Q.2:米欧、中国と互していく日本人を育てるためには、英語や金融とともにICTを使いこなす教育をすべきではないか。

A:当然である。
すでに文科省の学習指導要領では、小中学校の各科目の中に情報リテラシー教育を盛り込む方針が前倒しで実施されようとしているが、問題がある。

それは、学校の先生自身がほとんど、ネットやケータイを使ったコミュニケーションからは隔絶された世界に生きているということである。学校に居る限り、携帯を使うチャンスはなく、スタンドアロンのパソコンですら技術系の先生に頼りっぱなしという現実がある。このような現状では、担任や各科の教師が日常的に授業で情報リテラシーに関して指導するのは、無理である。

これを解決するための方策として、まず学校の事務処理全般を早急にIT化するべきである。校内に無線LANを配備し、出席簿や成績処理など日常的に発生する業務からIT化を行ない、教員が日常的にPCなり携帯なりPDAなりに触る必要がある環境を生み出すことが重要である。

もちろんトラブルは想定されるが、それを解決することでスキルが向上するというのは、PCおよびネットワークの基本的な学習方法であり、先生も失敗し、学んで常に成長する姿を生徒に示すことも重要である。これは、これまでの学校教育ではなかった方法論であり、現場の抵抗も大きいと思うが、一足飛びに全教員が授業にPCを活用するなどといった絵に描いた餅よりも現実的であろうと考える。

実際に学校事務をすべてIT化したある小学校では、その学校に赴任することを嫌がる先生が多いと聞く。しかしいったんそのやり方を覚えてしまうと、今度は他校に赴任することを嫌がるのだという。それだけ、授業に関わる準備や事務作業には、手作業が多く残っているということである。

放課後の部活動にも先生がなかなか参加できないような状況は不幸であり、先生と生徒の信頼関係を築く上でも、これは重要なポイントを占めると思われる。

小学校の子供たちへの教育で懸念されるのは、日本語の入力環境である。現在の情報教育では、小学校低学年からすでに日本語入力の実習が行なわれているが、その頃はまだローマ字の学習が済んでいないため、どうしてもかな入力が中心となってしまう。

しかしながら世界を舞台に考えたとき、かなキーボードでしか文字が入力できない人材を育成しても無駄である。ローマ字による子音、母音の入力方法は、言語学的にも合理性が高く、日本語のひらがな学習とともに教育しても、齟齬はないと考える。子供たちには早いうちに、ローマ字、かな、それぞれの入力を選択できる機会を与えるべきである。

しかしながら、キーボードというものが、今後いつまで文字入力に使われるのかという懸念もある。インターネットユーザー協会が行なった調査では、すでに中学1年の段階で、携帯電話所持者の6割以上が、手で書くよりも携帯で文字を入力したほうが早いまたは楽だと答えている。

日本語の文字入力の方法については、市場原理に任せるべきであると考える一方で、教育現場での指導に関してはもっとも合理性が高く、しかも長く実用に耐えるメソッドを選択する必要があると思われる。