Hi, 松岡みーです。How are you?

とてもさわやかな朝です。秋晴れの週末になりそうですね。みぽこの主人は、久しぶりに自由な時間を週末に持つということで、朝からどうしようかとそわそわしています。

さて、2週間ぶりの Weekend Guest です。今日は、3人目のゲストでご登場いただいた荒磯先生に再びお願いしました。先生が最近訪れた中国(北京)の様子を報告していただきます。お楽しみ下さい。


今週の Weekend Guest : 北京旅行 ___________

荒磯先生
荒磯芳行

今年の社内旅行は9月の末であった。destination は北京で、3泊4日の旅。従業員の約4割が参加するので、いつものことながら、業務遂行上、これより長い旅行は難しい。しかし、3泊4日ということは、到着の日と帰国の日を考えれば、whole dayはたったの2日であり、大北京を知るには、まったく時間不足である。それでも、自分の目での、耳での、体全体での経験はもちろん貴重である。行く前、何をどう見、経験しようかといろいろ悩んだが、結局、万里の長城(the Great Wall)の見学、京劇 (classical Chinese opera)の鑑賞、それに北京ダック(Peking duck)の試食と決めた。

万里の長城
万里の長城の見学は到着した翌日であった。この建造物は当然ユネスコの世界遺産に登録されている。長城の建設は、古い時代に、北方異民族の侵入を阻止しようとした地方の権力者たちによって始められたが、中国全土を統一した秦の始皇帝(Shih Huangdi)(259-210 BC)が完成させたという。全長は6350kmという長大なものだ。現在は幾つかのポイントが観光客のために用意されている。われわれが訪れたのは八達嶺(はったつれい)というところ。北京市から1時間余で到着する。このポイントは人気があり、まるで原宿のような混雑ぶりである。ポイントから南北に整備された3500mの城壁の上を歩くことができる。急勾配と緩勾配のコースがあり、急勾配コースのほうが見晴らしがいい、というので、そちらを選んだ。しかし、もう若くない体にはきつく、500mほど行ったところでダウンし、give upした。それでもよい経験であった。よくこんな物を作ったものだと、中国人の根気強さに感心した。

京劇
次の日の夜、京劇の鑑賞に出掛けた。われわれが行った梨園劇場というのはそれほど豪華とは言えない劇場であった。劇が始まる30分ほど前に劇場に着いたが、入り口に近いところで俳優が独特の舞台化粧を観客に公開していた。有り難いサービスである。席に着くと、日本人にはイアフォーンが貸与され、日本語による解説と台詞の日本語訳が提供された。それに、舞台脇の電光掲示板には主な台詞の英訳が表示された。日本語訳をイアフォーンで聴きながら、掲示板の英訳を読んでみるのも面白かった。劇は例の孫悟空をfeatureした正味一時間ほどの喜劇で、storyが次第に盛り上がって行き、最後の場面は孫悟空とそれに敵対する勢力の大立ち回りとなる。日本のテレビで一部を見たことがあるが、実際の舞台はまさに迫力満点で、軽快な動きが実に楽しく、観客はそれに吸い込まれてしまう。大きな拍手が観客席からたびたび起こった。実にenthrallingなperformanceであった。中国人は軽業的な演技が得意なのであろう。例の有名な雑伎団(circus troupe)的な動きを思い出させた。

北京ダック
さて、最後は北京ダックである。ご承知とは思うが、この料理は、フライドチキンの鴨版ではない。高温の釜の中でこんがりと焼き上げた鴨の皮が中心である。肉は問題にならないのだ。この鴨皮の賞味の仕方が数種類紹介されたが、砂糖をまぶして食べるのには驚いた。とにかく、鴨皮を口に運んだときの皮の香ばしさとジューシーさは甚だ独特で、何とも例えようがない。と言っても小生のような味オンチにはその独特の食感があまりappreciateできなかったのは残念であった。北京ダックはグルメ向けの逸品と言うべきであろう。

オリンピック
さて、3泊4日の旅行は、嵐のように発展する中国をassessするにはあまりにも短い。ご存じのように、2008年に北京でオリンピックが開かれる。今そのための建設に大童である。市内至る所で、競技施設その他の建物の建設が進行している。それかあらぬか、市内の空気(大気)は必ずしも美味しいとは言えない。訪問したときは、一年の中でも最もよい観光シーズンと言われるときであったが、すがすがしさはあまり感じられなかった。街路樹も埃をかぶっているようだった。これには交通量の多さも一因であろう。車の走行は実にvigorousである。ガイドの話では、北京では、「歩行者優先」でもなく、「車優先」でもなく、「勇気優先」だとのこと。数年前に行った上海を思い出した。歩行者が高速道路を悠々と歩いたり、交通信号を無視して平気で道路を横断していた。北京でも、車を運転しながら、町の真ん中で、紙くずを路上に捨てる光景も目にした。ガイドに交通事故のことを聞くと、「恥ずかしいことですが、世界一です」という答えが返ってきた。車関係のマナーの改善が大きな問題であろう。

また、残念ながら、英語の普及度が甚だ低い。小生の泊まったホテルでも、若い従業員でさえなんとか英語が話せるのは甚だ少なかった。英語の普及度をもう少し高めて欲しい。ホテルのcheck-in/check-outや空港での手続きにも時間がかかりすぎる。これはことばだけの問題だけではなく、コンピュータ・システムの不完全さにもよるのであろう。check-out時に故のない飲み物の請求を受けた。 結局、 We did not eat or drink
anything in the refrigerator.と書類に書いて、無罪放免となった。オリンピックに向けての建設はなんとか間に合うであろうが、人々の意識の国際化も間に合わせて欲しいと思う。

友誼永在
嬉しかったのは、中国人の日本人対する態度である。数か月前、中国の各地で反日運動が高まった。今回の旅行中、何もなければよいが、と心配したが、それは杞憂であった。どこへ行っても、人々に明るく迎えられ、ほっとした。思いがけないところで、きれいな日本語で話しかけられた。その人たちの多くが、日本に行ったことはないが、語学学校やテレビで勉強している、という話であった。まさか一日中というわけではないと思うが、テレビで日本の番組が見られるのである。ある大きなレストランで、われわれ30人ほどが盛り上がって、かなり雑音を放出したが、周囲の中国人は、別に文句も言わずに明るく反応してくれた。宴会最後のグループ撮影では、近所のテーブルにいた一人の中国人がシャッターを押してくれた。日中友好はそれぞれの国にとって大きなプラスであるはずである。この関係をさらに発展させたいものである。
(荒磯、Oct 06)
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荒磯先生、ありがとうございました。

ところで、最近、仕事で中国と接触をもつひとが増えてきています。先週のセミナーでも、「中国人と英語でやり取りする機会が多いのですが、その英語がとても聞き取りにくく困っています」 といった質問がありました。来週火曜日に 「中国の英語」 についてお話します。

あっ、そうそう、3日前に紹介したテレビ番組、NHK の1チャンネル、日曜日の深夜(正式には月曜日)0:40 am からの Weekend Japanology、忘れずに録画してね。テーマは、「小泉八雲と日本の心」 です。

それじゃあ、みなさん
Have a GREAT weekend!