立川談笑「ラクダ、ぼげゲェ」 立川談笑(YBCR-1005〜6)
昨日「シャブ浜」なども紹介した立川談笑のCD。挑戦的な改作落語とそのセンスはとても魅力的です。
ただこのCDでは決め手となるような出来の噺はなく、まだ発展途上といった印象。「イラサリマケー」と「シャブ浜」のほうが(あちらも完成されたウマさと言うにはまだまだですが)インパクトも面白さもあったなー。談笑の魅力を知りたければ、まず昨日紹介した二題をネットで落として聞いてもらったほうが良いデス。
・シシカバブ問答
こんにゃく問答を、ところはバグダッドに改作。途中に出てきた人のハプニングを除いても、出来は若干乗りきらないかな。
・金明竹
からっきしのバカでなく、与太郎なりにからかったり考えたりして、そこから噺にギャグを付け加えようと工夫している。ちょっとまだ具体的にどこ、というのは分からないのだがもう少し良くなれば、与太郎の人格も重層的に表現されて、元の単純な笑いに多彩な厚みが出そうな予感はある。
・河内山宗俊
新作だが古い時代を語る。言い立てや啖呵もふんだんに入っているし、ストーリー的にも非常に魅力ある噺になっているが、いかんせん談笑のしゃべりの技量が追いついていなくて、言い立ての内容がなかなか入ってこないよ〜。
解説にもそのことを本人も自覚していることを書いていますが。
・時そば
これが四つの噺の中では一番こなれているかな。さえないそば屋のギャグを死んだおっかさんのブラック系にまとめているのはなかなか面白かった。