Hi, 松岡みーです。How are you?

一昨日の天声人語で、評論家の小田実氏が亡くなったことを知りました。みぽこの主人が学生時代に最も強く影響を受けた作家のひとりで、「英語の世界に行ってみよう」 と、漠然と将来の進路を決めるきっかけにもなった人生の先輩でした。

『何でも見てやろう』小田氏の代表作、『何でも見てやろう』 が世に出たのが1975年の7月。今から32年前で、みぽこの主人が大学4年生のときでした。当時購入したこの本は、引越しのたびに処分から生き残り、すっかり日焼けした姿で書棚の片隅にありました。

この本の書き出しを少しだけ紹介します。
______________________________

 ひとつ、アメリカへ行ってやろう、と私は思った。三年前の秋のことである。理由はしごく簡単であった。私はアメリカを見たくなったのである。要するにただそれだけのことであった。
 それ以外に言いようがない。先ず大上段にふりかぶって言えば、もっとも高度に発達した資本主義国、われわれの存亡がじかにそこに結びついている世界の二大強国の一つ、よかれあしかれ、われわれの文明が到達した、もしくは行きづまったその極限のかたち、いったいその社会がガタピシいっているとしたら、どの程度にガタピシなのか、確固としているなら、どのくらいにお家安泰なのであるか、それを一度しかとこの眼でたしかめてみたかった、とまあそんなふうに言えるであろう。アメリカについて考えるとき、あるいは議論するとき、実際、私は何か空虚な観念の空マワリみたいなものに悩まされていたのだった。
                      (小田実、『何でも見てやろう』 より)
______________________________

ご冥福をお祈りします。