こないだの「被災地で何が求められるかという話」の続きだが、やっぱり送るならお金ではないか、という意見が散見される。

これ、本当にお金でいいのかなぁ、というのを立ち止まって考える必要があるんじゃないだろうか。そもそもお金が役に立つのは、経済活動が通常通り行なわれているという前提の話でしょ? いや、今のハイチの状況がというわけではなく、被災地全般の話なのだけど、少なくともお金が役に立つのは、貨幣経済が成立している状態での話なのですよ。そもそも金で買う「もの」がない状態の場合、金は役に立たないんじゃないか。

あと、そのお金は誰が運んで、どうやって分配するのだろうか。たぶん、状況がもっと安定したあと、先方の政府に寄付されるんじゃないかな。ダイレクトに現地で配ったりはしないでしょう。だって行き届かない場合、不公平すぎるもの。ということは、お金はすぐに必要なものじゃない、ということじゃないのか。

お金を送ること、そして物資を送ることにも、僕がちょっと抵抗があるのは、ずっと前に24時間テレビの仕事をしたことがあるからかもしれない。もう20年ぐらい前の話になるのだけど、当時アフリカに取材に行ってきたディレクターが、今自分がやっている仕事にものすごく疑問を持っていて。

というのも、現地に届けた物資を元に現地役人がものすごい利権構造を形成していて、闇で高値で売り飛ばすとか、テレビカメラの前では難民に渡すけど、カメラクルーが帰った後取り返してるとか、ものすごい惨状になってる現実を見てきたわけだ。そして、自分が信じてやってきたことは一体なんだったのかと。

いやもう20年も前の話なんで、未だにそんなことにはなってないとは思うけど、こういう無政府状態に近い状況下で、無償の富の分配というのは大変に難しい。公務員や地元警察、軍が正しく機能しているとは限らないからね…。

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