今日になって、突然私のタイブログへのアクセスがひどく増えたのは、勿論昨日勃発したクーデターのせいだ。
それで期待に応えようと、今回のクーデターの持つ意義、前回のクーデターとの違いと、同じ点 について書いていたのだが、突然 原因不明の氷つきで、アップデイトが出来なくなった。それどころか、データーも当然全て消えてしった。長時間をかけて書いてたのに・・クソッ!と思うと、無性に腹が立って 次いで阿保らしくなり『書くのはもう止め!』と決意したのだが・・・。

後で考え直して、要点だけを書くことにする。

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今回のクーデターの目的

タクシンの妹インラックは2年前の先の下院選挙で、圧倒的多数で勝利をおさめ、首相となった。しかし、それは中国人(客家=はっか)であるタクシンの編み出した、巧妙で汚い謀略を、インラックがタクシンの逃亡先からの指令に従って、忠実に実行した結果によるものであり、決して全国民の自然な意志の結果ではなかった。

今回のタクシン傀儡政権の誕生も、前回同様の謀略的な農民買収政略によっている。

ドバイに逃亡中(前回のクーデター後に汚職などの罪で懲役2年の実刑判決確定)のタクシンが少々綺麗な末妹インラックを首相しようと考えたが・・・
その目的の大きな一つは前回のクーデター後の王党派政権下の裁判所で下された実刑判決(汚職罪など)をインラック政権を誕生させ その下で、恩赦法によって無効し、タクシンが帰国できるようにすることであった。

その目的のため、タクシンはが初めて首相になった時に使った禁じ手を今回も使っただけではなく、今回は更に大胆かつ巧妙に、大規模に改良したものだった。それは一言でいうと、『タイ人口の過半を圧倒的多数で制する農民票の買収法』である。タクシンは自分の利益のために、ドバイや香港から、一生懸命、逐一指令を出して、インラックを動かし、演説させ、農民を感激させ、慟哭させた。インラックはこれらによって選挙戦を有利に勝ち進め遂に首相になることに成功したのである。

その買収法は皆さんもご存じのように、貢献党を政権党にしてくれたら、私ことインラックは首相になり、農民の毎月の収入を2倍にしてあげます、というものだ。その収入2倍化の方法は、なんと農民のコメを担保=質草にして、米1キロ当たり今までの2倍の金を貸し付けるというものだった。しかし、これは質屋の質草と同じであって、返さなくてもよいのだから・・結局は全国民の血税たる国庫の金で農民の収入を2倍にしたのと何ら変わらない。選挙中にまで振り返ると、インラックが訴えた収入2倍化政策は、何のことはない、まさに『国庫の金で全農民を買収した』のと変わらない。

その結果、今まで世界一のコメ輸出国だったタイは、コメの値段が高騰したので輸出が大幅に減り、タイの国庫は2兆円もの大赤字になった。しかも市中の物価は米、野菜、肉だけでなく衣類など生活必需品全般が大幅に高騰、このため、それまではユトリをもって暮らせていた中間層までが、生活苦に陥いるのではないかと真摯に心配し始めた。

王党派(上院議員、支配層、上流階級、中間層)はこのインラック政権を倒したい。しかしそれにはクーデターしかないlことは明らかであった。なぜなら農民票は絶対過半数を圧倒的に凌駕しているからだ。どんな手段を講じようが、何度 選挙をしようが、タクシン派は農民買収党なので必ず勝利してしまう。

そこで、王党派は憲法裁を使って、『米質草政策による農民への貸し付けを巡って多発した不正をインラックが怠慢により見逃した罪で首相(ほか8人の議員)を辞職させたあと、どうタクシン政権を潰そうかと考えた。

その結果は・・やはり軍のクーデターしかなかった。選挙による限り、タクシン派が必ず勝って政権党になるからだ。そこでクーデターを正当化するために王党派が考え出したのが、『ステープ元副首相による反政府デモを広大に組織⇒政府派の反独裁民主戦線の構成員(農民)を挑発する』、ということである。この挑発にまんまと引っかかったのが前記の反独裁民主戦線の農民のデモ隊だ。この結果、高速道路などからデモ隊にめがけて自動小銃弾、手投げ弾、迫撃弾が日常飛び交うようになった。

このタイミングで、国軍はクーデターを首尾よく勃発させて、遂にタクシン派政権(インラック政権だけでなくその後に期待された傀儡政権も)は完全に崩壊した。
後は、インラックら旧政権党を軍事政権がどう裁くかだ。インラックを遣っ付け過ぎると、タダでさえ王党派に憎悪を蓄積した農民の反発は、一気に暴発して、前回以上の内戦が、全国で起きやすい。

国軍のクーデターは数年毎に定例的に起こされてきたが、特に今回クーデターの意義は、以上のとおりだ。国軍は、欧米など世界の批判を避け、農民の激情を何とか沈め、タイ経済の大幅沈下を避けなければタイは大きなダメージを受ける。やがて誕生する軍事政権または暫定政権のお手並みが期待される。