アメリカの医師 DAICHAN のブログより:

 

日本では、ハイリスクの産科医、外科医、麻酔医、救急医が減少しています。でもアメリカでは、FP(家庭医)GP(一般医)PED(小児科医)IM(内科医)が減少しています。

USA TODAYのアメリカの水曜日の朝の第1面に出ていてびっくりしました。この記事は、JAMAの記事をもとにしています。放射線科医の初任給の$350、 000(3500万円)に比べると新人の家庭医$130,000(1300万円)の差は約三倍です。ハイリスクハイリターンのアメリカです。家庭医には、2%しかならないという医学生の統計です。驚きまし た。医者も仁術でなく算術になってきました。
詳細は次をクリックhttp://daichan622.iza.ne.jp/blog/entry/715125
 

 

それに対して小生は次のようにコメントしました。


全米専門医の保険料は
高額に属する5万ドル以上の保険料を支払う医師の所属診療科の分布:34%脳神経外科医、25%心臓血管外科医、21%整形外科、20%産婦人科医・・などとなっている。
一方、低額に属する1万ドル~1.5万ドルを支払う診療科分布は
31%泌尿器科医、21%家庭医(FP=ファミリープラクティッショナー)15%一般医(GP=ジェネラルプラクティッショナー)などとなっていて、
ハイリスク、ローリスクの診療科が鮮明です。特に、産婦人科専門医の10人に1人は7万ドル以上支払っています。

筆者の同僚も、20数年間の医者時代に数件の訴訟を経験したが、全症例とも、勝訴はしたものの・・・
弁護士費用は成功報酬を含めて、平均数百万円だったが、もっとも辛かったのは、金銭的負担ではない。医者にとって何の意味もない仕事の合間を縫って奮闘すべき訴訟活動、それが最も辛かったと・・。医者にとって無意味な訴訟活動に全力を尽くさないといけないことほど、医者にとって辛いものはない。弁護士は素人だから、当事者の医者が(争点の底に潜む未知領域に隠れている原因の)医学的洞察力などに、能力を発揮できないと、医療ミスを犯していなくても、皮相な(浅はかな)法律論に負けることになる。

 
 

DAICHANの返事
nnanami2さん
確かに、アメリカでは民事訴訟は、頭痛の種です。私は、FPですが、4年間の研修医の時に、1000人の自然分娩300件の帝王切開の研修を受けましたが、カリフォルニア州の保険料は、1年1万5千ドルです。でもひとりでも分娩をすると、10倍の十五万ドルになるのでもう産科はやっていません。訴訟大国アメリカです。

私の義理の姉は、放射線科の医師で年収1億円ぐらいあり、有給休暇は年に2ヶ月です。でも私は、患者さんとお話をするのが好きなので、お金よりやりがいです。
アメリカでは、どんなに英語ができても、医療用語はわからない方が多く、すこしでも役にたてばうれしく思います。

同僚の方のように苦労している多くの医師を見ています。私が東部のフィラデルフィアで、指導教授が、数人の生活保護を受けている人たちにお金儲けのために訴訟を起こされ、精神的ストレスと医療訴訟保険料が上がりすぎ、医師を辞めました。

今、日本で法科大学院ができ、裁判員制度を始めています。将来の日本の医師の事が心配です。これから弁護士の数が増加して、医療訴訟が多くなると思います。そして日本では、医療過誤で刑事罰を適用でき逮捕されます。ついこの間、福島県立 大野病院の加藤医師の無罪が確定しましたがほんとうによっかたと思います。でも同じようなことがこれから多く起こると日本の医師は多く海外に逃亡するでしょう。そうならないようにするために医師を守る法律が必要です。

コメントありがとうございました。

 

七海:

アメリカのような医療訴訟大国では、突然降って沸いた病気や外傷の超高額の医療費が中産階級以下の家計を、ハリケーンさながら、と言っても大げさじゃないくらいに襲います。日本と比べ物にならない高額な医療費。

この医療費には膨大な医療訴訟保険料がなんと数十%も含まれています。

この膨大な費用の大半は、実は出来高払い弁護士の手元に行くのです。

医療事故には、確かに医師の過失もありますがそれ以上に、弁護士が多いことから彼等の扶養のために訴訟が多発しているという傾向は否定できません。

そのアメリカより、ずっと遥かに少ない日本でさえ、ハイリスクの診療科には既に医師がなりたがらなくなっているため、診療医がいないという著名な現象が出てまいりました。

 

この傾向の行き着く先は、明らかです。日本ではハイリスクの診療科もローリスクの診療科も保険点数が同じために、医師はみなローリスクに逃げるわけですから、それを是正するためには、ハイリスク科はハイリターン、ローリスク科はローリターンの診療報酬にならざるを得ません。

その結果、診療報酬は、最後にはアメリカと同じような超高額負担になることは論理的に明らかです。

医師を、強制的に何十%はハイリスク科何十%はローリスク科、などと決める合理的な方法は、唯一、診療報酬の ハイ / ロー リターン以外全くありません。

このことを、あえてナンセンスな例えで説明しますと・・・

医師になる前の卒業前とか医師国家試験の時に決めるとかしても、また、法律で決めようとしても、結局はその時点で、皆ローリスクに逃げることは明らかです。だれでも法律で科を決めれば済むことじゃないか、と簡単に思うことでしょうが、それでOKならそれに越したことは無いでしょうけど・・現実にも論理的にも不可能な訳なのです。

アメリカのような超高額医療費を避けるには?

特別悪質な症例以外は不起訴を前提にした専門の調停機関を作ることが、

僅か国民1人当り0.00008%以下(10年前の最高裁の発表=医療訴訟件数1年間に約1000件)の訴訟症例のために

医療社会全体が莫大な医療費になっていくのを防ぐベストな方法ではないでしょうか。