2015年02月02日

ドリコム「StartupBoardingGate」の実態

弊社で昨年夏から半年ほどかけて開催したStartupBoardingGateに関していささか心外な記事が上がっていたのでひさしぶりにブログを。

そもそもこの手の記事に関してなんか書くことはしないのですが、自分で時間をかけてやっていた取り組みなことと、次回以降の開催を行うにあたり、もし誤った情報が出回るのは嫌なのでここで説明を。

記事内でこの取り組みの中身を推察する内容がありましたが、隠すつもりもなく、キックオフのイベント(不特定多数の方々を集めたイベント)でも今回のスキームを説明した上で応募していただいているのでここで掲載します。

スキームとしては
1.審査を通った学生の方々と一緒に資本金1万円で会社を共同設立。
  学生の方々の自己負担をできるかぎり下げるためにこの形に。
  その際に学生:ドリコム=86:14で設立し、その後100万円を貸付という形で提供
  もちろん、使った分を学生の方々から回収するつもりはなく、解散のタイミングで未回収金として処理予定

2.弊社からのサポートとしては
  ・毎週5ヵ月間僕と一緒プロダクトの企画をゼロから行いブラッシュアップしていく
  ・エンジニア、デザイナーのアドバイスサポート
  ・必要に応じて事業面でのテスト利用のサポート
  ・無償でオフィス提供
  ・バックオフィス機能の無償提供(法務、経理などや弁護士さん、弁理士さんへの相談も含め)
  ・あと弊社からではないですがAWSさんの協力を頂いてサーバー周りの環境も無料提供

という説明をした上で今回のプログラムに応募していただいています。
(そういう意味では1チームは上記の条件を検討した結果、僕たちとしては採択をしたいと思いましたが、本人たちから辞退したチームがあり、そのチームは何かあれば相談乗るよということで終わっています)

そのため、応募時には会社もなければ、プロダクトも何もありません。

できる限りプロダクトを産み出す環境とサポートにフォーカスしたプログラムです。


こういった形式をとったのはサイトにも書いていますが、今まで何度か学生向けのビジネスプランコンテストを開催したのですが課題として感じていたのが

1.あくまで企画書ベースの判断になるが、良いプロダクトがうまれるかどうかを企画書で判断するのが難しい
2.一緒にプロダクトをつくっていくぐらいまで入り込まないと学生だけでスタートアップが立ち上がるのはハードルがとても高い
3.結果ビジネスプランコンテストで入賞しました、みたいなチームは増えるけど、プロダクトが産まれてこない

またいくつかのVCさんと話していても会社もない、プロダクトもない段階では出資はほぼほぼ難しいとのことで、ビジネスプランコンテストとVCさんから出資を受けれるスタートアップになる間にあるミッシングリング的な場所を担えないかと考えています。


そのため、当時の取材記事でも書いていますが、この出資から儲けたいとかそういう意図はなく、もしキャピタルゲインのようなものが出ればそれは次のStartupBoardingGateの軍資金にする予定で、それまではずっと自社からの持ち出しの予定です。
ドリコム、学生向けインキュベーション開始でエコシステム作りへ TechCrunchさんの記事

StartupBoardingGateが担うエコシステム 当時僕が書いたブログ記事


もし、僕らのシェアが彼らの成長に課題になるようであれば柔軟に対応するつもりですし、
別にそこに何の固執もなく、良いプロダクトが産まれ、彼らが事業として拡大していけることに良い方にお手伝いしていきます。

学生たちを相手に低いバリエーションでシェアを取って小金を稼ぎたいというせこい考えで開催しているわけではありません。


僕たちがこういった取り組みをしている背景は会社のidentityとして、ミッションとして、with entertainmentを掲げ、その大きなテーマとして発明を生み続けるということがあります。
その一環としてこういった取り組みをしており、次回も開催したいと考えています。


最後になりますが、実際のdemodayの様子の一部が記事になっているのでそちらの紹介と開催してみた感想を少し書かせていただきたいと思います。
ドリコムのスタートアップ支援プログラムで見つけた面白そうなプロダクト

ドリコムアクセラレータープログラム「StartupBoardingGate」DemoDay開催


やってみた感想としては当初から今回の結果がどうあれ次回も開催するというつもりで開催しましたが、手ごたえも感じられたし、改善個所も見えてきたので次回はさらによい取り組みにしたいと考えています。

ただ、ある程度は想定していましたが、

・6チーム中大半のチームが審査当初とは違うサービスになった。
(毎週のように違うサービスのプランを出してくるチームとか(苦笑
・どこのチームも開発のスケジュールが全然予定通りに進まない。
・6チーム中2チームが内輪もめにより審査当初の代表が抜ける結果になった。

特に最後のやつは結構大変で、もうプログラムも終盤という段階で解散したいという相談があった時はきたかーという感じでした(苦笑

そのときに
「別にここで解散しても正直、僕は何も痛くも痒くもない。けど、皆さんにとっては違う。
一度逃げ癖がつくと、その後もいろいろな局面でそういう判断をするようになってしまうかもしれない。
DemoDay当日、資料1枚だって構わない。
それでも逃げずに頑張るというならできる限り応援するから再度どうしたいか考えてみて。」

という話をして、頑張りますという返事が来て、一緒にプランの見直しをして、DemoDayの当日、プロダクトとともに実績も含めてプレゼンしていたのを父兄参観の父親の気分でみていてやってよかったなと思った次第です。

毎週時間とって、日々も類似サービス調べたりとかして、メンター的なこともやって、いろいろ大変だったけど、そういったいろいろなヒューマンドラマがあって、DemoDayの後の打ち上げでは美味しいお酒が飲めました。

次回も美味しいお酒呑めるといいなと思っています。



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2014年07月08日

StartupBoardingGateが担うエコシステム

先週、StartupBoardingGateという取り組みを発表しました。
サイトはこちら
TechChrunchさんで取材を受けた記事はこちら


一言で言えば学生向けYコンビネータです。

取材や講演とかでも話してますが、僕は発明家になりたいな、というところから起業をするに至っています。
なのでドリコムという会社から新しい発明ともいえるサービスが産まれ続けるような会社にしたいと思っています。

一方で、TechChrunchさんの取材でも書いていたのですが、3年前にギランバレー症候群という病気になって当時は現場復帰できるのか?みたいな状況になり、自分が新しい発明を主導する組織から、発明が産まれ続ける仕組みをどう作るかというところに視点が移っていったことは今回の取り組みの背景としては大きいです。


StartupBoardingの成功

さらに、今回の取り組みの前段階として昨年、StartupBoardingという新卒採用の新しい取り組みを行いました。
これは新卒採用にStartupBoarding枠というのを設けて、この枠で採用された人たちは子会社を新設することを前提とし、1年間で100万DLいく新しいアプリの開発と黒字化を目標とした新しい採用の取り組みです。

結果、1年たち、目標を大きく上回る成果をだせたことは今回の取り組みを始めるにあたり、大きく背中を押してくれました。



学生だからとか関係ない


自分が学生時代に起業し、4年ぐらいで上場した経験からも学生だからできないとかは関係ないと思っています。それは自分が特殊ということではなく、昨年のStartupBoardingの取り組みでも大学を卒業したばかりのチームが目標達成したことからも強くそう思っています。
一方で、現在の日本のファイナンス環境だとまだまだ何もない学生(=サービスが結果を出している実績がない)が資金を調達するには厳しいと思います。
そこに対して資金提供の機会が作れたらいいなと。



学生に向けた起業機会提供の永続性ある仕組みの構築


今回、賞金という形でなく、出資という形をとったのは賞金という取り組みだと永続性の面で弱いからです。出資という形をとることで、いずれ出資した会社からキャピタルゲインが発生し、また次のStartupBoardingGateの資金になっていくというサイクルがいつか回り始めていくことを目指しています。
この手の取り組みは出資金だけではなく、場所代やイベントの告知費用、運営にかかる人件費などの諸費用はかなり掛かります。これが常に持ち出し、手弁当だと永続性が弱いため、赤字にはならない程度に資金が回り続ける仕組みを構築したいと思っています。
逆説的に言えばこの取り組みは会社のPL/BSという視点でキャピタルゲインを狙ったものではありません。



共に起業する仲間との出会いの場の提供

この取り組みが回り始めることで、意欲高い学生の方々に起業の資金の一部と背中を後押しする役割を果たせるのではないかということ、そして重要なのが一緒に活動する仲間を見つける場所の提供ができるのではと考えています。プログラムの4ヵ月間の間、広く学生の方々向けに何度か先輩経営者らを招いたイベントを開催する予定です。そこに参加する学生の方々とのマッチング機会を作ることで、このプログラムに参加したチームが仲間を見つけることができます。
これはビジネスプランコンテストではないため順位を決めたいわけでもなければ、最初に参加したチームで最後までやり続ける必要がないどころか、サービスの実現のために必要な人材は常時招き入れたほうがいいと思っています。そのため、そういった仲間を見つける機会の提供は重要です。



エコシステムの一部の役割を担えることとドリコムから発明が産まれ続けるエコシステム

目指すところは学生が起業をする機会と小さいながらも資金の提供の役割を果たし、その後、良いサービスを産み出せたチームは本格的に起業する資金をVCの方々から調達することができるようになっていけば、日本の起業環境において、そのエコシステムの一部の役割を担えるようになるし、ドリコムが目指している新しい発明が産まれ続けるエコシステムができあがっていけるのではないかと期待に胸をふくらましている次第です。




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2014年01月05日

Facebookが2010年にIPOしていたらLINEはシリコンバレーで生まれていたかもしれない?

年明け締め切りの社内向け資料の作成をしていて、
ふと昔に自分が書いた記事を読み返していた。

2009年、2010年の年始になんだか調子こいて業界予測の記事とかを書いていた。

2009年の業界予測記事
2010年の業界予測記事

まぁ、当たっていたものもそうでないものもあるわけなんだけど、ちょっと振り返って面白かったのが、2010年の年始に書いた、

Yahooのポータル時代⇒Googleのサーチ時代⇒Facebookのソーシャル時代の次は「リアル」だと。
そのリアルのKeyPlayerは2010年あたりにシリコンバレーで創業される会社だ!とか書いてていて、見事に外しているわけです。

結局、LINEをはじめとしたリアルな友人関係のコミュニケーションサービスが流行ったという意味ではあながち外れではないのですが、場所はシリコンバレーではなくアジアで、KAKAOが2010年、LINEが2011年、wechatも2011年。
(Whatsappは2009年で実は記事を書くより前に創業されている)

で、2010年の根拠がFacebookが上場するだろう年だと書いていて。
googleはY!が上場した年に創業、FacebookはGoogleが上場した年に創業。
結局、時代の寵児がIPOをし、人材が外に流出することで次の寵児が生まれるという構図がシリコンバレー。

そう考えると、なんでシリコンバレーじゃなくてアジアで、2010年じゃなくて2011年になってしまったのかな、と考えたら、Facebookが2010年に上場せずに、上場を引き延ばして2012年になったからじゃないかなと(笑)

その結果、優秀な人材がfacebookにとどまり、メッセージングサービスがアジアから生まれて世界でシェアを拡大している。

2009年には元Y!の社員たちでWhatsAppが創業され、2010年にはviberが創業されていたり、その芽はあった状況なので、もし、facebookが2010年にIPOをして、exFacebookの人材たちでメッセージングアプリがぽこぽこ生まれていたら、また違う世界だったのかなと。

業界における人材の流動は大事ですね。

まぁ、すべてはタラレバな話で、ミスリーディングなタイトルは正月ネタでご愛嬌ということで(笑)




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