helloukawa先日の丹後フェスにあわせて、スワロウカフェがつくった冊子『Hello!Ukawa!〜宇川で今、おきていること』をネットでもご覧いただけるように、アップしました。

私たちが、これまで宇川に通い、さまざまな方と出会い、お話を伺うなかで、知ったことを、わかりやすくまとめました。宇川がどういうところなのか、米軍基地建設についてどんな問題があるのか、そして宇川への行き方(おすすめのレストランやお店の紹介も)など、はじめての方に読んでいただける内容となっています。

ぜひ、さまざまなところでご活用ください。そして、広めて下さい。

よろしくお願いします。

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『Hello!Ukawa!〜宇川で今、おきていること〜』
(スワロウカフェ作成、2014年8月30日発行)


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宇川ってどんなところ?
 京丹後市丹後町宇川地区は、京都府北部の丹後半島の北端にある静かな土地です。日本海に面し、大陸と日本との「海の玄関」とも言われてきました。人口は約1600人。農業と漁業中心の生活が今も続いています。宇川はかつて「陸の孤島」と呼ばれていたように、10年前に6町が合併してできた京丹後市にあってその中心から離れた場所にあります。高齢化と過疎化が進み、「限界集落という言葉のほうが実感に近い」という住民の方の言葉が重く響く場所でもあります。
 しかし、宇川にはたくさんの魅力があります。

宇川のたからもの
 宇川地区の目の前に広がる海は新鮮なカニや魚のとれる豊かな漁場となり、そこから続く丘の上では独特の地形を活かした「袖志の棚田」(「日本の棚田100選」認定)でお米が作られています。また、京都府レッドデータブック登録の大規模な海食洞「穴文殊」上に建つ清涼山九品寺は「もんじゅさん」と呼ばれ、地域の信仰を集めています。そして、近畿最北端の経ヶ岬(きょうがみさき)が絶滅危惧種・ハヤブサの生息地となるほか、クマタカや大陸からの渡り鳥もやってくる野鳥の宝庫でもあり、山からの清流・宇川はアユで有名です。海・川・山がつながり絶妙なバランスから成る生態系と、長い年月をかけて密接に折り合い営まれてきた地域の暮らしは、かけがえのないものです。この地域一帯の自然・文化・歴史的な価値が認められ、「山陰海岸ジオパーク」にも認定されています。

近畿地方初の米軍基地建設計画と宇川
 2013年2月、安倍首相とオバマ大統領との首脳会談において、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射を念頭においた弾道ミサイル防衛協力を進める目的で、日本国内に新たに米軍の早期警戒レーダー・Xバンドレーダー(TPY-2レーダー)を配備することが合意されました。その候補地になったのが、宇川にある航空自衛隊経ヶ岬分屯基地でした(なお、この計画が発表される前に、日本政府から京都府や京丹後市、もちろん住民に対して、何の説明も意見交換もありませんでした)。
 マスメディア・京都府や京丹後市は「レーダー配備」と表現することが多いのですが、その実態は近畿地方初の米軍専用基地の建設です。
 国は既存の自衛隊基地に隣接する民有地約4haを借り上げ、米軍基地を新たに建設すると発表したのです。そして、米軍人・軍属約160名の駐在も予定されています。

なぜ宇川に米軍基地が建設されることになったの?
 まず何よりも、日本海に面し、レーダー設置に適した土地が既存の自衛隊基地の中にあったということが言えるかもしれません。また、歴史を遡れば、1942年に日本海軍監視所の設置、敗戦後の48年には米軍レーダー基地が建設されるなど、軍隊とかかわりのある土地であったことも指摘できるかもしれません。また、宇川から東へ向かえば、巨大な自衛隊の軍港のある舞鶴があり、ここでは米軍との共同演習も続けられてきました。このような歴史をふまえると、たとえ小さな基地であってもその存在があると、さらに新たな基地・軍隊を招き寄せていくことが分かります。
 宇川から車で10分のところにある碇高原牧場がオスプレイの訓練場になるのではないか、といった噂も聞きます。
 また、東アジアでの軍事的緊張をあおりつづけている日本政府の姿勢が、米軍・早期警戒レーダーの設置を招き入れてしまっているという構図も明らかだと思います。

TPY-2レーダー(Xバンドレーダー)とは・・・
 Xバンドと呼ばれる周波数帯の電磁波を使い、1000km先の10cm以下の物体も識別するとされるレーダーです。青森県つがる市車力に続いて、日本で2ヶ所目の配備となります。「敵国」からの弾道ミサイルを探知して、イージス艦や地上からの迎撃ミサイルで撃ち落とすミサイル防衛システムの一部を担っています。防衛省は「日本の防衛のため」と説明しますが、実際にはアメリカ本土やグァム・ハワイの米軍基地を守るためのものだと言われています。それどころか、米軍の先制攻撃に報復するミサイルを無力化する役割を果たすとされ、もはや防衛のためのものですらありません。日米が積極的に戦争をしかけやすくなる土台を作るものであり、それ自体が脅威となり、東アジアの軍事的緊張をさらに高めることになるます。
 また、現代の戦争においては、レーダーが決定的な役割を果たしており、レーダーの誘導なしにはどんな兵器も性能を発揮できません。イラク戦争で米軍自身が真っ先に破壊したように、戦争ではレーダーがいちばんの攻撃対象となります。レーダー基地が標的になるのではないかという周辺住民の不安の声が相次いでいます。
 このようなミサイル防衛が進めば、それを打ち破る攻撃へ行きが新たに開発され、さらにその兵器を迎撃するミサイルが開発される、というイタチごっこが続き、結局終わりのない軍拡競争につながることも懸念されます。

人々はカヤの外・・・〜住民への「約束」は何一つ守られていません〜
 京都府・山田啓二知事と京丹後市・中山泰市長は住民の過半数以上の反対の声を押し切り、2013年9月19日に正式に米軍基地建設の受け入れ協力を表明しました。
 受け入れ表明後、早期の説明会開催を住民側は要求したのですが、実際に行われたのは7ヶ月後でした。説明会の度に防衛省に住民の「安心・安全の確保」の具体的な策を要求してきましたが、「大丈夫です。米軍にきちんと伝えておきます」とうやむやな回答しかもらえず、その約束は果たされることはありませんでした。
 米軍基地受け入れの表明後、防衛省は地権者との土地交渉を進め、土地の確保を急ぎました。建設を始めてしまい、既成事実を作ってしまおうという国の卑怯なやり方が丸見えです。

米軍基地建設は問題がいっぱい!!

◎人体、動物、環境への影響は?
 宇川は青く澄み渡る海に囲まれた自然豊かな場所で、漁業も盛んに行われています。ですが今回設置されるXバンドレーダーが発する電波が人々の健康、動植物、海、魚にどのような影響を及ぼすのか、いまだにわかっていません。防衛省は「なんら影響はない」の一点張りです。米軍基地建設前に住民側が調査を依頼していましたが、軍事っ機密という理由で公表はされていません。

◎歴史的文化遺産、自然遺産の破壊?!
 日本に建設される米軍基地については「日本環境管理基準」というものがあり、「歴史的、文化的遺産に影響を与えてはいけない」とあります。宇川地区の有する貴重な文化・自然遺産が基地建設によって破壊されるのではないかとの懸念の声が多数上がっていたにも関わらず、防衛省は米軍に言われるがまま計画を進めました。
 違法行為を犯してまで建設を進めるのは、おかしな話ではないでしょうか?

◎治安の問題は大丈夫??
 米軍は日米地位協定による特権を持っていて、沖縄等の米軍基地を抱える地域では米軍人・軍属による事件・事故が起っても、泣き寝入りさせられるケースがほとんどです。宇川でも万が一、事故など起きたら、同じことが起こるのではないでしょうか。(もちろん、京都市内でも同じです。)
 住民の方々は、警察に頼れるのか、自分たちを守ってくれるものはあるのか、と不安を募らせています。

キチとカネ

 米軍基地建設の見返りとして、国の基地再編交付金が京丹後市に支払われることになっており、総額は明らかにされていませんが、10年で約40億円と見込まれます。京丹後市は人口6万人、年間予算は300億円ですから、交付金は決して大きくはありません。
 その対象事業として、国道178号線などの整備、防犯灯の設置、体育館の改修、小中学校のパソコンの整備、農水路整備などの案が出ていますが、これらは米軍基地建設と引き換えにしか行えないものなのかという疑問がわきます。
 また、基地建設にあたっての土地の賃貸借契約にあたっては、国は年間借り上げ料を1反(10×100m)30万円に設定しました。ちなみに、京都市内・大原では約2万円が相場です。破格の価格に見えますが、実態は1反に満たない小さな用地を持つ地権者がほとんどのため、宇川の方々からは、はした金で先祖代々の土地を渡さなければならなかったという声が上がっています。この契約にあたっては、防衛省職員らが一軒一軒地権者を訪問し、さまざまな圧力をかけていました。

宇川は今・・・
 「米軍基地建設を憂う宇川有志の会(憂う会)」の呼びかけで、地権者がおられる尾和・袖志区と、自衛隊官舎をのぞいて宇川地区の有権者の過半数を超える561筆の米軍基地反対署名が集まりました。表だって「反対」の声を上げられない地域の中で、とても重い意味を持つ署名です。「憂う会」では再三、京丹後市・京都府・防衛省に対して、「建設ありきではなく、まず納得のいく説明をしてほしい。地元住民の安心・安全を守ってほしい」と申し入れてきましたが、その思いを無視する形で2014年5月27日早朝に工事着工が強行されてしまいました。「あんなものは必要ない」「あまりにもやり方がひどい」という住民の生の声が届かないまま、現在工事は着々と進行し、かつての田畑は掘りおこされ、穴文殊の岩盤も大きく破壊されてしまっています。「予定地外のクロマツは残す。周辺環境に十分配慮する」と言っていた防衛省の説明は、何一つ守られていません。
 そのような一方で、地権者の方が契約を拒否された土地を「憂う会」が借り受けた「穴文殊平和菜園」では豆が豊かに育っています。工事現場ゲート前に集まって抗議する人たちもいます。いろんなカタチで「米軍基地はいやだ。平和なふるさとを守りたい。」という声が表現されています。

みなさん、関心を!!
 現在、安倍政権の下では特定秘密保護法が成立し、集団的自衛権の行使が解釈改憲で容認されるなど、戦争できる国作りが着々と進められています。そして今この時も、沖縄県の辺野古や高江などでは新たな米軍基地の建設工事が、住民たちの反対を無視し強行されています。宇川でも米軍基地建設はこのような一連の流れに位置付けられるもので、これは京都だけでなく日本全体の問題でもあります。
 なにより、日本海に向けられた軍事レーダーが宇川にできてしまうことは、京都が、かつての侵略戦争の惨禍を再び引き起こすことにもなりかねない、戦争の最前線となるかもしれないことを意味しているのです。
 みなさん、どうか宇川に関心をお寄せ下さい。文殊さんへ「お参り」に来てみて下さい。
 そして、嫌なことには嫌だと、ぜひ一緒に声をあげましょう!!

宇川・穴文殊への行き方MAP
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もっと知るために・・・参考になるサイトのご紹介

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「米軍基地建設反対!」の意思表示をするには・・・意見の送り先一覧(国・京都府・防衛省など)
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