2006年12月03日

クリスマスハウスのサンタクロース

928cd2ff.jpgクリスマスハウスを終えて一年が過ぎた。岩国の街で生まれ育ち、17年の歳月を過ごして幕を下ろしたのだった。

木造三階建て、白亜の洋館が全館、クリスマスに埋め尽くされる様は、今思えば飛んでもない非日常だ。住宅地にひっそりと佇むロケーションも、なぜか思いを駆りたたせる。顧みると寂寞の念が湧き出てくる。

毎年のようにメディアの方々が採り上げてくださった通り、クリスマスハウスにあったグッズの数は、数千点に及んだ。最後の一年には惜しまれる思いから、大勢のみなさんが来られ、大半の物が売れてしまったけれども、それでもまだ多くの品物が残っていた。

さて、これを如何に処すか。

商いの法則に従えば、残った在庫は現金化する事が望ましい。半額バーゲンでもやって叩き売るか、あるいは一括格安で売り渡すか──しかし、ちょっと待て──クリスマスハウスへ足を運んでくださった方々が、思い出を一杯に詰め込んで買って行かれた品物と同等のモノだ。17年間の数千人の思い出を叩き売る事など、決して出来るもんか。

どこか、幼稚園か保育園か、喜んでくださる所を探そう。そしてクリスマスハウス17年間の恩返しとして、潔くプレゼントしよう。こういうのを慈善事業と云うのか知れぬけれども、心底そんな気持ちになった。

間もなく行き先が見つかった。合併した後の岩国市には5つの知的障害者の施設があるという。聞けば施設は殺風景な場所で、クリスマスを楽しむようなモノは久しく無いらしい。そして彼らは、社会貢献活動の一環として、岩国駅前の清掃奉仕をしてくださっているのだ。

5つの施設なら、充分に分かち合える品物がある。この際、施設の建物がクリスマスハウスに変身するほどのプレゼントを、私がサンタクロースに扮して運ぼうではないか!

ふじたサンタと名乗って17年。クリスマスハウスを終えた翌年のクリスマスに、いよいよ本当のサンタクロースになるのである。

嗚呼、愉快!

参考:読売新聞・岩柳かわら版(06.12.02)  
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2005年12月29日

クリスマスハウス最後の住人

a5feea74.jpg未だ稼働しているライブカメラの画像を通してお分かりのように、クリスマスハウス最終回の後、館内の整理に日々を費やしています。飾りを外し、棚を移動させるのですが、それでもそこかしこにはクリスマスハウスの跡が残っています。

仲間のみんな贈ってくれた「赤いカーディガン」の額縁も、まもなくここへ飾られる事でしょう。

「赤いカーディガン」は今年のクリスマスに、私の素晴らしい二十余人の仲間が、17年間の区切りに労いのパーティを企ててくださったとき、みんなから頂いたもの。仲間の次ぎに大切な私の宝物です。そう、クリスマスハウスで毎年のように着用していた、あの腕抜き付きの赤いニット

そんな今のクリスマスハウス館内は、さすがにちょっと殺風景。思いの部分と仕事の部分が交錯する、私にとってはとても幻想的な空間です。

ほとんどのクリスマスを片付けたかな──そう思って館内を見渡すと、たった一個だけ──たった一人だけのサンタクロースがヒモにぶら下がっていました。

彼がクリスマスハウスの最後の住人。(おつかれさまでした)


さて、それでは、この「BLOGクリスマスハウス」もそろそろ終了です。
続きはいつもの「BLOG foujias」でお楽しみくださいね。
メリー・・・賀正!(笑)  
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2005年12月26日

最終回の最終日

クリスマスハウスをおしまいにする──。

もしかすると誰もが考えた事も無かったのかも知れません。クリスマスイヴにYAB放送さんがクリスマスハウスから生中継をしたおり、アナウンサーの永岡さん(とても愉快な優しい方です)が、そんな事を話していらっしゃいました。

『クリスマスが近づいて、何気なくクリスマスハウスのホームページを見たら最終回。この時期になったら、岩国のそこにあって当たり前と思っていただけに...』という感じです。

そこでプロデューサー氏と相談して、今回「クリスマスハウス17年の軌跡」のようなVTRを編集しの放送の中で紹介したい、と話されました。それはクリスマスハウスの生い立ちから過渡期の姿、ピークを迎えた時代を過ごし、ファイナル年となった今年の小倉ブランチの様子まで、とても分かり易くクリスマスハウスの足跡を辿ったものでした。

生放送の中では、私の思いの丈をカメラに向かってお話しする一齣まで作ってくださり、まったく有り難く嬉しく感じた24日の「DO-YO-DA!!」生中継でした。

放送終了の直後、番組宛てに「ふじたサン、17年間ありがとう」と書かれたFAXが入電したと聞かされ、もう感無量。放送中に聞かされたら、ホロリときていたかも知れません。

そうして迎えた、本当の最終日。この日は例年なら、とっても平和なクリスマスハウスです。

ところが今年はどうでしょう。名残を惜しんでくださる大勢の方々が引きも切らず次々と。「無くなるんなら3年分を買っておかなくちゃ」や「ここへ来た記念に」とおっしゃり、棚の品物は見る見るうちに...。

『ああ、やめてしまうなんて悪いことをしちゃったかなぁ』なんて心の中で思ったり。

そんなこんなの夕刻、クリスマスハウスの相棒、旗振りサンタ君(カイデザインを主宰)は、小倉ブランチの撤収のために彼の地へ向けてクルマで出立。クリスマスハウスの幕は私が引くことにしていました。

残すところ30分。7時の閉店後は私も小倉入りです。日も沈み、お客様も途絶えてひっそりとした時間。昼頃に届いた大きな箱を開けると、とても綺麗な花が入っていました。取引先の担当の女の子が贈ってくださったメッセージと花でした。(ひゃー!)

すると、バタバタと階段を上がってこられる音。『はて、お客様かな...』と小さな緊張を走らせ入り口を見ると、なんと花束を持ったご家族が笑顔で飛び込んで来られたではありませんか!(びっくりー!!)

続いて、上のエントランスからも花束を抱えた女性がちょっと恥ずかしそうに、けれども最高の笑顔を添えて...(ビックリ、ビックリー!!)

写真を撮ったり、ブルーサンタをいただいた事やら思い出話し、これからの未来を語ったり。それはもう、お花だらけの中で優しさに溢れたクリスマスハウスの最後でした。

そんなみなさんが帰られた本当の最後。クリスマスハウスの音を止め、少し照明を落とし、いつもの閉店の準備を完了。しかし今日という日は、私は、もう一つしなければならない仕事がありました。

私は、緑色のドアの前にハシゴを立て、「CHRISTMASHOUSE」の文字を象った看板を外して渡しました。

それを下で受け取ってくれたのは、いまから17年前──日が暮れてお客様も途絶えた閉店間際、ランドセルを背負ってちょっと恥ずかしそうに、けれども可愛らしい笑顔を添えて入って来られた小学生の女の子、その人でした。

私は、クリスマスハウスをやって良かった。999  
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2005年12月21日

21(水)本日定休日

クリスマスハウス本店は水曜日で、きょうはお休みです。

アミュプラザ内の小倉ブランチは通常通り営業しています。

どうぞ、よろしくお願いします。m(__)m  
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2005年12月19日

雪だるま君

9776bf93.jpgびっくりするほど降り積もった雪の朝。クリスマスハウスをオープンさせるも、まずは入り口の雪かき。10センチもある雪を板でかいて端へ寄せていたのですが、ふと遊び心が。

『これだけの新雪なら可愛い雪だるま君ができるだろうなぁ』

年甲斐もなく雪に手を突っ込み、ごろごろ、ペタペタ。なかなか立派な雪だるま君ができました。

帽子はお店の商品容器を、眉と口は乾電池の細いやつで、目はツリーの幹のキャップで、それぞれ上手くできたのだけれど、はて、何が足りない?

手ですね。ちょうど良い案配の小枝が見つからず困っていたところ、あった、あった。トナカイを象ったプランターが置いてあるじゃないですか。

古くなって弛んだ左右の角を拝借。ついでにリースの飾りも付いています。『こりゃあ、イイ!』

というワケで完成した雪だるま君でした。それから気温が下がらず、いまだクリスマスハウスのエントランスに座っています。寒いですね〜、今日も。
ところで角を貸してくれたトナカイ君は、気が付くと、なんだか山羊のようになってしまいました。ま、優しそうに見えるから、いっか。(笑)
9776bf93.jpg  
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