最近の若者はモノを買わないとかで、あちこちでいろんな人がいろんな分析をしているようである。

昔に比べて若者の収入が相対的に下がっているからだ、というが、それが一般論になるだろうか。昔だって貧乏な若者はいくらでも居た。俺なんて初任給が6万9千円で、1ヶ月160時間ぐらい残業してようやく手取りが12〜13万円とか、24歳までそんな生活だった。

どちらかといえば、今のほうが若くして事業に成功して金持ちになった人が多いのではないかと思う。昔は20代で起業できるような産業が乏しかったから、若くして金を持っているやつは、親が金持ちとか、最初から差が付いていたものである。

今の若者はお金を使わないというが、それはたぶん、使っているところが昔とは違うのだろうと思う。昔はケータイやインターネットなどなかったので、通信費がほとんどなかった。

昔の若者が何か新しいことをしたい、おもしろい体験がしたいと思ったら、何か物理物を購入するしかなかった。たとえば音楽をやりたければ、自前で楽器を買ったり録音機材を買ったりするしかない。そしてそれらのモノは、安い中国製などが存在せず由緒正しいMade in JapanとかMade in USAだったので、今よりもずっと高かった。

楽しみは、モノで埋めるしかなかった時代だったのである。だが今は、楽しみはサービスが埋めるようになった。多くのモノはデジタル化したことで価格が下がり、中国がいくらでも安いモノを作り、ソフトウェア化できるものはほとんど無料に近い金額で楽しめる。高いモノを買う必要がなくなった時代なのだから、消費が少ないのは当たり前である。

現代の若者の多くの楽しみは、ネットの中にある。通信費を基本インフラとして生活費の中に計上してしまうと、純粋な消費が見えてこない。さらにケータイなどは、基本的にはローンを組んで10万円近い買い物をしているのと同じなのだが、それが見えにくい形になっている。ネットだって高速回線を引いていれば、回線費とプロバイダ料で年間6万円ぐらいは払っているはずである。

たぶん消費をしないという人たちは、ローンを組んで車や家を買っていた時代と比較しているのだろう。昔のステータスは、いい車やいい住まいだったりしたので、お金で買えた。しかし今のステータスは、Twitterのフォロワー数とかマイミク数とかなのかもしれないではないか。それらは、お金ではいかんともしがたい。

そういう意味では、ステータスの質も変わってきたといえる。昔のステータスはお金に換算することが可能だったが、今のステータスは換金不能な価値であるのかもしれない。

貨幣経済から見れば今の若者はモノを買うお金がなくてかわいそうに見えるのかもしれないが、そこに幸せを見いだしていないのだからしょうがない。その実昔の若者だって、モノをたくさん買わざるを得なかったばかりにたくさんの借金を背負って、給料が安いからなかなか返せなくて、それなりにかわいそうだった。

誰も言ってくれないが、若者とはいつもその時代の平均と比べれば、大抵はかわいそうなものなんじゃなかろうか。

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