July 18, 2006

"Anywhere The Girls Are!: The Best Of Fantastic Baggys" The Fantastic Baggys

Anywhere The Girls Are!: The Best Of Fantastic Baggys昨日は海の日で土曜日から三連休だった方もおられると思いますが、如何過ごされましたでしょうか? こちらは日曜と昨日が休みでしたので、日曜は久々に街へ出掛けましたが、金欠のために結局何も買わずに帰り、昨日は雨でしたので家でおとなしく過ごしてました。いつものことなんですが、先立つものがないとやっぱりツライものがありますね。。。と凹んでばかりはいられませんので今回のエントリですが、前2回に続いてサーフィン/ホット・ロッド特集ということで、今回は前2回でエントリしたブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーの初期の頃と同じような経緯を持つP・F・スローンとスティーヴ・バリがダンヒル・レコードのスタッフとして活躍する前に在籍していたファンタスティック・バギーズのベスト盤『Anywhere The Girls Are!: The Best Of Fantastic Baggys』をご紹介したいと思います。

今回ご紹介するファンタスティック・バギーズは先程も書きましたようにP・F・スローンとスティーヴ・バリがダンヒル・レコードで活躍する前に結成していたサーフィン/ホット・ロッド・グループなんですが、まずはこのファンタスティック・バギーズを結成するまでの二人の経歴について書いていきたいと思います。P・F・スローンは1945年にニューヨークで生まれ、少年時代から音楽の才能があったようでして、14歳のなる前の1959年にはフィル・スローン名義で"アラジン"というレーベルから「All Want Is Loving」(未聴)という曲でデビューし、翌1960年にも「If You Believe In Me」(未聴)という曲をリリースしていたようです。しかし、その後はレコードをリリースすることなく、ヴィー・ジェイ・レコードのA&Rマンとして働くこととなります。一方のスティーヴ・バリは1942年にニューヨークのブルックリンで生まれ、幼少の頃にカリフォルニアに移り住み、学校を卒業してからはレコード店で働きながら作曲もし、成功するチャンスを窺っていたようです。そんな彼の願いが叶って1961年に"ローマ"というレーベルから「Down Around The Corner」(未聴)という曲でデビューし、その後数枚のシングルをリリースした後、元テディ・ベアーズのキャロル・コナーズとその妹のシュリルと"ストリートテラーズ"というグループを結成して数枚のレコードをリリースするも全然ヒットが出ないという状態だったそうなんですが、そこで運命の出会いを果たすこととなります。その運命の出会いとは、P・F・スローンとスティーヴ・バリの共通の知人で当時アルドン・ミュージックで働いていたルー・アドラーが仲介して二人は知り合うようになり、二人は早速ソングライター・チームを組んでルー・アドラーと契約することとなります。この時期のルー・アドラーはジャン&ディーンのマネージャーだったことからジャン・ベリーに彼らのデモ・テープを聴かせたところ、ジャン・ベリーは彼らの曲はもちろんのこと彼らの歌声も気に入ったので、彼らをジャン&ディーンのバック・ヴォーカル・グループとして起用することとなります。そして、彼らはこのバック・ヴォーカル・グループの名前を"バギーズ"としていたのですが、ルー・アドラーがたまたまアルドン・ミュージックのオフィスを渡米中に訪れていたローリング・ストーンズのミック・ジャガーとマネージャーのアンドリュー・ルーグ・オールダムにも彼らのデモ・テープを聴かせて感想を求めると、ミック・ジャガーが「Fantastic」と言ったので、その一言がきっかけで彼らのグループ名が"ファンタスティック・バギーズ"と変わります。こうしてファンタスティック・バギーズとなった彼らは、ジャン&ディーンを全面的にバックアップしていたのをはじめ、ブルース&テリーリップ・コーズなどにも楽曲を提供していたのですが、ルー・アドラーはこれだけではもったいないと思って彼ら自身をデビューさせることを考え、インペリアル・レコードと契約することに成功し、1964年に彼らのオリジナル曲でジャン・ディーンに提供した「Tell' Em I'm Surfin」でデビューすることとなり、その後もファズ・ギターを効かせてガレージっぽく仕上げたセカンド・シングルの「Anywhere The Girl Are」、サード・シングルで後の彼らのフォーク・ロック路線を予見させるスキップ&フリップのカヴァー「It Was I」、アルバム『Tell' Em I'm Surfin'』をリリースしますが、成功することはありませんでした。そういうことで成功することのなかったファンタスティック・バギーズですが、今回ご紹介するベスト盤『Anywhere The Girls Are!: The Best Of Fantastic Baggys』には先述したシングル曲以外にも、ブルース&テリーやジャン&ディーンにも取り上げられた「Summer Means Fun(青春の渚)」、リップ・コーズが取り上げた「Surfin' Craze」、「This Little Woody」、「Big Gun Board」、逆にリップ・コーズがオリジナルでボビー・ダーリン&テリー・メルチャー作の「Hot Rod U.S.A.」、初期のビーチ・ボーイズのバラード曲から影響された「A Surfer Boy's Dream Come True」、「Let's Make The Most Of Summer」、「Alone On The Beach」、最後にジャン・ベリーやブライアン・ウィルソン、テリー・メルチャーにエルヴィス・プレスリーのモノマネまで出てくるのが楽しい「Surfin' Back Again」、後のフォーク・ロック路線を予見される曲でエヴァリー・ブラザーズあたりからの影響が窺える「(Goes To Show) Just How Wrong You Can Be」といった興味深い楽曲も収録されてますので是非聴いていただけたらと思います。そして、ファンタスティック・バギーズを解散させた彼らは、ルー・アドラーが設立したダンヒル・レコードのスタッフとして活動するようになり、まず"リンコン・サーフサイド・バンド"という架空のサーフィン/ホット・ロッド・バンドをでっち上げて『The Sufing Song Book』(未聴・・・汗)を作り、その後はジョニー・リヴァース(この人はダンヒルではありませんが)、バリー・マクガイア、グラス・ルーツなどを手がけて大成功を収めます。またP・F・スローンはボブ・ディランに憧れてソロ・シンガーとしてもダンヒルからシングルやアルバムをリリースしていて、日本では「From A Distance(孤独の世界)」(全米109位)がヒットしましたが、この時期のP・F・スローンはかなり専属のソングライターの立場として苦悩していたようで、彼のその姿を見ていたジミー・ウェッブが後に「P.F. Sloan」という曲を書いたのは有名な話です。残念なことにP・F・スローン自身のダンヒルでの作品は現在廃盤で聴くことはできませんが(2008年になってHere's Where I Belong: The Best of the Dunhill Years 1965-1967が復刻されましたので現在は聴くことができます)、『Child Of Our Times: The Trousdale Demo Sessions, 1965-1967』という完成度の高いデモ集もありますので併せてチェックしてみてください。

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1. ファンタスティック・バギーズ 「Tell'em I'm Surfin'」  [ スワンの涙 ]   May 15, 2009 14:09
                               「Tell'em I'm Surfin'」 ダンヒルのスタッフライターとして有名なPFスローンとスティーブ・バリからなるファンタスティック・バギーズの唯一のアルバム。 デビュー曲の「Tell'em I'm Surfin'」を...

この記事へのコメント

1. Posted by kura_mo   July 18, 2006 22:58
サーフィン〜ホットロッドものが続きますね。夏っぽい感じでいいですね。(^^)
俺も今日中古でようやくジャック・ニッチェ「ロンリー・サーファー」と、あとデュアン・エディのベストを買いました。
が、デュアンは再演モノをつかまされてしまってガックリ。デュアンのオリジナル録音は探すの難しくなってるらしいですけど。。

話がそれて申し訳ありません、ファンタスティック・バギーズも存在しか知りませんでした。中古で見たら即買い候補なんですけどね。。(^^;
2. Posted by BYRD   July 19, 2006 00:18
kura_moさん、こんばんは♪

ジャック・ニッチェとデュアン・エディといったインストものもこの時期のサーフィンものでは外せないのでご購入おめでとうございます!といいたいところですが、デュアン・エディは再録だったのですか・・・オリジナル録音ではライノの2枚組アンソロジーがまだ売ってると思いますのでまた探してみてください(自分も持ってますが、かなりいいですよ)。(^^)

このファンタスティック・バギーズもブルース&テリーやリップ・コーズと被ってる曲が多いので金太郎飴的なところもありますが、P・F・スローン&スティーヴ・バリのダンヒル以前の仕事ぶりがわかる1枚ですので、また見かけたら買って聴いてみてください。(^^)
3. Posted by スワン   July 20, 2006 01:45
5 このアルバムって時代を考えるとすごく音質がいいように思います。録音がオンマイクのような感じがするんですよね。

何かのコンピで「ホットロッドUSA」を聴いてから気になって、ようやく見つけたアナログ盤にそれが入ってないのでガッカリした記憶があります。
CD化された時に大量ボートラ付きでうれしかったですね。
「ディスリトルウッディ」はリップコーズのバージョンの方がすきですが、「ホットロッドUSA」は彼らのバージョンが好きですね。
4. Posted by BYRD   July 20, 2006 23:38
スワンさん、こんばんは♪
録音技術のことは全く知りませんのであれなんですが、あの時代の録音にしてはすごくいい音質に聴こえますよね。(^^)

自分はこのボートラ付きで初めて彼らを聴きましたが、南アフリカだけでリリースされたものやアウトテイクまで収録されてますので聴き応えありますよね♪

そして、自分もリップ・コーズ関連の曲ではセルフ・カヴァーより、逆にカヴァーした方の「Hot Rod U.S.A.」が一番グッとくるんですよね〜不思議なことに。(^^)

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