2011年01月16日

店じまいってやつですか

「店じまいってやつですね」
…そうか。店じまいか。
それじゃあ椿屋四重奏という看板は下ろさなくちゃ……となるのね。

最初は白地に墨でそしてちょっとクセのあるあの文字で縦書きで「椿屋四重奏」と書いただけの看板だったのに、自分一人ででも背負って行こうと思ってた看板だったのに、いつの間にか縦書きが横書きになって、大きな夢や未来や過去や、それにたくさんの人の想い…色々な色がついてどんどん大きくなっちゃって。
それを更に高く掲げ続ける為には柱をもっと太くして支えなければならないのに、その一本は昨年早々に抜けちゃって、それでも残った三本で……と思っていたらそのうちの一本も抜けちゃうかもしれなくなって。
後の二本で支えるには重く大きくなりすぎた看板。
柱を継ぎ足して、入れ替えて続ける事も可能だったけど、それじゃあ、もう最初に志と共に掲げた「椿屋四重奏」じゃなくなってしまう……

きっと生半可な決心でそれが決まったのではないのだと思う。
だって椿屋四重奏が生半可なバンドではなかったと思うから。
だから、決めた瞬間からいかに綺麗に見事に店じまいするか、それに向けて全力で取り組んだんだろうな……。
このバンドとの長いとも短いとも言えないお付き合いの中で、この人たちの今までの言動を思い返すと、

「仕方ないや」

と納得しなければならないんだろう。
あまりにもあっさりとあっけない幕切れ。
鋭い刃物で目にも留まらぬスピードでスッパリと切り取られたような。
負わせる傷は一文字で。できるだけ痛みを感じないように。
それがやさしさだと信じて。
そんな美学を一番大切にしていたバンド……中田裕二だった。
最後の最後まで己の美学を貫いたその姿はエゴイスティックかもしれない。
でも椿屋四重奏のそれをこそ私は愛した。

思えば今まで私が書いた彼らを叱咤した記事はこの「美学」から外れてるじゃないか、という内容だったのかも……ならば今こそ「よくやった!」と褒めてあげなきゃならないのかもしれない…のか…?……うーん……

あーあ!
そもそも、私の方がいつ店じまいしようか、とずーっと悩んでいたんです。
なのに先を越されてしまって、ついに店じまいしそこなって取り残されて…格好悪いったらありゃしない(笑)


nn_403 at 15:21│Comments(0)TrackBack(0)clip!椿屋四重奏 

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