友人の娘さんは某私立学校に新1年生の入学式のときから通っている。入学して2学期の終わり近くこの試験を受けた。テストは7段(各年齢域別に7段の項目群)に分かれていて、先ず最初は親がよく考えて記入するのだが・・・実に、タイに進出して来ている日系の学校のテストとしては極めて不適切なのだ。タイで育った一部の生徒に適用すれば、検査が不適切のため、知能が、まさにチンパンジー並みと言う結果になって・・・(笑)。


その訳を説明しよう。


1.


自分の子供の実年齢域の属する段階の項目群をチェックするのだが、各項目を自分の子供が出来ると思えば〇、出来ないと思えば×を入れるというものだ。もし連続して10項目、〇が付かないうちに×が付けば、年齢が1段回前の項目群の最後から、逆方向(年が小さくなる方向に)に検査を進め、連続10項目〇が付くまでこれを行う。この場合 それより前の項目、と これより前の各年齢段階の項目群は全部出来るものとみなすものだ。連続10項目〇がつかない内に×が付けば、さらに検査を逆に進めて 連続10項目〇が付くまで行う。ややこしい様だが・・実に簡単な原理だ。子供のいろんな発達段階をスケール化して、そのスケールのどの辺に位置するか、を見る検査である。

これとは別に KIDS という検査もある。これは様々な機能の発達状況を総合的に捉えようとする検査である。



2.


この社会能力検査は日本での使用を条件に作られており、タイには適合していない。と言うのは、子供にとって《一人で乗るのが極めて危険な》電車やバス、ましてや、自転車で、一人で乗れて目的地まで行ってこれるか?とか言う類の質問項目が何十となく出てくる点である。タイは子供の誘拐事件が相次いでおり、実際に、Wanted Missed Child !という、顔写真付の子供の捜索願が頻繁に掲示されているお国柄である。

一般の日本人の子息にとって、一人で電車などに乗るなどと言うのは 「子供を どうど誘拐してくれ」、と言っているも同然で、ましてや友人のような、(狙われる危険性があるゆえに、言いたくはないが、事実を言わないと 現実に苦労していることが分かって貰えないので言うのだが)友人のようなビリオネヤー(億万長者)の子供が電車に一人で乗ると言う事は危険極まりないことなのだ(予め調べた誰かが、後を付けて来ているかも知れない)


実際、こんな事件があった。
娘さんが入学する半年前に 友人はシンガポールの最有力銀行がINGを買収して作った某プライベート銀行のエグゼキュティブ・デイレクター(祖父母や親が在日韓国人)によって100万USドルを横領され、果ては仲間によって、バンコクのペッチャブリのムーカター(焼肉店)において、猛毒のメチルアルコールを洋酒に混ぜて飲まされて 殺され掛けた。これは、資産の全部を更に横領しよう、という陰謀事件であった。

清武英利 著=プライベートバンカー(講談社) が詳しく取材している。また インターネットにも事件の全貌が載っている。        http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49354



3.


一方、この学校では、子供の送迎、特に子供のお迎えは 厳重を極めており、手続きとして先ず1年ごとに発行される子供の写真つきのピックアップカードというものが絶対必要となる。また、迎えに行く人物も、さらに前記のカード以外に 保護者証 というものが絶対に必要である。いつもゲートの係官が見慣れた人でも顔パスは絶対に不可能だ。『いつも通ってるんだから、ね、イイでしょ』等ということは絶対通用しないのである。そばには警察署より派遣されている常勤のタイの警察官が睨んでいる。ゴネようものなら、直ぐこの警察官が顔を出す。もしカードを忘れた場合には、日本人の教職員の担当者がゲートまで来て、あらゆる事(子供の生年月日、学年、担任の先生の氏名、親の電話番号、住所など)を申告させて、間違いがないか、確認する。


なぜ こんなに厳重なのか。

いわずと知れたことだ・・・それだけ誘拐の危険性があるからだ。




4.


それなのに、このテストの項目に、こういう項目が沢山設けられている。

電車、バスを利用して 一人で 行って帰ってこれるか》とか《一人で自転車カナリ遠いところまで行って帰ってこれるか》とか《お金を貯めて 計画的に お店やさんで、ものを買って来れるか》とか。これに類する項目は非常に多い。いわく《初めての所でも地図を見て、一人で・・・》とか《知らない所でも一人で・・・》などなど。

これらの行動は 日本人の子にはタイにおいてはご法度で、極めてナンセンスな質問である

友人は1年生の末ごろ、担任を通じて学校当局にその点を指摘して、このテストは おかしいと問題を提起したが、未だにその回答が 無い状況だ。


友人の娘は 誘拐されないように絶対にバスや電車や、ましてや自転車なんかに乗らない。子供用に自転車は買っているが 親の自転車と一緒に、並んで公園とか近くを走るためである。父親は1年前までは 親機側で GPS信号で子供の位置がピンポイントで分かるマッチ箱程度の小さな器械を 子供の体に付けていた。いまは壊れて使っていないが・・。まぁ ピンポイントGPS発信機が無くても、この学校にいる限り、誘拐はない、と確信できたからであるが。


友人は繰り返し言った。このテストは、タイにおいては、タイで育った日本人の子供には全く向いていない、と。客観的に言って、このテストはそのような生徒には不適切である・・・と言うしかない。


5.


にも拘らず、友人の子供は無理に この検査を適用された結果、当時満7歳なのに、社会能力年齢が1歳半~と認定された。あなた、1歳半だよ,1歳半。
一方、親がこのテストを、(前記の一人で電車に乗るなどの危険な行動を、他の安全な行動に置き換えるなどして)柔軟に適用して採点した結果は 8歳から9歳であった。この結果は担任に預けたが全く無視された。)

この検査は 体のイイ、一種の知能検査とも言われているが、この式で行くと知能指数は20くらいしかないことになる。胎児の頃に先天的に能の発育が障害される気の毒なダウン症の子供(IQが平均5,60と言われている)より 遥かに重大な脳障害または欠陥があることになる。

冗談じゃない、
サル並みだ と友人は憤慨した。少なくとも当時はそう判定されたのだ。只でさえ友人は 『うちの娘は ある分野では実に見所がある、父親がチョイ考えても出来ないことが 出来ている(人形の寝床などで)。将来が楽しみだ』と言ってたのに・・。それがなんと1歳半!と言われたから、怒るのも無理はない。自尊心をこんなにも傷つけられたことはない、と、



 最初、担任クラスの先生(木島菜穂氏)がこのテストを行ったと考えて、(実際は、親が最初にやって、それを参考に学校側が本施行すると思われる)実にすさまじいほどの敵意を担任と学校側(第一教頭)に覚えたのものだ。その後、テストの結果も踏まえ、WISCと言う別の検査(この検査では平均を百とすると、7,80と、まあ、普通に近くなっていた)を勘案して、友人の娘は 特別支援学級(なかよし学級)に入れられたという。1年生の3学期の後半から、特別支援の先生である坂本勝彦教諭と第1教頭先生は友人と厳しい表情で対立していたのに、なぜか最後のころになると  急にニコニコし始めて、何かことある毎に ”最近良くがんばっていますよ、娘さんは、”などと言って喜ばしていたそうだ。

ところが蓋を開けてみると2年生になった途端、説明もなく、なかよし学級に入れたれたと言う。そして教頭と特別支援部長と担任の先生は そろって仲良く 日本に帰国していた。つまり、竹迫氏と坂本氏の
騙まし討ちに遭ったと言う・・いや、単なる騙し討ちと言えば嘘になる。というのは特別支援に入る前のホンの一瞬だったが、御歳45歳くらいの竹迫氏は 勝ち誇ったように、こう言った。 『貴方ね、もう話はこっちのペースでついとるんだわ。これにはPTAも日本企業の会員の方々の了解も既に貰っとるんでね。』





友人は、1歳半という判定結果を、第一教頭の竹迫先生が特別支援の坂本先生かまたは担任の木島菜穂先生と 組んで、ほにゃららをしたと 友人は腹立ち紛れに想像したと言う。
というのは、事あるごとに この二人(教頭と特別支援の先生)と友人は娘のことで対立していたからだ。

或る日など、他の先生がた二人が 教頭と友人の二人が娘さんのことで話している現場(=教職員室の直ぐそば)を 何か起きないか心配して(友人の声が大きいので)、取り囲まれた事もあると言う。もちろんその場は『私は、耳が悪いので、声が大きいだけ』と、白井克己先生らに説明すると、直ぐ理解してくれたそうだが。(註:友人は幼少時から両耳性の重症中耳炎で聴覚が酷く悪く、大学入学時の健康診断で35dbの感音性難聴と診断された(註;難聴で落とされたら気の毒だよね、と教授のお情けで合格に!)、歳を取ってからは更に悪くなり45dbも落ちる強度の難聴があり、そのせいで声が大きくなる傾向がある。


この第一教頭氏は タイ人の生徒との交流学習のときに 何故かこの友人の娘の行動だけを凝視していて、やれ、娘さんがタイ人の生徒に執拗に何かをおねだりして嫌がられていた、とか言うので、友人は『子達二人の会話はタイ語ですよね。教頭先生はタイ語の会話が分かるのですか』と反問したこともある。教頭は無論、短期赴任なので、タイ語はまったく分からない。

とにかく友人の娘さんだけを、目の仇にしているようなのだ。娘さんは とくに教頭の授業を受けることもなく、顔も会わせるせる事も滅多にないことから考えて、担任が あの子は何かと手が掛かる子です、などと相談して(言いつけて)いたのかなあ、と思うとのことだった。担任は御歳35歳くらいの ”未婚” のようだったと言う。


6  特別支援教室


ただ、特別支援学級に入ってみると、このクラスは非常に手厚く保護されており、その点は 申し分なかったそうだ。また、娘さんの生い立ちが保育所、幼稚園に通う年頃のとき、ちょうどプノンペンとジョホールバルで(医療ボランティアなどの関係で)暮らして居て、日本語環境の幼稚園などが全くなかったため いずれにも通ってはいなかった。こう言う事情もあって、友人の娘さんが普通クラスでの勉強環境に 直ちには適応できなかった、という背景もあった、という。


しかし、いずれにせよ、このテストは日本企業の短期の駐在さんの子息を想定して施行されており、日本から來タイしてきて、暫くしたら(通常2~3年。数ヶ月で帰国と言う例も)日本に帰国する、という生徒さんが主な検査対象なので、その場合、若干 かかる由々しき問題は矮小になる。まあ、若干、問題はあるが目立たない。



したがって、友人の娘さんのような、タイで育った日本人の子息には 100%適合しないのである。学校が、生徒が誘拐される危険性を考えて 送迎を極めて厳重にしていると言う中で、社会能力検査だけが、『一人で自転車に乗って遠くまで行って、帰って来れますか』、等という質問するのは そのような子供の親にとって極めてナンセンスなのである・・・・発達段階というスケール つまり 子供の発達程度が どの辺にあるか、を調べるものさし には そのような項目(ナンセンスな項目)が沢山あり、そのような項目で×が出る度に 発達のスケールを幼少へと遡る分けだから、友人の娘さんは こうして1歳半のサル並みの能力だと 判定されたのである。1歳半と書かれた検査済用紙を友人に渡したのは 確か・・・、

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私は友人に 『いい加減に 過去のイザコザは もう忘れろよ、お宅の一部思い違いもあるだろうし・・・・・お宅は若い頃から物忘れが良くあったからね・・・財布の入った大事なカバンを忘れてきたり、してさ』


そして私は明るい話題で友人を元気付けた。

『何よりも今 特別支援教室で 娘さんは段々芽が出て来てると言うじゃないか!』