をチラチラ見たり指差したりした。
そして、
張さん「じゃあ、金さんとNさんは車に戻ってて。急いでね。」
言われるままに急いで駐車場へ向かい、車に乗り込む。
すると、またウーーとサイレンがなり、
兵士を乗せた軍用車が駐車場へ何台か入ってきた。
いったい何事なのか・・・と思っていると、
続いて、でっかい、白い観光バスが3台駐車場へ入ってきた。
そのバス、なんか違和感を感じると思ったら、
明らかに北朝鮮のものではない!!!
立派な大型の車体で、新しい感じで、外見もすごくきれい。
こちらの専用車から良く見える位置に停まったバスの中には、
中学生くらいの年代と思われる子達が多数乗っていた。
みんな楽しそうにしてる。
そこで、やっと事態が理解できた。
南朝鮮からの観光旅行客のバスだ。
そういえば、最近
南朝鮮から軍事境界線を超えて開城まで観光に来るツアーがスタートした、という
情報を見た事があった。
俺が急いで車に戻る必要があったのは、
日本からの旅行者と南朝鮮からの観光客がはちあわせになり、接触するのが、
いろんな意味で良くないからではないだろうか。
軍用車の兵士たちは、観光客の護衛とか監視とか、そんな役割なのだろう。
バスに乗ってる子達は、みんなはしゃいで、楽しそうだ。
そんな中、バスの中の2,3人が、こちらを見つけ、手を振ってきた。
金さんは、無言で無表情のまま、手を振り返した。
自分も一瞬手を振り返しそうになったが、
なんとなくバスのほうから視線をそらしてしまった。
●「さよなら開城、さよなら 板門店」
しばらくして張さんも車に戻ってきて、出発となる。
これで開城は終わり。平壌へ戻る事に。
市街地を抜けて、高速道路へ向かう。
↑
金さんと張さんの会話が聞こえます。一体何を話しているやら・・・wwww
↑
だいぶ古そうな、ボンネット型のトラックとすれ違います。
そして高速道路に入ると、
開城の街はどんどん遠くなり、やがて見えなくなった。
平壌とはまた違う、独特の良い雰囲気のある街だった。
さよなら 開城
さよなら 板門店